父と子の距離

我が家では私と子供たちの仲がいいのに比べ
父と子の距離はかなり微妙なのである。
決して仲が悪いわけではないのだが
なかなか気持ちが通わないのだ。

問題は主人にあると思う。
父は父らしく威厳を持って子供たちに接し
もっと子供たちと語り合えばいいのに
ずっとそれを避けてきたのだ。

おまけにだらしないところばかり見せ
しかも怒らない父の威厳は
もうずいぶん前に地に堕ちてしまったのだ。
頼るのは次男坊の同情心のみだ。

主人もその状況をちゃっかし受け止めてしまい
もはや躾する者としての立場は放棄したといっても過言ではない。
近頃ではたまーに発生する子供たちへの質問を
私に投げかけてくるほどなのだ。

もちろんその状況を憂慮する私は
「直接聞けよ」と突き放す。
すると悩んだ挙句質問の重みを計りにかけ
重要なことだけ渋々聞きにいくのである。

その距離を痛感したのは一昨日のことである。
主人が長男の迎えをどうするか私にメールを送ってきたのだ。
理由は長男のメルアドを知らないからだ。
長男が携帯を持つようになってもう３年はたつだろうか。

で、その時すでに私が迎えに行き長男と一緒にいたので
もう迎えに来てもらった旨メールしろと指示すると
長男も主人のメルアドを知らないというのである。
もちろん主人がメールを使うようになったのも最近の話ではない。

まったく「てめーらいい加減にしろよ！」と
叫びたい衝動に駆られてしまったではないか。
いつも私を仲介役に使いやがって
私は通信機器のひとつなのかい。

しかしよく今までお互いのメルアドを知らずにいたものなのだ。
長男は今時の子なのでもちろんメールを使いまくってるし
主人も給与明細すらメールで送られてくるような会社なので
携帯よりもパソコンメールの方がすぐ連絡がつくほどなのだ。

だが子供たちも大きくなりいよいよ男同士の会話が必要な時期なのだ。
主人もいい加減父としての立場を潔く受け入れ
得意のＨ系話でもいいから会話を試みてほしいものなのだ。
ま、母としてはちょっぴり寂しくもあるのだが。