40年を一ゼネレーションと言う。
この一ゼネレーションを大きな転換点からスタートしたと思われる年が1865年の明治維新と1945年の戦後である。俗に第一の波と第二の波と呼ばれている年だ。
これまで体制を維持させてきたリーダーたちは自信を失くしたり失くされたりして第一線から外された。変わってこの年に20歳台から30歳台の人たちがリーダーになって、今は苦しくても将来は必ず良くなるのだという信念を持って目標に向かって行動した。目標は明確だった。豊かになりたい、その為の手段である軍事力を強化することが1865年以降の日本の目標になった。1945年以降は同じ豊かになりたいと言う手段を経済力の強化に求めた。どちらもほぼ40年間は小さな上下はあったものの右肩上がりで世界に類を見ないほどの大成功を成し遂げた。
しかし一ゼネレーションである40年を過ぎてもその後大きな変革をなさないまま突き進んでしまった。その節目の年が1905年だ。豊かになる手段を目的としてそれが達成したのだから今度はその目標達成を次の目標達成の為の手段にして更に漸進的な目標を掲げてステージを変えていかなければいけなかった。しかし過去の成功体験を変えることはできなかった。過去の延長線上に更に大きな目標を積み上げて挑んでいったのである。40年たって力を付けたリーダーたちは第一線のリーダーから外れることなくリーダーの座におさまり若い人たちの不甲斐なさを嘆くようになった。また既存のルールを変える事に抵抗をするようにもなった。その事がどん底への道をたどるきっかけになりやがて外圧に堪えられなくなって崩壊した。今の日本はこの1905年以降の日本が辿ってきた道に似ている。
だから現在の経済危機を1865年と1945年のどん底からのスタートの年と重ねて第三の波と呼んでいるのは単に事象だけを捉えた考えかたに過ぎない。正確に時代の流れを見ているとは言えないから間違いだと思う。1985年以降に起きた危機はどん底まで落ちたところの危機ではなく大成功を収めた後の流れの中で起こっている危機なのだ。それは1905年に日ロ戦争に勝利して軍事大国として世界の仲間入りを果たしたと考えていた当時の日本と酷似していると思うからだ。
経済大国を成し遂げたと言う成功体験から抜けきれず更に合理性を求め成長することに関心を高めた。その結果高齢者に格差が生じた。定年を過ぎて退職を余儀なくされた一般の国民は生活するのがやっとという暮らしになり、しかもそれさえ危ぶまれている。その一方で権力と収入をいつまでも手放さないで改革には総論賛成各論反対で身の安全ばかり優先する高齢者が多くなってしまった。民主主義、資本主義の悪い点が目立つようになっている。高齢化、財政赤字、政治機能の停滞という基本的な問題点が未解決のままなので景気の低迷はまだまだ続くと予想される。
アメリカの個人消費の低迷は住宅問題の処理を抱えたままなのでこの先も続くだろう。ヨーロッパも金融市場はマヒ状態だ。アジア諸国はハイパーインフレを警戒して金融引き締めが行なわれている。だから日本だけの介入では円高は止まらない。円買いはまだ進んでいくだろう。従って円高は止まらずやがて60円台に限りなく近づくと思う。
ただ2012年と言う短期的なことでみれば景気が良くなる材料は揃っている。その一つは震災復興景気だ。被災された方々には大きな悲しみとダメージがあるが復興したい、復興させたいという思いは国民の共通の思いなのでこの事に関連した消費は確実に増える。また震災直後の自粛ムードも解消されたのでこの面での消費も増えている。
また2012年は世界の主要国の大統領選挙が相次いで行なわれるので各候補者は景気対策や失業対策、福祉の改善など財政投入を打ち出す政策を提唱するので経済にとっては一時的には好材料になるだろう。どの国でも自国の貨幣を強くさせたいと思うので今年は一時的に円安になるだろう。
