コバノミミナグサ〈小葉の耳菜草〉(ナデシコ科 ミミナグサ属)
花期は4~11月。
伊吹山石灰岩地帯に固有で、日当たりのよい場所に成育する多年草。
茎は赤紫色を帯び基部から枝分かれして株立ちとなり、
高さ30cm前後となる。
葉は卵形で、長さ2~3cm。茎の先の花序にまばらに花をつける。
萼片は長さ5mm前後。花弁は萼片よりやや長く、長さ7mm程度。
雄しべの花糸にはまばらに細い毛があるが、非常に細いため、
確認するにはルーペが必要である。
5月16日、絶滅危惧種調査で長登のコバノミミナグサを見に、
三宅先生が来られました。
「コバノミミナグサの同定には、花糸に毛があることが条件」と、
様々な場所の花糸を見られましたが、どれにも毛が見えないとのことで、
「私は、山口県にコバノミミナグサがあるとは、よう言わん」と、三宅先生。
持っておられた「絶滅危惧植物図鑑 レッドデータプランツ」の
撮影担当の永田芳男さんが来られることを話したら、
「是非、見ていただくように」とのことでした。
【長登のコバノミミナグサ】
① 06年5月21日 撮影
21日、永田さんも同様な意見でしたが、「コバノミミナグサに近いのもある」
「ヘビノネゴザが群生しているということは、
ミミナグサが銅の影響を受けて、この型になっているのかも」
「コバノミミナグサの花は、タカネミミナグサと見間違うくらい大きいのです」
「調べてみます」と、標本を持ち帰られました。
【①を拡大しました】
06年5月21日 撮影
【①を拡大しました】
06年5月21日 撮影
16日に問題を残したもう一つの植物には、時間不足で回れませんでした。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
ナツノハナワラビ(ハナワラビ化 ナツノハナワラビ属) 生育期は4~9月。
葉は長さ30~60cm、共通柄は15~30cmで葉長の2分の1以上になる。
栄養葉は無柄、3~4回羽状に細裂して3出葉的である。
胞子葉は3~4回羽状に分岐し、羽片の柄は長く、
全体として、卵状三角形の円すい花序のようになる。胞子は6月に熟す。
草原を歩いていたら目に入り、すぐに「これがナツノハナワラビね」と。
06年5月23日 撮影
【上の画像を拡大しました】
06年5月23日 撮影
【胞子葉】
06年5月23日 撮影
探さなくても目に入ってきたナツノハナワラビ。
その一方で、何年も探し続けてやっと見つけた植物もあります。
だから、面白くてやめられないのかもしれません。