●【主張】カートリッジ訴訟 消費者目線で権利論議を(産経新聞 11/11)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/071111/trl0711110253000-n1.htm
プリンター用インクカートリッジの特許権侵害訴訟で最高裁は、キヤノンの訴えを支持し、リサイクル品の販売を差し止める判決を下した。
リサイクル品は、量販店などで回収した使用済みカートリッジにインクを再充填(じゅうてん)し、純正品より2~3割安い価格で販売されている。問題のリサイクル品は、再充填法がキヤノンの特許権を侵害していると判断されたのである。
判決では、知的財産権保護と環境問題を視野にいれたリサイクル品の折り合いをどうつけるかが注目された。
これについて最高裁は、キヤノンの特許権を尊重しつつ、特許権侵害の判断は、純正品の属性、加工の内容などを総合的に考慮するとした。個別に判断するというのだ。確かにこれでは、リサイクル品が特許権を侵害するかどうかを事前に予測するのは難しい。
それでも、特許権問題は多様で複雑だ。セイコーエプソンのリサイクル・カートリッジをめぐる訴訟では最高裁はエプソンの特許権自体を無効とした。このように、司法判断を積み重ね、ルールを確立していくことが現実的だろう。むしろ、安易なリサイクル品排除につながりかねない画一的な判断基準を避けたことを評価したい。
忘れてはならないのは、多くの消費者が「純正品は高い」との不満を抱いている事実だ。
プリンターメーカーは「品質・信頼性の維持に必要なコスト、技術開発料も加味した価格」と説明する。しかし、メーカーは本体機器の価格を抑える一方、カートリッジを高くして収益を確保している。これが純正品価格を高止まりさせている理由の一つだ。
インクは消耗品だ。近年はファクシミリ兼用プリンターも普及し、インク消費量は増えている。これからシーズンを迎える年賀状印刷の際は、相当量のカートリッジが必要になる。「少しでも安いものを」というのは消費者の当然、かつ切実な欲求なのだ。
リサイクル業者だけでなく消費者団体も、判決を機にリサイクル品排除の動きが強まることを警戒している。
知財保護が重要なのはいうまでもない。同時に、保護される側も、消費者の目線を常に意識すべきだ。そうでなければ、知的財産の全体の議論をゆがめかねない。
よくマスコミは「消費者の目線で」とか「国民の視線で」とかいう言葉を念仏のように唱えます。しかし、実際はマスコミこそが国民の視線に立ててないという喜劇。
さて、本事件でありますが、リサイクルインクカートリッジがキャノンの特許を侵害していることに決定されました。従って、リサイクル品は販売を取りやめるか、特許権者(キヤノン)に特許使用料を払うかの選択を迫られます。当然キヤノンとしては純正品と同程度の価格になるような使用料を要求するでしょう。
まぁ、キヤノンやエプソン製の使用済みカートリッジを詐欺すれすれの方法で回収して、インクを詰め替えるだけで販売しているのです。かかる費用はインク代と回収にかかる手間賃のみです。再生カートリッジを使ったためにプリンターに不都合が生じても、消費者は”自分の判断”でプリンター製造会社(キヤノンやエプソン)に文句を付けに行ってくれるのでアフターサービスも満点です。
行ってみればキヤノンやエプソンに完全に寄生した状態であるからこそリサイクル業者のビジネスは成り立っているのです。
製品は安く、それは理想ではあるけれども安物を使うことに寄るリスクは承知の上で有ることが必要だと思います。そもそもプリンターは純正インクを使うことを前提にして設計され、調整されているものなので、印刷直後の発色だけを真似した再生カートリッジなんてのを使うと悪影響が出るのは必須なのです。
(あと、インクで設けるというビジネスモデルはプリンターを廉価販売するという前提の元に行われているので、カートリッジの販売で売り上げの穴埋めできなくなるとプリンター本体の値段があがるだけです。それでも、「消費者目線」で行動した結果であれば消費者は納得するのでしょうか?)
