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移民禍で苦しむ欧州から学べ

2023-08-31 11:12:45 | 戦争
移民禍で苦しむ欧州から学べ
“シーチン”修一

【雀庵の「大戦序章」216/通算647 2023(令和5)年8/31/木】多動爺の小生の仕事・天職≒遊び・暇つぶしにはビルのメンテナンスもある。いわゆる「営繕」。営繕のメインは定期点検・保全・修理だが、手抜きしてこれを怠るとひどい目に遭う。コマメにちょこちょこチェックしていればいいのに、人間の性なのだろう、「多分大丈夫」と易きに流れてしまい、大事になってから「大変だ、どうしよう」と大慌てになる。

で、反省して「備えあれば憂いなし」と定期点検するようになるかと言うと、半年、1年、3年も経てば警戒心が薄らいで元の木阿弥、再び三度「大変だ、どうしよう」と大慌てに。それが個人のドタバタなら「まったく愚かなことをしてしまった、自業自得だ、俺は賢そうにしていたがダメンズだったか・・・気をつけなければ」と後悔すれば、ま、一件落着になるが、それも喉元過ぎれば熱さを忘れるで、本当に反省したかどうかは怪しいものである。忘却とは一種の“健康”か? それでいいのだ?

ドタバタが個人の私事、些事ならそんな笑い話的な自嘲で済むが、国家から国民までが劣化が進むと、戦争・紛争や大規模な自然災害など大惨事の際には危機的な状況になるだろう。最悪なら亡国や民族の滅亡だ。

サハラ砂漠以南の西・北アフリカあたりから欧州などに密航で押し寄せる難民や、難民を装う不法移民は凄まじい数(今年の1~6月で9万人とか)だが、そもそも「難民」とは――

<人種、宗教、国籍、政治的意見または特定の社会集団に属するという理由で、自国にいると迫害を受けるおそれがあるために他国に逃れ、国際的保護を必要とする人々と定義されています。
紛争などによって住み慣れた家を追われたが、国内にとどまっている、あるいは国境を越えずに避難生活を送っている「国内避難民」も増加しています>(国連)

実態はどうなのだろう、“難民送り出し国”の政府は厄介払いの感じで国民の不法渡航を取り締まらないのだろうか? 難民は迫害されているはずなのに一様に一張羅を着てスマホを持っており、小生より文化的だがどうなっているのか?・・・そのうち調べてみようなどと思っていたら、産経2023/8/29に佐藤貴生記者の以下のコラム「気軽な密航」があった。

<8月上旬に北アフリカ・チュニジア中部の港町スファクスに出張し、欧州を目指す密航者の実態を取材した。スファクスはアフリカ最大規模の密航船の出発地で、アフリカ各地からくる外国人だけでなく、経済低迷が続いて将来を悲観するチュニジアの若者たちも次々と船に乗っている。

スファクス市街で会ったチュニジア人の食品店主、オマルさん(28)は「これまでに3回、密航船でイタリアに行った。最長で1カ月間住んだが、警察に毎回見つかって送還された」と、あっけらかんとした表情で話した。

オマルさんは最初に密航を図った2017年には斡旋業者に所定の料金を支払ったが、後の2回は出航間際の密航船に空きがあったために「ほぼ無料で乗れた」という。いかに多数の船が出ているかが想像できる。

殺到する密航者に欧州は悲鳴を上げている。スウェーデンでは昨年の総選挙で反移民を掲げた右派勢力が躍進し、イタリアは今春、非常事態を宣言した。

「チャンスがあればまた密航に挑戦したい。行けるものなら日本にだって行きたいよ」。そう話すオマルさんに、新天地での生活設計を真剣に考えている様子はうかがえなかった。移民の受け入れは将来を見据え、慎重に行うべきだと思う>(以上)

何なんだ、これは? まるでディズニーランドへ行くみたい・・・これがどうして「迫害を受けるおそれがあるために他国に逃れ、国際的保護を必要とする人々」なのか? 「難民送り出し国」はどういう料簡なのか? 国民が他国へ押し寄せて迷惑をかけていることを知っていながら平然としているようだが、どうなっているのか?・・・「難民送り出し国」大手のコートジボワールの「治安最新情報(海外安全.jp、2023年8月)にはこうある。

<コートジボワールについて各国政府は北部マリ、ブルキナファソとの国境の治安悪化を警戒しており、日米豪政府は西部リベリアとの国境付近での地元部族同士の争いに警戒を呼びかけています。こうした地域では武力衝突や隣国で活動する武装過激派勢力によるテロ・襲撃に対する注意喚起が明記されています。
こうした地域以外でも事実上の首都であるアビジャンを中心に武器を用いた凶悪犯罪や住居侵入が多発していることをいずれの政府も明記しています。特に日本外務省は日中であっても地元住民を対象とした市場等へは不用意に近づかない、夜間の外出は極力控える、外出時には必ず車両を使用するといった詳細な防犯対策を推奨しています>

ギニアの治安も危険な状況に陥っている。WIKIによると<ギニアの治安・市民保護省によれば、スリや置引きといった軽度の犯罪の増加と共に、強盗や殺人といった重大な犯罪も報告されている。

中でも、一般人が軍人になりすまして強盗を行なう事案が多く報告されている。首都のコナクリ市内においてはほぼ全域で犯罪が発生しているが、特にコナクリの中心部でもあるラトマやマトトの両地区では、強盗・殺人等の凶悪犯罪が発生している。

最も狙われやすいのは裕福なギニア人であり、次いでギニア経済に深く浸透しているレバノン人と言われているが、ギニア駐在の外交団・国際機関及び外資系企業関係者や日本人に対する被害も少なからず報告されている>

コートジボワール、ギニア、さらにブルキナファソ、マリからの“逃亡者”は欧州に近いチュニジアに集まり、そこで密航船に乗り込んで欧州に上陸するのが定番だ。海外安全.jpによるとチュニジアも相当怪しい国のようで、以下の注意を促している。

<日本外務省はチュニジアに対し、比較的高いレベルの危険情報を設定しています。特に2015年に発生した首都チュニスでの博物館襲撃テロでは日本人も3名が死亡していることが明記されています。

その後、チュニジア治安当局の警戒態勢強化もあり首都チュニスを含む国土の主要部分では治安情勢が落ち着いてきていると評価されています。ただし、西部カスリン県や南部の砂漠地帯等では武装勢力が拠点を有しており、特に警戒が必要であるとされています。

また、チュニジアは、特に刃物を用いた強盗事件、スリや置き引き等を含む一般犯罪に日本人が複数巻き込まれていることも記載されています>

産経バックナンバーを見たら2023/8/21には以下の佐藤記者の詳細レポート「欧州への密航拠点 チュニジアの港町 移民殺到『まるで襲撃』 甘い蜜 大金稼ぐ斡旋業者」があった。

<北アフリカの小国チュニジアに密航を図る若者たちが押し寄せ、地中海の対岸に当たる欧州を揺るがしている。中部の港町スファクスは密航船の主要な出発地で、船は監視の網を逃れて続々と出航している。中心部の広場では資金不足で船に乗れない大勢の不法移民が寝泊まりし、地元住民との摩擦が強まっていた。

