たまには紀行文なんかも
いいんじゃないかなあ…と考え、
試験的に書いてみました。
好評ならシリーズ化したいと思います。
2008年2月9日(土)
鉄道アイドル木村裕子さんと出会う
秋田内陸線お座敷雪見号の旅
~木村裕子バレンタイン列車~
秋田内陸縦貫鉄道が運営する秋田内陸線は、
北秋田市の鷹巣駅と仙北市の角館駅を結ぶ路線で、
近年は乗客数の減少で厳しい経営が続いている。
しかし、存続を切望する
秋田内陸線サポーターの
熱烈なバックアップと、沿線地域から秋田内陸線を
より強力にサポートしていこうという組織、
秋田内陸線エリアネットワークが立ち上げられたこともあり、
今や114万人の秋田県民と全国の鉄道ファンの注目を集める、
実に熱い熱い鉄道路線となったのである。
内陸線の説明はこれくらいにして、
本題に入るとしよう。
集合時間は11時30分。
内陸線の鷹巣駅前にスタッフがいたので、
名前を告げて受付を済ませる。
地元新聞の記者が取材に来ていて、
スタッフと参加者から話を聞いていた。
三連休ということもあり、
名古屋など遠方からの客も多い。
参加者は熱心な鉄道ヲタクと、
団体旅行のおばさんに大きく二分された。
私は鉄道好きだがヲタクじゃないし、
この中間グループといったところ。
定員の40名を上回る応募があったそうで、
人気は上々のようだ。
集合時間が過ぎ、
一般の乗客が改札を出たのを確認してから、
我々はホームへ誘導された。
鉄ヲタは早速、車両の撮影に夢中になっている。
この雪見号は2両編成で、
後方が一般客車両、前方が貸切のお座敷車両である。
車両の先頭に回ってみると、
ゲストの
鉄道アイドル・木村裕子さんの
顔写真入りのヘッドマークが備え付けられていた。
座席は片側が4人、
もう片側が2人座れるお座敷スタイル。
なかなか風情があるものだ。
掘りごたつみたいになってるので、
靴を脱いで足を下ろしててもいいし、
座敷に上がりあぐらをかいてもいい。
これはかなりリラックスできる。
と、のんびりしてたらいきなり電車が出発。
外の風景を見ながら、まったりした時間を過ごす。
雪景色はうんざりするほど見てるので
とりわけ新鮮さは感じないが、
他県から来た人なら楽しめるかもしれない。
阿仁合駅に近づいたところで、
内陸線サポーター代表の大穂耕一郎さんがあいさつ。
車内のモニターでPR用DVDを流し、
内陸線について簡単な紹介を行う。
阿仁前田駅で
逆方向の電車の待ち合わせのため一時停車。
このあたりは昨夏の集中豪雨で、
家屋の屋根まですっぽり飲まれてしまったらしい。
ケガの功名とも言うべきか、
阿仁前田駅舎にある温泉はそれ以来、
掛け流しで営業できるようになったそうだ。
ホームに滑り込んだ電車について
大穂さんが解説をしようとしたら、
鉄ヲタの一人が先に「“急行もりよし”ですね」。
あなどれん、鉄道ヲタク!
沿線にまつわる逸話などを聞きながら、
1時間ちょっとで阿仁合駅に到着。
参加者は一度、全員駅舎の方へ移動する。
駅舎の前で、マタギの格好をした男性と、
クマのぬいぐるみが出迎えてくれた。
ここで阿仁合駅からの参加者も合流。
5000円の参加料金を支払い、
それと引き換えに首から掛ける領収証とバッジ、
杉の木で作った乗車証明書をもらった。
証明書には木村さんの直筆サイン
らしきものもマジックで書かれていた。
用を足して、みやげ物などを見ていたら、
駅員から乗車OKの合図が出る。
ホームに向かうと、既に木村さんが待機していた。
ここからちょっとした撮影タイム。
木村さんはおなじみの赤い駅員の衣装。
ミニスカに黒のブーツがチャーミングだ。
敬礼のポーズをキメて撮影タイムは終了。
参加者全員で記念写真を撮ってから、
電車に乗り込んだ。
領収証に書いてある数字が
席の指定番号になっているようで、
私は2人掛けの席に
東京から来た男性と向かい合って座った。
お座敷列車は角館に向かって出発。
車内では昼のお弁当が渡される。
木村さんもお手伝いをしていたが、
弁当の箱に記された「きむら」という
お店の名前を発見して大はしゃぎ。
あったかいペットボトルのお茶も配られた。
ボルテージの上がってきた木村さんは、
カラオケでセカンドシングルの
『私のマルス操るのはキミだけ』を熱唱。
ヲタたちが負けじとコールで応え、
電車はアキバのイベント会場さながらに。
おばさんたちはポカーンとしながらも、
懸命にタイミングのずれた手拍子をする。
木村さんは席を回って参加者にあいさつした後、
内陸線エリアネットワーク会長の
大森光信さん(マタギの格好の人)とともに、
フリートークを繰り広げる。
我々はそれを聞きながらお弁当を食べた。
てんぷらやナス田楽、すき焼きと、
おかずはボリュームたっぷりで味もいい。
米は大森さんの実家で作ったものらしい。
フリートークの内容は、
鉄道と内陸線に対する二人の思いが中心。
木村さんは存続の危機にある内陸線について、
「人間がせっかく作った鉄道を、
人間の手でなくしちゃうのは悲しい。
壊したりしないでぜひとも残してほしい」
といった主旨の持論を力強く主張した。
お弁当を食べ終わるころになると、
木村さんが車内販売の売り子を買って出た。
特急電車の売り子をやっていた
経験があるだけになかなか手慣れたものだ。
車内アナウンスのものまねも板についてる。
私はホットの缶コーヒーを購入した。
続いて、木村さんはデビュー曲の
『鉄ヲタだって人間だぁ!』を歌う。
またしても鉄ヲタの熱い声援が飛び交い、
最後の指差しポーズもバッチリ決まった。
ここで再び大穂さんが登場。
「内陸線の存続にご協力を!」と呼びかける。
車両を洗う機械を購入したので、
洗浄体験イベントの開催も予定しているとのことだ。
終点の角館駅も近づいてきた。
「みなさん、この列車の名前はわかりますよね?」と、
前フリをする木村さん。
そう、「バレンタイン列車」ということで、
木村さんから全員にチョコレートが手渡しされた。
到着までまだまだ時間があったため、
木村さんは再度『マルス』と『鉄ヲタ』を絶唱。
そんなこんなで多少のゴタゴタはあったものの、
無事に終点の角館駅に到着した。
楽しかった旅はこれにて終了。
ここで解散となる。
それでは、個人的な感想を二三。
木村さんはテレビでしか見たことがなかったが、
非常に元気がよくて、機転の利く子だと思った。
得意分野をフルに活かした
鉄ドルとしてこれからもがんばってほしい。
応援してます!
内陸線は他の季節にも乗ってみたいと思う。
今度はもっとゆっくりのんびりと、
外の景色をただただボーッと眺めていたい。
これは一つの提案だが、
毎回こうした有名ゲストを呼ばなくても、
地元の秋田美人の女性をガイド役にして
月に1回くらいお座敷列車を走らせたら、
意外と集客できるのではないだろうか?
鷹巣駅に戻ったスタッフのみなさん。
どうもお疲れさまでした。
とても楽しい一日でした。
また機会があれば、
内陸線に乗りたいと思います。
※内陸線サポーターの掲示板に
掲載された写真を転載させていただきました。
関係者の方、問題がある場合はご一報ください。
押すなよ!絶対に押すなよ!←上島竜平の体で