Akatsuki庵

日々と向き合って

茶箱と茶籠

2008年04月23日 00時05分00秒 | 美術館・博物館etc.
『数寄の玉手箱 三井家の茶箱と茶籠』
三井記念美術館
※6月29日(日)まで

このところ、自分で見立ての茶箱を探したり、茶籠作りに参加したりと“茶道具の携帯性”について考える機会が多かったので、この展覧会は楽しみにしていた。
(講演会も申し込んだので、再訪の機会あり)
北三井家6代から10代まで、歴代がそれぞれに茶箱を所持してお茶を楽しんでいたらしい。
本当に三井家の人々の“お茶好き”ぶりに感心した。

茶箱点前といえば、裏千家11代の玄々斎(←幕末から明治にかけて活躍)が考案して~と“頭でっかち”にしか捉えてなかった。
だから誤解をしていたが、よくよく考えれば茶箱や茶籠は江戸時代から存在していたもので、はじまりは桃山時代まで遡るという。
(そう云われてみえば、以前にも三井記念美術館で観たし、北村美術館でも観たが、その時はあまり真剣に考えていなかった)

点前として制定したのが裏千家の家元だっただけで、表千家の家元も紀州徳川家を通じて、三井家とは親しかったようで、表千家の協力による茶箱セットは多いようだ。
(「正式には教えていない」とも聞いているが、世界文化社からテキストも出ている。『立礼と茶箱を愉しむ(表千家流お茶のおけいこ) 』)

今、稽古で使っている茶箱セットの原型のようなものから、独特な籠に驚くぐらいにたくさんの道具をギッシリと押し込んだもの、手のひらサイズにコンパクトにしたものまで、自由な発想と趣向で仕立てられた茶箱や茶籠のセットを眺めていると、「今の自分の稽古はあくまで基本的なことに過ぎないのだ」と痛感する。
茶箱や茶籠について少し勉強し直した上で、再度じっくり観に来たいと思った。

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