▼遺体が漁網に:スファクス中心部から車で北に1時間走ると、エルーザ港に行き着く。コバルトブルーの地中海の沖合に、2隻の沈没船が顔を出しているのが確認できた。

「漁獲用の網を仕掛けると、魚やカニと一緒に人の遺体が日常的にかかる。遺体は岸辺にも打ち上げられ、赤ちゃんのものもある。いったい赤ちゃんに何の罪があるというのか。見つけると悲しくて涙が出る」。漁師のウサマ(30)が声を詰まらせた。

多くの密航船の目的地はスファクスから約150キロ離れたイタリアのランベドゥーザ島だ。船なら12時間で行けるという。沿岸警備隊は陸上での巡回に加え、ドローンで上空から監視している。

以前の密航者はチュニジア人ばかりだったが、近年はアフリカ各地から殺到している。ウサマは「海上で漂流する人を何人も救出したが、彼ら(密航者)は摘発を恐れてナイフなどを所持していて危険だから、手を出さずに当局に通報するだけにしている」と言う。

西アフリカでは近年のマリやブルキナファソに続き、7月にもニジェールでクーデターが起きて情勢が流動化している。ウサマは「こうした国からも多数の移民が来て、密航の失敗で死者が増えるだろう。まるで移民の襲撃を受けているようだ」とし、国境管理を厳重にすべきだと訴えた・・・>(以上)

蛇の道はヘビ、密航斡旋業者は大儲けしているとか。業者曰く「沈没して死者が出るのは悲しいことだが、それも運命。密航に成功する人もいる。この仕事は甘い蜜のようだ。一度味を占めたら止められない」。

古人曰く「千里の堤も蟻の一穴から」「後悔先に立たず」。「人道的判断」などと油断をしていると日本もイタリアなど欧州諸国のように痛恨のミスに苦しむことになる。新大久保コリアンタウン、池袋中華街、高田馬場リトルヤンゴン、錦糸町リトルタイランド、竹ノ塚リトルマニラ・・・「人手不足なんだから、それでいいのだ!」などと油断していると悔やむことになるのは間違いない。目覚めよ、ニッポン!
・・・・・・・
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中国“動乱”の時代に備えよ

2023-08-30 07:19:59 | 戦争
中国“動乱”の時代に備えよ
“シーチン”修一

【雀庵の「大戦序章」215/通算646 2023(令和5)年8/30/水】我が愛車、と言っても前後にカゴを付けた昔ながらのママチャリ。お尻の肉が損耗劣化した小生にはサドルが固すぎて痛いので、柔らかくて分厚いカバーを作って覆ったところ随分快適になった。それでも用心して散歩はチャリと徒歩を一日おきにしている。

杖を頼りの徒歩散歩だが、チャリでは見落としていた細かいところが観察できて、それなりに面白い。今夏は屋外で働く人は猛暑の影響もあって扇風機付きの作業着“空調作業服”を着ている人が随分増えた。ネットでは「8000回転速度、9枚羽根で強力な風をウェア内に送り、さらに軽量化し、高寿命、最高風量を実現!」なんていう宣伝があった。現場で同じ空調作業服の人を見るから、建設・土木・植栽などの企業が従業員に供与しているケースも増えていそうだ。

暑さ寒さも彼岸まで・・・もうちょっとの辛抱だ、同志諸君、体調に気をつけて激動の時代を戦い抜こうぜ、中共殲滅、支那解放、イザッ! 掛け声だけは威勢が良い。それでいいのだ!?

話しをチャリに戻すと、現役バリバリのママさんのチャリは15万円程する電動チャリが主流になって、前後に子供を乗せたりして結構なスピードで小生を追い越していく。そんなにスピードを出して大丈夫か?と心配するが・・・

AERA 2022/3/9 新山勝利氏の「売り上げ絶好調の電動アシスト自転車  なのに海外で全く売れていないのはなぜなのか?」から。
<《通勤や子どもの送迎の足として順調に販売金額を伸ばしている電動アシスト自転車。しかし国外に目を向けると、中国や欧州では日本の電動アシスト自転車は普及していない。なぜなのか? マーケティングコンサルタントが読み解く》

長い坂道を自転車で必死に立ち乗りでこいでいても、後ろから来た電動アシスト自転車に軽く追い越される――。体力の限界を感じた筆者は、電動アシスト自転車(以後、アシスト車)の購入を思い立った。しかしマーケッターの性(さが)で業界動向を調べてみると、意外な状況がわかって驚いた。

◎-◎ アシスト車、販売台数と売り上げの比較:世界で初めてアシスト車が商品化されたのは1993(平成5)年。ヤマハが販売したのが始まりだ。その後、30年近くの年月がたち、パナソニック、ヤマハ、ブリヂストンのトップメーカーが業界を先導している。

アシスト車の販売金額は毎年上昇している。内訳をみると、販売台数・金額ともに、アシスト車が軽快車(通常の自転車タイプ)、その他の自転車(マウンテンバイクやミニサイクル、子供車タイプ)を圧倒している。

2020年の販売台数は、アシスト車74万台、軽快車55万台、その他の自転車33万台。5年前からアシスト車は販売台数を50%も伸ばしている。販売金額ではアシスト車が618億円、軽快車94億円、その他の自転車59億円。アシスト車が売り上げ全体の80%を占め、ドル箱といえる状況だ、云々>

「空調作業服」「電動アシスト自転車」、日本人は新しいもの好き、創意工夫が好きなのだ。そのうち歴史を変えるような大発明で世界に平和をもたらすかもしれない。「鉄腕アトム」も「ドラえもん」もエネルギー源は原子力だという。安全な原子力の開発を初め、自然環境の保護拡大、人口の適正化などで日本がリードしていけば、やがて穏やかな桃源郷のような世界が実現するに違いない。

それは100年、200年後の話かも知れないが、小生の希望的観測では、自由民主のカケラもない中露朝という赤色独裁帝国はこの10年、20年で消滅するのではないか。

ロシアはウクライナ侵略で味噌をつけ、自由民主陣営の制裁を受けて経済は下り坂になり、中国依存が高まって存在感が随分薄れてきた。北朝鮮は軍部に押されて世襲独裁、体制維持のためにひたすら核武装を強化し、農民はほとんど奴隷の様相だ。結局、露朝は中国頼りで、赤色独裁帝国陣営は今や一強の習近平・中国だけになったと言ってもいいだろう。

しかし“共産圏の赤い星”中国も遂に下降局面に入った。 Viewpoint 2023/8/13、評論家・石平氏の「中国経済の根本的問題点と凋落の運命」から。《◎-◎》は修一の補足。

<【完全に失速した対外輸出 不動産開発業の崩壊も不可避】:中国の経済状況は今、非常に悪くなっている。今年6月、中国全国で16~24歳の若年層の失業率はなんと21.3%という衝撃的な高さにある。日本の場合、同じ年齢層の失業率はせいぜい4%程度であるから、中国における失業問題はどれほど深刻な問題であるかがよく分かるし、中国経済がどれほど悪化しているのかも分かってくる。
《◎-◎:中国では1か月に1日でも働くと失業率にカウントされないし、就職をあきらめた人を含めると若者の失業率の実態は50%ほどか?》

▼低過ぎる「個人消費率」:経済は一体どうしてそれほど悪くなっているのか。それを理解するためにはまず、中国経済が抱えてきている根本問題の一つを見てみる必要がある。それはすなわち、長年において存在している慢性的な消費不足である。

