gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

習近平はオーラ喪失の末期症状

2023-09-29 07:37:59 | 戦争
習近平はオーラ喪失の末期症状
“シーチン”修一

【雀庵の「大戦序章」226/通算657 2023(令和5)年9/29/金】このところ加齢による呆けなのだろう、記憶力が低下して同じことを何度も書くようになった気がする。いわゆる「老人の繰り言」。そういう記事を見たらハハハと笑ってくれ。寄せては返す波の如し。ま、歴史は繰り返すというから人間とか生物はそういうものなのだ。それなりに精一杯生きれば御の字、大往生。「精一杯生きる」、これまた難しいことだが・・・

1962年、小学5年生の頃、南北ベトナム戦争が始まり、NHKテレビの特派員報告を見て「大人になったら特派員になろう」と思った。2月の早生まれのせいか、5段階評価の通信簿は2と3ばかり、これではとても特派員にはなれないので、どうしようと思っていたら、中学になって英語の授業が始まった。できる子もできない子も同じスタートライン、それなら「英語でトップを目指そう」となり、勉強したり考えるのが苦手だったから英語の教科書を丸暗記することにした。瓢箪から駒、これで英語だけはトップクラスになれた。

ただ、読書の習慣がなかったから国語の「文章理解」は最低だった。21歳で千葉刑務所の独房に招待され読書と物書きを学んでいったが、かなり遅過ぎ。慙愧の念があるものの、今更悔やんでも仕方がないが・・・ただ、こうは言っておきたい。「18歳までにそこそこ世間のことや良識を知っていないと、アカや邪教、偏向メディアや似非学者、ルフィなど強盗・詐欺師などに洗脳されやすいから気をつけよ」と。

ところで近年、かつて子供の小生を刺激したベトナムは共産主義独裁国ながら「反中」の姿勢が西側陣営から好感されるようになった。昨日の敵は今日の友? 米国がベトナムの南北戦争に本格的に介入したのは1964年から。派兵された米軍は18万人に及んだが、北ベトナムは強烈な空襲に耐えた。

<1975年春の攻勢で北ベトナム軍が南ベトナムの首都サイゴンを占領、最後のアメリカ兵がヘリコプターでサイゴンを脱出し、戦争は終結した。その時北の指導者ホーチミン死後6年を経過していた。北ベトナム及び民族解放戦線(南の反政府勢力)は、膨大な犠牲者と荒廃した国土を引き換えに、勝利者として国際社会から認定され、翌年には南北ベトナムが統一された>(WIKI)

日本は大東亜戦争で欧米列強に収奪されていた植民地の解放を目指した。植民地の被抑圧人民の協力を得なければとても欧米列強に勝てないというリアルな現実があるし、誰もが認める「大義」がなければ日本国民の戦意が高揚することもないからだ。戦争は「大義」を振りかざし、平和は「カネ」を鳴らす、チャリーン、チャリーン・・・カネの力は偉大なり? 日経2023/9/12「社説 米国とベトナムの連携を地域安定に生かせ」から。

<バイデン米大統領はインドでのG20首脳会議後、ベトナム(越)に立ち寄り、グエン・フー・チョン書記長との会談に臨んだ。ベトナムが米国との外交関係を一気に2段階引き上げ、中国やロシアと同格に位置づけた。歴史的に中露と関係が深いベトナムが、複雑な地政学の下で大国とのバランスをとろうとする動きだ。

かつてベトナム戦争を戦った米越の急接近は、中露の覇権主義的な動きを抑止するうえで日本にとっても望ましい。緊張を高めるのではなく、地域の安定に生かしてほしい。

米越は1995年に国交を正常化し、2013年に「包括的」パートナーシップを結んだ。通常なら次の段階は「戦略的」だが、今回はいきなり最上位の「包括的戦略的」に格上げし、「広範な戦略的」である日越関係を上回った。合意した経済や安全保障などの連携強化は双方に利点がある。

ベトナムにとって米国は輸出の3割を占める最大の相手国だ。米主導の「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」にも参画済みで、米企業の投資誘致が見込める。安保面でも中国と領有権を争う南シナ海問題での後ろ盾や、従来はロシアに依存してきた兵器の調達先の多様化が期待できる。

一方、米国にとりベトナムは、同盟国のフィリピンと共に中国の海洋進出に対峙する最前線だ。半導体や重要鉱物の対中依存を見直し、友好国で供給網を再編する「フレンドショアリング」を進めるうえで有力な受け皿になる>(以上)

日経ビジネス2023/9/26「ベトナムが米国との外交関係を最高ランクに 対中にらみ接近」では――
<バイデン大統領は、米国とベトナムの外交関係を「包括的戦略的パートナーシップ」へと引き上げる合意を取り付けた。これは米国との外交関係を2段階格上げするもので、ベトナムでは最上位のものとなる。長年にわたり、米国はベトナムに格上げを求めてきた。それだけに、変更は象徴的かつ重要な出来事となった。

ベトナムが今まで包括的戦略的パートナーシップの関係にあったのは、中国、ロシア、インド、そして2022年に加わった韓国だけだった。ベトナムは中国政府を刺激しないよう、長年米国の格上げを保留にしてきたのだ。

米国の国家安全保障担当大統領副補佐官であるジョン・ファイナー氏は、これは「言葉で表現する以上の前進だった」と述べる。同氏はバイデン大統領と共にハノイに向かう機中にて、戦略的パートナーシップに関し次のように語っている。「ベトナムのような体制の国では、(トップ同士の)協調の深さや連携の度合いが、政府そして官僚全体の行動を左右する」

ベトナム共産党の最高指導者グエン・フー・チョン書記長は、米国との協調関係は「飛躍的に」向上したと語った。バイデン大統領はベトナムについて、「世界で重要な大国であり、活力に満ちた東南アジアの先導者だ」と語った>(以上)

米越のWinWin 的連携、協調、あるいは野合・・・新婚時代は結構なことで、バイデン米国は喜んでいるが、ベトナムは「してやったり」とほくそ笑んでいるだろう。「永遠の友も永遠の敵もいない、昨日の敵は今日の友だ!」というのが米国流だから、アフガニスタンのように米国は逃げ出すかも知れない。なにやら狐と狸の化かし合い、外交はそういう狡猾的な裏面もあるのだろう。

習近平・中共は、自由世界とは“経済では同志、外交では時々喧嘩”であったものの、今では「自由世界共通の敵」になりつつある。自業自得だが、同じ共産主義独裁国家のベトナムが露骨に親米、反中になったのはショックだったろう。習の夢「毛沢東時代への回帰」は夢のまた夢に遠のいた、と言って良い。

追い詰められた習は相変わらず「俺は正義だ、私利私欲に走る党内の腐敗分子が危機を招いている、一掃すべし」とばかりに重鎮を次から次へと抹殺しているが、ドタバタばかりでオーラのなくなった習は最早末期症状の様相。普通の国なら「体調不良」で引退する場面だが、邪道の「夢」の実現を生き甲斐とする習は最期まで悪あがきしそうだ。

中共軍や上海閥、共青団派などトウ小平流の「改革開放派」による早めの習近平&太子党一派の殺処分こそが中国のみならず世界のために望まれる。グズグズしていると「裏切り者の腐敗分子」として習一派に殺られることは確実だ。

中共国歌「義勇行進曲」に曰く「起て! 隷属を望まぬならば! 我らが血肉で新たな長城を築かん! 中華民族最大の危機、各々今こそ最後の咆哮の時。起て! 起て! 起て! 我らは一心同体、砲火の中を進め! 砲火の中を進め! 進め!進め! 進め!」

