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朝日新聞は自滅の道を行く  “シーチン”修一 2.0

2022-04-19 04:56:43 | 日記
朝日新聞は自滅の道を行く
“シーチン”修一 2.0


【雀庵の「大戦序章」30/通算462 2022/4/19/火】内憂外患。戦時の直前や初期には国内世論は参戦派(関与派)と反戦派(日和見派)に分かれるようである。第2次大戦前のドイツではナチスと共産主義勢力の対立が凄まじかった。ほとんど殺し合い、凄惨である。


米国では「欧州の戦争に関わるな」という世論が圧倒していた。その反戦派の象徴は「翼よ!あれが巴里の灯だ」で有名なリンドバーグだった。米大統領のFDRルーズベルトは小生の見立てではアカで、彼はソ連をナチス・ドイツから救うために(さらに米国を赤化するために)開戦を欲していた。日本を窮地に追い込んで一発目を撃たせることで国内世論を一気に参戦へ向かわせた(公文書は未だに非公開)。


パールハーバーで死んだ4000人は生贄。そういう冷酷なことを平気でするのが共産主義者であることは肝に銘じておいた方がいい。古人曰く「アカは呼吸するように嘘をつく」、名言である。


峯村健司氏がブログを開設した。https://note.com/kenji_minemura
2022/4/7「朝日新聞社による不公正な処分についての見解」を読むと、事件の核心は「核共有」を巡る推進派と、それを阻止したい中露北寄りらしい反対派の“暗闘”だったようだ。以下、転載する。


<4月13日付けで朝日新聞社から停職1カ月の処分を受けます。元々、4月20日の退職が決まっていたため、実質的には1週間の停職となります。


私は、最大の政治トピックの一つになっているニュークリアシェアリング(核共有)について、重大な誤報記事が掲載されそうな事態を偶然知り、それを未然に防ぐべく尽力し、幸いにして、そのような誤報は回避されました。


朝日新聞社は、そのような私の行為について、「特定の個人や勢力のために取材・報道をしてはならず」「取材先と一体化することがあってはならず」といった社内で定めた朝日新聞記者行動基準に反するとして、「停職1ヵ月」の処分をくだしたものです。ご心配をおかけした皆様に今回の経緯を詳しく説明いたします。


【経緯】事の発端は、3月9日、安倍晋三議員が週刊ダイヤモンドの記者(以下、「A記者」)から独占インタビューを受けた際、A記者がニュークリアシェアリング(核共有)について重大な誤認を前提としたような質問がなされたことに始まります。


私は、中国問題をはじめとした安全保障分野の知見があることから、かねがね政府高官らから相談を受けることがあり、安倍氏にも外交・安全保障について議員会館で定期的にレクチャーをさせていただいていました。安倍氏が首相特使としてマレーシアに向かう前日の3月9日も、ロシアによるウクライナ侵攻など最近の国際情勢について説明をしていました。


その際、安倍氏から「先ほど週刊ダイヤモンドから取材を受けた。ニュークリアシェアリング(核兵器の共有)についてのインタビューを受けたのだが、酷い事実誤認に基づく質問があり、誤報になることを心配している」と相談を受けました。A記者からは、ニュークリアシェアリングについて、「拡大抑止と概念的に同じ」「日本と韓国による拡大抑止」といった発言のほか、あたかも中国と北朝鮮がニュークリアシェアリングしているともとれるような誤認をしたままの質問がなされていたそうです。


安倍氏からA記者の名刺が提示されました。私はA氏とは約2年前からの知り合いで、今年1月には、A氏のインタビューを受けてダイヤモンド誌に掲載されています。昨年12月の段階では朝日新聞を辞職する意向を伝えており、辞職後には同誌への執筆と書籍の出版を相談していた程の仲でした。なお、A氏は外交・安全保障を専門分野とする記者ではなく、ニュークリアシェアリングについての正確な知識がないことも想像できるものでした。


そして、安倍氏からは「明日朝から海外出張するので、ニュークリアシェアリングの部分のファクトチェックをしてもらえるとありがたい」と言われました。安倍氏との面談後、安倍事務所の秘書からも「A記者から3月13日までに修正をしてほしいといわれた。しかし、明日から代議士が出張に行くので、確認が確約できない、と伝えたが、『紙面に穴を開けるわけにはいかないから掲載を強行する場合もある』と言われ、対応に困っている」と相談されました。


私はひとりのジャーナリストとして、また、ひとりの日本人として、国論を二分するニュークリアシェアリングについて、とんでもない記事が出てしまっては、国民に対する重大な誤報となりますし、国際的にも日本の信用が失墜しかねないことを非常に危惧しました。また、ジャーナリストにとって誤報を防ぐことが最も重要なことであり、今、現実に誤報を食い止めることができるのは自分しかいない、という使命感も感じました。この時、私の頭によぎったのが、朝日新聞による慰安婦報道です。誤った証言に基づいた報道が国内外に広まり、結果として日本の国益を大きく損なった誤報でした。


私は3月10日、A記者に電話をして、事実確認を徹底するように助言をしました。A記者からは「安倍氏に取材したのをどうして知っているのか」「ゲラをチェックするというのは編集権の侵害だ」などと強く反発されましたが、私も重大な誤報を回避する使命感をもって、粘り強く説得しました。「全ての顧問を引き受けている」と言ったのも、安倍氏から事実確認を依頼されていることを理解してもらうためでした。


A氏は私にはゲラの開示等は拒みましたが、後で知ったこととしては、A記者はその後安倍氏側と事実関係の確認し、誤認を正したうえ、3月26日付けの同誌に無事に掲載されました。


【処分の不当性】6日付けの処罰通知書によると、私は、朝日新聞記者行動基準の「特定の個人や勢力のために取材・報道をしない」「取材先と一体化することがあってはならない」という部分に違反したということです。


百歩譲って、安倍氏が私の取材先であったり、あるいは、取材先であったりするのであれば、形式的にはそのような基準に抵触するともいえるかもしれません。


しかしながら、私は今日に至るまで、一回も政治部に所属したり政治取材に関わったりしたことはなく、安倍氏に対して取材や報道はもちろん、やりとりをメモ書きにしたことすらもありません。また、私はこの時点ですでに、朝日新聞側には辞意を伝えており、将来的に取材先となる可能性もありません。


ちなみに、私は、安倍氏から過去にいかなる金銭等も受領していません。安倍氏からは完全に独立した第三者として専門的知見を頼りにされ助言する関係であったのであり、「一体化」したようなものではありません。また、朝日新聞社は「政治家と一体化して他メディアの編集活動に介入した」と指摘していますが、政治家の不祥事や批判記事に介入したわけではなく、ジャーナリストとして致命的な誤報を阻止しようと行動しました。


