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おとなの学びを育む―生涯学習と学びあうコミュニティの創造

2012年09月12日 | Workshop

おとなの学びを育む―生涯学習と学びあうコミュニティの創造

ただ読むだけではなく、青山WSDに通っていた自分自身をリフレクションしながら考えさせられたので、読むのに時間がかかりました。でも読了できて良かったと思います。

どうして、このタイミングで青山WSDに通学しようと思ったのか?
青山WSDの授業で、どうしてリフレクションを重要視していたのか?
が理解できました。

青山WSDの授業を受けて、自分の中で変わったものは何かあるか?
多分あると思うけど、まだ分かってないし、変わり続けていくことが大事なんだろうなと思いました。 

以下、抜粋■

省察的実践とは何か―プロフェッショナルの行為と思考 省察的実践とは何か―プロフェッショナルの行為と思考



 

 


に多大な影響を受けている本であることを前置きします。

:省察を、グループでの学習活動における学習者相互の学びのなかに位置づけようとしている。

ⅺ:社会人や職業人は、職場において直感やわざを用いながら臨機応変に活動をしており、このわざを省察し、ことばに出し、明らかにしていくことも大事な大人の学びであるという考えにいきつく

P7:寺中作雄は、社会教育者の担い手を、戦争遂行に協力してしまった「臣民」としてではなく、各地域で自己教育と相互教育の担い手となりうる「公民」として描いていた。

P10:ラングトンは、堅固な学校制度が、現代社会における変化における障害になっているとして、生涯にわたる学習を踏まえたカリキュラムを主張。

P11:「生涯教育」から「生涯学習」に名称が変わっていく

P12:成人を「教え育てる」ためだけの生涯教育ではなく、主体的に学び習おうとする人々の生涯学習に目がいくようになった。

P14:臨教審が「生涯学習」を使用した理由。 「学習は読書、独学など自由な意思に基づいて意欲を持って行うことが本来の姿であり、自分にあった手段や方法によって行われるというその性格から、学習者の視点から課題を検討する立場を明確にするために生涯学習を用いた

P19:田中雅文は、ボランティア活動のなかでのコミュニケーション能力の育成、参加者同士の人間関係および自治に向けての豊かな学習活動と、生涯学習の成果をボランティア活動に活かすことなど、「学習活動とボランティア活動の相乗効果」がみられると主張

P21:家庭や地域社会が本来持っていた教育力を再生していく必要があること、子どもや青少年の教育は、学校教育のみに委ねるのではなく、家庭や地域社会が連携・協働して行う必要があること、そのためにも、学校と家庭、地域の連携が、あるいは学校を家庭や地域社会に開放し(学校を地域に開く)、地域社会を学校にも開放していく(地域を学校に開く)ことが求められている。

P23:地域基盤社会。ドラッカーが知識社会という表現で提言。情報は、人間が多様な行為を行う際に用いるとき、知識になる。知識基盤社会とは、新しい知識が、政治、経済、文化をはじめ社会のあらゆる領域で基盤となり重要性を増す社会である。このような社会では、「単なる知識や技能だけではなく、技能や態度を含む様々な心理的、社会的なリソースを活用して、特定の文脈で複雑な問題に対応することのできる力」、いわゆる「主要能力(キーコンピテンシー)」が求められている

P32:一般に学ぶこと、学習することとは、「経験によってもたらされる思考、価値観、態度の持続的な変化」と定義。学習、学ぶこととは、何らかの経験を経ることを通して、みずからの試行、価値観、態度が継続的、持続的に変化することを意味している

P33:学ぶとは
  (1)・・・であることを学ぶ
  (2)・・・することを学ぶ
  (3)「わたしは」と主語とする自動詞として用いられる学び
  (4)より良く生きることを学ぶ

P34:おとなが学ぶこととは、「おとばが、思考、価値観や態度の持続的な変化をとおして、生きがいや自己実現につながるような能動的な情報や技術の獲得という経験を持つこと

P34:おとなの定義
  (1)法律上の成人の定義
  (2)社会的な成人の定義
  (3)心理的な成人の定義

P37:おとなの学びが、個人の学習者の自己実現をめざすことよりも「社会に開かれた自己実現」を志向しつつあるという点

P37:人びとは、他者や社会、公共空間へと開かれていく自己をめざして自己実現していく

P38:エミール・デュルケーム 社会の発展を、機械的連帯(似た者同士の連帯)から有機的連帯(各人の異質性を認め合った連帯)という図式のなかでとらえる試みを示している

