あきここの豆だいふく

VIVA 日常の嗜好品

チルドレン(伊坂幸太郎著)

2011年07月14日 | 
いやぁ!いい。面白い!おすすめ。

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この間『KAGEROU』の書評を書いた時に、あんまりにもAmazonでの評価が悪かったんで、なんだかかわいそうになり、私としては「本は自分で読んでみるもの」という心情もあり、なんとなく「まぁ、頑張ってるんだから読んでみて」的に書きました。えぇ書きましたよ。

そしたら、だんなの人に「えぇ!あの書評読んだら、みんなが言うほど悪いと思わないじゃないか。それじゃakicocoの書評の信用性がなくなるでしょ。本当のことを書かない書評なら辞めちゃえばいいんじゃない?」って言われたのね。

ま、まぁそうなんだけれど。
本当のことは若干婉曲して表現しているけれど、でも、うそは書いてるつもりはないんだぁ。

それにこの書評は、あたしの「読書感想文」苦手意識を克服するために書いてるっていうのもあるし。

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この本もAmazonさんが「akicocoさんにおススメでっせ」って教えてくれた本です。
図書館で予約しました。

文庫は軽くていいね。

あのね、小説って物語の核があるでしょ、そこに描写を肉付けして、現実味を帯びさせたり、イメージを沸かせる。『KAGEROU』はねそれがとても稚拙だなぁ~と(エラソー)なことを思うことがしばしばありまして。

たとえば、街で配られている消費者金融のポケットティッシュのことを表現するときに、『KAGEROU』だと「どうだ!なんでもないポケットティッシュを表現してやったぞ」感があるんですが、『チルドレン』だと、すごく自然に入ってきて、気にも留めないくらいさらっと流す。

だって、ティッシュの存在ってそんなもんでしょ?
そこんとこが違うんです。イマドキでいうなら「どや感」?

なんかね。ちょっと、いっぱいいっぱい。

それに、現実味も違う。

『KAGEROU』はね、バーチャルリアリティな感じ。
自分に関係ある所だけが空間として作られていて、そのほかは真っ白なの。
でも、『チルドレン』はいろんな人の生活の一部、人がいて会社があって街があって。それがきちんと(書いてなくても)見えてくる。

『KAGEROU』は世にも奇妙な物語を読んでるような、ちょっと、不安感がずっと付きまとう。

昔見た、脳に刺激を与えるだけで、その人が存在しているかのような仮想空間…それを思い出す。

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本当は2つを比べるようにして○○の方が面白かったー!っていうのは違うと思うんだけれど、今回は、いろんなことを考えつつ読みました。

いやぁ~。
近くに陣内(この本の主人公)がいたら、迷惑だけれど、ちょっと見てみたい気もするな。(結局、ここだけが感想か?)

そんなんで、あたしの書評はまだまだ続く。(笑)
たまにオブラート的な書評があったら「あれ?もしかして」と踏んでください。(笑)