なお、「取材先との一体化」については、2020年5月、朝日新聞東京本社に勤務する男性社員が、緊急事態宣言下に、東京高検検事長(黒川弘務)とマージャンをしていた問題を受けて、改定されたものです。この社員は緊急事態宣言下において、計4回、金銭を賭けてマージャンしていました(これは犯罪行為です)。この社員は東京社会部の司法担当記者だった2000年ごろ、黒川氏と取材を通じて知り合っています。当該規定は、まさに、このような取材先と不適切な関係をもつ場合に適用されるべきものです。


当然、私は、会社の取り調べに対しても、以上のような経緯を詳しく、一貫して誠意をもって説明してきました。しかし、ゼネラルマネージャー補佐らは、私の説明について耳を傾けようとせず、当初から「処分ありき」の姿勢でした。


私は北京特派員時代、中国当局に25回拘束され、取り調べを受けてきました。最長で9時間にわたって強引な尋問を受けたこともありました。しかし、今回の朝日新聞による取り調べは、愛する会社からの仕打ちという意味で、強権国家の警察当局の取り調べをもある種で上回る精神的苦痛を感じるものでした。朝日新聞を愛して入社した私として、残念でなりません。


【転職先への妨害行為】さらには、ゼネラルマネージャー補佐は、本件処分がくだされる前にもかかわらず、私の複数の転職先に処分を事前に通告していたことが判明しています。転職妨害の強い意図を感じ、恐怖にすら思っています。


【終わりに】・・・朝日新聞社に健全な経営体質へと改革していただくためにも、今回の処分の不当性については法的にも明らかにしてまいりたいと思っております>


朝日はしっかりと前を向いて歩んでいくのだろう、中露北と立民、日共などのアカに殉じて「自滅の道」をノーリターン。悪あがきの第一歩が峯村記者の追放のようだが、社内外には当然、峯村支持派がいるだろうから戦前の「信濃毎日新聞」みたいな“外圧、内紛、粛清”のドタバタになるかもしれない。楽しみだ。


なお、今回から小生のブログのタイトル周辺を検索しやすいように少しシンプルにしました。また峯村氏に刺激を受けてnoteに「雀庵の「大戦序章」危機の時代」を開設、内容は同じですが、広宣流布を進めていこうと思っています。
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雀庵の「大戦序章/29)産経・三井美奈氏が大化けした」

2022-04-18 14:55:20 | 日記
雀庵の「大戦序章/29)産経・三井美奈氏が大化けした」
“シーチン”修一 2.0


【Anne G. of Red Gables/461 2022/4/18/月】精神医学者・福島章著「犯罪心理学入門」を時々読んでいる。小生は鬱病なので悪化したり心神耗弱になるのを恐れているからだ。昨日は「異常性格と精神病質」の項を読んだ。引用すると――


<性格の偏りが著しい人々を「異常性格」と呼ぶ。異常に意志の強い人、異常に自信の強い人、異常に感情の鋭敏な人など、場面や用い方によっては有用で貴重な資質も含まれている。


芸術や科学の天才、政治的リーダー、教祖などの多くは、この意味では異常性格の定義に一致する。つまり異常性格者には良い人も悪い人もいるわけで、価値判断は別である。


異常性格者のうち「その異常性のために自身が悩むか、あるいは社会が悩まさるような人々を『精神病質者』という」シュナイダーの説がある。これには異常性格は上位概念、精神病質は下位概念という価値判断が加わっている。もっとも、いくら他人や社会を悩ませる人であっても、性格の著しい偏りによるものでなければ精神病質とは言えない。


シュナイダーは精神病質者を10の類型に分けた。【主に他者を悩ます類型】1)意志欠如者、2)発揚者、3)自己顕示者、4)爆発者、5)情性欠如者、6)狂信者、【主に自ら悩ます類型】7)気分易変者、8)自信欠如者、9)抑鬱者、10)無力者>


犯罪者の多くは、いくつかの異常性格類型の特徴を備えているそうだが、小生は2)発揚者、3)自己顕示者、9)抑鬱者あたりのようだ。精神科看護婦のカミサンが何も言わないから、まあ「軽度」だろう。


プーチンは典型的な2)発揚者のよう。同書によれば「気分がいつも爽快・明朗で、行動は活動的、元気であるが、多少は軽率で激しやすい。人格のバランスがとれている場合には有能な政治家、実業家、リーダーなどと評価されることもあるが、知性や自己抑制に欠けて多血質な面が表に現れると、すぐ興奮してトラブルを起こしたり、暴力に訴えたりする。係争人とも言う」。


彼は4)爆発者でもある。「2種類あり、刺激型:興奮するとすぐに暴力に訴える。小暴力犯罪が多い。興奮型:不快感が鬱積して、ある時突然大爆発を起こす。殺人、傷害致死などの重大犯罪になりやすい。犯行が計画的、徹底的なためである」。


3)自己顕示者でもある。「自分を実際より良く見せようと見栄を張り、嘘をつき、目立つような行動に憂き身をやつす。欺瞞者、空想者、空想虚言者など」。


5)情性欠如者でもある。「同情、哀れみ、羞恥、後悔、良心といった、人間に固有の、人を人たらしめる感情的能力を欠くか、乏しい。他者の苦痛、運命、不幸に鈍感なだけでなく、自己の危険、苦痛、未来に対して無関心、あるいは想像力が欠けている。彼らは凶悪、残忍、重大な行為を平然と、何の感動もなく、人間的感情によるブレーキもなしに行う。これに爆発性、抑制欠如性、自己顕示性などが加わると、恐るべき凶悪犯罪者の像が完成する」・・・


狂人プーチンは今日もウクライナで殺戮を重ねている。欧米日などのリベラル≒アカは日頃から人権やら平和を叫んでいるくせに、プーチンの侵略、殺人に対しては「フグリ戦略」、即ち「協力すれど介入せず」。汗もかかない、血も流さない、口先だけの「自由民主人権法治」、おまけに恥も知らない。実に汚い遣り口だ。それが「自由民主」なら強権独裁国家を非難する資格があるのか、それが男か?!