P40:おとなの学びがこれまでとは異なる新たな地や学習感を創造している と考える

P41:社会人が学ぶ以上、経験知を学習資源として活用し、経験知を活かしていくような学習プロセスが必要になってきている

P44:分散型コミュニティが持続的になるためには、メンバー同士の人間関係や信頼の構築、合意の取りつけ、個々の実践コミュニティーの優先順位やニーズに折り合いをつけること、そう反する圧力に対処するといったコーディネート力が求められる。

P46:センゲの学習する組織とディスプリン
  (1)自己マスタリー
  (2)メンタル・モデル
  (3)共有ビジョン
  (4)チーム学習
  (5)システム思考

P50:おとなの学びとは、「おとなたちが、人間関係を含めた新しい社会の創造に向けて、多様なコミュニティを基盤にして行う、思考、価値観、態度の持続的な変化につながる一連の活動もしくは経験」

P57:パトリシア・クラントンの成人教育論の整理
  (1)デューイの経験主義の教育学や振り返りの概念
  (2)行動主義
  (3)人間性心理学
  (4)発達心理学
  (5)批判的理論
  (6)アンドラコジー

P57:メリアム&カフェレラ
  (1)行動主義
  (2)認知主義
  (3)人間中心主義
  (4)社会的学習
  (5)構成主義

P62:技術的関心 外的な自然環境をコントロールしたいという欲求から生まれ、ものごとを原因・結果の因果関係で考えようとする関心のこと

P64:実践的関心 他人を理解したい、他人から理解されたいという欲求。他人のためにも、自分や他人が所属する文化やその文化がもつ共通の社会規範や価値観を理解したいという欲求も含まれる

P66:解放的関心 現状維持にとどまらずに成長し発達したいという欲求を土台。

P75:公民館に求められるもの
  (1)住民の自己解放の場
  (2)集団的な学習と文化創造の場
  (3)継続的な政治学習
  が三段階の学習の構造化として求められる

P85:成人期においても、一番学ぶことができる「教育の適時期」が認められるようになってきている

P89:30~50代の中年期は、安定期ではなく、危機の時代、転換期である。体力や気力の減退、結婚と離婚、子どもの成長と自立、夫婦関係の変化、親の老化と介護、男性性や女性性の意識、社会的地位と責任の変化など多くのできごとが発生する心理的変容のある時期

P91:ユング「人生の正午」で、40歳以降の「人生後半」の個性化や自己実現の発達を強調している。人生前半は太陽が東から上っていく、太陽が人の頭の上を通過するのが40歳。そしてその後の人生の後半は太陽が沈んでいくことになるが、むしろ、意味を探究することを通して、自分の内面の声に耳を傾け、自我をより高度の次元で統合していくプロセスとなる

P97:アーノルドによる解釈のパターン
 ・パースペクティブ性
 ・ステレオタイプな表現
 ・もっともらしさ
 ・潜在性
 ・持続性
 ・幼児期経験の固執性
 ・相対的な柔軟性
 ・社会的媒介性

P103:コルプの経験学習4段階
 (1)具体的経験 具体的な経験をつむこと
 (2)省察的観察 経験のなかに現れる他者を観察すること
 (3)抽象的概念化 観察したことを説明する概念や理論を生み出すこと
 (4)実践的試み 得られた理論を問題解決や決断の際に用いること

P106:ユングは<外向的><内向的>パーソナリティの2つの態度と、4つの心理的な活動様式「思考」「直観」「感情」「感覚」を組み合わせた8つの心理タイプを定義

P112:固定受講者層の受講歴のタイプを8つにわけると・・・
 ・科目継続型
 ・継続+α型
 ・健康型
 ・社会型
 ・科学型
 ・語学型
 ・文学型
 ・マルチ型

