I.D.S.

ニュースは日々大量に配信され、そして消え去っていきます。記憶しておくべき情報を拾い上げ、保存することを目的としています。

王子 vs 北越

2006-08-30 23:52:18 | 経済・企業
●王子製紙、北越へのTOB条件変更せず (日経新聞)
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20060829AT1D2903029082006.html

 王子製紙は29日に取締役会を開き、北越製紙のTOB(株式公開買い付け)について、買い付け価格引き上げや株式取得目標の引き下げなどTOB条件を変更しないことを決めたと発表した。これにより9月4日を期限とするTOBの不成立は確実となり、王子の北越製紙買収は失敗に終わることになる。


●王子製紙400―500億円投資、最新鋭設備で北越に対抗(日経新聞)
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20060829AT1D2901A29082006.html

 王子製紙は北越製紙に対する敵対的TOB(株式公開買い付け)の条件変更を見送る。王子への株式売却に応じない北越株主の比率は5割を超えており、王子の条件変更見送りによりTOBの不成立が確定的になる。王子は北越との経営統合が不可能になるため、400億―500億円を投じて最新鋭の製紙設備を自前で建設する方向で、北越製紙と日本製紙グループ本社に対抗していく。

 王子は9月4日を期限にしたTOB(買い付け価格800円)で北越株の50.0004%の取得を目指している。すでに三菱商事(議決権ベースで24.4%取得)や日本製紙(8.85%)が北越株を売却しない方針を固め、現在の条件ではTOBに応じない株主比率が5割を超えていた。



ということで、王子製紙による北越製紙の敵対的TOBは失敗に終わりました。新規設備投資を発表したということは、もはやTOBを成功させる気がなくなったということでしょうから。

ま、王子製紙と北越製紙は得意分野が重複しないそうなので、グループ化してWin-Win関係となる~というのが王子製紙のビジョンだったんじゃないでしょうか。しかし、北越製紙も日本製紙もTOBに反対する根拠がかなり曖昧だったような…w

ところで、TOBに反対する株主が過半数達しているということが王子製紙の判断材料になったと報じられています。

だが、ちょっとまってほしい。

●北越、韓国大手と提携検討 王子のTOBに対抗(フジサンケイビジネスアイ)
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200608290004a.nwc

 国内製紙首位の王子製紙に敵対的TOB(株主公開買い付け)を仕掛けられている北越製紙は28日、韓国の製紙大手、啓星製紙グループ(ソウル市)と業務提携する方向で検討していることを明らかにした。

 王子はTOB実施に合わせて、新潟工場を全面的に活用して自社設備を統廃合する計画を発表。「北越が単独で生き残ることは難しい」と指摘する一方、自主独立経営に固執する北越に株主価値の向上に向けた対案を示すよう求めていた。今回の提携は、北越からの印刷用紙のOEM(相手先ブランドによる生産)供給と、啓星グループの設備廃棄が柱で、王子への「回答」の意味合いが強い。
(所々省略)

この記事で報じられているように北越製紙と南朝鮮製紙グループとの提携が締結されるという情報が王子製紙を思いとどまらせたとは考えられないだろうか。契約は一度結んでしまえば、有効期間中は破棄することは非常に難しい。仮にTOB成立したとしても次の株主総会までは王子製紙は北越製紙の人事に介入できない。その間隙を縫って北越製紙がふざけた内容の契約を他社と結ぶこともできるのだw

下手したら、北越製紙をストロー役にして南朝鮮企業に技術が吸われてしまう可能性もある。啓星製紙はいわば「最強の白馬の騎士」であり「劇薬」でもあるのだ!

…なんちゃって。

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