と、罵声を浴びせたいが、そう単純にはいかないのが国家であり、政治なのだろう。夏彦翁曰く「正義はやがて国を亡ぼす」。海千山千の国際社会では国益重視が最優先であり、狡猾でないと国家が保てないのだ。難しい話である。


歴史は戦争が創ってきたと言えるが、人間も戦争という試練の中で鍛えられるようである。記者もまた有事になると大きく成長するようだ。小生は産経パリ支局の三井美奈氏を「おフランスが大好きなマドモアゼル・・・カッコつけてやがらー」と軽視していたが、ロシアのウクライナ侵略以来、彼女は大変身、カナリアが隼「ファルコン」になったようでびっくりした。


<三井美奈(みつい みな、1967年 - )は、日本のジャーナリスト。読売新聞社パリ支局長等を経て(現在は)産経新聞社パリ支局長。
奈良県生まれ。1989年一橋大学社会学部卒業、読売新聞社入社。1998年ブリュッセル支局特派員。2006年エルサレム支局長。ハーバード大学日米関係プログラム客員研究員、国際部デスクを経て、2011年パリ支局長。2015年国際部デスク。2016年産経新聞社入社、外信部編集委員。2017年パリ支局長>(WIKI)


まずは三井美奈氏の「東欧が『反戦』を嫌う理由」産経2022/3/29を読んでくだされ。


<「あなたの考えは『平和主義者』のたわ言ですよ」
ウクライナの隣国で、取材先からこんな言葉を浴びた。相手は、ポーランド国際問題研究所のロレンツ・ボイチェフ研究員(52)だ。


私の質問は「一刻も早い停戦を優先すべきではないか」というものだった。ボイチェフさんは「何も分かっていない」と言わんばかりに、停戦と「真の平和」の違いを語った。


筆者が住むフランスには、「人命第一。どんな手段を使っても、攻撃をやめさせろ」という議論がある。ウクライナヘの大量の武器支援は戦闘を激化し、犠牲を増やすという人もいる。だが、ボイチェフさんは「そんな西欧の厭戦気分を、ロシアは常に利用してきた。侵略を追認させるために、です」と訴えた。


ロシアに交渉で攻撃停止を求めれば、必ず「それなら、こちらの要求をのめ」と言ってくる。それは、ウクライナにおける親露派の政府樹立だったり、武装解除だったりするだろう。ボイチェフさんは、それは真の平和ではないという。


第二次世界大戦後、東欧諸国は旧ソ連の支配下に置かれた。「ソ連がすべて正しい」という歴史観を押し付けられ、絶対忠誠を誓う共産主義政党が政権を握った。学校で、子供はロシア語をたたき込まれた。


ボイチェフさんは「私はその世代です」と言った。戦争をしない代償として、国民はソ連に心まで支配された。1989年、ポーランドでそんな体制が崩壊したとき、彼は20歳だった。


ワルシャワ郊外で、ウクライナ難民の支援活動をするミハル・ベグレビチさん(41)はそのとき9歳だった。父親は、非合法だった自主管理労組「連帯」の活動家。ベグレビチさんが生まれたとき、反体制派として投獄されていた。


「自由の中で育った人は『平和を』と簡単に言う。だが、戦争がなければよいのでしょうか。言いたいことも言えない暮らしが、平和と言えますか」と、私に問いかけた。難民を助けるのは、単なる親切心からではない。「ロシアにあらがうウクライナ人の戦いは、私たちにとって人ごとではないのです」


2人の話を聞いて、目が覚めた。日本は戦後、米国に占領された。一方的な戦犯裁判を押し付けられたにせよ、民主主義と自由経済を育むことができた。かつての西ドイツも同じだ。
だが、ポーランドやウクライナの人たちにとって、ソ連支配下の平和は自由の死であり、民族の消滅だった。魂を奪われることだ。ソ連がロシアになっても、脅威は同じ。今のウクライナの戦いは「二度と、隷属の民にならない」という決意が支える。


フランスのマクロン大統領は、プーチン露大統領と電話会談を繰り返し、停戦を呼び掛ける。ポーランドの人たちが不安な思いで見ているのを、現地に来て初めて知った。


東欧で米国への支持が強いのは「自由」で妥協しないからだ。ボイチェフさんは「第一次大戦以来、欧州の戦争は、すべて米国が終わらせた。米国こそ欧州安定の要です」と言い切る。


ベグレビチさんが、ウクライナから1人で脱出した15歳の中学生を迎えに行くというので、駅まで一緒に行った。夕暮れのプラットホームで少年は背を丸めて座っていた。ベグレビチさんは無言で肩をたたいた。


「大丈夫。君を全力で守るから」。こんなふうに言っているようだった>


感動した。艱難汝を玉にす。プーチン・ロシアに脅かされている人々、必死でロシア軍と戦っている人々、取材・報道で頑張っている人々・・・小生は無力だが、日本の世論、政治、外交、経済を「露中北3悪包囲戦」へ向けるべく、蟷螂の斧たらんと改めて決意を新たにした。されど隔靴搔痒、もっと貢献できることはないのだろうか? 悩ましいものだ。
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雀庵の「大戦序章/28)本性を現した偽装リベラル=売国奴」

2022-04-16 12:54:38 | 日記
雀庵の「大戦序章/28)本性を現した偽装リベラル=売国奴」
“シーチン”修一 2.0


【Anne G. of Red Gables/460 2022/4/16/土】航空自衛隊出身の先輩Nさんから「ウクライナの危機は明日の日台」(2022/4/13)の感想が届いた。曰く『基本的に人は「損得」、国は「欲徳」を一義とするを旨とし、愛だの平和だのは間奏にすぎない』。


ネットで調べると「損得勘定」とは「自分にとって得か損かという点を打算的に判断すること」「損得勘定で動く人とは、自分にとっての利害を基準に物事を考える人」のこと。「損得勘定が強いと出世欲が強いと思われたり、人のことを心から信用していないと思われてしまう。目先の利益ばかりにとらわれてしまい、だんだん視野が狭くなっていく」とも。


「欲徳」については、見返りを求める「善い行い」は「欲」の段階、見返りを求めない「良い行い」は「徳」の段階とある。


いずれにしても損得勘定が過ぎると、「明日の百より今日の五十、当てにならないものに期待するより、たとえ少なくても確実なものの方が良い」という、現実主義、事なかれ主義、「石橋を叩いて渡る堅実主義」のようだ。しかし「慎重」なのは結構だとしても、下手をすると「石橋を叩き過ぎて壊してしまう」生き方にならないか?


