私は、この世界を生きるのに向かないのだと気付かされました。
この世に生を受け、24年。
就職し、早1年。
今日まで私は、必死に生きてきました。
少し歩けば躓き、息をすれば咳込んでしまう。
そんな私は生きることに必死でした。
だから、頑張っていました。
頑張っている、つもりでした。
私はどうしようもなく不器用で無愛想な人間です。
そのせいか、部長に幾度となく心配をされてしまいました。
その度に私は言われるのです。
頑張れ、と。
叱咤激励のようなものと受け取り、私は努力をしました。
善処をしました。
それでも、部長に言われるのです。
頑張れ、と。
今日まで言われ続け、漸く私はその言葉の意味に気付くことが出来ました。
それは、あまりにも遅すぎる気付きでした。
私は私の頭の悪いさを恥じるばかりです。
何故そう言われ続けるのか。
それは単純な理由です。
私は、頑張ってなどいなかったのです。
確かに私は必死に生きてきました。
他人に迷惑をかけないように。
期待には応えられるように。
その一心で頑張ってきたつもりでした。
しかしそれは間違っていたのです。
私は「必死に頑張ってきた」のではなく、ただ「必死」なだけなのでした。
人間としての「頑張り」と「努力」に、私は至ることが出来ていなかったのです。
人として出来て当然のことに、私は全力を使い果たしていたのです。
そんな人間に生きる価値などありますでしょうか。
そんな人間が生き続ける許しを得られますでしょうか。
答えは否です。
自身がどれほど無価値かも知らずに生きる人間は確かに存在します。
けれども、私には厚顔無恥に生きることなど耐えられません。
生恥を晒し続けることなど、この貧弱な心では耐え切れません。
生き続けてさえいれば、いつかは自分の生きる意味が見付かるかもしれない。
そんな期待を抱いたこともあります。
私を必要としてくれる人が居るかもしれない。
私にしか出来ない何かがあるのかもしれない。
私はどこまでいっても愚かでした。
そんなもの、この世にあるはずもないのです。
私のような下等な生物を生かしてくれているだけでも世界は寛大です。
にも関わらず、私はそれ以上を求めていたのです。
なんと恥ずかしいのでしょう。
なんと浅ましいのでしょう。
もしそのような人間が私の前に立っていれば、迷わずこう伝えるでしょう。
お前など、死んだ方がいい。
それが鏡であったと知ったのは、つい先日のことです。
感謝をしたい相手は、たった一人。
その人にこの言葉を届ける術は、既に私には在りません。
だから、今日まで私を生かしてくれた世界に、心からの感謝を。
そして今日までの私に関わってしまった人達に、心からの謝罪を。
ありがとう。
ごめんなさい。
さようなら。
※この物語はフィクションです。
この世に生を受け、24年。
就職し、早1年。
今日まで私は、必死に生きてきました。
少し歩けば躓き、息をすれば咳込んでしまう。
そんな私は生きることに必死でした。
だから、頑張っていました。
頑張っている、つもりでした。
私はどうしようもなく不器用で無愛想な人間です。
そのせいか、部長に幾度となく心配をされてしまいました。
その度に私は言われるのです。
頑張れ、と。
叱咤激励のようなものと受け取り、私は努力をしました。
善処をしました。
それでも、部長に言われるのです。
頑張れ、と。
今日まで言われ続け、漸く私はその言葉の意味に気付くことが出来ました。
それは、あまりにも遅すぎる気付きでした。
私は私の頭の悪いさを恥じるばかりです。
何故そう言われ続けるのか。
それは単純な理由です。
私は、頑張ってなどいなかったのです。
確かに私は必死に生きてきました。
他人に迷惑をかけないように。
期待には応えられるように。
その一心で頑張ってきたつもりでした。
しかしそれは間違っていたのです。
私は「必死に頑張ってきた」のではなく、ただ「必死」なだけなのでした。
人間としての「頑張り」と「努力」に、私は至ることが出来ていなかったのです。
人として出来て当然のことに、私は全力を使い果たしていたのです。
そんな人間に生きる価値などありますでしょうか。
そんな人間が生き続ける許しを得られますでしょうか。
答えは否です。
自身がどれほど無価値かも知らずに生きる人間は確かに存在します。
けれども、私には厚顔無恥に生きることなど耐えられません。
生恥を晒し続けることなど、この貧弱な心では耐え切れません。
生き続けてさえいれば、いつかは自分の生きる意味が見付かるかもしれない。
そんな期待を抱いたこともあります。
私を必要としてくれる人が居るかもしれない。
私にしか出来ない何かがあるのかもしれない。
私はどこまでいっても愚かでした。
そんなもの、この世にあるはずもないのです。
私のような下等な生物を生かしてくれているだけでも世界は寛大です。
にも関わらず、私はそれ以上を求めていたのです。
なんと恥ずかしいのでしょう。
なんと浅ましいのでしょう。
もしそのような人間が私の前に立っていれば、迷わずこう伝えるでしょう。
お前など、死んだ方がいい。
それが鏡であったと知ったのは、つい先日のことです。
感謝をしたい相手は、たった一人。
その人にこの言葉を届ける術は、既に私には在りません。
だから、今日まで私を生かしてくれた世界に、心からの感謝を。
そして今日までの私に関わってしまった人達に、心からの謝罪を。
ありがとう。
ごめんなさい。
さようなら。
※この物語はフィクションです。