KOKIA@六本木

  
六本木の綺麗なライブレストラン。名物ハンバーガープレートを平らげた頃合そこそこに、カーテンが閉められ、照明が暗くなる。テーブルに置かれたキャンドルの明かりと、薄暗いステージの中、KOKIAはグランドピアノに着いた。
座ってから、長い間を置いて、そっと弾き始める。緩やかなピアノに合わせて、その高い声が響き渡った。というスタートでした。

改めて中央に立ったKOKIAは挨拶をして、何ヶ月か冬眠をしてました、と語り出したと思いきや、どーしよー、といきなりパタパタ後ろを向いてしまった。涙が溢れたらしい。KOKIAの再スタートとしての意気込みと、感慨が込み上げて来たんだろうか。

助走をつけるように大きく息を吸い込んで、KOKIAは再び歌い始める。キーボードとギター、それからベースにドラムをバックに、そこからはKOKIAならではの神秘的な歌声の世界、というより宇宙だ。歌えることが楽しい、とKOKIAは言った。

お店で作ったオリジナルカクテルや水を少しずつ補給しながら、ちょこちょこ面白い言動をする。ところどころで観客から、クスクス笑いが起きてるんだけど、KOKIAにはずいぶんと大人しく感じられたらしい。落ち着き払った雰囲気に、戸惑っている風でもあった。みんな何か凄い静かなんだもん困っちゃうーと呟きながら、マイクのスタンドにしがみついてた。でも、観客の中から、画用紙に書かれた応援メッセージを見つけたり、新しい曲のタイトルを尋ねられたりして、嬉しそうでもありました。観客は社会人全般って感じで、うち女性は4割かもうちょっと上だったかくらい。

椅子に座ってしーっとりと歌い上げたり、アップテンポで手拍子入りで弾んだり。レストランはそんなに広くはなく、恐らく何処からでも、アーティストの入れ込む様子とか、歌っている時の真剣な眼差し、陶酔した動作まで、手に取るように分かる。

この日のステージでは、トークの内容は考えずに赴くままだったらしい。きっとステージで込み上げてくる思いが全てなんだろうってことで。皆に支えられてるんだなオッショイオッショイ、だそうです。
最後は時間がおしたか、アンコール曲までまとめてやったって感じでした。でも、座ってゆっくりとお酒なんか飲みながら、KOKIAの歌を堪能できる、貴重な時間でした。

地方にやさしいKOKIA、人の数だけ歌がある、というコンセプトで、地方をどんどん回るそうです。それと、レストランでのライブ、これからも定期的にあるんですね。

(公演時間:約1時間20分)
  
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