文革の残滓、習近平一派を絶滅すべし。
・・・・・・・
*読者諸兄の皆さま、御意見を! ishiifam@minos.ocn.ne.jp
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
目安箱:ishiifam@minos.ocn.ne.jp
https://blog.goo.ne.jp/annegoftotopapa4646
https://note.com/gifted_hawk281/n/n9b3c7f4231f9
https://www.facebook.com/shuichi.ishii.14
まぐまぐID 0001690154「必殺クロスカウンター」

ゴロツキ邪道 vs 武士道

2023-09-26 11:25:41 | 戦争
ゴロツキ邪道 vs 武士道
“シーチン”修一

【雀庵の「大戦序章」225/通算656 2023(令和5)年9/26/火】小人閑居してアレコレ思う。普通の庶民は暗殺される恐れはない。何故か。暗殺者が狙うのは「敵のボス」で、「こいつが生きているのは禍、邪魔だ、消すに限る」と評価される“大物”である。

「差別だ、俺にも暗殺される権利がある」と嫉妬する小生のような変人もいそうだが、それなりの地位にのし上がり、世間にそう認められないと「権利はあっても資格はない」から、普通の人生を送ることになる。政治家の場合「凶刃に倒れる」という立派な評価を得るには、私利私欲を捨て、国家国民のために努力しなければならない。凡人や悪人にはなかなかできることではない。

「武士道」や「いさぎよさ」「正道」を「美」とする日本人は大方、そんな風に思うだろうが、世界は色々だから、私利私欲や自己保身を優先する為政者もいる、と言うか「それが正道」という人の方が多いようだ。

ラージャオ(中国人風刺漫画家)&トウガラシ(コラムニスト)コンビによる以下の「国とカネのためなら肉親も犠牲に 国民が互いを“密告”しあう現代中国の流行語『歩く50万元』」(ニューズウィーク2023/9/22)にはちょっと驚いた。

<「行走的50万」(歩く50万元)は中国ネットにおける最近の流行語で、中国に潜伏しているスパイを指す。北京市国家安全局が2017年4月に公表した「公民挙報間諜行為線索奨励弁法(公民スパイ行為告発奨励規則)」に関連する造語だ。

それによると、スパイ行為の防止あるいはスパイ事件摘発に重大な役割を果たした人に対して、最高50万元(約1000万円)の賞金が与えられる。つまりスパイ1人は「歩く50万元」である。

どうやって「歩く50万元」を見つけるのか。中国の人気サイト「知乎(チーフー)」によると、新聞記者や外国の貿易会社、海外NGO職員は「歩く50万元」である可能性が高い。ある公安局の宣伝用ショートムービーは、誰かが軍事施設の付近で撮影したり、ネットで不適切な発言をしていたら「歩く50万元」として疑っていいと断言している。先日、ある中国人男性が中国国歌を歌えなかったため、愛国的な彼女にスパイと疑われ警察に告発されたという記事がSNS上で大量にシェアされた。

中国政府は「歩く50万元」発見運動を全国に押し広げており、家族間で互いに「大義親を滅す」ことも奨励している。これは「君主や国家の大事のためには骨肉の情も犠牲にする」ことを指す言葉で、人々は再び「文化大革命」的な恐怖を身をもって感じている。
文化大革命の時代は中国の歴史上、家族間の相互告発が最も盛んだった。当時、ある母親が家で毛沢東を非難して16歳の息子に告発され、母親は即座に連行され死刑になった。告発したその息子は70代の老人になったが、若かった自分の過ちを悔やんでも悔やみきれないでいる。

最近、22歳の中国系アメリカ人海軍兵士が国家機密に関わる軍事情報を中国に漏らしていたとして、逮捕・起訴された。こんなことをやったのは将来、米海軍から退役して中国に帰るとき、いいポストの職を探せるだろうという母親の打算から。軍事情報を提供することで、アメリカにいながら祖国への変わらない忠誠心を表明する絶好のチャンスと考え、息子のスパイ行為を奨励したらしい。

母親の愚かさは息子に災いをもたらした。しかも、それはカネ目当て。結局、中国の「大義」はカネ次第なのだ>(以上)

上が銭ゲバなら下も銭ゲバ・・・習近平一派をつぶせばまともな国なると思っていたが、4000年の苛烈な政治で下もおかしくなっているよう。除染は相当難儀しそうだ。以下のBloomberg News 2023/9/19の「中国、一般市民でスパイあぶり出し 共産党支配への外部の脅威警戒」によると、中国の将来を担う学生への洗脳も、まるでジョージ・オーウェルの「動物農場」や「1984年」みたいだ。

<9月に入り、北京市の名門大学には新学年を迎えた多くの学生が戻ってきた。こうした中、キャンパス内で宣伝活動が強化され、スパイを見つけた場合の通報方法に関する短期集中講座がシラバス(講義などの授業計画)に追加されることが示唆されている。

情報機関の国家安全省によると、清華大学では外部勢力に対する「防衛線」になるよう教職員や学生に指導する映像が学内のスクリーンに映し出されたほか、北京工業大学でも国家安全をテーマにした行事が開かれた。また、北京航空航天大学の学生は「スパイは誰だ」という対話型のトレーニングゲームに参加するよう求められた。

習近平指導部が共産党支配への外国からの脅威と見なすものを排除するため、国家安全の統制を強める中、中国当局は大学だけでなく一般市民に対し「スパイはどこにでもいる」というメッセージを送っている。河南省の警察は近隣に疑わしい人物がいた場合、中国の流行文化について質問し、愛国心を確かめるよう市民に促したほか、山東省のメディアは「あなたの周りにスパイがいるかもしれない」と書かれたポスターを掲載した。

習総書記(国家主席)は5月に開いた中央国家安全委員会の会議で、「極限思維(極端なシナリオを想定した思考)」を堅持する重要性を強調。この表現はそもそも自然災害への備えを説くために使われていたものだった。その後、改正反スパイ法が施行された。中国当局は海外の情報機関のために働いているとしてコンサルティング会社を批判したほか、外国勢力がエネルギーセクターに侵入しているとの警鐘も鳴らした。

毛沢東氏が主導した文化大革命では、友人や配偶者、親に関係なく、共産党の瓦解をたくらむ勢力とつながりがあることを示すわずかな手掛かりでもあれば報告するよう奨励された。密告し合うことを市民に求める悪影響を記憶している人もまだ多い中国で、不信感が強まっている。

テキサス大学オースティン校ジョンソン公共政策大学院のシーナ・グレイテンス准教授は、相互監視を市民に促せば、中国全般の統治に「有害な影響」が及ぶ恐れがあると指摘。「虚偽の報告につながり得る」とした上で、「ますます不正確な情報に基づくことになり、国内の治安当局にとっても裏目に出る可能性がある」と述べた>(以上)

「裏目に出る」、すなわち中共統治への不信感や反発が拡大するかも知れない、ということだろう。グレイテンス准教授は東アジア研究者。経済紙のブルームバーグは日経のように「是々非々的中庸」を心掛けているようで、グレイテンス女史も穏やかな感じ。櫻井よしこ氏を崇敬&畏怖している小生にはちょっと物足りないが、呉 軍華女史(日本総合研究所上席理事)はなかなかの論者で、日経2023/9/22に掲載された論稿をもとにした以下の「中国経済を妨げる『制度のワナ』」も刺激的で勉強になった。

<中国経済の「日本化」を指摘する声が聞かれる。不動産市況や物価など、バブル崩壊後の日本と似通う問題に直面しているためだが、一党支配で発展段階も異なる中国経済が「日本化」する可能性はほぼないだろう。それより注目すべきは「ソ連化」が進むか否かだ。

フルシチョフ時代のソ連は高い経済成長を遂げたが、その後は長期にわたり停滞した。体制維持を最優先とすることで、中国はその轍(てつ)を踏む可能性がある。旧社会主義国陣営では、中国のみが改革開放下で高い成長を遂げた。このため改革開放は中国独自のものと思われがちだが、そうではない。