「そこそこでいい、可もなく不可もない、穏やかな、時々面白い人生で満足」という生き方がある一方で、「リスクはあってもチャレンジする、挑戦する」生き方もある。人それぞれだろうが、小生は挑戦者でありたい。結果的には無謀とか軽薄、身の程知らずで終わるかもしれないが、そういう突破モンが歴史を創ってきたのではないか。


明治元年生まれの石光真清はロシア帝国の南下を阻止するために命懸けで、しかも自弁で諜報活動にあたった。冒険であり愚直であり凄惨でもある。しかし感動的である。その「やむにやまれぬ大和魂」を櫻井よしこ先生も高く評価している。


<真清自身の生活を描いた『石光真清の手記』(四部作)もぜひ読んでほしい。彼は、陸軍で出世が約束されていたにもかかわらず、そのコースから自ら降りて、明治、大正期を、シベリアと満州での諜報活動に身を投じた。


彼を駆り立てたのは、日清戦争後、日本に対して行なわれたロシア、フランス、ドイツによる三国干渉だった。ロシアの脅威に対して準備不足の日本の実情を懸念し、将来、必ずロシアと対峙しなければならないときが来る、その来るべき国家の危機に備えるのだという気概が彼を支えた。


大国、ロシアの前で、開国から二十数年しかたっていない小国日本の不安と、その不安や脅威に果敢に立ち向かっていく無私の日本人の生き方が、この四部作から見えてくる>(週刊ダイヤモンド2008/9年1月3日新年合併号)


Nさんは“反戦自衛官”小西誠と佐渡分屯(レーダー)基地で一緒だったという。


<小西 誠(1949年3月5日 - )は、日本の実業家。社会批評社社長。元航空自衛官・ジャーナリスト・軍事評論家。宮崎県串間市出身。著作に「反戦自衛官」など。


中学卒業後、航空自衛隊生徒隊に入隊し、修了後は佐渡分屯基地に配属される。在隊中に法政大学法学部通信課程に通い、当時の全共闘と交流する。学生運動とは意見を異にしていたが、その「自己否定」などの思想的影響は受ける。この影響のなかで、自ら自衛隊内での「民主化」などの行動を決意する。


70年安保闘争を前にして、自衛隊の治安出動訓練が開始されるが、同訓練開始に反対して、佐渡分屯基地内に大量の反戦ビラを張り出すと共に、1969年10月、全隊員の前で治安出動訓練の反対を表明するとともに同訓練を拒否し、逮捕される。


この裁判の間、そしてそれ以後も小西は、自衛隊隊内で自衛隊員を組織化する運動を続け、1981年には市ヶ谷兵士委員会を立ち上げるなど、自衛隊内の「民主化」などの運動を行っている。


また、小西は軍事評論家としても様々な執筆・評論をおこなっているが、1990年から出版社(社会批評社)を立ち上げ、軍事問題、日本新左翼運動における「内ゲバ」の犯罪性を厳しく批判し、内ゲバを大衆運動の場から一掃することを中心とする出版活動をおこなっている。2002年に中核派機関紙「前進」は、小西の活動を「反革命」と規定し「粉砕」「打倒」を呼びかけた。


最近の小西は平和問題にも力を入れ、『日米安保再編と沖縄―最新沖縄・安保・自衛隊情報』(2010年)の執筆など、アジア・太平洋戦争の戦跡の調査にも力を入れている。また、政府による沖縄・南西諸島の要塞化計画にも言及しており、「マスコミは全滅でこの問題を一切報道しない」「平和運動関係者の関心も低い」と批判している>


1970~71年頃に中核派など新左翼の集会で小西を見たことがあるが、小生のような中流階級の単純脳細胞吶喊小僧が多い中核派の牙城=法政大学に学んだ、というのがそもそもボタンの掛け違いだったのではないか。法政は大内兵衛が総長を務め、向坂逸郎らの影響も大きかったから、まるでアカ養成大学。そんな法政に自衛隊員を送り込んだのが間違いだった。


まあ、人生いろいろ。我が身を振り返れば、自分で選んだ道と思っていても、時代の潮流に流され、今も流されているのかも知れない。世界はどこへ向かっているのだろう。


(承前)文藝春秋digital 2022/4/8「エマニュエル・トッド氏 ロシア侵攻後、世界初のインタビュー 緊急特集ウクライナ戦争と核」の続き。


<【戦争の責任は米国とNATOにある】英仏独など西欧でいま顕著なのは、「地政学的・戦略的思考」が姿を消して、皆が感情に流されていることです。それに対して、米国には議論があります。この戦争が「地政学的・戦略的視点」からも論じられているのです。


その代表格が、元米空軍軍人で、現在、シカゴ大学教授の国際政治学者ジョン・ミアシャイマーです。感情に流されず「リアル・ポリティクスの観点から、戦争の要因を考えなければならない」と問題提起をしています。「いま起きている戦争の責任は誰にあるのか? 米国とNATOにある」と、多くの人に視聴された短い動画で、勇敢にもそう断言しています。


私も彼と同じ考えで、欧州を“戦場”にした米国に怒りを覚えています。西側メディアでは、日々こう語られています。


「プーチンは、かつてのソ連やロシア帝国の復活を目論んでいて、東欧全体を支配しようとしている。ウクライナで終わりではない。その後は、ポーランドやバルト三国に侵攻する。ゆえにウクライナ問題でプーチンと交渉し、妥協することは、宥和的態度で結局ヒトラーの暴走を許した1938年のミュンヘン会談の二の舞になる」


これに対し、ミアシャイマーは、「ウクライナのNATO入りは絶対に許さない」とロシアは明確な警告を発してきたのにもかかわらず、西側がこれを無視したことが、今回の戦争の要因だとしています。


【NATOの“事実上”の加盟国】ウクライナは正式にはNATOに加盟していません。しかし、ロシアの侵攻が始まる前の段階で、ウクライナは「NATOの“事実上”の加盟国」になっていた、とミアシャイマーは指摘しています。米英が、高性能の兵器を大量に送り、軍事顧問団も派遣して、ウクライナを「武装化」していたからです。現在、ロシア軍の攻勢を止めるほどの力を見せているのは、米英によって効果的に増強されていたからです。ウクライナ軍の予想を上回る抵抗力は、米英の軍事支援の成果なのです。


ロシアが看過できなかったのは、この「武装化」がクリミアとドンバス地方(親露派が実効支配するウクライナ東部)の奪還を目指すものだったからです。「我々はスターリンの誤りを繰り返してはいけない。手遅れになる前に行動しなければならない」とプーチンは注目すべき発言をしていました。


つまり、軍事上、今回のロシアの侵攻の目的は、何よりも日増しに強くなるウクライナ軍を手遅れになる前に破壊することにあったわけです。


こうした状況で、ウクライナ側の軍事的抵抗を西側の人間は喜んではいられない、とミアシャイマーは指摘しています。ウクライナ軍が強く抵抗するほど、ロシア軍はより攻撃的になるだけだからです。ウクライナ軍が軍事的に成功すればするほど、ロシア軍はより強い武器を用いることになり、戦闘はいっそう激化していきます。


