イバンカを中国で崇拝するのは、美しく自立し成功したいと熱望するホワイトカラーの女性だけではない。
「Bling Dynasty」と称される中国でわずか1%の超富裕層や、「富二代」と呼ばれる裕福なエリート層の子どもたちも、自分たちのロールモデルとしてイバンカに憧れている。
トランプ家のゴシップを取り上げる中国メディアの過熱ぶりは、米中が対立する諸問題の扱いの小ささと比べると、常軌を逸している。
トランプの孫娘にあたるアラベラが中国語で歌を披露した動画は、中国の一般家庭で何度も再生されたが、肝心のトランプと習による会談内容については、いまだ詳細がはっきり伝わっていない。
なぜこうなったのか。まず中国は、対米関係の悪化から国民の目をそむけ、対米世論を和らげようとしたのではないか。その上で武道さながら、戦いの前に敵に敬意と感謝の意を示したのかもしれない。
トランプ政権もそれに応じ、友好的なジェスチャーを見せた格好だ。中国でトランプへの共感が広がる背景には、2国間の相互理解と共通点を見出すために地ならしをしたい中国側の明確な願望がある。
米中関係を改善する道のりは前途多難だが、今のところ両国とも落ち着いた雰囲気で交渉をスタートさせる構えのようだ。下馬評とは違い、トランプは中国流の戦術にかなり巧みに応戦しているようだ。
大統領選中、中国で長年ビジネスを行った経験を自信満々に宣伝していたのも納得できる。
ニューズウィークからの引用記事
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