中国の改革開放は、レーニンが1921年に始めた新経済政策「ネップ」がルーツといえる。レーニンは内戦による経済危機から脱するため、便宜的に資本主義的手法を取り入れた改革を進めた。一方で、政治や文化などの面では民主国家の影響を遮断し、あくまでも共産党政権の維持を最重要課題に据えた。ネップはレーニンの死後、しばらくして終了したが、その間にモスクワに滞在した若きトウ小平には深い印象が残ったようだ。トウ小平は何度もネップを高く評価した。中国の改革開放が「中国版ネップ」と言われたほどだ。

もちろん中国の改革開放にはネップにない要素もある。両者の主な違いは、民間企業の活用と対外開放にある。以前、本欄でも指摘したが、中国共産党は政権獲得後、すべての権利を中央に集中するソ連型の全体主義的体制を移植したが、やがて「郡県制」の伝統を受け継いだ地方分権的全体主義に改めた。この体制の下、民間企業の誘致合戦が地域間で活発になった。
また、中国は先進国の資本・技術を容易に取り入れる経済のグローバル化にも恵まれた。だからこそ、中国はソ連などとは異なる成長パフォーマンスを実現できた。

経済成長とそれに伴う中間層の拡大は、民主化につながるとされる。西側の対中接触政策を支えた理論的根拠だ。しかし、中国共産党にとっては、平和的手段で体制崩壊を狙う「和平演変」にほかなく、絶対阻止すべきことだ。
習近平体制発足以来、社会統制の強化や民間企業の締め出し、米国など西側諸国との関係悪化が顕著に進んだ。その原因を習氏個人に求める声も聞かれるが、そうではなく(和平演変を阻止するという共産党の)制度的なものと言わざるを得ない。

共産党の支配や公有制を基本とする社会主義制度の維持などは、改革当初からの基本原則だ。反「和平演変」は江沢民・胡錦涛時代でも最重要課題だった。習体制となってこうした動きが劇的に強まったのは、国力の増強により、便宜的な改革で成長を促す必要性が低下したためだ。そして、社会の多元化に向けた圧力が増大し、「和平演変」(による体制崩壊)のリスクが高まった、と指導部が判断したからだろう。

中国経済の苦境を「中所得国の罠」で説明する向きもある。しかし、成長を妨げる罠は所得水準ではない。それ(経済苦境の原因)は(社会主義制度の維持など)基本原則に裏打ちされた制度(そのもの)だと言えよう>(以上)

マルクスによると、ブルジョアジーを叩き潰したプロレタリア(労働者)による共産主義独裁経済の発展のキモはこうである。
<1)土地を国有にして地代を取って貸し出し、国家支出に充てる。2)強度の累進課税を課す(金持ちを作らない)。3)相続制度を廃止する(金持ちを根絶する)。4)亡命者、反逆者の財産を没収する。
5)独占的国立銀行により信用を国家に集中させる。6)運輸機関を国営にする。7)工場など生産手段を国有にする。8)平等な労働強制、産業(特に農業向け)支援軍の編成・・・

革命によりプロレタリア階級が支配階級になり、古い生産関係を廃止していけば、階級対立、階級そのものが消えていくだろう。ブルジョア社会の代わりに、そこには一つの「協力体」が形成され、個人の自由な発展が、すべての人々の自由な発展の条件になる>(マルクス「共産党宣言」1848年)

結果的にどうなったか。赤色エリートによる苛烈な強権独裁国家を生み育てることになってしまった。高学歴の人はイエスマンにならないと良い仕事に就けない、パンにありつけない。圧倒的大多数の庶民は食うのがやっと。苦情を言えばラーゲリ(強制労働収容所)行きだ。身に覚えがなくても、ある日突然逮捕される。諦観と逼塞で静かに目立たぬように暮らすしかない。習近平独裁の中国も同様だ。

<ロシア人の70%以上が自分たちをロシア正教会のキリスト教徒であると考えており、その数は増え続けています。また、2500万人のイスラム教徒、150万人の仏教徒、17万9000人以上のユダヤ人がいます>(ロシアのサイト greelane)

プーチンはウクライナ侵略が想定外の長期戦になり兵士不足になったため、ロシア正教以外の主に地方や辺境に暮らすマイナーな宗教信者を徴兵しているという。彼らが戦死してもモスクワなどの大都市はロシア正教信者ばかりだから、ほとんどニュースにもなっていないようだ。辺境の地の異教の若者はプーチンから見れば安上がりの兵士、いくら死のうと痛痒を感じないし、異教徒の減少はむしろ“願ったり叶ったり”かもしれない。中露北はそんな国だ。

日本は異形の中露北の独裁者を殲滅しなければならない。世界から英仏蘭米の植民地を一掃した初めの一歩は日本による。日本は矢尽き刀折れボロボロになり敗戦、以来、主権を奪われ米国の属国に甘んじているものの、武士道精神は熱き血潮のように残っている。対中露北の戦争は「ゴロツキ邪道 vs 武士道」の激突だ。日本独立の運命、皇国の興廃もこの一戦にあり。各員一層奮起すべし。
・・・・・・・
*読者諸兄の皆さま、御意見を! ishiifam@minos.ocn.ne.jp
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
目安箱:ishiifam@minos.ocn.ne.jp
https://blog.goo.ne.jp/annegoftotopapa4646
https://note.com/gifted_hawk281/n/n9b3c7f4231f9
https://www.facebook.com/shuichi.ishii.14
まぐまぐID 0001690154「必殺クロスカウンター」

“習近平一強不況”で弱まる中国

2023-09-23 09:22:17 | 戦争
“習近平一強不況”で弱まる中国
“シーチン”修一

【雀庵の「大戦序章」224/通算655 2023(令和5)年9/23/土】暑さ寒さも彼岸まで、と言うが、夜中から翌朝までは室温28℃あたり、昼から夜は30℃を超すからクーラーの世話になる日が続く。日差しが強過ぎるのだろう用水路沿いの彼岸花の開花は例年より遅れており、来週あたりから見頃になりそうだ。

人口が増える=建物が増える=密集地帯なる=風遠しが悪くなる=気温が上昇する・・・都市部での人口&企業集中は便利で機能的だが、温暖化や異常気象などを避けるために、過疎化が著しい地方に分散させていく必要はないか? 都市部=消費地とのアクセスの整備、税制優遇などのインセンティブにより地方再生と都市集中緩和を進めるべきだと思うのだが・・・「地方創生」などグダグダ協議している時期ではなく、今は拙速を恐れず行動に移すべき時ではないか。各員一層奮起せよ、イザッ、前進!

このところ塩野七生先生の「逆襲される文明 日本人へ/Ⅳ」(文春新書)を読んでいるが、人間は太古の昔から戦争と平和を繰り返してきた。いずこの民族も多神教だったが、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教という強烈な「一神教」が広まると、それぞれが「我こそ正義、それ以外は邪教」と偏狭になり、この1500年ほどは宗教対立による戦争が絶えない。塩野先生はこう嘆いている。(*は修一)

<ルネサンス(*およそ1300~1500年)とは、疑いから始まった精神運動である。(*キリストの死の300年後から)1000年もの間、キリスト教の教えに忠実に生きてきたのに、なぜ人間性は改善されなかったのか、という疑問を抱いた人々が、ならばキリスト教が存在しなかった古代では人は何を信じて生きていたのか、と考え始めたことから起こった運動だ。だからこそ「古代復興」がルネサンスの最初の旗印になったのである。

「ローマ人の物語」を書く勉強を始めながらあることに気付いた。書くためにはヨーロッパの学者たちの著作を読むのは不可欠だが、それをしているうちに、キリスト教がなかった古代を専門に研究しているにかかわらず、この人々の論調に「ヘソの緒」が切れていないとでもいう感じを持つようになったのだ。彼らはどうあがこうとキリスト教徒なのである。この種のヘソの緒が切れていない人々による古代研究を勉強しながらも、そこにある“隙間”が気になって仕方がなかった。