問題なのはその結果生じる財政赤字の拡大をどのように解消させるかだがその策を全くと言っていいほど打てていない。日本国内では団塊の世代がいよいよ65歳に突入し税を払う立場から受ける立場に変わること、金余りが続いているとはいえそのお金は銀行が取り込んでしまい市場には殆ど出回らないと言った不安材料が残ったままなので景気はけしてよくならない。銀行は企業の再建にオフバランスばかり勧めているから仮に企業単体としては再建が出来たとしても資産の売却やリストラで総資本は小さくなっていく雇用も減少してしまう。コンサル付きの劣後ローンの組み替えも後々には大きな問題を残すことになるだろう。
総じて2012年は9月頃までは対前年比でプラスに転じるものの9月頃からは長期的なトレンドつまり下方向に戻るのではないかと予測される。
リーダーたちは何かを捨てなければ何かを得られない事はわかっている。しかし何かを捨てることは自分たちや自分の仲間たちの既得権益を捨てさせることになるので抵抗が大きい。これからの日本にとって大切なことは目標設定能力だ。そして目標を設定したらその大切なことを実行する為にこれまで正しかったこととこれまで得をしたことをどれだけ捨てるかあるいは捨てさせるかと言う勇気を持つことだ。今は一年毎に一喜一憂すべきときではない。20代30代の人たちがこの先40年日本がどのような道を歩んでいくべきか長期的なビジョンを定める時だ。1985年を1905年に軍事力の強化を経済力の強化すなわち合理性の追求に置き換えて歴史的な事実に沿って改革をするべき時である。2012年は1905年からの歴史になぞれば次の年には国際連盟を脱退して孤立への道を歩むことになった年である。関東大震災があり金融恐慌があったそしてどん底への道を歩んでしまった。その歴史を繰り返してはならない。
それには国家としてのビジョンを持つこと。40年後に次の世代の人たちにバトンタッチが出来る若い人たちに一日でも早くリーダーの座を譲ることだ。それが出来なければ日本を始めとした先進国は夕日の如く沈んでしまうだろう。思えば先進国が中国やインドに変わって先進国に成りえたのは産業革命以降のことだ。今再び産業革命以前に先進国だった中国やインドが力を付けているのはあながち偶然のことではないだろう。
この一ゼネレーションを大きな転換点からスタートしたと思われる年が1865年の明治維新と1945年の戦後である。俗に第一の波と第二の波と呼ばれている年だ。
これまで体制を維持させてきたリーダーたちは自信を失くしたり失くされたりして第一線から外された。変わってこの年に20歳台から30歳台の人たちがリーダーになって、今は苦しくても将来は必ず良くなるのだという信念を持って目標に向かって行動した。目標は明確だった。豊かになりたい、その為の手段である軍事力を強化することが1865年以降の日本の目標になった。1945年以降は同じ豊かになりたいと言う手段を経済力の強化に求めた。どちらもほぼ40年間は小さな上下はあったものの右肩上がりで世界に類を見ないほどの大成功を成し遂げた。
しかし一ゼネレーションである40年を過ぎてもその後大きな変革をなさないまま突き進んでしまった。その節目の年が1905年だ。豊かになる手段を目的としてそれが達成したのだから今度はその目標達成を次の目標達成の為の手段にして更に漸進的な目標を掲げてステージを変えていかなければいけなかった。しかし過去の成功体験を変えることはできなかった。過去の延長線上に更に大きな目標を積み上げて挑んでいったのである。40年たって力を付けたリーダーたちは第一線のリーダーから外れることなくリーダーの座におさまり若い人たちの不甲斐なさを嘆くようになった。また既存のルールを変える事に抵抗をするようにもなった。その事がどん底への道をたどるきっかけになりやがて外圧に堪えられなくなって崩壊した。今の日本はこの1905年以降の日本が辿ってきた道に似ている。
だから現在の経済危機を1865年と1945年のどん底からのスタートの年と重ねて第三の波と呼んでいるのは単に事象だけを捉えた考えかたに過ぎない。正確に時代の流れを見ているとは言えないから間違いだと思う。1985年以降に起きた危機はどん底まで落ちたところの危機ではなく大成功を収めた後の流れの中で起こっている危機なのだ。それは1905年に日ロ戦争に勝利して軍事大国として世界の仲間入りを果たしたと考えていた当時の日本と酷似していると思うからだ。