P114:マイセルによる参加動機の分類
 ・動機 モチベーション
 ・モチーフ
 ・関心およびニーズ
 ・期待

P116:学習ニーズの個別対応
 ・学習機会の体系化、ネットワーク化
 ・多種多様なプログラムを用意して、おとなの学習者が自由に選択できるようにする
 ・各学習期待を尊重する方向で講義をすすめる
 ・これまでにきずきあげた学習スタイルへの配慮
 ・心理タイプに応じた学習方法を計画段階、実施段階で考える

P128:ノールズ 現実生活の課題や問題によりうまく対処しうる学習の必要性に、人びとは何かを学習しようとする

P138:クラントンの自己決定性
 ・自己決定性型学習は、他者とかかわりあうプロセスであり、個人学習と同じではない
 ・自己決定性型学習は、プロセスであると同時に結果でもある
 ・自己決定性型学習は、成人教育の出発点、当然の前提ではなく、学習者が獲得すべき到達目標である

P138:おとなは自己決定性型学習ができるという前提に立つのではなく、学習プロセスのなかで自己決定性型学習を少しづつ身につけることができるようになると考えるのが現実的

P139:クラントン 自己決定性型学習という新しいアプローチに対して、「とまどい・混乱」の状態を経験し、どこまで自分たちで行ってよいのかという「許容範囲の見きわめ」や「個人での探求と振り返り」をしながら、少しづつ自己決定性を身につけ、「新たな興味と熱意」を感じるようになり、自己決定性型学習を周りに勧め、「提唱」をしていく

P144:子どもの学習は形をつくること(forming)を重視するのに対し、おとなの学習では、すでにある経験や価値観の形を変えること(transforming)に重点がある

P145:子育てが一段落した女性が学ぶにあたって大事なことは、新しい知識を身につけるだけではなく、自分自身の家族観や夫婦観、女性観などの価値観に気づき、振り返り、それらを変容していくプロセスが求められる。

P148:変容のプロセス
 ・すでに自分の価値感や前提についての気づきがある
 ・新しい価値観についても検討をすすめている
 ・これまでの価値観と新しい価値観との比較をしたうえで、もとの価値観を選び直している

P153:行為の中の省察論は、おとなの学習者が、今までに身につけたものを意識化し、言葉にしながら明確にしていくことが意味を持つとする成人学習論であるといえる。

P164:学習支援者は教える役割よりは、自己決定性を引き出す役割が求められる

P165:講師が提供する知識を理解する学習から、自分の意見を相手に伝え、相手の意見を尊重することで多様な意見をとおして課題を協働で探求するプロセスを踏みながら自己決定性を獲得する

P165:省察的な学習では、獲得した知識や技能の量の確認よりは、「学び方を学ぶ」ことがどの程度進められていがのかをおたがい評価しあうようになる

P166:螺旋的な学習プロセス(実態の把握→課題の設定→暗黙知や実践知の明確化→意識変容の学習→自己決定性型学習→振り返り・・・

P222:ロジャースの考えるファシリテータの役割
 ・学習者の学習ニーズを尊重し受け入れることをとおして学習活動が容易にできるようにする
 ・学習者を主体とする学習活動を支援する

P223:森の考えるファシリテータ
 ・話し合いを容易にし促進する役割を担う人
 ・話し合いを通して、一人ひとりがみずからの生き方・あり方との関連で何かを発見し、気づきをもたらす役割

P226:ファシリテータの役割
 ・参加者の内なる声を聴き、聴こうとして待ち、参加者みずから学習課題を設定していくのを支援する消極的な役割ファシリテータの必要性

P232:中野民夫の考えるWS

ワークショップ―新しい学びと創造の場 ワークショップ―新しい学びと創造の場

 

 

 


P238:WSが特定の価値観の押しつけにならないようにするためには、参加者主体ということを最終の到達目標とするだけでなく、WSをとおして得られたさまざまな体験をめぐる参加者の意見を謙虚に聴きながら、支援者としての自分のねらいとは異なる意見に対しても胸襟を開いて受け止める柔軟性が支援者に求められる

P239:WSが参加者にとっても支援者にとっても、一番重要なのは、WSが終わった後の振り返りがどれだけ行われているかによる

P296:実践を省察するシステム
 ・問題状況をとらえ設定する際に枠組み(フレーム)を転換させる
 ・過去の経験を固有の状況に持ち込みながら枠組みを創る
 ・<管理された実験>とは異なる<現場での実験>をすすめる


 

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