私はキリスト教徒ではない。と言って無神論者でもない。日本式の八百万(やおよろず)だが、キリスト教徒ではないのだから、キリスト教が存在しない時代に生きた古代人を理解するのはより簡単に違いない、そう思ったら気が楽になった・・・

ところが私の仕事も、多神教の古代が終わって中世に移ったら、そこは一神教の世界である。神となれば最高神だから、他の宗教の最高神とは敵対関係になる。お陰で中世はキリスト教とイスラム教が激突する世界。なぜこうも宗教ばかりが幅を利かせる社会になってしまったのか。

宗教は、人間が自信を失った時代に肥大化する。宗教が人々を助け救うという本来の姿であり続けるべき、と思うなら、政治や経済など俗事が機能していなければならない、ということだ>(以上)

政治・経済・社会が安定していないと、その隙間に「我こそ正義、信じる者は救われる、邪道許すまじ、破壊すべし」という、恐ろしく偏狭、排他的、過激な一神教がはびこることになる。人々の不安に乗じた新興宗教・・・迷える子羊はワラにも縋る思いで飛びついたのだろう。

「一神教」と言っても中身はいろいろで、キリスト教ではカトリック、プロテスタント、イスラム教ではシーア派、スンニ派、ユダヤ教では正当派、改革派などなど無数にある。各派閥は普段はお互いに「我こそ正統、他派は邪道」と敵対しているが、対外戦争などイザッ!という時には「小異を捨てて大同につく」、そこそこ結束するようだ。

多神教の日本では神道、仏教、道教、儒教から孔子、孟子、陽明学、それらを集大成したような武士道など無数にあり、ほとんどの人は違和感を持たない。「美味しければ良い」のである。正月は神社と寺院の両方にお参りしたり、神仏習合で寺の中に神社の鳥居があったりするから、一神教の信者から見れば「人間未満の未開人」と思われるだろう。逆に小生から見れば一神教の輩は「唯我独尊、我こそ正義、邪教殲滅」を唱える戦狼で、概ねカネ儲けにも熱心であり、小生は「奴らはこの世の禍の元、銭ゲバ、邪教ではないか」と不信感を持っている。

中共では建国以来、基本的に宗教は禁じられている。共産党が「絶対神」であり、それ以外は基本的に許さない。レーニンは宗教を弾圧したが、ロシア人は信仰を放棄しなかったので、結局、ロシア正教を官製にして独裁統治に利用し、それは今でも続いている。強権独裁の苛烈な政治でも信者は「あの世」を信じているから統治しやすいのだ。

中共は毛沢東が復権のために「文化大革命」を起こして伝統的な神を抹殺し、己を絶対神にしたが、御利益がないから人民は神仏の代わりにカネを信じる「拝金教徒」になった。1984年に上海で奇跡的に破壊されずに残っていた寺院を訪ねたら、倉庫にでもしていたのだろう、まるで廃墟、青年が「何、これ?」と訝(いぶか)しんでいたものだ。今では「宗教」とは何かを知らない人がほとんどではないか。その代わりに「自由民主」を信奉する人は増えているような気がするが・・・

日経2023/9/20:中沢克二編集委員の「習政権ウオッチ 北戴河にいた軍長老 曽慶紅隣席で習氏に無言の圧力」から。
<「この夏、あの海辺にいたのは力のある選りすぐりの長老だ。ほんの数人だけである」「そのうちの一人は中国人民解放軍の長老だ」「問題の(長老らとの)会合後、習近平は、自らの側近を前に感情をあらわにした」

中国の内情をうかがい知ることができる複数の人物の証言である。海辺とは河北省の海浜にある保養地、北戴河を指す。そこは毎夏、長老と習ら現役指導部が(意見交換をしている地である)・・・>

いわゆる「北戴河会議」。東京新聞2023/8/11社説「中国北戴河会議 独裁阻止の機能変質か」はこう報じている(要旨)。
<北戴河会議には、独裁者が生まれることを防ぐ「政治的知恵」の性格があった。現役の最高指導者であっても、引退した長老たちの指摘に耳を傾け、苦言を聞かねばならない。長老らによる指導部への影響力行使の場として、集団指導体制を下支えしてきた面があるといって差し支えないだろう。

しかし、状況は変わった。引退組のリーダー格だった江沢民元国家主席が昨秋に死去。昨年の共産党大会では、長老の一人、胡錦涛前国家主席が途中退席を促されるという異例の事態も起きた。その党大会で、習氏は、側近で固めた指導部を率い、過去に例のない党総書記三期目を始動させている。
名実ともに「習一強体制」が確立される中、長老たちの発言力、影響力は急降下したとされ、北戴河会議さえ、習氏の意向を追認する場に変質した可能性もある。

中国共産党が毛沢東独裁時代の反省に立ち、毛の死後、導入したのが集団指導体制である。「文化大革命」など大きな犠牲を払って手にした重い教訓だ。「独裁」の愚が繰り返されることがないよう党の自浄作用に期待する>(以上)

「党の自浄作用に期待する」・・・美しい言葉だが「中共軍のクーデターに期待する」とか「上海閥と共青団派による奮起を期待する」ということか? スターリンが何よりも恐れたのは「軍」で、夜中に軍の指導者が緊急の用で訪ねたら腰を抜かしたという。日本でも1936/昭和11年の「2.26事件」は将校・兵士1500人による「日本近現代史最大のクーデター未遂事件」として知られ、「陸軍>政府」の図式ができあがってしまったが、中国は軍のクーデターでしか習近平独裁を終わらせないかも知れない。それから先の中国はどうなるのか、吉とでるか凶とでるか、小生には分からないが・・・とにもかくにも習近平を排除しなければインド太平洋の安定は得られない、これは確かだ。

世界評論2023/9/18、遊川和郎・亜細亜大学アジア研究所教授の「深まる習近平一強不況 中途半端な政策とちぐはぐなメッセージ」から。
<厳格なゼロコロナ政策が終了したことにより,年初には上振れの予想が多かった中国経済だが,その後発表される主要経済指標は市場予想を大きく下回り,減速感が鮮明になっている。こうした状況に危機感を強めた中国政府は7月後半から次々と景気のテコ入れ策を打ち出す。消費喚起,民営企業(民間投資)振興,外資利用,株価・不動産対策などの領域である・・・

各分野での景気対策を長々と列挙(略)したが,どの政策も過去の政策をなぞったような焼き直しや継ぎ接ぎ(つぎはぎ)でほとんどインパクトはないのである。薄日が差したかに見られた不動産市場も目先の需給関係を緩和しただけで,どうやら長続きしそうにない。経営不振に陥ったデベロッパーをどうするのか,根本的な解決の道のりは見えない・・・

なぜ,どの政策もこうした中途半端なことになるのか。経済政策の実権は李強首相を筆頭とする国務院ではなく,党中央に集約された。すなわち全て党中央=習近平総書記の意向を踏まえなければならず,冒険などできるはずがない。中央政治局会議の包括的な決定(方針)をいかに具体化すればよいのか,忠誠を疑われないように,主席の発言や文脈を懸命に読み解き,そこから決して逸脱しないと思われる施策を恐る恐る出しているのである・・・

7月から改正「反スパイ法」が施行されるのを受け,米国政府は6月,中国で活動する米国や外国企業による通常のビジネス活動が中国当局からスパイ行為として「不法な拘束」を受けるリスクを警告,中国への渡航再考を促した。日本でもビザ取得の煩雑さを含め,訪中のハードルは高いままである。