経済学には「個人消費率」というたいへん重要な指標がある。一国の経済に占める国民一人一人が消費する分の割合である。例えば日本の場合、個人消費率は恒常的に60%程度。要するに日本経済の6割は国民の消費によって占められている。

しかし中国の場合、今までの数十年間、個人消費率は常に38%前後で、あまりにも低過ぎる。つまり14億人の国民が消費する分は中国経済の4割未満なのである。

こうした中で中国は今まで、アパレルとか玩具とかの「安かろう悪かろう」の中国製品を大量に製造して、米国や日本や欧州連合(EU)などの海外市場で売り、それで国内総生産(GDP)と国内雇用を創出して経済成長を支えてきた。国内消費が決定的に不足している中で、対外輸出の急成長こそは経済成長の大きな原動力の一つであったが、最近のこの5、6年間、状況が大きく変わってきているのである。

中国国内の人件費の高騰と中国リスクに対する懸念の高まり、そして米中経済摩擦などの要因があって、多くの外国企業が生産拠点を中国からベトナムやインドなどへと移し、中国は徐々に「世界の工場」としての地位を失って、対外輸出が年々減る一方である。

今年6月、中国の対外輸出はドル建てで前年同期比では12.4%減となって、2020年2月以来最大の落ち幅となっている。このことから、対外輸出は完全に失速していることが分かる。そしてそれは、中国の経済状況の悪化をつくり出している要因の一つなのである。

対外輸出の拡大と並んで中国経済を支えてきた大きな柱の一つは、実は不動産開発投資である。2020年を例に取ってみると、この年、中国全国で行われた不動産投資の総額は人民元にして14.14兆元、日本円にしては約260兆円、日本という経済大国のGDPの約4割に相当する巨額である。そしてこの年の中国の経済規模(GDP)は100兆元余りであったから、不動産開発投資が中国のGDPの14%以上をつくり出しているという、世界経済史上、前代未聞の事態が生じてきている。だからこそ、不動産開発業は中国経済の「支柱産業」と呼ばれている。

しかし、毎年のように膨大な不動産投資を行ってきたことで、中国国内では今、住宅を中心に不動産はすでに完全に余剰化している。一説によると、中国全国では今、34億人が住む分の住宅はすでに出来上がっているという。

▼住宅の販売面積が半減:住宅はそれほど余ってくると当然、売れなくなる。中国指数研究院が公表した数字によると、今年6月、中国の武漢・南京・青島・成都・西安などの大都会では、住宅の販売面積は前年同期比では48.5%、要するに約半分に激減しているという。不動産市場の崩壊は確実に始まっている。不動産が徹底的に売れなくなると、開発投資の激減は当然起きてくるから、不動産開発業自体の崩壊はもはや時間の問題であろう。

対外輸出と不動産開発投資、中国経済を支えてきた2本の柱が崩れていくという、まさに最悪の事態が現実に起きているから、中国経済の凋落ないし崩壊は、もはや避けられない。今までは「バラ色の中国市場」を夢見て、中国国内で活動している日本企業は今後どうするのか、今のうちに真剣に考えておくべきであろう>(以上)

「満つれば欠ける、栄枯盛衰は世の習い」とは言え、マオイスト習近平の狂気的な「共産主義経済への回帰願望」による“人災”である。○○につける薬なし、遅かれ早かれ習近平城は瓦解するだろう。The Economist 2023/8/26「習近平の壊れたモデル、中国経済が修復されないワケ “日本化”より深刻な問題、元凶は政策立案の失敗」の論稿もサジを投げたよう。以下引用する。

<一体全体、何が狂ったのか。中国は1978年に世界経済に復帰した後、史上最も目覚ましい経済成長を成し遂げた。農地改革、工業化、そして所得の向上により8億人近い人々が極貧状態を脱した。
1980年には米国の10分の1しかなかった経済規模も、今ではおよそ4分の3に拡大している。

しかし、政府が2022年末の「ゼロコロナ」政策を解除した後に経済が一気に盛り返すかと思いきや、足取りがふらついてよろよろしている。

第2四半期の経済成長率は年率換算でわずか3.2%だった。ある有力な推計では米国の成長率がほぼ6%に達しているかもしれないことを考えると、この数字はなおひどく映る。

住宅価格が下落し、物件が完成する前に売買契約を済ませることが多い不動産デベロッパーが壁に突き当たり、客離れを招いている。

個人消費、企業の投資、輸出もそろって落ち込んだ。そして、世界の大半が高すぎるインフレと戦っている一方で、中国はその正反対の問題に苦しんでいる。7月の消費者物価指数が前年同月に比べて下落したのだ。

一部のアナリストは、1990年代の日本のようなデフレの罠に陥るかもしれないと警鐘を鳴らしている。しかし、中国の症状は大変深刻であり、いくつかの面で「日本化」という診断は甘すぎる。慢性的な成長不足は、中国では日本の場合よりも深刻になる。なぜなら、中国の国民はまだ貧しいからだ・・・>(以上)

人は強者には揉み手をして追随するが、強者が弱体し始めると掌返しで離れていく。項羽が愛人虞美人に贈った詩「垓下の歌」を思い出す。

<力 山を抜き 気 世を蓋ふ 時利あらずして 騅(愛馬)逝かず 騅逝かざるを 奈何すべき 虞や虞や 若(なんぢ)を奈何せん>

そう言えば「溺れる犬をさらに打つ」という「打落水狗」という言葉もある。「水に落ちた犬を打つ。既に打ち負かされたがまだ降参していない悪人を更に追い打ちをかけてやっつける」の意だ(白水社 中国語辞典)。

習近平の愚かな毛沢東時代への「アンシャンレジーム:旧制度回帰」妄想・・・一番被害を受けているのは次代を担うはずの若者だ。ロイターが「若者の今」を伝えている。

<上海8/16 ロイター「減速中国、若者も失業者も運転手に 配車サービス飽和」:上海で運転手として働くチュー・ジミンさんの最近の労働時間は1日15時間。それでも数カ月前に通常のシフトで働いていた頃と稼ぎは同じだ。配車サービスに参入する運転手が増加し、競争が激化しているためだ。

早朝から夜遅くまで乗客を運び続けるチューさんだが、1日の手取りは400~600元(約8000~1万2000円)。今年に入って3カ月連続で1日も休めなかったことがあると話す。

ハンドルを握るチューさんは、「夜中に帰宅してシャワーを浴び、あとは寝るだけ。のんびりできる時間はまったくない」と話す。「子どもたちは大きくなっているし、両親も高齢になった。家族を支えるにはお金が必要だ」

中国経済のパンデミック(コロナの世界的大流行)後の回復が緩慢で、若年層の失業率は記録的に高いことを背景に、配車サービス産業で働こうとする人は増加している。市場は飽和し、配車アプリに登録している580万人の運転手の多くは所得減に悩んでいる。

8月15日に発表された7月の一連の指標は、世界第2位の経済大国である中国のさらなる景気減速を示す内容となった。ただでさえ不安定になっていた経済成長への圧迫が強まっている。

国営メディアが交通運輸省のデータをもとに報じたところでは、4月末から7月末までに中国の配車サービス運転手は約40万人増加した。運転手の数が7%以上も増えたことについて、アナリストらは、雇用市場が低迷していることの表われだと見ている。

上海市当局のデータによれば、市内勤労者の平均所得は1日約525元(1万500円)で、運転手の大半がオフィス労働者よりもはるかに長時間働いていることと整合している。

