Akatsuki庵

後活(アトカツ)中!

『安宅英一の眼』

2007年12月08日 16時30分37秒 | 美術館・博物館etc.
三井記念美術館(東京日本橋) ※12/16まで

たしか、11/30付の新聞(夕刊)に広告が出ていた。
「明日12/1より(最終日まで)午後7時まで開館致します」
延長時間のみ有効な200円の割引券も印刷されてあった。

私のようなフリーカーにとっては、いずれも有り難い。

が、既に先月(100円割引で)観たし、夏にも大阪で観てしまった。
二度も観たのは、やはり内容がよかったから。
展示物は同じでも、会場や陳列の順番の違いで印象が随分変わるものだな、と感心した。

なんと言っても、飛び青磁の花入は最高によいし、国宝の油滴天目は本当に美しい。

大阪では正面からしか観賞できなかったが、三井では単独の陳列棚だったので、360度ぐるりと観賞でき、これだけでも「リピーターしておいてよかった~」と思えた。

茶道の稽古において、あるレベルから奥は台天目(天目茶碗と茶碗を載せる天目台)しか扱わなくなる。
以前は、点前の順番を覚えるのに気を取られて、道具の価値については全く興味がなかった。
そして、稽古用の天目茶碗は厚みが薄くて、手のひらに載せて茶筅通しする時の熱さといったら!
「あっ、ちっ、ち~」と口に出してしまうほどつらかった。
なぜ、こんな理不尽な所作があるのだろうと、ずっと不満に思っていたが、それは誤解だった。
2~3年前に茶陶の講演で「本物の天目茶碗は厚みがあり、熱の伝導率は低く、また重い」と聴き、「だから、あーゆー所作になるのかぁ」

以来、天目茶碗はかなり気をつけて観るようになったし、先日のように本格的な天目茶碗を手がけている作家さんの個展は触れるチャンスなので、そこで体験した感覚を稽古の点前で再現するようにしている。

たまたま、本日は円草を稽古した。
唐物の茶入と和物の茶入は、香雪美術館で観たものをイメージして、天目は油滴だと思って点前をした。
実際は稽古用の道具でも、名物をイメージすることによって所作が丁寧になり、点前に深みや奥行きが出てくる効果があるようで。
(写真で見ただけでは平面的でうまくいかない。やはり、実物でなくては。それに熱くても、あの油滴だ!と思えば不思議とガマンできる)
その意味でも、あの油滴はイメージし易くてよかったナ。
私の展覧会フリークにも、一応は稽古の一環なのだ。
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