カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

第二十八夜・ピヨの未来

2017-07-12 19:34:46 | 百人一首と色名で百物語
たかあきで『折らばや折らむ』と『鳥の子色』を使って創作してください。

 縁日で買ったヒヨコをピヨと名付けて飼うことにしたら、母さんはいい顔をしなかったが父さんは一度体験しておくのも良いだろうと許してくれた。どうせすぐ死んでしまうと言われ続けたふわふわで小さかったピヨは、やがて白くて凶暴な雄鶏に成長し、早朝から大声で鳴いたり庭に入り込んだ猫や鴉に喧嘩を売るようになって近所から何件も苦情が来た。結局、どうしようも無くなった僕は父さんの言う通りに飼料を一袋付けて田舎の親戚にピヨを譲ったが、その後の父さんは僕がピヨの消息について尋ねても言葉を濁すばかりだ。

コメント    この記事についてブログを書く
« 第二十七夜・戻らない夏 | トップ | 第二十九夜・葡萄棚のある光景 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。