市場調査会社で自動車・旅行産業を専門とするアナリスト、ワン・ク氏は、「社会経済環境の低迷が雇用機会の低下につながり、配車サービス業界への労働力流入が生じている」と語る。「増加する失業者にとって、手近な選択肢は配車サービスの運転手だ」

国営メディアの報道によれば、中国では300種類以上の配車アプリが稼働しており、昨年のタクシー利用件数全体の40%以上を占めた。

上海や三亜、長沙といった都市では配車サービス事業の新規認可を停止している。他にも少なくとも4市が過剰供給を警告しており、結果として、運転手が受ける注文は1日10件に満たないという指摘もある。

「経済が振るわないから多くの労働者が解雇され、配車サービスに参入している」と語るのは、海南省の省都である海口市のジェームズ・ツァイさん(33)。同市は運転手の過剰供給を警告した都市の1つだ。「新規参入組の大半は20~30代だ」

ツァイさんは中国版ウーバーとも称される「滴滴(ディディ)グローバル」の運転手として、朝8時から真夜中近くまで働き、1日200~300元(4000~6000円)を稼ぐ。最近までは、午後8時前に帰宅しても、1日400元(8000円)の稼ぎに加えて賞与も出たという。「この仕事は(今は)もう割に合わない」とツァイさんは言う。

やはり海口市で運転手として働いていたナンシュン・リーさんは、先月、車を売却し、10年間続けた仕事を辞めた。始めた頃には1日1000元(2万円)は得られた収入が、300~400元(6000~8000円)に減ってしまったからだ。「家計をやりくりするのが難しくなってきた」とリーさんは語る。

だがエコノミストらは、中国は経済成長が大幅に鈍化する時代に向かいつつあり、多くの人にとって生活が苦しくなっていく可能性は高いと予想する。

6月の時点で、中国の若年層失業率は21%を超えた。国家統計局は8月15日、若年層の失業率データの公表を一時停止すると発表し、人々の怒りを招いた。

上海のリー・ウェイミンさん(45)が配車サービス運転手として働く理由からも、雇用市場の縮小は明らかだ。「日中は何も食べない。夜になって帰宅して、1回食事を取るだけだ」とリーさん。朝6時30分から深夜1時までハンドルを握り、稼ぎは500元(1万円)程度だ。「それでも他に仕事はないのだから、頑張るしかない」・・・>(以上)

「経済減速」と言うより「不況」が始まっているよう。習近平は毛沢東時代の「清貧」を目指しているから平気の平左だろうが、トウ小平の改革開放以降、飽食と就職、遊興と自由の片鱗を知ってしまった若者や庶民は、今更ナイナイヅクシの「清貧」に戻れるわけがない。

人民の不満、不安の行く先はどこへ向かうのか。習近平降ろしの内戦か? それとも国民の不満をそらす日台侵略の外戦か? いずれにしても「動乱の時代」である。自由陣営はしっかりと最悪の事態に備えなければならない。
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上海は習近平に殺された!?

2023-08-28 10:03:34 | 戦争
上海は習近平に殺された!?
“シーチン”修一

【雀庵の「大戦序章」214/通算645 2023(令和5)年8/28/月】大正生まれの近衛兵だった父(農家の次男坊)は職業軍人を目指していたが、敗戦で夢破れた。当時の人は、日本敗戦後に掌返しで乱暴狼藉を始めたチョン(朝鮮人)は大嫌いで、チャンコロ(中国人)、露助(ロシア人)、アメ公(米国人)も嫌いだった。毛沢東との内戦に負けて台湾に逃げ込んだ蒋介石が日本に賠償を求めないことになって以降はチャンコロという言葉は表向きは聞かれなくなったよう。

「チャン」「チョン」の語源は何か、と問い合わせがあったので調べてみた。
◆支那=China(チャイナ)=チャンか? 
<「大清」という国号はモンゴル語「daicin」からの転写で「戦士」を意味していた。「大清国」は「戦士の国」とする説がある。清末に締結された条約の欧文では「China」という国号が用いられていることが多い。

中国人(特に漢民族)を意味する「チャンコロ」という言葉は、日本帝国が中国に出兵する明治時代から頻繁に使われるようになった「兵隊シナ語」のひとつである。
日本帝国の政治家と日本軍が清国を訪ねた際、満州民族の支配下にあった漢族が満州民族の前に跪き、頭を下げて御辞儀をする漢族(奴才=頭のいい奴隷とも)を日本軍が見て、中国人(漢民族)を「清国奴(チャンコロ)」と呼んでいたのが語源である。
中国服を「チャン服」、中華料理を「チャン料」などと略して用いることもあった。戦中に日本軍が征服した中国領土にいる中国人(漢民族)や敵に対して用いる俗語として定着した>(WIKI)

Daicin→China→チャンになったよう。今は支那人とか中国人と言うようになった。時代や状況によって他国、他民族の呼び方は変わるものだ。大日本帝国、日本男児はどこへ行った?

日本の敗戦によってタガが外れた朝鮮半島(韓半島)は、北側は「(北)朝鮮」、南側は「韓国」に分裂した。明治維新以降も朝鮮は清朝(支那)の属国のままで独立不羈の精神が見られなかったからだろう、日本では「清朝の南下を抑えるため朝鮮を防波堤にすべし」という征韓論が盛んになった。朝鮮、朝鮮人を江戸時代から虎(清朝)の威を借る狐、「一人前の国ではない=“チョンの間”的な軽佻浮薄な国・民族」と蔑んでいたが、明治あたりからそれが高じて「バカでもチョン(朝鮮人)でもできる」「バカチョン」とかの侮蔑言葉になったよう。

清朝による北からの圧力、日本による南からの圧迫、2つの強国に挟まれた朝鮮半島・・・為政者は随分辛い思いをしたろうが、苦渋の選択で日韓合邦に賭けた。

それから幾星霜、今や朝鮮の苦悩は他人事ではなくなった。現在の日本は“戦狼三羽烏”の中露朝による北からの侵略圧力を受けている。これを阻止する同志国は危機を共有する「台湾、豪州、韓国」、助っ人は英米加あたり。

戦後日本の宗主国になった米国民主党(≒容共ピンク)は日本を「100年は戦争できない国にする」と軍事力を抑え込み、今やソ連・ロシアから独立したウクライナからは核兵器を排除して、結果的に中露朝の共産主義国を勢いづかせ、現在の危機を招いた。バイデン民主党のウクライナへの支援を見ても小出しで、「飛んでくる火の粉を避けたい」「プーチンさん、米国はロシアと戦争する気はありません」というへっぴり腰。日台豪韓の危機にあっても民主党の米国が中露朝とガチンコで戦うか? すこぶる怪しい。

民主党の米国は「利益」で動く。「義を見てせざるは勇無きなり」ではなく「儲かりそうならチャレンジする」銭ゲバである。「銭ずら、銭が全てずら」、それが彼らの夢、正義、パワーの源、モラルであり、政治の基本である。それは米国人のDNAであり、ご先祖さまは一攫千金をめざして新大陸に押し寄せ、先住民を殺しまくり、侵略を重ね、領土を広げ、世界大戦に勝って、世界最大の大国になったのだから“それでいいのだ!”、今更否定しようがない。勝てば官軍、我こそ正義!