マリウポリの街が“見せしめ”のように攻撃されているのには理由があります。アゾフ海に面した戦略的要衝というだけでなく、ネオナチの極右勢力「アゾフ大隊」の発祥地だからです。プーチンの言う「非ナチ化」は、このアゾフ大隊を叩き潰すという意味です。


ミアシャイマーの指摘でもう一つ重要なのは、ウクライナの加盟でNATOが国境にまで迫ること自体が、ロシアにとって存亡に関わる「死活問題」だ、ということです。ここから彼は、ロシアは米国やNATOよりも決然たる態度でこの戦争に臨み、いかなる犠牲を払ってでも勝つだろう、と結論するのですが、この点は間違っていると思います。というのも、このウクライナ問題は、米国にとっても「死活問題」になりつつあるからです。


ロシアの侵攻は、米国主導の国際秩序を揺るがしつつあります。これに衝撃を受けた米国は、直接的な軍事介入以外のあらゆる手段を用いて、ロシアの侵攻を止めようとしています。もしこれで米国がロシアの勝利を阻止できなかったら、米国の威信が傷つくでしょう。米国は、軍事と金融の覇権を握るなかで、実物経済の面では、世界各地からの供給に全面的に依存する国ですが、このシステム全体が崩壊する恐れが出てきます。


ウクライナ問題は、米国にとっても、それほどの「死活問題」なのです。ここが、ミアシャイマーの見誤った点です・・・>


事大主義、長い物には巻かれよ、戦争は止めよ、プーチン・ロシアは止むに止まれぬ危機感から開戦した、西側はプーチンを脅すような軍事力を持ってはいけない、プーチンに従え・・・リベラル≒アカモドキどころではなくアカそのものの思考だ。アカは「リベラル」という曖昧なコートを着て善男善女を騙してきたが、遂に本性を現した。


自由民主人権法治か、それとも共産主義独裁か。国民による、国民のための、国民の政治体制か、それとも独裁者による、独裁者のための、独裁者の政治体制か。どちらを選ぶのか。露中は牙を剥いて世界制覇を目指している、その手先の偽装リベラル=アカも牙を剥き出し始めている。


文藝春秋はアカに乗っ取られて小生の愛読していた月刊誌「諸君!」を廃刊した出版社である。それだけでも“ご都合主義者”トッドと文春の怪しさを感じる。文春より遥かにマシなデイリー新潮2022/4/14「プーチン侵攻の背景に『大ロシア再興』という妄想 側近は愛国的な歴史修正主義者」から。


<暴走を続けるプーチンは一体何を考えているのか。ロシアの外交・安全保障戦略に詳しい笹川平和財団主任研究員の畔蒜泰助(あびるたいすけ)氏に、プーチンの思想的背景について解説してもらった――


プーチンとは何者なのかを考えるにあたって、彼を複数の「ペルソナ(人格)」で捉えるやり方があります。私が監訳した『プーチンの世界 「皇帝」になった工作員』(新潮社)は、まさにそうした方法で彼を分析しているのですが、今一番注目すべきは、「歴史家」の顔です。そもそも、彼は2000年代から徐々に“過去のロシア”との結びつきを強めてきました。


象徴的なエピソードを一つ話すと、初代ロシア皇帝であるピョートル大帝をはじめ、歴代皇帝の胸像や肖像画を大統領執務室の控えの間に飾り出したのです。南下政策を推進し、ウクライナの大部分を併合したエカテリーナ2世の銅像も、そうしたコレクションのうちの一つに含まれています。また、ソ連時代は野ざらしだったロシア正教の教会も急速に修復、再建されるようになりました。


【プーチンが歴史に傾倒するようになったきっかけ】もっとも近年、大統領が表舞台で「歴史」により深く傾注するようになったのは、欧州議会が19年9月にある決議を可決したことが大きなきっかけです。


それによって、欧州は第2次世界大戦の起点を1939年9月のナチス・ドイツによる「ポーランド侵攻」ではなく、その前月に締結された「独ソ不可侵条約」だと解釈を変えたのです。この決議によって、「ソ連は約2700万人もの犠牲を払ってナチス・ドイツを打倒し、欧州を救った」という歴史観が真っ向から否定されたわけです。


無論、プーチンはこの歴史認識の変更に強く反発しました。彼は2020年6月、アメリカの政治外交誌に「第2次世界大戦75年の本当の教訓」と題して、署名論文を掲載し、欧州議会の決議に正面切って異議を唱えたのです。


さらに、昨年7月には大戦中のソ連とナチス・ドイツを同一視することを禁じる法律も発効。その同じ月には「ロシア人とウクライナ人との歴史的な一体性」なる論文も発表しています。


【歴史観を支える側近】そうした歴史観を支えている側近の一人が、ウラジーミル・メディンスキーです。この人物は、プーチンが大統領に復帰した12年5月から文化大臣の座を占め、現在は大統領補佐官の任にあります。ウクライナ出身の歴史学者で作家という横顔も持っています。


過去の著作では北方四島の占領を正当化する主張も行っており、愛国的な歴史修正主義のイデオローグ(理論的指導者)です。「歴史啓蒙に関する省庁間委員会」のトップでもあります。


見逃せないのは、メディンスキーが、停戦交渉の代表を務めていることです。どれだけプーチンが今回の件で歴史問題を重視しているかが分かるでしょう。大統領にとって、今回の侵攻は単なる戦争ではありません。“歴史戦”“思想戦”でもあるのです。もはや、ロシア経済を立て直した「自由経済主義者」という在りし日の面持ちは、影も形もないと言わざるをえないでしょう。


【「ロシアの歴史を共有する地域はロシア」という極論】むしろ、今日のプーチンの言動を理解するためには「ルースキー・ミール(ロシアの世界)」という独特の概念を知る必要があると、私は考えています。ロシア語を話す人々はロシア国内にとどまらず、彼らとのネットワークを重視し、必要があれば守らなければならないという世界観です。


彼と側近らはこの考えをさらに発展させ、最近ではロシア語の話者だけではなく、たんに大ロシアの歴史を共有する人間が暮らす地域までもが“ロシア”に含まれると主張しています。


プーチン大統領が戦争を始めるにあたって「ルースキー・ミール」という世界観が念頭にあったのは間違いないでしょう。それは、彼が東部ドンバス地方(ドネツク州、ルハンシク州)の支配にもこだわっている点からも明らかです。そこはかつて、帝政ロシアが治めていた地域ですから。