都合の悪い統計は急きょ発表が取り止められる。民営企業に対する支持は些かも揺るがないと強調するものの党の指導は絶対で,いつ風向きが変わるか分からない。寄付の強要など富む者を目の敵にするような共同富裕や学習塾への規制など極端な世直し政策は,経済活動を委縮させ混乱を引き起こすだけで,その目的は達せられないでいる。

世直しに明け暮れる習近平体制は10年を超え,改革開放の日々は次第に遠のいていく。数年後にはもっと息苦しい社会が到来していることは予測できても経済活動が再び活況を呈している姿はなかなか想像し難しい。世直しはしても明るい未来が見えてこない。これが習近平一強不況の正体なのである>(以上)

著者の遊川和郎氏の履歴を見ると、毛沢東後のトウ小平の改革開放政策に魅かれて中国に関心を持つようになったようだ。東京外国語大学中国語科卒、上海復旦大学留学を経て、外務省専門調査員(在香港総領事館)、日興リサーチセンター上海駐在員事務所長、外務省専門調査員(在中国大使館)などを歴任している。中国の発展は氏の喜びでもあったろう。それが習近平政権になると掌返しで日本叩きが露骨になり、困惑が次第に習近平への反発になっていったようだ。「裏切られた、甘かった」という痛恨の無念、慙愧の思いだろう。習近平を駆除すべし。
・・・・・・・
*読者諸兄の皆さま、御意見を! ishiifam@minos.ocn.ne.jp
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
目安箱:ishiifam@minos.ocn.ne.jp
https://blog.goo.ne.jp/annegoftotopapa4646
https://note.com/gifted_hawk281/n/n9b3c7f4231f9
https://www.facebook.com/shuichi.ishii.14
まぐまぐID 0001690154「必殺クロスカウンター」




習近平排除が中国を救う

2023-09-20 08:40:05 | 戦争
習近平排除が中国を救う
“シーチン”修一

【雀庵の「大戦序章」223/通算654 2023(令和5)年9/20/水】暑さ寒さも彼岸まで、と言うけれど今朝も朝から熱い。用水路沿いの彼岸花も少ししか咲いていない。住宅が密集し過ぎだ。昔は野原ばかりで良かったのに・・・老いの繰り言だな。悲しむべし、笑うべし?

大学除籍ながら自動車部の友から東京スカイツリーあたりで「久し振りの同期会をしよう、最後になるかも知れない」と連絡があったので、こう返信した。
<お誘い、ありがとうございます。腰痛と左膝の皿の骨折、体力劣化で遠出は難しい上に、胃癌で胃袋を切除したため食事も思うようにできず、さらにアル中になって6年間断酒していますし、かなり重度の難聴で、残念ながら参加できません。いつお迎えが来ても悔いないように焦りまくってネットで発信しています。皆さまの健康長寿を祈っています>

老い先短い孤老の小生は「やり残したくない」と焦るのだが、「頂門の一針」主宰者の渡部亮次郎氏の言葉「メルマガの届かなくなった日が私の死亡日」に触発されて「最期まで戦うのだ、撃ちてし止まむ!」と思うようになった。この出会いがなかったら今の“戦老”はなく、首吊りかアル中でとっくに自滅していたろう。

そう言えば9/18は「敬老の日」だった。老人を敬うというが、日進月歩の急速な技術革新が進む現代では「時代遅れの老人」ばかりで、「敬うに値する老人」はごく少数だろう。老人受難時代? 一般的にはおだやかで優しい「好々爺」(こうこうや)や伝統の技の継承者などが称賛されている。

一方で「狸爺」(狡猾なタヌキヂヂイ)、「偏屈爺」(頑固なへんくつヂヂイ)、「糞爺」(我こそ正義と上から目線で他者を小ばかにしたようなイヤミでへんくつな食えない糞のようなクソヂヂイ)という、怪しい人や嫌われ者もいる。

奇人、変人、異端の小生は孫には好々爺だが、記事を書いている時は偏屈爺・糞爺、落語の「小言幸兵衛」みたいで、よくよく注意していないと、冷徹で頭脳明晰、仕事もできるインテリ読者から軽侮を受けることになる。「市井の哲学者」を目指す小生は「軽侮」を受けたらオシマイだから、できるだけ理路整然と書くようにしているが、記事が長いので現役バリバリの忙しい人には敬遠されているかも知れない。「要領よく記事をまとめる」というのは簡単に見えても結構難しいのだ。

山本夏彦翁も「原稿用紙10枚を5枚に、5枚をさらに3枚に凝縮するのは大変だ」と苦しんでいた。上手く凝縮できると深い味わいの論稿になるが、それに失敗すると読者は「何を言いたいの?」と困惑するとか。

悪貨は良貨を駆逐する・・・人は易きに流れる、スマホ時代の今は活字の書籍や新聞はすっかり斜陽になった。昨年あたりからパソコンのネット言論でも「サマリー」を掲載するようになってきた。論稿のキモを手短にまとめた「リード、要約」のようなもの。リードは以前は新聞だけだった。現役の人が忙しい朝に新聞をじっくり読む時間はないから、記事内容をタイトルで示し、さらにリードを付けたりする。「目立つ格好をして、手を振って見せる」・・・ちょいと、そこのメガネのお兄さん、上がってよ、忙しい? じゃあ、お茶だけでも・・・荷風の「墨東奇譚」みたいだな。

サマリーは、大学の先生が50人、100人の学生の「起承転結式」論文を読むのはシンドイから「要約/主旨を400字で簡潔に冒頭に書いておけ」と命じたのが始めではないか。その是非はともかく、「ちょんの間」的に起承転結を冒頭で紹介するなんぞは、小説、特にミステリーや恋愛小説ではとても導入できやしない。ネット言論では「サマリー」はすっかり浸透したようだが、アナログ世代の起承転結派の小生はこれからも好きにはなれないだろう。そんなことを思ったのは以下のサマリーを読んだからだ。

JPpress 2023/9/16、福島香織氏の「中国、服装も規制?『中華民族精神を傷つける』を根拠に恐怖の警察国家時代へ」の冒頭サマリーから。
<◎中国当局が示した治安管理処罰法の改正案に国内から批判が殺到している。「中華民族精神を傷つける」行為を処罰の対象としているが、そこに服装が加わっているからだ。
◎「中華民族精神を傷つける」とは何を指すのか基準が明確に示されておらず、個々の警察官レベルで恣意的に運用される可能性がある。
◎こうした条例は文革時代に「階級の敵」を取り締まるために乱用された経緯があり、市民は「恐怖の警察国家時代」が再来するとの懸念を抱いている>

これだけではインパクトが薄いから「ふーん」で終わってしまいそう。本文を読んでもらうためには読者を刺激し「面白そうだ、読んで見よう」と思わせることが大事ではないか。小生は産経出身の福島香織氏を敬愛しているので読んでみた。以下一部紹介。

<【日本アニメのコスプレもNGか】 中国で2006年に施行された治安管理処罰法が大幅に改正される見通しだ。改正法案が全国人民代表大会(全人代)の公式サイトで公開された上で、9月1日いっぱいパブリックコメントが募集されている(ロイター)。「その内容がひどい」と中国人からも批判の声が山のように寄せられていた。だが、中国メディアは、この批判の声を黙殺している。いったいこの改正法案の何が問題視されているのか。最大の注目点は第34条だ。英雄烈士の侮蔑などを取り締まる条項なのだが、

「第二項:公共の場所で中華民族精神を損ねたり、中華民族感情を傷つけるような服装を着用したり、ワッペンなど印を身に着ける、あるいは他人に強制的に着用させたり、身につけさせるような行為」「第三項:中華民族精神を損ねたり中華民族感情を傷つけたりするような物品、言論を制作、伝播、宣揚、散布する行為」

「こうした行為について、最高5000元の罰金、あるいは最高15日間の拘留という処罰を下せる」とある。多くの人々が疑問に思うのは「『中華民族の精神』『中華民族の感情』を損なう服装とはどんなものなのか」ということだ。それについて具体的な定義がない。

