不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Festa dell'Uva

2005-09-25 11:14:00 | アート・文化
フィレンツェの周りは丘陵地帯。
そこかしこでブドウが栽培され、
そのブドウはやがて薫り高いワインになる。
この時期は「ブドウの収穫」Vendemmiaの時期。

小さな街でそれぞれの収穫を祝う収穫祭。
各地で行われるブドウ祭りもその一つ。

フィレンツェからCapのバスで40分も行けばついてしまう
Impruneta(インプルネータ)のブドウ祭りは
この周辺でも最も古いブドウ祭りのひとつ。

小さな丘の街の居住区を4つに分けて
それぞれの地区が趣向を凝らした
「ブドウ・ワイン」にまつわる大掛かりな山車と出し物を
毎年企画して賑やかに競い合うので有名。
impruneta_piazza
このドゥオーモ前の広場が出し物の会場。

山車の出発は15:30。
秋になって涼しくなったとはいえ、
影のない広場で待つのは結構暑い!

それぞれの出し物に与えられた時間はどうも30分らしい。
山車の大きさにも色々規制があるらしい。
その中でふんだんに発揮されるイタリア人の想像力。

一つ目。
Rione del Pallo'(シンボルカラー:グリーン)
ブドウの実が海を渡って大地に辿り着くまでの冒険話。
予算足りなかったのかと思った山車の出来。
carro_01

二つ目。
Rione del Sant'Antonio(シンボルカラー:白)
ブドウがワインになるまでの行程を大掛かりな山車で表現。
カラフルでよい出来。
carro_02


三つ目。
Rione delle Sante Marie(シンボルカラー:ブルー)
酒の神バッカスの宝箱という題。
細かいところまでよく気の配られたわかりやすい話の展開。
私はこれが一番気に入ったかな。
carro_03


四つ目。
Rione delle Fornaci(シンボルカラー:赤)
エトルスク起源の街でやがて王国が出来ていく過程を描く。
そこに忠誠の証として進呈されたという「黒鶏」。
Gallo Neroエチケットを持つワインは
キアンティワインでも上質なワイン。そのGallo Nero。
しかし、話がわかりにくいのでいまひとつ。
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4つともそれぞれに面白い。
どの出し物にも各地の住民総出かというほどのキャスト。
私の立ち居地が悪かったので
広場の向こう側、山車の足元で
ひらひらと踊りまくっているキャストたちは
見えないけれど、実は山ほどのキャストが
それぞれの役割を担当して劇を盛り上げていたのでした。
それを見て、
「インプルネータの住民って結構いるのだなぁ」と感心した私。

そして何より感心したのは
イタリア人の情熱。
こんな小さな村祭りにその情熱のすべてを賭けているのだ!
すばらしい。
日本人の大人だったら馬鹿馬鹿しくてやってられないと思うよ。
でも、きっと彼らは一年中
この日のために頭の半分は使っているのだと思う。
そしてみんなそこそこ歌って踊れるっていうのも驚きだ!
みんな素人なのになぁ…。

さてどこが優勝したのだろう。
結果を聞かずに帰ってきちゃったけど。


インプルネータの街へアクセスするいくつかの道で
入場料を取っていました。一人5,00ユーロ。
これを払わないとお祭りに参加できない仕組み。
10年前は無料だったと思ったけどなぁ…。
来年の山車作りの予算になるのでしょうか(笑)。


先日のCarro MattoとこのFesta dell'Uvaの写真を
Eventi Autunnnali 2005にアップ。
左サイドバーからどうぞ。

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