FLOWER PHOTOGRAPH

お 花 の フ ォ ト グ ラ フ + α

スズラン(鈴蘭)_Convallaria keiskei

2005年05月02日 | 花_サ-タ
別名:キミカゲソウ(君影草)、谷間の姫百合(たにまのひめゆり)
英語:Lily of the Valley
ユリ科スズラン属
開花時期:4月~5月
花言葉:幸せの再来、幸福、純潔、純愛、清らかな愛、繊細、甘美

フランスのパリの風習では、5月1日は鈴蘭(ミュゲー)の祭日で、当日この花束を贈る人には幸福が訪れるという。実は緑色から赤く変わる。
とても美しい姿ですが有毒で、牛や馬に食べられずに残るため、牧草地に群生していたりします。

☆毒性:コンバラトキシン、毒の作用:腹痛・痙攣、危険度 大 [有効部位:花・実・葉]
※注意しましょう!
 スズランはどこを取っても毒になります。成分の特徴として心臓に作用し、最初むかつき・悪寒から始まり、ひどいときには痙攣などで死に至るそうです。外国ではベリーやガーリックと間違えて食べる子供が多く、中毒患者はめずらしくないそうです。 スズランの花瓶の水で実際に死亡事故が起きていますので、小さいお子様をお持ちの方は絶対手の届かない所におくべきですし、危ないということもしっかり教えておかなければなりません。

花壇などに栽培されるのはヨーロッパ原産のドイツスズラン(独逸鈴蘭)_Convallaria majaliです。スズラン(鈴蘭)より大型で、花と葉の高さがほぼ同じです。スズランは花が葉よりも低い位置で咲きます。

 俳諧では、リリー、君影草の名とともに夏の季語として使われます



《 ス ズ ラ ン 伝 説 》
セントレオナードの森の守護神セントレオナードが武者修業に出かけましたが、森の中で道に迷い途方にくれていたところ、闇の中から大きな毒蛇が襲いかかってきました。剣を抜いて、火をはく毒蛇と三日三晩の格闘の末、やっと大毒蛇を倒しましたが、セントレオナード自身も全身に多くの傷を受けてしまいます。鮮血が滴り落ちて緑の草を紅に染めたあとに、いつのまにか白くて香りを漂わせたすずらんが咲いていました。森のニンフが、若く清らかでたくましいセントレオナードの痛ましい姿に心を痛めて、この花をさかせたのだと言い伝えられています。



《 ア イ ヌ の 赤 い ス ズ ラ ン 伝 説 》
昔、銭亀沢の近くに住んでいたアイヌの酋長の娘のカパラペは、村の勇敢な若者キロロアンと恋仲になります。冬も間近のある日、一人で山に熊狩りに出かけ、巨大な熊に出会います。キロロアンの射た毒矢は熊の足を傷つけ、熊は怒ってキロロアンに襲いかかりました。キロロアンは腰のマキリ(小刀)で応戦し、熊を倒しましたが、自分も脇腹に深手を負い、そのまま死んでしまいます。
翌日、知らせを聞いて村人達と一緒に現場にやってきたカパラペはキロロアンの遺体にすがって泣き崩れました。それから、カパラペはキロロアンのマキリで自分の喉を刺し、恋人の遺体の上に重なるように倒れて死んでしまいます。その時、カパラペの血潮が四方に飛び去り、その辺りに咲いていたスズランの花を赤く染めました。それ以来、銭亀沢周辺には薄赤く染まったスズランの花が咲くようになりました。[函館市銭亀沢]
 (実際には、赤いスズランはマンガン廃坑付近に多く見られるため、土壌成分が関係するものと考えられています)



 赤い鈴蘭は咲く 北国の春の野に
 遠い昔 アイヌの乙女が恋人に捧げた命
 恋する乙女は、今もなお胸の中に 赤い赤い鈴蘭を咲かせる
 遠く離れたあの人に 命をかけた恋が 
 今も今もこの胸にあると 伝えてよ赤い鈴蘭

 古い連続TVドラマに「赤い鈴蘭」(木下恵介監督)の主題歌「赤い鈴蘭」(木下忠司作曲、西田佐知子歌)です。