偉大なる人民領袖の毛沢東を、パンダと同じような感覚でデザインにしたワンピースは中華民族の精神や感情を傷つける、と判断されるかもしれない。ほかに考えられるのは日本の着物・和服や日本アニメのコスプレだ。
艦隊育成ゲーム「艦これ」やアニメ「ゴールデンカムイ」などの影響で、一部中国の若者の間では、旧日本帝国軍服コスプレが流行ったことがあった。SNSにこうした写真が上がるたびに愛国ネットユーザーが「中華民族の感情を傷つけた」と大騒ぎをした。
日本帝国軍は中国共産党の「仇敵」で、その軍服(もどき)を遊びであっても中国人が着用するとはけしからん、というのは分からなくもない。ではSFや戦闘ものアニメキャラのコスプレはどうか。そういうキャラの中には第2次世界大戦の帝国軍人をイメージしたキャラもある。
「宇宙戦艦ヤマト」や「銀河英雄伝説」のキャラのコスプレなどはダメなのだろうか。銀英伝は中国で実写ドラマ化の話もあると聞くからOKかもしれない。だが、ヤマトはダメとなるのだろうか。その線引きは誰が決めるのか?

【独裁国家で異例の批判噴出】 この新たな治安管理処罰法の特徴は、従来法より公安警察の権力が大幅に拡大し、処罰自体も厳しくなっていることだ。罰金は、従来500元程度だったのが1000元から最高5000元までに上がり、拘留日数も10日以下だったものが15日以下に延長されている。
14歳から16歳未満の未成年に対しても「1年に2回以上の違反」で、行政拘留処罰を執行できるように改正されそうだ。第59条では「侮辱、侮蔑、威嚇、取り囲み、バリケードなど警官の法に基づく職務を妨害する場合は重処罰」という規定が増えた。

警察の法執行のプロセスも単純化された。「緊急の状況では、警察は現場で強制召喚、差し押さえを実施し、手続きは後回しでいい」としている。第106条、第120条では警官単独で法執行できることを認めている。
法執行の承認は、従来法では県レベル以上の政府公安機関の捜査証明文書の発行を必要としていたものが、改正法案では単に「公安当局責任者の批准」というあいまいな表現に変わり、一派出所長や隊長、あるいは現場に駆け付けた担当警官の判断で法執行をやってもいい、と読むことができそうなのだ。

さらに怖いのが第100条の生物識別情報の収集に関する規定だ。公安当局者は必要とあればDNA情報や顔や身体、声紋、指紋、血液、尿などの生物識別情報を自由に収集できる。これは公安権力を一気に拡大した格好だ。生物識別情報は「個人情報保護法」で守られるべき「センシティブな情報」だ。中国には違法な臓器売買、臓器移植犯罪が存在する。個人生体情報の漏えいはその人の命にもかかわる。

パブコメにはこんな批判が相次いだ。「中華民族一人ひとりに生活がある。なにがその精神や感情を損なうのかその判断は一人ひとり違う」「憲法35条では、公民は言論、出版、集会、結社、旅行、デモの自由が認められている。いわゆる中華民族精神がどのようなものか、どのような言論がそれを傷付けるのか、その議論も言論の自由の範疇だ。現場の警官部隊が勝手に決めるべきことではない」
「法律を作るなら、最悪の想像をするべきだ。(反愛国を取り締まるという)立法の発想自体はよくても、執行者が立法者の意図どおりに法執行するかわからない。法律の条文に抽象的概念がでれば、法執行者の自由裁量がそれだけ増え、権力の乱用をもたらすだろう」
パブコメはあっという間に10万件以上あつまり、その多くが懸念や批判を表明するものだった。独裁になれている中国人民がこれだけ反応したことはやはり驚きだ。

【思い起こされる悪夢の文革時代】 英雄烈士保護法、国家安全法など習近平政権になって反体制派や愛国愛党イデオロギーに不服従な公民を取り締まる法がいくつも整備された。だが、治安管理処罰法改正に服装についての条項が入ることにここまで反響が大きかった理由について、SNSで人気の反体制派の華人評論家、蔡慎坤はこう指摘していた。
「1949年以降、中国人はどんな服を着るかというのは、一つの政治問題だった。旗袍(満州民族衣装を原型としたチャイナドレス)も着ることはできず、背広はさらに“腐ったもの”で放棄すべきものだった。文革時には服装は高度に統一された。文革後期から改革開放当初でさえ、ちょっと個性的な着こなしは奇異に見られ、ズボンがちょっと短いだけでも、攻撃された」

文革時代、服装は皆、黒や藍色、カーキ色の人民服。美しい旗袍も仕立てのいいズボンも、着ていたり、持っていたりするのが発覚すると「階級の敵」とされ、紅衛兵たちがハサミで切り裂いたものだった。

治安管理処罰法の前身であった治安管理条例は、まさに文革時代、「階級の敵」をとっちめるために乱用されてきた歴史があった。今回の法改正は、その恐怖の警察国家時代に退行する予感を漂わせている。集会、言論、報道、宗教の自由が失われたら、次に封じられるのはファッション、デザインの自由。私の大好きなデザイナーを育んだ中国のバイタリティーも香港の極彩色も、こうして色あせていく>(以上)

習近平独裁の“末期症状”的なドタバタ。日本は「王政復古&文明開化」で富国強兵に舵を切ったが、習近平は毛沢東時代の「清貧経済&人民服復古」を目指している。時代錯誤も甚だしいが、それでインド太平洋を制覇できるか? プーチンのように核兵器をたっぷり持てば安泰か? 習は毛を真似て「我が国は人口が14億もいるから核戦争で半分死んでも、まだ7億もいる。大体我が国は人口が多過ぎる」と言いそうだ。しゃべるのはカネがかからないが、核兵器や通常兵器をたっぷり備え、メンテナンスをしっかりやる、というのは随分カネがかかるが、G7など西側諸国を敵視したり輸出入を止めたりすれば経済は縮小する。
腹をすかした民は切羽詰まると「♪立て、飢えたる者よ」と政権転覆に動いたりする。帝国主義戦争を内戦=革命に転化せよとマルクス&レーニンは言っていたが、習の覇権妄想は内戦を引き起こすリスクが大きい。

内戦、外戦いずれにせよ第一線で中共軍は前面に立つ。軍も自分たちの利益で動くから、習の命令に従うかどうかは分からない。元々、朱徳率いる中共軍=紅軍は毛沢東の同志ではあったが、子分ではなかった。国共内戦が終結して1949年に中華人民共和国が成立すると、毛(1893年生)は「政治が軍を動かす」と、7歳先輩の朱徳(1886年生)と軍を自分の配下、子分にした。朱徳は「毛は政治担当、命懸けで戦ったのは俺たちではないか」と不満だったが、故郷の人士から高等教育・欧州留学などで支援を受けており、出世したら故郷に恩返しをするのが伝統、ルール、モラルだったから、毛との確執は避けた。

しかし、悔しさはかなりのもので、嫁さんをとっかえひきかえ6人も迎えたのは閨房(けいぼう、寝室)での憂さ晴らしではなかったかと小生は思っている。国父に等しい功労者でありながら文革では随分ひどい目に遭っている。毛沢東も中共も建国の功労者を貶め侮辱する蛮族と心得るべし。習近平・中共に天誅を!

