一人シニアの漫遊記

国内外のトレッキング紀行と家庭菜園、ダンス等徒然なるままに

山紀行(世界第3位の高峰カンチェンジュンガを望むゴチャラ峠トレッキング  2015.10.31~11.14)

2015-11-16 16:20:58 | 山紀行(海外:ヒマラヤ)

2008年にエベレスト、2012年にK2と世界1位、2位の高峰を眺めに出かけました。 今回、アルパインツアーが12年振りに世界3位の高峰カンチェンジュンガを望むインド北部シッキム・ヒマラヤのゴチャラ峠(4984m)への15日間トレッキングを催行したことから、これに参加しました。
強者揃いの参加者10名、日本人ツアーリーダ1名、現地ツアーリーダ1名、サーダ1名、サブサーダ1名に食糧、荷物運搬のポータを加えて総勢約26名でのトレッキングとなりました。 ポータにはエベレスト7回登頂と1回登頂の方もおられ心強い思いと、その沈着冷静な歩きは大変勉強になりました。
1.スケジュール
・10月31日:成田(国際エア)⇒ニューデリー
・11月01日:ニューデリー(国内エア)⇒バクドグラ(専用車 5時間)⇒ダージリン
・11月02日:ダージリン滞在
・11月03日:ダージリン(専用車 6時間)⇒ヨクサム(1785m)
・11月04日:1st day ヨクサム⇒ツォカ(2957m 徒歩約10時間)
・11月05日:2nd day  ツォカ⇒フェダン(3550m 徒歩約4時間)
・11月06日:3rd day   フェダン⇒ゾングリ(4030m 徒歩約4時間)
           高度順応(ゾングリ・トップ 4130m 徒歩約1.5時間)
・11月07日:4th day   ゾングリ⇒タンシン(3930m 徒歩約6時間)
・11月08日:5th day   タンシン⇒ラムネー(4180m 徒歩約3時間)
                                   高度順応(展望地 徒歩約1時間)
・11月09日:6th day   ラムネー⇒ゴチャラ峠(4885m 徒歩約6時間)
           ゴチャラ峠 ⇒ラムネー(4180m 徒歩約4時間)
・11月10日:7th day    ラムネー⇒コクチュラン(3700m 徒歩3.5時間)
・11月11日:8th day    コクチュラン⇒ツォカ(2957m 徒歩約6.5時間)
・11月12日:9th day    ツォカ⇒ヨクサム(1785m 徒歩約5時間)
            ヨクサム⇒ぺリン(2085m 専用車2時間)
・11月13日:ぺリン(専用車)⇒バクドグラ(国内エア)⇒ニューデリー
        ニューデリー(国際エア)⇒成田(11月14日到着)

2. ダージリン(11月2日)
国内空港のバグドグラから専用車で5時間かけダージリンに到着。 イギリス人が避暑とその寒冷な気候を利用してダージリンティーを栽培した所で、急傾斜の山肌に人家と茶畑が張り付いています。 ホテルから小高い散歩道を早朝行くと、なんとカンチェンジュンガが望めました。中央の右ピークが南峰、その横が中央峰、更に主峰と続きややなだらかな稜線の左手が西峰(ヤルンカン)です。
 
散歩路の途中には見事な秋咲の桜やランが見事に咲いていました。
 
世界遺産のトイ・トレインと紅茶園を訪れ英気を養いました。
 
3. 1st Day(11月4日 ヨクサム⇒ツォカ 徒歩10時間)
ホテルからカブール(7320m)が良く望めました。 幸先良しと思いきや、午後には雨模様にになろうとは、、、。
 
朝8時にロッジを出発。 ツォカまでのトレールには橋が四つあり最後の橋から700mの登りとなります。
 
私たちの荷物はゾッキョと馬が運んでくれます。 午後3時頃にようやく、四番目の橋に到着。 その後、雨模様となり日も暮れヘッドランプを頼りに17時45分に10時間かけてツォカに到着しました。 
 
4. 2nd Day(11月5日 ツォカ⇒フェダン 徒歩4時間)
朝靄が立ち込めるキャンプサイトです。 8時にゾングリへ向け出発。 屋久島を思わす杉巨木が生い茂っていました。 標高3000mに達しこの辺りは常に雲が垂れ込めているようで、そのお蔭で木々が生い茂っています。 
 