民主党の政敵である共和党でも基本的なDNAは一緒で、「米国の興廃この一戦にあり、イザッ!」という有事になれば第2次大戦のように挙国一致で団結するのが初期設定。それが米国の他国の追随を許さない強烈な強さで、中露朝が団結しても歯が立たないだろう。

その米国が「日台豪韓の危機=米国の危機」と判断して挙国一致で間違いなく参戦するか?・・・参戦(損耗)と国益(利益)を考えて決断するから、その時にならないと分からない。日台豪韓が「有事になれば米国は助けてくれる」と思っていたら「小出しの武器供与だけ」という“ウクライナ方式”になるかも知れない。

自国の安全保障は基本的に自国が万全を期すべきで、巻き添えを避けたい他国に武器供与を大きく委ねるたりすると、チャンスなのに武器がなく戦争が思うようにできずにだらだら長続きしたりという最悪の展開を招きかねない。国家、国民は「独立自尊、自立自尊、自立自存」に努めよと福翁も説いている。

<「独立自尊」は独力で事を行ない、自己の人格と尊厳を保つこと。福沢諭吉「修身要領」(1900)に曰く「心身の独立を全うし、自から其身を尊重して、人たるの品位を辱しめざるもの、之を独立自尊の人と云ふ」(日本国語大辞典)>。日本は“戦狼”妄想の習近平・中共による侵略を独立自尊の軍事力と団結で撃退しなければならない。
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その習近平・中共だが、1か月前あたりから「どうも経済回復が怪しくなってきた」と見る識者が増えてきた。経済が低迷、縮小しても習近平にとって台日侵略、インド太平洋制圧は毛沢東と並ぶために絶対に必要な“実績”だから、侵略意欲が衰えることはあり得ない。経済低迷だろうが断固として開戦するだろうし、経済低迷への批判をそらすためにも開戦を急ぐかもしれない。

それにしても以下の記事を読むと中国経済の低迷はかなり深刻のようで、日本のマスコミの中国記事は「真面目に取材しているのか?」と首をかしげてしまうほどリアルである。朝元照雄・九州産業大学名誉教授の「上海はこの様になり、私たちは非常に悲しい:中国経済“バブル崩壊”のシグナルか?」世界経済評論2023/8/21から以下引用する。

<7月22日、ペンネーム「将将一言堂」(将将は金偏)のネット寄稿文「上海はこの様になり、私たちは非常に悲しい」が中国の多くのフォロワーの共鳴を得て大きな話題となっている。その後、この寄稿は中国のネット上では削除されたが、海外のネットではまだ読むことができる。

中国では少子高齢化、不動産価格の暴落、20%を超える若者の失業率、物価の高騰と消費の低迷により、経済は衰退化に向かっている。特にゼロコロナ政策と2か月に及ぶ上海のロックダウンによる民生への影響が極めて大きい。寄稿によれば上海の大企業、中堅企業、個人経営は倒産や一時休業に追い込まれ、店舗はシャッターを閉じ、不況の嵐に見舞われている。

寄稿ではこの状態を魔都上海の“没落”と呼び、同時に中国の指導者を間接的に批判、「本来この災難は避けることができた」「上海にカネが無くなると困るのは単に上海人だけでない」と述べている。本稿でその概要を訳し以下、紹介する。
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耳の痛い話であるが、私(将将一言堂)はやはり言いたい。上海の現在の様子を見て心は不可解に悲しい。両側の店舗は閉店し、修繕という名で店は休業し、ライトの光は(コロナ禍以前より)暗くなった。ホールに多くの人々が動き回り、熱気ムンムンの昔の賑やかな雰囲気は既に失せて気持ち悪さを体感する。上海は空調機のスイッチを切って節約する程度の街になった。

上海遊覧に南京路は外せない。(南京路の最も賑やかな)歩行街に入ると大きな置地広場(ショッピングセンター)の入り口は人影が少ない。転々と回り、6階のレストラン“薩莉亜(サイゼリヤ)”に食事に行こうとしたが、2階に行くエスカレーターが止まっている。さらに上の階に行くと4階から上のエスカレーターは使用中止で、(動かない)エスカレーターを踏んで上の階に登る。エスカレーターを動かすカネすらないのか?

最もガッカリしたのは(南京路の名店)“美特斯邦威(服飾店)”だ。シャッターは閉まり店舗名の文字は汚く剥がされ、鉄製フレームが露出し、ライトの電線が醜く空中にぶら下がっている。ここは上海で最も高価な“黄金地帯”で、多くの企業が競って入りたがった場所ではなかったか? (上海で最も高価な地区の)南京路がこの有様であるなら、他の場所は一体どんな状態なのか?

上海駅に行く道を選び(人気だった)地下街を見に行った。数日前のネット動画である人が「この近くの店舗は殆どが閉店した」と言っていたが、これはデマなのではないかと思ったからだ。南広場から下に向かって歩くとネット動画の言うことは嘘ではなかった。文房具の店舗、アパレルの店舗、テレホンカードの店舗、スマートフォン部品の店舗はことごとく閉店していた。シャッターを閉じた店の裏では小店舗のオーナーたちの多くの悲しい物語があったことだろう。

上海駅の付近は小さな個人経営企業、虹橋駅の付近の大きな店舗は財力が中型の企業、南京路のショッピングモールなどは大企業のグループが立地し、この3つのエリアが上海を代表する商業地区と言える。個人経営のオーナーにしろ、大企業にしろ、倒産、閉店、(借金による)夜逃げが相次いでいる。これは上海の“没落”の縮影なのか? 上海は中国の商業の中心都市ではないのか。

上海はまるで“苦労を背負う長男”のようだ。儲けたカネは家計に補填してきた。ポケットにカネがあれば“弟と妹”が口を開けてカネを欲しがる(=貧しい省への財政補填)。今年、上海が援助する雲南省の“弟”がカネが欲しいと言った。しかし、上海の悲惨な現状を見ると、君(雲南省)は“地主の家には余剰の食糧”(コメディー映画のセリフ)があるとまだ信じているのか?と嘆息せずにはおれない。

上海にカネが無くなり、それで困るのは単に上海人だけではない。時計の針を1年前に戻すと(ロックダウン期間に)多くの人々が司馬南、明徳先生(いずれも中国の強硬な民族主義志向の論客)に追従し、ロックダウンに不満の人々に対し口誅筆伐(言葉と文章を使って激しく批判)を行った。その後の日々でカネが必要になるとは考えなかったのか? これらの人々は司馬南などのために自分の同胞の“お碗(メシ)”を壊すことができるのか?

