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カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

ナイト・カーニバル

2016-04-22 19:47:49 | 依頼です、物書きさん。
ある意味とても真面目すぎる不良と異常に人目を気にするチンピラ、彼らが織成す封鎖された遊園地からの脱出劇

 無人の遊園地を歩いてみたいという理由から閉園後の園内にこっそり侵入したら、何かヤバそうな連中がヤバそうな取引をしている現場に出くわし、いち早く気づいた一人に早く逃げろと言われたが他の連中に気付かれて園内を股に掛けた壮絶な追いかけっこが始まった。やがて、実は囮捜査員だった男の仲間達が突入して来てヤバそうな連中は全員逮捕され、何とか命を賭けた追いかけっこは終わったが、俺は当然のように捜査員全員から物凄く怒られた。
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笑って欲しいだけなのに

2016-04-21 20:32:44 | 依頼です、物書きさん。
泣き虫な男と全力で捨て身の笑いを狙ってくる美女が段々おかしくなっていく話

 バナナの皮で滑って転ぶのは駄目だったし、金ダライ直撃もウケなかった。私は死なないと車に突っ込んだ時は警察沙汰になりかけた上に他人の顔をされた。もうどうしたら彼に笑って貰えるのかが判らないと相談してきた友人に、私は真顔で『今すぐ彼から離れて遠くに引っ越し、全く新しい生活を始めなさい』と一応の忠告だけは促した。
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灰になるまで

2016-04-20 21:52:24 | 依頼です、物書きさん。
ある一人以外を忘れた記憶喪失のホストと勤務時居眠り常習者のホステスが、期間限定の相棒(或いは共犯)になる話

 他人の運命に関わる厄介さは嫌と言うほど良く知って来たので、一見華やかな職場に渦巻く有象無象は極力見えない、聞こえないを貫くことにしている。が、己が何者かすら忘れて漂いながら、それでもただ一人に対する強烈な感情だけは消えなかったらしい彼の『ただ一人』が妹を死に追いやった敵であると知った私は、彼と共に今度こそ復讐に向けて行動を起こすと決めた。
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人間の一番外側は見た目

2016-04-19 18:45:39 | 依頼です、物書きさん。
恥ずかしがり屋のスポーツ少年と健康的でいやに行動力のあるニートが救い、救われる話

 人が沢山居るのが嫌だという理由で早朝の町を散歩するようにしていたら、ジャージと言うよりはモロに体操服姿の学生が走りながら挨拶してきた。翌日から同じ時間に顔を合わせることが増えたので何となく話を聞いていると、真面目なのは良いが融通が効かず、遊びも洒落っ気も知らないまま周囲から浮いているようだったので、少し前まで俺が着ていたスポーツブランドのジャージを渡して意識改革から始めることにした。
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乱れ染めにし

2016-04-18 00:12:33 | 依頼です、物書きさん。
 天才少年と呼ばれる彼は、それ故に幼い身でありながら余人の理解出来ない苦悩を薬で抑えなければいけなかった。だから私は薬を処方する傍ら彼がなるべくストレスを感じない環境で暮らせるように、具体的にはリアルタイムの情報からほぼ遮断してみた。やがて彼は世界と上手くやっていく方法を見付けたと言って退院していったが、今は元気に暮らしているらしい。
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ある午後の出来事

2016-04-17 23:37:30 | 依頼です、物書きさん。
 どうでもいいような理由で死のうと決心して、公園でフリーフォールの練習をしていたバスケ少年の連続シュート回数で死に方を決めようとしたのに全く入る気配がない。頭に来たので少年からボールを奪ってシュートを決めたら尊敬のまなざしと共に指導を乞われ、仕方なく教えているうちに本来の目的を忘れた気がするけどまあいいか。
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再会

2016-04-17 23:35:46 | 依頼です、物書きさん。
 子供の頃に轢き逃げされ、捕まった犯人の家庭が崩壊したトラウマからどうしても免許を取れず、結局移動手段は公共の電車やバスが主となった僕も、社会人になると必要に迫られてタクシーを使う事が増えた。そんなある日、貴方が私の運転するタクシーに乗るのをずっと待っていましたと笑顔で振り向いたのは、あの日の轢き逃げ犯人だった。
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栄光なき勲章

2016-04-17 23:32:24 | 依頼です、物書きさん。
 ご主人は僕と散歩する時によく大きな駅伝で走りたいと言っていた。でも、今は選手に選ばれる程の実力が無いから地道なトレーニングを重ねるのだと。やがて大学を卒業するまでマラソン選手としての芽が出なかったご主人は、大学生最最後の春休みに僕を連れて、誰にも気付かれないまま降りしきる桜吹雪の中を駆け抜け、駅伝のコースを完走した。
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道化師の時間

2016-04-12 21:13:08 | 依頼です、物書きさん。
 いつものように公園でジャグリングの練習をしていたら、いつの間にか訳の分からない空間に移動していて、そこにいた女の子がさも当然のようにボクに芸を要求してきた。取りあえずジャグリングをやって見せると散々な駄目出しを食らい、悔しいので駄目出しされた部分を丁寧に潰していったら、やがてマシになったと言われ、気がつくと元の場所に戻っていて既に日が暮れていた。あの子が何者なのかは判らないが、きっと淋しかったのだろう。
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テディベア・シンドロ-ム

2016-04-12 21:07:05 | 依頼です、物書きさん。
器物破損常習者の研究者と金髪碧眼の幼子、彼らの「初恋」の物語

 普段は非常に優秀だが、苛々すると周囲のモノに当たり散らすという悪癖を持つ研究員の度重なる破壊活動に疲れはてたスタッフが、思いあまって熊のぬいぐるみを身代わりに渡すと、意外に気に入ったのかそれから常に持ち歩いてストレス解消用アイテムにするようになった。そんなある日、いつものように投げ飛ばしたぬいぐるみが研究員の家族、まだ八歳になったばかりの可愛らしい女の子の前に飛んで行き、結果として碌でもない年の差ロマンスが生まれた。
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