Akatsuki庵

日々と向き合って

高麗茶碗

2019年10月16日 05時00分00秒 | 美術館・博物館etc.

☆三井記念美術館 サイト
『高麗茶碗』 ※12月1日(日)まで 後期は10月22日(火)~

高麗茶碗は難しい。

何故なら種類もたくさん。特徴を覚えるのだけでも大変だけど、
その成り立ちや背景も知っておかなければ、その良さを理解できないからだ。

茶道具鑑賞を始めてから12年、湯木美術館や根津美術館で学びながら理解を少しずつ積み重ねてきた。

だから、今回も記憶の糸を手繰り寄せつつ、立ち止まって考えて見直して、、、の繰り返し。
個人蔵のお茶碗がすごく多くて、鑑賞しながら緊張した。
だって、個人蔵って“一期一会”だし、おそらく初見のものも多いと思うし~
と思ったら、見ながら「ん? あれ? なんか見た記憶が~」 余計に頭の中が混乱し、
鑑賞しながら「図録が買いたい~ これ以上、家の中のモノを増やしたくないけど、買いたい」とうずうず。

買って帰って、以前に買った根津美術館の井戸茶碗展(2013年11月)の展示リスト と図録を引っ張り出したら
やはりそうで。再見のものもあったし。

展示替えも多いから後期もぜったいに行くぞ!と思ったり。まだまだ道半ばな展覧会。
前期で印象に残ったものを備忘録としてピックアップしておこう。

第一展示室
 まず、大井戸茶碗 銘「蓬莱」 武野井戸 藤田美術館蔵
「あれ? 武野井戸なんて、あったっけ?」と名前で惑わされてしまったけど、
「蓬莱」として何度も拝見している藤田美術館の逸品。歴史を感じさせる。
6月に奈良博でも拝見した。

刷毛目茶碗 銘「合甫」と粉引茶碗(いずれも個人蔵)は小ぶりで暗い印象。
堅手茶碗 銘「東雲」は近衛家熙による銘名。
真熊川茶碗 銘「朽木」 模様が伯庵茶碗みたい。でも、真熊川なんだよねぇ。ムズカシイ。
御所丸茶碗 古田高麗、久しぶりに拝見。白い御所丸。少し歪み。憧れる。
御本立鶴茶碗「千歳」 野村美術館の立鶴茶碗と似てる。解説読むと、野村と同じで家光の下絵によるもの。

第二展示室は津田粉引。今回のポスターでも登場している。正面の笹のような模様がかっこいい。

第三展示室(如庵写)には大井戸茶碗「有楽」。パッと見て、「有楽井戸と違う~。これじゃなーい。」
確かに、これはトーハク所蔵の有楽井戸とは別物。(三井記念美術館の所蔵)
へぇ~。こんなシブイ「有楽」井戸もあったのねぇ。と感心した。

ちなみにトーハク所蔵の有楽井戸は第四展示室に展示されていたけど、「ん?」
もっと、オレンジというか琵琶色が濃かったように思うんだけど。

ほかにも大井戸茶碗、青井戸茶碗、小井戸茶碗がずらっと並んでいて、
展示目録で観たものにチェックをいれながら進んでいたら、
リストは1つおきに前後期のものが並んでいて、くらくら。
大阪の加島屋(広岡浅子が嫁いだ先)にゆかりがある大井戸茶碗「妙喜庵」が印象的だったなぁ。
藤田美術館の小井戸茶碗「老僧」もいた。

粉引茶碗、呉器茶碗、斗々屋茶碗、柿の蔕茶碗、熊川茶碗と各種並んでいるから、頭が混乱。

第五展示室になると日本からの注文品になってくる。
御所丸茶碗、伊羅保茶碗と釘彫伊羅保茶碗。彫三島茶碗。ここまではなんとかついていける。
金海茶碗はまだ理解ができない。

第六展示室は対馬関係の史料。

第七展示室は御本と半使茶碗。茂三や玄悦~ 対馬 朝鮮通信使の通訳から買った茶碗~
藤田美術館所蔵の絵半使割高台茶碗なんて、初めて見たんじゃないかなぁ。(大阪で観た記憶ないんですけど)

前後期で展示替えがかなりあるから、文字通り“一期一会”の鑑賞になる茶碗もあると思う。
図録や手持ちの本でもう1回勉強し直して、後期に観に行こう。

※三井記念美術館バックナンバーリスト
2019年1月『国宝雪松図と動物アート』→こちら
2018年6月『大名茶人・松平不昧 ―お殿さまの審美眼―』(後期)→こちら
2018年4月『大名茶人・松平不昧 ―お殿さまの審美眼―』(前期)→こちら
2016年10月『松島 瑞巌寺と伊達政宗』→こちら
2016年1月『三井家伝世の至宝』→こちら
2014年12月『雪と月と花~国宝「雪松図」と四季の草花』→こちら
2014年10月『 東山御物の美 ―足利将軍家の至宝―』→こちら
2014年1月『楽茶碗と新春の「雪松図」』→こちら
2013年11月『国宝「卯花墻」と桃山の名陶 -志野・黄瀬戸・瀬戸黒・織部-』→こちら
2013年1月『ゆくとし くるとし 茶道具と円山派の絵画』→こちら
2012年8月『美術の遊びとこころ 三井版 日本美術デザイン大辞展』→こちら
2012年2月『茶会への招待―三井家の茶道具―』→こちら
2011年9月『華麗なる京蒔絵-三井家と象彦漆器』→こちら
2011年7月『日本美術にみる「橋」ものがたり』→こちら
2010年12月『室町三井家の名品~卯花墻と箱根松の茶屋~』→こちら
2010年4月『江戸を開いた天下人 徳川家康の遺愛品』→こちら
2009年12月『ZESHIN』(柴田是真展)→こちら
2009年4月『三井の茶道具』→こちら
2008年10月『森川如春庵の世界』→こちら
2008年8月『NIPPONの夏』→こちら
2008年4月『茶箱と茶籠』→こちら
2008年3月『三井家のおひなさま』→こちら
2007年12月『安宅英一の眼』→こちら
2006年9月『赤と黒の芸術 楽茶碗』→こちら


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