真理は時に少数の人の掌中に握られ操作される。当時、批判が最も多く、不当な仕打ちを受けた呉凡女史(復旦大学上海医学院副院長で上海のロックダウンに反対)の言葉を聞いていたら良かった筈だ! しかし時は既に遅い。上海はこの様な姿になり、私たちは非常に悲しい。何と言おうが彼女(上海)はこの災難を避け得た筈だ。

だが私は希望を捨てていない。彼女(上海)は単に“転んだ”だけで、骨折までには至らず、少し休みさえすれば元気を取り戻す。再び繁栄した上海を取り戻そう! 一回の失敗から教訓を得て智慧が芽生えた。馬鹿者、悪者の“駒”になってはいけない。上海はもう怪我はできない、そして国家も怪我をすることはできない>(以上)
・・・・・・・・・・・
朝元氏の解説によると《上記の寄稿は「将将一言堂」の上海のフォロワーから共鳴を受け、ある人は「農民工の住居区を見ると良い。そこはもっと悲惨だ」というコメントも寄せられた。上海以外のフォロワーからは「深セン、成都、武漢、南昌などの状況は上海より悲惨だ。中国で最も豊かな上海がこの有様なら他の都市はもっとひどい」との書き込みがあった。そして「現在の中国の不況は上海における数カ月連続のゼロコロナ政策による影響だ」と当局を痛烈に批判している》

上海は習近平の最大の政敵である江沢民派「上海閥」の拠点だった。習近平はロックダウンで中国最大の国際経済都市・上海をボロボロにして上海閥の息を止めたのだろう。そもそも銭ゲバ的な資本主義自由経済が大嫌いで、毛沢東式清貧の共産主義国有計画経済への回帰を目指す習近平にとって、上海経済が2022年に「1978年以降で初めてマイナス成長」(NHK)に落ち込んでもまったく痛痒を感じない。

人民が不平不満で習近平降ろしを願うようになれば日台侵略を機に反・習近平派が「戦争を内乱へ転化」するかも知れない。それは一種の民主主義革命になるだろうが、軍の協力(あるいは中立)が必要なため容易なことではない。

一番可能性が高いシナリオは、上述したように「習近平一派は経済低迷への批判をそらすためにも開戦を急ぐ」である。残念ながらそれが毛沢東流であり習近平流なのだ。日本、台湾、豪州、韓国は核武装を始め軍事力を早急に強化しなければならない。古人曰く「天は自ら助くる者を助く」。
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産経モードは“開戦に備えよ!”/3

2023-08-25 08:17:34 | 戦争
産経モードは“開戦に備えよ!”/3
“シーチン”修一

【雀庵の「大戦序章」213/通算644 2023(令和5)/8/25/金】ここ数日、何となく秋めいてきた。中2あたりまでは「新学期が始まる、宿題をやってない、どうしよう!」と焦りまくったが、70翁になっても多動爺だから朝から晩まで焦りまくっている。「三つ子の魂百までも」・・・好奇心が旺盛で、夕べは「線状降水帯」を勉強したが理系脳が弱いのでチンプンカンプン、「対策なし、とにかく秋になるを祈るしかない!」ということしか分からなかった。一緒に祈りましょう・・・

荷風散人は面白い奴だった。「早稲田大学と慶応大学(三田)が野球で争っている、今度は早稲田文学に対抗して三田文学だと・・・バカか? 文学を競争の道具にしている。大学は学問の場だろうが! 大学の劣化、憂えるべし」と嘲笑。ところが慶應から「我が校の教授になって三田文学推進に力を貸してくれ」と頼まれるや、いそいそと教壇に立った。

いかにも荷風らしくて笑っちゃうが・・・考えてみれば人間は「利益」になれば、それまでの主義主張などは弊履のごとく捨てるのが初期設定なのかもしれない。二十歳でガチのアカ=濁りのない共産主義志向、紆余曲折を経て還暦近くでやっと反共のシロ=自由民主人権法治主義志向になった小生が偉そうなことは言えないが、リベラルを自称する「私は地球人、私は正義、平等万歳」病の人々も中露北との戦争が現実味を帯びてきたためか、アカやピンクから少しずつシロに変身し始めているようだ。

それにしても学問の府であるべき大学は、今やスポーツなど学問以外で名を挙げて人気・評判を得るという、なにやらエンタメビジネスになったよう。学問ではなくスポーツなどで名を成した、つまり人気者になった人が政治家になったりするが、大丈夫なのか?、危機の時代に国家をリードできるのか?と心配になる。

共産主義や宗教に淫した独裁国家などは危険であり、常に警戒すべしという「危機意識」を持った政治家は、平和ボケの時代にはなかなか生まれない。今の危機が自由民主国の政治家、国民を覚醒させる機会になりつつあるのは結構なことだ。

産経パリ支局長・三井美奈氏の「移民が変えた『寛容の北欧』」産経2023/8/18から抜粋する。
<デンマークのフレデリクセン首相(45)は女性で、労働組合出身の人権派だ。昨年秋の総選挙で中道左派与党を率いて勝利し、続投を決めた。その原動力となったのは「まるで極右」と言われるほど強硬な移民制限策だった。

亡命希望者を国内に滞留させないため、ルワンダに身柄を送って(*)難民審査をする計画を打ち出した。シリア難民には「もう危険はない。帰ってほしい」と、滞在資格の剝奪を始めた。デンマークは人口約590万の小国で、首相は「移民が多いと国の結束が保てない」と言う。「難民申請者ゼロ」を目標に掲げる。(*有償)

近隣のスウェーデンとフィンランドでは「極右」と呼ばれる反移民政党が総選挙で躍進し、中道左派政権を崩壊させた。デンマークでは中道左派の変化で、極右は少数派に転落した。

今の欧州ではどこでも移民政策が選挙でカギを握る。保革中道政党は共に反移民政党に「極右」のレッテルを貼り、政界から排除しようとした。だが、もはや無視できない存在になった。

移民を巡る議論はこの数年で様変わりした。もっとも声高に「人道主義」を掲げてきた北欧の変化がその象徴だ・・・スウェーデンは、EUでは人口比で最も多くの難民を受け入れてきた。人口1000万人に対し外国出身者とその子供が200万人を超えるようになった。シリアやソマリアなどイスラム圏から来た移民や難民は都市部に固まって住んだ。政府の統合努力をよそに、白人社会と隔絶した別世界を作った。麻薬や銃犯罪も急増した。

極右はそんな移民への憎悪を煽り、国内に緊張感が高まった。昨年春には極右の集会でイスラム移民が抗議の投石を始め、激しい暴動に発展した。当時中道左派政権を率いたアンデション首相は「国内に二重社会を作ってしまった。我々は同じ国に住みながら全く異なる現実を見ている」と移民政策の失敗を認めた。

欧州では難民や移民の大量流入が西欧文明を変えてしまうのではないかという不安がくすぶる。スウェーデンやデンマークで「難民を寛大に救った我々がなぜ脅かされねばならないのか」という怒りが根底にある。民主化に失敗した中東やアフリカの国々が難民を生み、欧州がそのツケを払わされていると映る。

人権重視の優等生だった北欧は今、EUで移民削減策の推進役になっている。スウェーデンで昨年秋に発足した右派政権は、難民受け入れ枠を5分の1以下に減らすと公約した。クリステンション首相は「デンマークのやり方は正しい」と述べ、難民申請者のルワンダ移送計画を支持した。EUレベルでの取り組みにも前向きな姿勢を示す。

EUには今年、7月までに17万6千人の難民、移民が流入した。「人道の欧州」も、なりふり構っていられなくなった>(以上)
・・・・・・・・・・・・
全く正論だ。日本も学ぶべし。三井美奈氏の経歴は――
三井 美奈(みつい みな、1967年 - )は、日本のジャーナリスト。読売新聞社パリ支局長等を経て、産経新聞社パリ支局長。
奈良県生まれ。1989年一橋大学社会学部卒業、読売新聞社入社。1998年ブリュッセル支局特派員。2006年エルサレム支局長。ハーバード大学日米関係プログラム客員研究員、国際部デスクを経て2011年パリ支局長。2015年国際部デスク。2016年産経新聞社入社、外信部編集委員。2017年パリ支局長。