それを十分に報道せずに、「プリンター会社は暴利をむさぼっている!!!!」という先入観のみで報道し、印象付けを使用とするマスコミに嫌悪感を感じざるを得ません。そもそも、暴利をむさぼっているという点ではマスコミも同類なのですから。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/071111/trl0711110253000-n1.htm
プリンター用インクカートリッジの特許権侵害訴訟で最高裁は、キヤノンの訴えを支持し、リサイクル品の販売を差し止める判決を下した。
リサイクル品は、量販店などで回収した使用済みカートリッジにインクを再充填(じゅうてん)し、純正品より2~3割安い価格で販売されている。問題のリサイクル品は、再充填法がキヤノンの特許権を侵害していると判断されたのである。
判決では、知的財産権保護と環境問題を視野にいれたリサイクル品の折り合いをどうつけるかが注目された。
これについて最高裁は、キヤノンの特許権を尊重しつつ、特許権侵害の判断は、純正品の属性、加工の内容などを総合的に考慮するとした。個別に判断するというのだ。確かにこれでは、リサイクル品が特許権を侵害するかどうかを事前に予測するのは難しい。
それでも、特許権問題は多様で複雑だ。セイコーエプソンのリサイクル・カートリッジをめぐる訴訟では最高裁はエプソンの特許権自体を無効とした。このように、司法判断を積み重ね、ルールを確立していくことが現実的だろう。むしろ、安易なリサイクル品排除につながりかねない画一的な判断基準を避けたことを評価したい。
忘れてはならないのは、多くの消費者が「純正品は高い」との不満を抱いている事実だ。
プリンターメーカーは「品質・信頼性の維持に必要なコスト、技術開発料も加味した価格」と説明する。しかし、メーカーは本体機器の価格を抑える一方、カートリッジを高くして収益を確保している。これが純正品価格を高止まりさせている理由の一つだ。
インクは消耗品だ。近年はファクシミリ兼用プリンターも普及し、インク消費量は増えている。これからシーズンを迎える年賀状印刷の際は、相当量のカートリッジが必要になる。「少しでも安いものを」というのは消費者の当然、かつ切実な欲求なのだ。
リサイクル業者だけでなく消費者団体も、判決を機にリサイクル品排除の動きが強まることを警戒している。
知財保護が重要なのはいうまでもない。同時に、保護される側も、消費者の目線を常に意識すべきだ。そうでなければ、知的財産の全体の議論をゆがめかねない。
よくマスコミは「消費者の目線で」とか「国民の視線で」とかいう言葉を念仏のように唱えます。しかし、実際はマスコミこそが国民の視線に立ててないという喜劇。
さて、本事件でありますが、リサイクルインクカートリッジがキャノンの特許を侵害していることに決定されました。従って、リサイクル品は販売を取りやめるか、特許権者(キヤノン)に特許使用料を払うかの選択を迫られます。当然キヤノンとしては純正品と同程度の価格になるような使用料を要求するでしょう。
まぁ、キヤノンやエプソン製の使用済みカートリッジを詐欺すれすれの方法で回収して、インクを詰め替えるだけで販売しているのです。かかる費用はインク代と回収にかかる手間賃のみです。再生カートリッジを使ったためにプリンターに不都合が生じても、消費者は”自分の判断”でプリンター製造会社(キヤノンやエプソン)に文句を付けに行ってくれるのでアフターサービスも満点です。
行ってみればキヤノンやエプソンに完全に寄生した状態であるからこそリサイクル業者のビジネスは成り立っているのです。
製品は安く、それは理想ではあるけれども安物を使うことに寄るリスクは承知の上で有ることが必要だと思います。そもそもプリンターは純正インクを使うことを前提にして設計され、調整されているものなので、印刷直後の発色だけを真似した再生カートリッジなんてのを使うと悪影響が出るのは必須なのです。
(あと、インクで設けるというビジネスモデルはプリンターを廉価販売するという前提の元に行われているので、カートリッジの販売で売り上げの穴埋めできなくなるとプリンター本体の値段があがるだけです。それでも、「消費者目線」で行動した結果であれば消費者は納得するのでしょうか?)
それを十分に報道せずに、「プリンター会社は暴利をむさぼっている!!!!」という先入観のみで報道し、印象付けを使用とするマスコミに嫌悪感を感じざるを得ません。そもそも、暴利をむさぼっているという点ではマスコミも同類なのですから。