明治安田総合研究所2023/9/13、小玉祐一フェローチーフエコノミストの「苦境に陥る中国経済 不動産不況と対中直接投資の減少が重荷に」 から一部転載。
<【中長期的な成長力への疑念が台頭】 不動産不況だけではなく、習近平政権の左寄りかつ強権的な経済運営手法や、米中対立への不安が、ここへきて中国への投資を控える動きにつながっている点も見逃せない。4-6月期の対中直接投資は前年同期比で87%減と、過去最大の落ち込みを記録した。このまま資本の純流出が続けば、人民元売りとのスパイラルを引き起こしかねない。

2020年以降の巨大IT企業への規制強化、ゼロコロナ政策、上海ロックダウン、学習塾の経営禁止(非営利団体化)等の一連の政策は、中国経済にとって最も大きなリスクが政治的リスクであることを改めて印象付けた。
アリババの創業者であるジャック・マー氏が一時行方不明になったのは象徴的で、あれほど中国経済の発展に貢献した巨人であっても、虎の尾を踏んだら最後どうなるかを全世界が目の当たりにした。学習塾の件もしかりで、起業家や投資家は、苦労して育て上げた企業が鶴の一声で、しかも一夜にして奪われるリスクを否が応でも意識せざるを得なくなった。

米中対立、特に半導体輸出規制の影響も大きい。中国政府は先端部品の内製化を推進しているが、こうした環境・体制下でイノベーションの持続は難しいのではないか。これは中長期的な生産性の伸び悩みを通じ、潜在成長率の押し下げ要因となる。中国経済の「日本化」がだんだん冗談に聞こえなくなってきた>(以上)

「日本化」・・・1984年あたりから日本経済はイケイケドンドンになり、起業したばかりの小生もチャンスとばかりに煽りまくってオイシイ思いをした。1990年あたりから過熱を恐れた政府が金融引き締めに転じたが「引き締め過ぎてバブル崩壊を招き、日本経済の停滞を招いてしまった」と言われている。現在の中国もイケイケドンドンの高度成長の時代は終わり、今はソコソコ成長の時代になったようだが、先行きはかなり厳しいだろう。

経済協力開発機構(OECD)は9月19日、2023年の世界の経済成長率を3.0%と予測し、6月時点の2.7%から上方修正したが、中国の成長率は23年が5.1%で、24年は4.6%に減速すると予想している(ロイター)。“満つれば欠ける”は世の常だが、「習近平がトウ小平の改革開放路線を抑え込んだのが今の低迷を招いたと中国国内でも指摘されるようになった」という(石平氏、産経9/14)。

妄想的「毛信者」の習近平独裁による14億市場とレアアースを背景にした「俺に逆らえば買ってやらないし、アンタが欲しがっている天然資源を売ってやらない」戦狼外交が続けば、G7、G20など世界はやがては中共との貿易を縮小していく。中共経済のマイナス成長が続けば雇用も税収も縮小するばかりだ。人民の怒りと、それに同調した軍の離反をバックにした習近平排除が一番温厚な「解」ではないか。
・・・・・・・
*読者諸兄の皆さま、御意見を! ishiifam@minos.ocn.ne.jp
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
目安箱:ishiifam@minos.ocn.ne.jp
https://blog.goo.ne.jp/annegoftotopapa4646
https://note.com/gifted_hawk281/n/n9b3c7f4231f9
https://www.facebook.com/shuichi.ishii.14
まぐまぐID 0001690154「必殺クロスカウンター」



“悪の枢軸”中露北を殲滅すべし

2023-09-17 09:47:17 | 戦争
“悪の枢軸”中露北を殲滅すべし
“シーチン”修一

【雀庵の「大戦序章」222/通算653 2023(令和5)年9/16/土】1971年9月16日、小生がお縄を頂戴した日だ。それから52年、光陰矢の如し、左巻きから右巻きに・・・猪突猛進が初期設定のようだが、加齢には日々、困惑している。悩ましい晩年、皆そうなる、ハハハと笑って過ごすのが良さそうだ。

大学除籍ながら自動車部の友から東京スカイツリーあたりで「久し振りの同期会をしよう、最後になるかも知れない」と連絡があった。有難いことだ。しかし杖を頼りの小生が浅草あたりまで電車で行くのは難しいし、耳が遠いから会話が難しいし、衣食足りて60羽に増えたスズメの朝昼夕の餌やりを(嫉妬なのかスズメ嫌いの)カミサンに頼むのも難しいという三重苦・・・解が見つからないので困惑している。

解が見つからない・・・井上陽水の「夢の中へ」を思い出した。
<♪探しものは何ですか? 見つけにくいものですか? カバンの中もつくえの中も探したけれど 見つからないのに まだまだ探す気ですか? 休む事も許されず 笑う事は止められて はいつくばって はいつくばって いったい何を探しているのか 探すのをやめた時 見つかる事もよくある話で 踊りましょう 夢の中へ行ってみたいと思いませんか?>

焦ったところでどうしようもない、そのうち良い解が見つかるかも知れないし見つからないかも知れない。まあ個人的な事ならそれで済むが、お隣さんの“戦狼妄想患者”習近平は天下国家の大事、習が一日永らえば一日の禍、早めの処分が期待される。

時事通信2023/9/11:西村哲也解説委員の論稿「中国軍で大粛清か 習主席の行動にも異変」から。
<中国軍で大規模な粛清が進行しているようだ。核ミサイルなどを保有するロケット軍の司令官らが解任されたほか、消息不明や自殺とみられる不審死のケースが続出。不穏な政治情勢の下で習近平国家主席の行動にも異変が見られる。

◎異例の同時更迭と不審死:「事件はすべて調べ、腐敗はすべて罰する」。ロイター通信などによると、中国国防省報道官は8月31日の記者会見で、ロケット軍司令官と政治委員が更迭され、魏鳳和・前国防相(初代ロケット軍司令官)の動静が全く分からないことについて問われ、こう答えた。「反腐敗」絡みであることを事実上認めた形だ。

中国軍では7月31日、ロケット軍の李玉超・司令官と徐忠波・政治委員が解任されたことが公式報道で判明した。ロケット軍は陸海空軍と同格の大部隊で、その両首脳が同時に交代するのは極めて異例。ロケット軍については、香港メディアなどで、司令官らが軍内の共産党規律検査委員会に調べられていると報じられていた>(以上)

時事通信は9月13日にもその続編「中国国防相、2週間動静不明 相次ぐ異例人事で臆測」を報じている。
<【北京時事】中国の李尚福・国務委員兼国防相の動静が途絶えて12日で2週間となり、汚職で調査されている可能性などについて臆測が広がっている。中国では、表舞台から1カ月姿を消した秦剛氏が7月に外相を解任された。汚職疑惑が報じられたロケット軍でも司令官らが突然交代する異例の人事が続いており、李尚福氏も何らかの責任を問われているという見方が出ている。

李尚福氏は昨年10月に軍の最高指導機関、中央軍事委員会のメンバーとなり、今年3月に国防相に就任した。6月にはシンガポールで浜田靖一防衛相と会談。8月29日に北京で開かれた中国・アフリカ平和安全フォーラムに出席し、演説したのを最後に公式の活動は不明となっている。
李尚福氏は2018年、ロシアからの兵器調達に絡み、米国から制裁対象に指定された。中国側は制裁撤回を求めており、正式な米中国防相会談は実現していない>(以上)

秦剛・外相を手始めに魏鳳和・前国防相、李玉超・司令官、徐忠波・政治委員、李尚福・国務委員兼国防相・・・ここ3か月ほどでエリートが追放というか消されてしまった。凄い国! まるで蛮族だ。“腐敗分子”を粛清しているわけだが、党内闘争が激化しているのは「中国共産党が存亡の危機にある」ということである。内情はガタガタでボロボロのような・・・

こういう政権のタガが緩んだ時に人民の関心を戦争、紛争に向けて求心力を高めるのが独裁者の常套手段だ。プーチン、習近平、金正恩、ルカシェンコ(ベラルーシ)・・・皆、戦争に勝って求心力を高めないと間違いなく駆除される人々である。愛国心ではなく「愛自身」の権化、危険を察知すると真っ先に資産を抱えて亡命する輩、醜悪である。