著書:『安楽死のできる国』新潮新書 2003年、『イスラエル : ユダヤパワーの源泉』新潮新書 2010年、『イスラム化するヨーロッパ』新潮新書 2015年、『敗戦は罪なのか オランダ判事レーリンクの東京裁判日記』産経新聞出版 2021年。共著
は『世界の見方、個の選択』、高橋和夫、松尾秀哉、森分大輔と、新泉社 2012年
『現代ベルギー政治 : 連邦化後の20年』ミネルヴァ書房 2018年。(以上WIKI)

三井氏が産経に入社した2016年当時、小生は「“私はおフランス”っていう感じだなあ、大丈夫なのか?」と思っていたが、昨年2月24日にプーチン・ロシアがウクライナ侵略を開始するや俄然として「絶対許せない!」と発奮、生々しい、活き活きした記事を書くようになり、以来、小生は三井氏のファンになった。

産経の外信部次長兼論説委員の遠藤良介氏のレポートも凄い。遠藤氏はロシアが2022年5月、ウクライナ軍事侵攻に絡んで発動した対日制裁でロシア担当記者として唯一「入国禁止リスト」に入った。勲章みたいなもので、遠藤氏は俄然、戦意高揚、今も生々しい良い記事を書いている。

小説「半七捕物帳」などでも有名な劇作家・岡本綺堂は1904~05年の日露戦争で従軍記者(東京日日新聞)として満洲へ行き、「日本で最初の従軍記者」の一人になったが、歴史を大きく動かす戦争取材は「戦時」という機会がないとできないから希少価値の体験である。記者にとってまたとない「歴史の生き証人」になるチャンスでもあるが、「死と隣り合わせ」の緊張から兵士と同様、タフでないと務まらないようだ。

読者は生々しい記事を読みたいが、報道カメラマンの宮嶋茂樹氏によると戦場での取材、撮影は肉体的、精神的に非常に負担が大きいという。「倒れないように適度に休め」と会社が言ったところで、記者は他社との競争もあるし、「今」をいち早く読者に伝えたいから無理を重ねがちだ。かくして体調を崩して「もうダメだ、ちょっと休まないと・・・」となるまで頑張っちゃうのである。

一方で、気力・体力・健康管理+運がいい記者は定年まで生き残るかも知れないが・・・いい記事を書いてこそ評価されるのであって、ただ長生きしたところで誰も誉めやしない。

戦争は国家・国民の戦意・団結・武器・資金+外国の支援が続けば勝つ、あるいは負けないかも知れない。ベトナムは米国、次いで中共の攻撃を受けたが、ジャングルを生かした得意のゲリラ戦、消耗戦で2つの大国を駆逐した。大したものだ。

戦争は軍事力、経済力が大きい方が勝つわけではない、ということ。小国も人的損耗など被害が長引き苦しいが、国民の結束と周辺国などの支援があれば「勝てないまでも負けない」戦争が可能で、これは今のウクライナも同様だろう。プーチン・ロシアが疲弊し、ウクライナ領から軍を撤収させるまで西側諸国はウクライナを支えなくてはならない。支えなければ今度は自国がプーチン・ロシアに侵略されるのである。

プーチンが勝てば習近平は勢いづいて、ためらうことなく台湾、日本へ侵攻する。プーチンが負けて引きずり降ろされれば習近平・中共は「明日は我が身」と一時的に開戦を先送りするかも知れない。その間に日本、台湾、アジア諸国は備えを固めることができる。自由陣営はウクライナへの支援を強化し続けるべし。
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産経モードは“開戦に備えよ!”/2

2023-08-23 08:23:03 | 戦争
産経モードは“開戦に備えよ!”/2
“シーチン”修一

【雀庵の「大戦序章」212/通算643 2023(令和5)/8/23/水】猛暑と体調不善で“ガス抜き散歩”が思うようにできないと鬱屈気味になる。躁鬱病の人が鬱屈すると小人閑居してドーデモイイことをクソ真面目に考えるのだろう、一段と悲観的になっていくよう。負の連鎖・・・死に神が憑りつく。嫌なものだ。

小生は哲学者になりたいと思っているのだが、どういう訳か「明るく元気で楽しそうな哲学者」はほとんどいないよう。哲学者は「いかに生きるべきか」を考えながらブルーになる人が多いのではないか。死刑判決を受けたソクラテスは処刑前に自死したがブルーだったのか?

ブログ「アンサーソング」2023/6/4「我思う、ゆえに我生きる 哲学者が自殺しない理由」にはこうあった。
<実際のところ「哲学」→「自殺」的なイメージとは裏腹に、有名な哲学者ほど自殺していません。ソクラテス、プラトン、アリストテレス、デカルト、パスカル、
カント、ヘーゲル、ショーペンハウアー、ニーチェ・・・全員自殺していません(または自殺説に明確なソースがありません)。ソクラテスは自分で毒を飲んで死んだ話が有名ですが、そもそも「無知をバカにしまくった罪」で死刑宣告を受けたことが前提です>

ソクラテスの自死は吉田茂の「バカヤロー解散」みたいな「当て付け」か? 最後の言葉は「そうだ、アスクレピオス神にニワトリの供え物をするのを忘れていた。忘れずに供えてくれたまえ」だったという(真山知幸氏/著述家・偉人研究家・名言収集家)。ソクラテスは実に面白いキャラのようだ。

小生はニーチェは発狂して自殺したと思っていたが、病死だったらしい。サイト「サクッと散り際 フリードリヒ・ニーチェの死に様の信憑性」によるとかなり壮絶な最期。
<梅毒患者だったニーチェは、左右瞳孔径の違い(視力低下)や躁鬱病などに悩まされ、人格の変化や重度の認知症などの精神疾患を発症していました。20世紀にペニシリンが出現するまで治療法が確立されていなかった梅毒は、罹患してしまうと全身に広がっていき、肌やリンパ節だけではなく脳も冒し始める病でした。晩年、神経系を冒されてしまったニーチェは、自分の尿を飲み、便を口にし、その便を壁や自分の体に塗りつけるなどという奇行に走ります。

奇声を発しながら興奮状態から抜け出せないニーチェは、晩年のほとんどを無意識状態のまま過ごしていたと言います。彼の奇行は、すべて脳梅毒による症状でした>

小生は、人間は「教学系(教養・学問志向系)」と「楽天系(趣味・娯楽志向系)」にざっくり分類できると思っている。80%の人はその中間で、時に教学系⇔時に楽天系、時に天使系⇔時に悪魔系、時に勇敢系⇔時に臆病系になったり。ある時は「戦争のない世界を!」と叫び、ある時は「撃ちてし止まん、暴支膺懲を!」と叫ぶ。思考や価値観、言動が一定している訳ではないということ。

経験や体験などにより言動や人生観が変わるのが普通で、むしろ一定している方が「成長していない」と異端視されるのではないか。

歴史は概ね戦史である。戦争が良きにつけ悪しきにつけ新しい時代を創る。永遠の平和、永遠の反戦はないし、永遠の好戦、永遠の戦勝もない。勝った戦争は良い戦争、負けた戦争は悪い戦争である。随分アバウトなものだが、それが「健康」というもので、勝者に擦り寄る「事大主義」を目の当たりに見た夏彦翁曰く「健康とは嫌なものである」。多勢に無勢、人間は多勢に付く。

第2次世界大戦後、朝鮮戦争以外に強国同士のガチンコ熱戦はなくなって、ソ連圏との冷戦になったが、ソ連の自滅的崩壊以降は緊張がずいぶん緩んだ。そして今はソ連復興を目指すプーチン・ロシア、毛沢東時代への回帰を目指す習近平・中共による世界大戦が始まっている。そういう認識がない、備えがない国は亡国か三流国になる。拙速を恐れず開戦に備えるべし!