経済大国を成し遂げたと言う成功体験から抜けきれず更に合理性を求め成長することに関心を高めた。その結果高齢者に格差が生じた。定年を過ぎて退職を余儀なくされた一般の国民は生活するのがやっとという暮らしになり、しかもそれさえ危ぶまれている。その一方で権力と収入をいつまでも手放さないで改革には総論賛成各論反対で身の安全ばかり優先する高齢者が多くなってしまった。民主主義、資本主義の悪い点が目立つようになっている。高齢化、財政赤字、政治機能の停滞という基本的な問題点が未解決のままなので景気の低迷はまだまだ続くと予想される。
アメリカの個人消費の低迷は住宅問題の処理を抱えたままなのでこの先も続くだろう。ヨーロッパも金融市場はマヒ状態だ。アジア諸国はハイパーインフレを警戒して金融引き締めが行なわれている。だから日本だけの介入では円高は止まらない。円買いはまだ進んでいくだろう。従って円高は止まらずやがて60円台に限りなく近づくと思う。
ただ2012年と言う短期的なことでみれば景気が良くなる材料は揃っている。その一つは震災復興景気だ。被災された方々には大きな悲しみとダメージがあるが復興したい、復興させたいという思いは国民の共通の思いなのでこの事に関連した消費は確実に増える。また震災直後の自粛ムードも解消されたのでこの面での消費も増えている。
また2012年は世界の主要国の大統領選挙が相次いで行なわれるので各候補者は景気対策や失業対策、福祉の改善など財政投入を打ち出す政策を提唱するので経済にとっては一時的には好材料になるだろう。どの国でも自国の貨幣を強くさせたいと思うので今年は一時的に円安になるだろう。
問題なのはその結果生じる財政赤字の拡大をどのように解消させるかだがその策を全くと言っていいほど打てていない。日本国内では団塊の世代がいよいよ65歳に突入し税を払う立場から受ける立場に変わること、金余りが続いているとはいえそのお金は銀行が取り込んでしまい市場には殆ど出回らないと言った不安材料が残ったままなので景気はけしてよくならない。銀行は企業の再建にオフバランスばかり勧めているから仮に企業単体としては再建が出来たとしても資産の売却やリストラで総資本は小さくなっていく雇用も減少してしまう。コンサル付きの劣後ローンの組み替えも後々には大きな問題を残すことになるだろう。
総じて2012年は9月頃までは対前年比でプラスに転じるものの9月頃からは長期的なトレンドつまり下方向に戻るのではないかと予測される。
リーダーたちは何かを捨てなければ何かを得られない事はわかっている。しかし何かを捨てることは自分たちや自分の仲間たちの既得権益を捨てさせることになるので抵抗が大きい。これからの日本にとって大切なことは目標設定能力だ。そして目標を設定したらその大切なことを実行する為にこれまで正しかったこととこれまで得をしたことをどれだけ捨てるかあるいは捨てさせるかと言う勇気を持つことだ。今は一年毎に一喜一憂すべきときではない。20代30代の人たちがこの先40年日本がどのような道を歩んでいくべきか長期的なビジョンを定める時だ。1985年を1905年に軍事力の強化を経済力の強化すなわち合理性の追求に置き換えて歴史的な事実に沿って改革をするべき時である。2012年は1905年からの歴史になぞれば次の年には国際連盟を脱退して孤立への道を歩むことになった年である。関東大震災があり金融恐慌があったそしてどん底への道を歩んでしまった。その歴史を繰り返してはならない。
それには国家としてのビジョンを持つこと。40年後に次の世代の人たちにバトンタッチが出来る若い人たちに一日でも早くリーダーの座を譲ることだ。それが出来なければ日本を始めとした先進国は夕日の如く沈んでしまうだろう。思えば先進国が中国やインドに変わって先進国に成りえたのは産業革命以降のことだ。今再び産業革命以前に先進国だった中国やインドが力を付けているのはあながち偶然のことではないだろう。