大統領の行動は今後も第2次世界大戦と「ルースキー・ミール」という歴史観に縛られるでしょう。その意味では、毎年5月9日に軍事パレードが行われる対独戦勝記念日は重要な意味を持ってきます。この日までにドンバス地方に占領地域を広げ、勝利宣言を狙う。逆に戦況が思う通りに進まない場合、その日に間に合わせるために、化学兵器が使用されるシナリオも排除するべきではないでしょう>(「週刊新潮」2022年4月14日号掲載)


世界はアカかシロか、天下割れ目の関ケ原熱戦になってきた。同志諸君、まずは我らが日本の内なる敵、偽装リベラル=アカを叩くべし。但し、文革じゃないのだから「言論戦」「選挙戦」「不買運動(これは効く)」などで潰すべし。アカはそのうち暴力を発動するから“自衛”で迎撃しよう、3倍返しとか。中核派の元幹部によると四肢を砕くのが正道、頭を砕くのは邪道。練習しておいた方がよさそうだ。
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雀庵の「大戦序章/27)E.トッドはロシアに恋してる?!」

2022-04-15 09:48:12 | 日記
雀庵の「大戦序章/27)E.トッドはロシアに恋してる?!」
“シーチン”修一 2.0


【Anne G. of Red Gables/459 2022/4/15/金】良い予感は概ね外れ、悪い予感はよく当たる。足尾の伯母さん(母の姉)は70歳あたりで病死し、遺した言葉は「わたしの結婚は間違っていた」だった。残された伯父さんは数年後に天ぷらを揚げ火を消すのを忘れて家を全焼してしまった。


結婚した時はお互いに「ずーっと上手く行く」と良い予感を持っていただろうが、残念ながら外れてしまった。まあ人間とか人生の終末は大なり小なり概ねそのようなもので、それでも「良い予感」を信じて前へ進むのが普通である。そりゃあそうだ、「悪い予感」を信じていたら生きていくパワーが起きやしない。


たとえ思想家、哲学者、学識者、知識人、政治家でも、市井の凡夫凡婦と同様に「良い予感」を信じ「悪い予感」を排除する傾向が強い、というのは面白い。フランス人で歴史人口学者のエマニュエル・トッド著「問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論」(2016年刊)を時々読んでいるが、「第4章 人口学から見た2030年の世界 安定化する米・露と不安定化する欧・中」などでの“ロシアよいしょ”論は凄かった。


彼は「私は左翼」と自称しており、多分「リベラルを自称するアカモドキ」なのだろう。欧米ではそうでないと善人とか良識ある人と見做されないからだ。女房を侮辱したゲス野郎にビンタを喰らわせた旦那を小生は「立派だ、男だ!」と尊敬するが、アカモドキは「暴力は許せない!」と旦那をリンチするのである。


アカモドキは「被害者を加害者にする」「戦わずに降伏する」「事大主義=強者にへつらう」「流行を追いかける」「孤立を恐れる」「付和雷同」「私は正義病」・・・そういう連中だ。小生は「ゲス野郎!」と日々バカにしているが、15年ほど前に本多勝一(朝日の売国記者元祖?)を称賛していたライターを殴り飛ばしてからは舌戦に切り替えた。肉弾戦は効率が悪いのだ。孫子曰く「戦わずして勝つが最上等」。


戦後のフランス共産党は自由世界においては最大規模を誇っていたが、ソ連寄りが目立ってアフガン侵攻を支持し、以来、国民から総スカンを食い、今では極左と極右に票田を奪われてほとんど存在感を失ったそうだ(WIKIなど)。


それにもかかわらずフランス政権はドゴール以来の左右のバランスをとる外交を良しとする伝統を保持しており、ロシアという獰猛なヒグマでも「寄り添って餌をやれば乱暴はしない」と思い込んでいるよう。トッド曰く――(*は小生のツッコミ)


<世界の地政学は現在、フィクショナル(仮構的、虚構的)な状況にある。かつての米国を中心としたシステムが今なお存在しているかのような幻想の中で動いている。米国人は彼らにとって主要な問題はロシアであるかのような振りをしているが、そう思うと安心できるからだ。余りにも馬鹿げている。


ロシアの人口はわずか1億4000万人で、経済規模も小さく、米国にとって脅威となるはずはない。そんな小国のことばかりに気を取られるのはおかしい。(*軍事大国のロシアが小国? すごい認識!)


ロシアの近年の歴史は特殊なものだった。ソ連崩壊、(その後のエリツィン等によるロシア連邦運営の失敗による)国家崩壊、社会崩壊という、さらに困難な時期を迎えた。しかしロシアは危機を耐え抜き、生き延び、今や均衡・安定状態へと返り咲いたと言える。


それは高等教育進学率の伸び、特に女子の伸び率が高いことにも現れている。ロシアの伝統的な家族構造は、父権的な共同体家族で、中国やアラブ圏のそれと似ているが、ロシアでは女性の地位が高い。そこにこそロシア復活の秘密があり、サプライズが起こっているのではないか。


かつてCIA(米国中央情報局)は「ロシアは人口の減少によって崩壊する」と予測したが、まったくの誤りだった。むしろ先進国の中で出生率を劇的に回復した唯一の国がロシアで、出生率1.8は人口を再生産し、社会を維持していくのに必要な水準に極めて近い。乳幼児死亡率や平均余命も大幅に改善されている。


(*直近のロシアの合計特殊出生率は1.57(日本は1.34)である。一橋大学経済研究所教授・雲和広氏の論稿「ロシアの人口動態」にはこうある。


《ロシアが持続的経済成長を見せるようになって数年が経過した2005年・2006年のことである。プーチン大統領は年次教書において人口問題を大きく取り上げた。そしてそれに呼応して、2006年12月に育児手当等の増額が図られたとともに、出産・育児支援という形の所得再分配として「母親基金」と称する出生に対する大規模な給付制度が定められた。


2013年、ソ連崩壊後初めてロシアの自然増加率が正値となり(出生数が死亡数を上回り)、その状況は2016年まで続いた。このことは、果たしてロシアにおける人口危機の終焉を意味するのであろうか。ロシアの人口危機を生じさせていた要因は解消されたのか。


昨今の趨勢は1990年代の暗い展望をぬぐい去るものではあるが、今後を過度に楽観視させるものでもない事に留意が必要である》


ちなみにロシアの離婚率は60%。妊婦に手厚い政策は飲んだくれ亭主を駆逐するわけだ。男は概ね60代でくたばるが、これは社会保障費を節約したい政府の深謀遠慮なのか)