【モンテーニュとの対話(160)チャーチルの頭をなでながら 産経2023/8/19 桑原 聡】から。

<★後ろ姿に哀愁を感じて:千葉県勝浦市にある西洋アンティークの店で、傷だらけの陶製人形が目に留まった。濃紺のスーツに赤いちょうネクタイ姿の老人である。右手を胸にあて、左手はズボンのポケットに突っ込んでいる。体形はずんぐり、頭髪は後退し、意志の強そうな、否、かなり頑固そうで憎々しげな顔をしている。口の左端には丸い穴が開いている。かつてはそこに葉巻が収まっていたはずだ。

人形を手に取って「これ面白いですね」と、スコットランド出身の店主、アランさん(59)に言うと、「この人の評価はちょっと難しいですね」と返答し、困った顔をした。「イングランドではいまも偉人なんでしょう」と畳みかけると、「でも弱い者には冷たい政治家だったと思う」とアランさん。どうやらこの老人が嫌いらしい。

政治がらみになってしまう話はやめて、手に持った人形をじっくりと眺める。その後ろ姿が、私の心の琴線を軽く弾(はじ)いた。国と国民の運命を背負い、孤独に耐える政治家の哀愁を感じてしまったのだ。こんな背中を持った男、日本人ならスクリーンの中の高倉健ぐらいしか知らない。

「これぞ出会い」と決め込んで自宅に持ち帰った。すぐさまつまようじを切って色を塗り、火のついた葉巻をつくった。口の左端に開いている穴に挿し込むと、あたかも魂が入ったかのように、人形に生気がみなぎってきた。

★徹底抗戦か和平交渉か:ウィンストン・チャーチル(1874~1965年)は、ヒトラーのドイツへの宥和政策が破綻して、退陣に追い込まれたネヴィル・チェンバレンの後を継ぎ、65歳にして挙国一致内閣の首班となった。和平交渉か徹底抗戦か、という困難な決断を迫られたチャーチルは後者を選び、英国を勝利へと導いた。後に回顧録などによってノーベル文学賞に輝いた。

5年前に公開された映画「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」(ジョー・ライト監督、原題は「darkest hour」)をごらんになった方も多いだろう。映画はチャーチルが首相に就任する1940年5月10日の前日から、フランス最北端の港町ダンケルクで独軍に包囲された連合国軍兵士40万人を撤退させる「ダイナモ作戦」の開始(5月26日)までを描く。

映画の見どころは、持ち前の洞察力でヒトラーの危険性を見抜き、大量の戦死者を覚悟のうえで徹底抗戦を貫こうとするチャーチルと、国民の生命を守るためには屈辱的な和平も致し方なしとする前首相チェンバレン、外相ハリファックス卿の宥和派とのせめぎあいだ。戦後生まれの日本人は、同じ状況下に置かれたなら、どちらを支持するだろう。

もうひとつある。それは「ダイナモ作戦」を成功させるため、ダンケルクに近い港町カレーでドイツ軍に包囲されていた4千人のイギリス軍兵士たちを見殺しにする決断を下すところだ。40万人のために4千人を犠牲にする。政治的決断の残酷さが浮き彫りにされる。

この決断が「今」の日本でなされたとしたら、私たちはどんな反応をするだろうか。まあ、そんな決断のできる政治家など、わが国にいるとは思えないが・・・チャーチルの頭をなでながら、こんなことをモヤモヤと考えている。

★核を持った「ヒトラー」の誕生:チャーチルが1945年7月26日に首相の座を退いてから書いた『第二次世界大戦』(河出文庫、佐藤亮一訳)をひさしぶりにひもといた。冒頭に「本書の教え」とあり、そこには「戦争には決断、敗北には闘魂、勝利には寛大、平和には善意」とある。そして「第1章 勝者の愚行 1919~1929」はこう書き出される。

「一九一四年の第一次世界大戦が終りを告げた後、平和が世界を支配するだろうという、深い確信と、ほとんど万人に共通した希望とがあった」
ところが、敗戦国であるドイツに対して戦勝国が不寛容過ぎた結果、ヒトラーという独裁者を生み、第二次世界大戦という未曽有の大惨事がもたらされる。

冒頭の一文をこう書き換えてみたらどうだろう。「1989年の冷戦が終わりを告げた後、平和が世界を支配するだろうという…」

冷戦終結後のつかのまの平和の時代、「戦勝国」は善意を基本として国際社会に関わっていたのか、さらには「敗戦国」たるロシアに対して寛大であったのか、と今になって思う。現実は、国際社会への関わり方は善意ではなく強欲資本主義を基本とし、ロシアへのそれは寛大ではなく軽視ではなかったか。その結果が、プーチン大統領の「ヒトラー化」、そしてウクライナ侵攻ではなかったか、と思うのだ。人間はなかなか歴史から学べない。

だからといって、プーチン大統領を擁護するつもりなどかけらもない。彼の狂った野望は絶対に潰さなければならない。やっかいなのは、ヒトラーが持っていなかった核兵器を、プーチン大統領はたっぷり所有していることだ。冷戦の「戦勝国」は、核を持ったヒトラーと対決し、絶対に勝利しなければならない。それができなければ、もうひとつの専制主義独裁国家が、新たな侵略戦争に踏み出すのは目に見えている。

チャーチルならどうするか。『第二次世界大戦』をひもときながら想像してみるのも、けっして無駄ではないと思う>(以上)

一度アカ、一生アカ・・・プーチン、習近平、金正恩は「核を持ったヒトラー」である。核兵器使用を抑止できるのは核兵器だけである。「核兵器なき世界」とは抑止力がなくなることだから世界中が戦争になる。夏彦翁曰く「一度なったら、ならぬ昔には戻れない」。「核なき世界」には戻れないのである。

中露北を疲弊させるには経済包囲網に加えて核開発競争で財政をひっ迫させることも有効だ。財政逼迫→食糧不足→国民の不満→内乱→亡国・・・大昔から続いているパターンである。ソ連はそれで自壊した。

核兵器を持たない共産主義のキューバやアフリカの独裁国家はどうするのか。中露と心中するか、西側に就くか・・・第3次世界大戦は長期戦になるかも知れない。

戦争危機は人間の本能を呼び戻すようで、右足首骨折でブルーになっていた桑原聡氏は君子豹変? 略歴を紹介しておく。
<昭和32(1957)年、山口県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。産経新聞社で雑誌「正論」編集長や文化部編集委員を歴任。定年後、委託記者として時事コラム「モンテーニュとの対話」を連載中。著書に「わが子をひざにパパが読む絵本50選」「わが子と読みたい日本の絵本50選」(ともに産経新聞出版)、「《ドン・キホーテ》見参! 狂気を失った者たちへ」(水声社)、「寛容のすすめ」(海竜社)、共著に「酒とジャズの日々」(医療タイムス社)など。 毎週日曜日は千葉県御宿町のカフェテリア「ガリシア茶房」のマスター>
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