Akatsuki庵

後活(アトカツ)中!

のんこうさん特集の展覧会

2016年11月09日 13時29分55秒 | 美術館・博物館etc.
★楽美術館 サイト
 秋期特別展 重要文化財指定記念『三代 樂道入・ノンカウ展』 ※11月27日(日)まで

「ノンカウ」というよりは、「のんこう」の方がしっくりくる。

楽美術館所蔵の道入作の黒楽茶碗『青山』が重文指定されたのを記念した今回の企画。

最初の長次郎「万代屋黒」以外はぜ~んぶ道入作!

もちろん、楽美術館の所蔵品だけでは足りず、個人蔵のも多数でていたのがウレシイ限り。

「万代屋黒」と並んで道入作の黒楽茶碗「閑居」には珍しく箱蓋が添っていた。
「閑居」の方は宗旦の書付あり。(つながりを感じさせる)

このあたりは「道入クラシック」

そして、「青山」のような、ワンポイントの模様がついた楽茶碗の改革。

題して「道入モダン」。

個人蔵の黒楽茶碗「山ノ端」。斜めの線が引かれて、その上に山の稜線が白釉薬が。
かっこいい。

若い頃の作という赤楽茶碗「僧正」。ゆがみと白い□の白釉薬の模様。

白釉に泡が立っている黒楽茶碗「残雪」。蛇蝪釉というらしい。

「イ」の黒楽茶碗「獅子」、黒楽なんだけど朱の暗い赤のような色の「小鷹」。やや面長。

さらには幕釉(まくぐすり)のお茶碗。
垂れた漫幕が模様に見立ててるのが特徴。

黒楽茶碗「烏帽子」と「若緑」。

第二展示室は茶碗以外も。

赤楽灰匙は大きくて、すごく使いこまれた感あり。

白楽虎蓋香炉。かっこいい。

赤楽筒茶碗「山人」。若い頃の作だったのね。そういえば、色が若い感じがする。
筆洗形黒楽茶碗「いさり舟」。筆洗というよりは、もろ舟形。

北村美術館から貸し出しされた緑釉割山椒の向付もチェック。

黒楽四方馬上盃形茶碗は不安定そうで、かなり危ない感じ。
(飲むのはともかくそちて、どうやって点てたのか)

真ん中の八角ケース内の香合はおなじみのもの。

そして、いよいよ真打ちを見に2階展示室へ。

黒楽茶碗「青山」と三井から貸し出された赤楽茶碗「鵺」が並んでいた。

対照的な茶碗。

ただ、どちらも正面に釉薬で模様があるのは同じ。

今でこそ、正面の模様なんて当たり前だけど、
それを最初にやったのが道入さん。
かなりの冒険だったろうなぁ。

青山の「U」はかわいい。

最後に光悦の白楽茶碗「冠雪」。

長次郎、常慶と続く工房としての流れと
16歳から38歳まで交わりを持った光悦の影響と。

その二つの流れと天下泰平となった江戸時代。

この3つの合流点が道入さんの行き着いた芸術だったのだろう。

その後の楽茶碗を導いたスゴイ陶工だっと、改めて思った。

お手洗いのお花も相変わらずステキ。



★楽美術館バックナンバーリスト
 2016年6月 『樂歴代~長次郎と14人の吉左衞門~』
 2016年1月 『樂歴代 優しいすがた』
 2015年10月 『本阿弥光悦 光悦ふり・様式と展開』 
 2015年3月 『樂歴代 装飾への荷担・抑制と解放』
 2014年12月 特別展・宗入生誕350年 パート2『初源への視線 樂家五代宗入と三代道入、四代一入、九代了入、十五代吉左衞門』
 2014年9月 『元禄を駆け抜けた雁金屋の従兄弟ども 「樂家五代宗入と尾形乾山」』
 2014年7月 『親子で見る展覧会「シリーズ 樂ってなんだろう」―手捏ねと轆轤制作―』
 2014年5月 『定本 樂歴代』
 2014年2月 『樂歴代 干支・動物たちの新春 日常の風物、いろいろな物語、干支、吉祥の動物たち』
 2013年10月 『利休/少庵/元伯/千家の時代 と長谷川等伯「松林架橋図襖」修復完成記念特別展示』
 2013年3月 『楽歴代名品展 楽家歴代が手本としてきた伝来の茶碗』
 2013年1月 『楽歴代 春節会』(第二、第三展示室)
 2013年1月 『楽歴代 春節会』(第一展示室)
 2012年10月『工芸 肌をめでる。樂茶碗の陶肌 茶の湯釜の鉄肌 一閑・宗哲の漆肌』 
 2012年8月 『季節を感じよう!! 夏祭りと茶の湯』
 2012年3月 『樂歴代の名品 秘蔵の長次郎を見る』
 2012年2月 『京の粋 樂家初春のよそおい』
 2011年10月 『樂と永楽そして仁清 京の陶家 「侘と雅」の系譜』
 2011年8月 「樂焼のルーツは、なんと! カラフルな中国の焼き物」
 2011年5月 「樂美術館コレクション-樂歴代とその周縁」
 2011年2月 「特別展樂吉左衞門還暦記念� 個展「天問」以後今日まで」
 2010年11月 特別展『千家十職 楽家の茶碗-極められた赤と黒の美-』 表千家北山会館
 2010年11月 『楽吉左衛門還暦記念展』
 2010年5月 春季特別展『楽歴代展』
 2009年11月 重要文化財新指定記念特別展『長次郎二彩獅子像+勢揃い京の焼き物 侘と雅』
 2009年8月 「『楽焼のはじまり、そして今』親子で見る展覧会/シリーズ「楽ってなんだろう」
 2009年5月 春期特別展『樂歴代』 
 2008年10月 開館30周年記念特別展『長谷川等伯・雲谷等益 山水花鳥図襖&樂美術館 吉左衞門セレクション』
 2008年8月「楽茶碗を焼く」
 2008年5月「楽家の系譜」
 2008年3月「動物の意匠」
 2007年11月「元伯宗旦」

 ※2006年9月 「赤と黒の芸術 楽茶碗」(三井記念美術館)


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