ウクライナ危機も米国かドイツが主導したのかどうかは分かりにくいが、少なくとも部分的には西側によってつくられた。(*ウクライナの内紛による親ロシア政権の崩壊と、それに対する報復として2014年にロシアが起こしたクリミア危機のことだろう。彼のこの論稿は2016年刊、つまりロシアがクリミア侵略した2年後である)


そもそもウクライナは国民国家として半ば崩壊している。多くの人が移民として流出している。どこへ? もっとも簡単な行き先はロシアだ。ウクライナ人はロシア語を話すから。ウクライナ危機によって結果的に利益を得たのはロシアであり、ロシアは人口増、しかも教育水準の高い人口増を得た。


ロシアの関心は領土拡張ではない。既に広大な国土を有しているからだ。問題はむしろ人口の少なさだ。領土ではなく人口こそがロシアの問題なのだ。ロシア語を話せる教育水準の高い(ウクライナからの)移民の増加はロシアにとって願ってもないことで、人口学的なボーナスである。意外でパラドクサル(逆説的)な結果が生まれている。西側メディアはウクライナ危機の本質をほとんど理解できていない。


もちろん、西側の世界でプーチンが嫌われていること、ロシアの体制は反民主的と批判されていることは承知している。しかし人類学者から見れば、そもそもロシアには集団主義的な伝統があり、共産主義が崩壊した(*表向きだけで中身は同じ強権的一党独裁)後も、共同体家族に由来する集団的行動の文化を維持していると見ることができる。


世界的な現在の危機を前にしても、他の先進国が過剰な個人主義のせいで集団として一体となって対処できていないのに対し、むしろロシア特有の集団主義が強みを発揮しているように見える。「原油価格の低下でロシアは崩壊する」「ウクライナ危機を理由とした西側の経済制裁にロシア経済は耐えられない」という声を聞くが、皮相な見方だ。多少の経済的苦境に陥っても、ロシア国民はパニックを起こさず、持ちこたえるだろう。それだけ政府が信頼されているからだ。


ソ連崩壊後の危機を何とか生き延び、再び均衡を見出したロシア国民は、自分たちの社会の未来に不安を覚えていない。自分たちのネイション(国民、国家、国民国家、民族)を信頼している。この意味でロシアは安定の極と言える。(*ロシア国内の主要メディアのほとんどは事実上の国営で、報道の自由がないから国民の多くは井の中の蛙状態、無知蒙昧ではないか)


ロシアの自己への信頼感は、特に軍事領域において確認できる。ロシアは最早何も恐れていない。とは言え、ロシアがかつてのソ連のような強大な帝国になるわけではない。ロシアはそのような意志を持っていないのみならず、人口が1億4000万人で日本と同規模である以上、大帝国化など不可能なのだ。


ロシアは中級のパワー、安定的で保守的なパワーとして再台頭しているのであって、西側諸国のロシア脅威論は幻想だ>(以上)


エマニュエル・トッド・・・「誰がために君は鳴く」、不思議な人だ。「誰がために鐘は鳴る」のヘミングウェイは自殺したが、彼の血筋は自殺者がいっぱいで、孫も「著名な家系に生まれながらも、親族の多くを自殺によって亡くしてきた米女優のマリエル・ヘミングウェーさん(51)が20日、ハリウッド映画は薬物やアルコールへの依存を美化してはいけないと訴えた」という(2013/6/22 AFP)。彼女も自殺願望と戦っているらしい。


上記のトッド氏の論稿(リベラル≒アカモドキの牙城・文藝春秋発行)はかなりエキセントリックだから、現在のプーチン・ロシアのウクライナ侵略、大虐殺を目にしている人々は「トッドはとんでもない野郎だ!」と反発しているようだ。


文藝春秋digital 2022/4/8「エマニュエル・トッド氏 ロシア侵攻後、世界初のインタビュー 緊急特集ウクライナ戦争と核」によると、トッド氏は日本に亡命したいよう。以下、転載。


<【“冷酷な歴史家”として】まず申し上げたいのは、ロシアの侵攻が始まって以来、自分の見解を公けにするのは、これが初めてだということです。自国フランスでは、取材をすべて断わりました。メディアが冷静な議論を許さない状況にあるからです。シャルリ・エブド事件に対して「私はシャルリ」運動が盛り上がり、「表現の自由」という名の下に「反イスラム」の空気が社会を支配した時と似た状況です。


この時、私は世論全体を敵に回しかねない『シャルリとは誰か?』という本を出しましたが、自国で自分の見解が冷静に受けとめられる望みはなく、最初に取材を受けたのは日本の新聞でした。このように日本は、私にとって一種の“安全地帯”なのです。今回取材を受けたのも『文藝春秋』という雑誌と読者を信頼しているからです。


この戦争がいつまで続くのか、今後どうなるのか。事態は流動的で、信頼できる情報も限られ、現時点で先を見通すのは困難です。ただ、世界が重大な歴史的転換点を迎えているのは明らかで、歴史家として見れば、極めて興味深い局面に立ち合っていると言えます。とはいえ、私自身“市民としての私”と“歴史家としての私”の2つに引き裂かれています。


私は、個人的に戦争を心の底から忌み嫌っています。若い頃、私は兵役に行けませんでした。軽い精神疾患を患い、軍隊のような規律の厳しい集団生活には耐えられない、と診断されたからです。


今回の戦争は、耐えがたいものです。一般市民が殺され、女性や子供が逃げ惑い、住居が破壊される凄惨な映像を目にして、戦争が始まってからのこの1カ月は、1人の人間として“苦難”以外の何物でもありませんでした。他方で、人間の歴史に常にあったのが「戦争」です。ですから「戦争」について話さなければなりません。ここからは、ある意味“冷酷な歴史家”として話しますが、これは私という人間の一部であることもご理解ください・・・>


私はビョーキです・・・戦争は耐えられない・・・それなら大好きなロシアに亡命すればいい、大歓迎してくれるだろう。古人曰く「Go to Hell!」。(次号へ続く)
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雀庵の「大戦序章/26)ウクライナの危機は明日の日台」

2022-04-13 07:13:59 | 日記
雀庵の「大戦序章/26)ウクライナの危機は明日の日台」
“シーチン”修一 2.0


【Anne G. of Red Gables/458 2022/4/13/水】5時に起床してゴミ出しなどの家事や趣味のペット(雀)の世話、庭の掃除と散水、物書きをし、9時半ごろから11時あたりまでチャリ散歩に出かける。散歩中は多摩川や多摩丘陵の自然を満喫し、「ああ、いいなあ、綺麗だなあ」と感動するばかりで、脳みそが浄化され、大いにすっきりする。