今の先進国の多くの政権党は国民の人気(選挙票)を得るためにバラマキ福祉を続けており、戦争への備えは二の次三の次だった。票にならない「安保・防衛」より目先の選挙で勝つために福祉予算はどんどん膨れ上がり、「福祉国家」は理想とさえ称賛されたものだ。
(奥さんからガミガミ言われている時の男の最終兵器は「おい、ボーナス出たぞ、○○万円」、効果絶大、「あらー、もうパパったらーっ♡・・・」、あっという間に鬼婆が可愛い女に大変身、ご機嫌を直した天照大御神の如し、よくある話だ)
 
そういう平和な、安楽な時代はもう終わったのだと世界の善男善女にビンタを食らわし目覚めさせたプーチンは偉かった。多分「ヒトラー・ナチスのソ連侵略を撃退した」鉄の人・スターリンのように歴史に名を残すのは間違いないが、スターリンとは反対に「無謀なウクライナ侵略で世界の反発を招き、ロシアを弱体化させた」トンデモない指導者と評価は低いだろう。鳥も鳴かずば撃たれまいに・・・

毛沢東の真似っ乞食、習近平も“晩節を汚す”道を歩んでいる。1976年に毛沢東が成仏すると、トウ小平は中国共産党の公式見解として「毛沢東は7割正しく、3割は間違っていたが、功績第一、誤り第二だ」とした(1981年6月)。
習近平はどう評価されるか、「功績なし、誤りばかりを強引に進めて亡国の危機を招いた」となるだろう。やることなすことすべて稚拙で場当たり風、知性や戦略、哲学が全く感じられない。小学校卒業後の13歳、文化大革命で農村に下放(追放)され、毛語録と毛の著作しか読むものがなく、学問と縁がなかったからだろう。子曰く「学びて思わざれば則ち暗し、思いて学ばざれば則ち危うし」、気の毒ではあるが、高学歴で海外留学しても「遊学」みたいな人は結構多いから、要は本人次第、自己責任だ。

呉 軍華・日本総合研究所上席理事の「中国が水産物輸入停止 日本の対中観に甘さ 外交戦略練り直しを」(2023/8/30共同通信社)は勉強になった。呉 軍華氏は女性で、1960年中国浙江省生まれ。1983年中国復旦大学外国語学文学学部卒、1990年東京大学大学院総合文化研究課博士課程修了。2020年から現職。専門は中国の政治経済、日中関係、米中関係。毛沢東後のトウ小平「改革開放」時代に学問を学べたためだろう、知的で説得力がある。以下抜粋する。

<東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出開始を受けて、中国が日本産水産物の輸入を全面的に停止し、日本国内で「科学的根拠に基づかない理不尽な措置だ」と批判する声が上がっている。「理不尽」とは、常識的ではないことを意味する。常識はロジックによって形成される。世界には二つのロジックがあるとされる。

一つは日本などで一般に通用する論理で、もう一つは中国的な論理だという。普通の常識で判断すれば、今回の中国の措置は非常に理不尽に思えるが、中国的なロジックでみれば、そうとは言い切れない部分がある。中国的ロジックの柱は「共産党による政権維持を最大の目的」とする政治だ。政治を軸に常識が形成されている。輸入停止には三つの狙いがある。

◆一つ目は外交カードとして使うことだ。中国から見ると、日本が米国などとともに、対中包囲網の形成に積極的に関与しているように映っており、懲らしめるためにカードを切った。半導体をはじめとした先端技術や台湾を巡る問題で、米国とほぼ歩調を合わせて対中政策を展開している日本を牽制するのも目的だろう。
◆二つ目は、景気の減速などを理由に中国国内で広がる不満の「ガス抜き」だ。海外諸国に圧力を加えれば、人々の目を国外に向けさせる効果がある。処理水の放出はセンシティブな(機微に触れる)「核」と「日本」という二つの要素を併せ持っているため、鬱積する不満の矛先をそらす格好の材料となった。
◆三つ目は、環境保護を名目に日本を「悪者」に仕立てることである。中国が処理水を「核汚染水」と主張し、その放出を非難することで世界を守ろうとしているという「善悪の構図」をアピールできる。

処理水放出について、日本政府関係者(*)が「中国が何らかの対抗措置を打ち出すとは思っていたが、輸入停止までやるとは想定外だった」と述べた、との報道が目立つが、その認識自体に問題がある。尖閣国有化時にも「反日デモ発生は想定外だった」との日本側の話を度々聞いた。全く教訓になっておらず、甘いと言わざるを得ない。実態を的確に捉え、改めて対中戦略を練っていく必要があろう(談)>

*)「日本政府関係者」とは総理大臣、官房長官、官房副長官、総理秘書官、閣僚、国会議員などらしいが、「想定外だった」とは責任逃れする際の常套句のようだ。なんでもかんでも「想定外」で済みそうで、「想定」できなかったことを反省しないのか? 500年、1000年に一度の大地震ならともかく、「共産主義者は平気で嘘をつく、何をするか分からない、絶対信じてはいけない」というイロハを日本の政府関係者が「知らない、想定外」というのは無知を通り越して暗愚、非常に危険である。

石平氏は警鐘を鳴らしている(「中国はなぜ、何があっても謝れないのか」SBクリエイティブ2020/7/15)。
<甘い敵には必ず仇で返すのが中国である。何度も中国の「手の平返し」を食らいながら懲りずに中国の「情」を信じているかのような日本は、きっぱりと中国リスクを見直すべきである。今回の新型肺炎問題にしても安倍政権のやり方は余りにも生ぬるかった。例えば(2020年)1月下旬には米、シンガポール、豪、ベトナム、NZなどが一斉に中国からの入国を禁じた。ところが安倍政権は、中国から来た人間が、本当に武漢にいたかいなかったかなど、日本人に分かるはずがないのに、最初は武漢のある湖北省からの入国制限に限定した。

その後の対応も後手に回るばかりだった。これは安倍政権の問題であると同時に、日本の戦後体制にも原因がある。戦後の対中姿勢の基本が、中国に配慮する、中国への忖度の雰囲気に覆われているのではないか。

しかも、中国はその後、逆に日本からの入国を禁じた。問題を作ったのは中国なのに、日本に対してこうした厳しい姿勢を取ったのである・・・安倍政権としては当時、習近平の国賓来日への配慮から中国に厳しい措置を取れなかったのかも知れないが、あまりにも情けないではないか>(以上)

2020年当時、自民党支持の保守派の先輩に「安倍首相や森喜朗元首相は中共やロシアに甘過ぎる」と言ったら嫌われてしまった。人柄が温厚な民主主義者は「共産主義国のトップでも、こちらが誠意をもって接すれば彼らも誠意をもって応えてくれるはずだ」と信じている人が多いようだが、「共産主義と何か」を真面目に勉強したことがないのだろう。

マルクス、レーニン、スターリン、毛沢東らが「何を言ったか」を知るのではなく、実際に「何をしたのか」を学べば、彼らと仲良くしたいなどとは絶対に思わないはずだ。彼らは嘘つきの強盗殺人集団であり、今話題の「ルフィ」の超巨大版と心得、距離をもって付き合うべきなのだ。14億の巨大市場に釣られてグタグタ、グズグズしていると日本も台湾もひどい目に遭い、子孫は我らを「亡国を招いた暗愚」と嘆くに違いない。悪の枢軸、中露北を殲滅すべし!
・・・・・・・
*読者諸兄の皆さま、御意見を! ishiifam@minos.ocn.ne.jp
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
目安箱:ishiifam@minos.ocn.ne.jp
https://blog.goo.ne.jp/annegoftotopapa4646
https://note.com/gifted_hawk281/n/n9b3c7f4231f9
https://www.facebook.com/shuichi.ishii.14
まぐまぐID 0001690154「必殺クロスカウンター」