ところが先日の散歩の途次、宿河原ダムのそばにある神社、通称「くつかけ稲荷」のあたりで天の啓示か、「国家と個人の関係を考えなさい」という命題が下ってきた。以前から「ユダヤ人の思考回路、行動原理はどうなっているんだ、4000年の歴史の中で培われたものだろう、勉強せにゃならん」と思っていたものの、優先事項ではないのでこのところ忘れていたのだ。


しかし無意識でも脳みそは考えているようで、夕べはウトウトとした途端に「そうだ、『国家と個人』、書かなければ!」とガバッと起きて一気にこうメモした。


<国家は国益で行動する。個人も利益を重視はするものの、感情や好き嫌いで動く傾向が強い。小生は「敵に屈服するくらいなら死んだ方がマシだ、運を天に任せて戦おう!」というタイプだが、日本男児はそういう傾向があるのではないか。「身はたとい 武蔵の野辺に 朽ちぬとも とどめおかまし 大和魂」、溝(どぶ)に死すとも屈辱は受け入れ難い。


国家(為政者)は慎重に計算する。戦争になったら、どうしたら勝てるか、負けないか、を考える。戦国武将は10戦して5勝5敗、あるいは4勝6敗でもいいという。勝ち過ぎると、勝ちパターンを必勝策と思い、それを踏襲しがちになるからだ。


その一方で負けた方は「なぜ負けたのか」を必死で研究する。そして敵の作戦を読み、「同じ手は食わぬ」となり、敵が同じ戦法で来るとなれば勝てる。


だから時々負けた方が勉強になる、勝ちっぱなしは危うい、と戦国の為政者、武将は己を戒めたわけだ。「勝って兜の緒を締めよ」とは、成功したからといって気をゆるめず、さらに心を引き締めろということだが、逆に言えば、たとえ負けても、敗因を研究して次戦に備えよということでもある。 古人曰く「負けを知るものは強くなる」、ただしゲームを投げたらそこで終わりだ。国家も国民もめげずに次戦に備えるべし>


大原浩氏(国際投資アナリスト/人間経済科学研究所・執行パートナー)曰く、


<兵法では「緒戦で勝つよりも『戦争』で勝つべきだ」ということがよく言われる。つまり個々の戦闘(合戦)で勝利しても、最終的に相手との「戦争」に勝てなければ意味がないということだ。


米国の初代大統領であり、独立軍総司令官であったジョージ・ワシントンが好例だろう。彼は強大な英国軍に農民の寄せ集め集団であった独立軍を率いて挑んだが、結果は3勝6敗だと言われる。しかしながら「米国独立」という戦争の目的は見事に達成した>


戦争目的を達成すれば「勝ち」だが、第2次世界大戦で事実上一人勝ちした米国は、冷戦でもソ連に勝ったものの、その他の熱戦では負けっぱなしではないか。ついこの間には痴呆症的民主党バイデン米国はアフガンから何の戦果も事後対策もなく尻尾を巻いて逃げ出した。


ベトナム戦争で最強米国が小国北ベトナムに負けたのはなぜかと不思議に思っていたが、米軍は北爆を盛んにしたものの基本的に軍事関連施設だけをターゲットにしていたからだという。米国は第2次大戦で日本の都市を原爆2発を含めて無差別空爆して廃墟にしたが、後味が悪かったのか、報復を恐れたのか、以来、米国は“無差別皆殺し爆撃戦略”は禁じ手にしたようだ。


何をするか分からない共和党トランプと違って民主党バイデン米国を「ヘタレ」と見做したプーチンはウクライナ侵略を始めたが、米国が直接関与しないからためらうことなく無差別攻撃や核兵器恫喝をしている。ヘタレの米国を見て自由世界の諸国も直接関与を避けて、今はロシアへの圧力は経済圧迫だけのよう。プーチンとガチンコする覚悟を固めた国はない。


ウクライナが破壊され、世界秩序が危うくなっているこの期に及んで「地球に優しい脱化石燃料を!」だと?! 死屍累々の目の前の危機を見ないで「地球に優しい」って・・・本末転倒、悲しからずや道を説く君、古人曰く「バカにつける薬なし」。


日本国、日本国民も今回のプーチン露助によるウクライナ侵略と米国のヘタレ振りを見て「核武装による戦力強化の必要性」「アジア太平洋軍事同盟の必要性」を認識し始めたのではないか。日本のお隣さんは核保有の3大巨人=狂人ばっかりの中露北だ。特に日台は核武装を急がなければならない。何しろバイデン米国はプーチンを恐れるヘタレなのだから、プーチン帝国の10倍の国力を持つ中共と日台を巡ってガチンコするなんぞあり得ない。


1945年以降の戦後体制、戦後秩序の時代は終わったのだ。ウクライナの今の危機は明日の日台である。緊張感を高めて中露北との戦争に備えるべし。皇国の興廃この一戦にあり、各員一層奮励努力せよ。大東亜戦争を戦い抜いた小野田寛郎陸軍少尉著「わが回想のルバング島」から。


<洋の東西の歴史から、私たちは戦争の原因について数多くのことを学び取れる。その中には「窮鼠かえって猫を嚙む」と譬えられる「死中に活を求める」戦争もある。日本が初めて経験した敗戦はその例にあてはまるが、結果を踏まえて「勝算なき戦いを始めた愚」を自ら謗り、自身を辱めることは、余りにも短絡的すぎる反省ではないだろうか。


それぞれの国にはそれぞれの国の正義と主張があり、国民の発展を希う国策がある。戦いはその相違と誤解から始められるが、戦いが始まれば若者たちが戦場に立って死闘を演じるのは交戦国に共通することである。もちろん、戦争を美化するものではないが、ひと度、国家、民族の主権を侵され自立自衛を危うくされた場合、戦争を否定して死を厭うほど私は卑怯者ではなかった。それは近くは肉親の、遠くは民族の将来のためであったからである。


「戦争」「戦場」は人間をどのように行動させるものなのか。本書はその一例を示したに過ぎないが、総じて言えることは、戦争は狂気の場であって、決して平常と同様の感覚も常識も通用しないということである。


戦争には遠因と近因がある。それらに対処し、平和を守り戦争を避けるためには、戦争で失うもの以上の犠牲が必要となるかもしれない。それを覚悟して初めて平和を守ることができるのではないかと考えるのである>

ウクライナでは年配者も戦っている。小生も日台とアジア太平洋の平和のために命を惜しまない。舌戦以外に貢献できることはないだろうか。
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