11時45分に雨模様のなかフェダン(標高3550m)に到着。 荷物が未だ届いていないことから、避難小屋で待機。 寒さに震えながらテント設営を待ちました。
 
5. 3rd Day(11月6日  フェダン⇒ゾングリ 徒歩3時間)
ようやく、天気も回復しパンディム(6691m)やジョプノ(5936m)の雄姿が姿を現しました。 右は聖峰パンディムで、このトレールで常に眼にする峰で、エベレスト街道でいえばアマダムラムに相当します。
 
朝8時に出発。 この辺りから全山シャクナゲで春には素晴らしい花の競演が楽しめるのでしょう。 今回は晩秋で花を愛でることはできませんが、空気が澄んで山々がくっきり姿を見せてくれています。 11時30分にはゾングリ(4030m)へ到着。 午後には高度順応のため右のゾングリ・トップ(4171m)に登りました。
 
天気も安定してきてご機嫌な私たちです。 右はサーダ、ポータで真ん中のドルジェさんはエベレスト7回登頂の強者ですが、普段は大人しい若者です。 下手な英語で聞いたところナムチェバザールのロッジのオーナのドルジェ氏(確か田部井さんの登頂時の同行者)と親戚と言っていました。
 
6. 4th Day(11月7日  ゾングリ⇒タンシン 徒歩6時間)
天候が回復し景色がクリーンに見えるようになってきました。 ゾングリからのパンディム(6691m)です。 朝7時の朝食も外でとりました。  
 
パンディムを眺めながらの快適なトレッキングでようやく、カンチェンジュンガ(8586m)の雄姿が姿を現しました。
 
見事なヒマラヤ襞です。 眼を落とせば、氷河からの清冽なせせらぎもあります。 
 

14時20分に6時間かけてタンシン キャンプサイト(3930m)に到着。
 
カンチェンジュンガ東陵とパンディムの見事な夕焼けです。
 
7. 5th Day(11月8日  タンシン⇒ラムネ― 徒歩3時間)
いよいよ、核心部のラムネ―に向けて出発。 ほどなくカンチェンジュンガが再び姿を現しました。
 
草紅葉とモレーン越しのカンチェンジュンガ南壁(未踏峰)です。

高度順応のため1時間ほど登った展望地からのキャンプサイトです。 この夕方には見事な夕焼けのカンチェンジュンガ南壁が望めました。 さあ、明日早朝3時にいよいよゴチャラ峠です。
 
8. 6th Day(11月9日  ゴチャラ峠 徒歩11.5時間)
早朝2時に起床、ラーメンをいただき3時に出発。 氷点下5度の寒さに手袋の中にホッカロンを入れていても手が凍え、ヘッドランプの明かりを頼りにひたすら足を前に出すことに専念しました。 パンディムの裏に回り込むようにモレーン地帯を歩き始めて約3時間の5時50分にゴチャラ1st(4600m)の展望地に到着。 丁度、日の出となり、カンチェンジュンガが真っ赤な朝焼けに染まりました。
朝5時50分頃にようやく空が白み始めましたが、周囲の山々は灰色の世界です。

ゴチャラ1stに到着したらアッというまにカンチェンジュンガに朝陽が当たりました。 イギリスやインドのトレッカーが大勢、ここでの撮影チャンスを待っていましたが、素晴らしい朝焼けでした。


 
出発しててから3.5時間の6時半に雪のように見える氷河が作り出した砂礫帯に入りました。 ここにユキヒョウの足跡が残されていました。 
 
スタートから5時間半の8時半には最後の急登にさしかかり、しばしの小休憩。

6時間ほどの9時15分にゴチャラ2nd(4885m)に到着しました。 以前は、ここからゴチャラ3rd(4984m)へ行っていたようですが、サーダの話では現在は立ち入り禁止になっているとのこと。 20分程で行けることからツアーリーダが説得しましたが、サーダ、ポータは行かないとのことで、ここを最終地点としました。 前方のコルがゴチャラ3rdのようです。 紺碧の青空に白雪をまとい凛と聳えるカンチェンジュンガです。 この南壁は未踏峰とのこと。 このゴチャラ2ndからまだまだはるか遠く人を寄せ付けない気高さが感じられました。

ゴチャラ2ndから今登ってきたトレールです。 眼下には氷河湖が見えています。 右は、Gocha Peak(6127m)です。
 

右肩の古傷(針ノ木雪渓での滑落)がしくしく痛み寝れず、寒さに震えながらテントで長い夜を過ごしたのを忘れ超満足な私と家内です。 今回のようなトレッキングはこれが最後となります。 国内の山はもとよりアラスカ デナリトレッキング、ペルー マチュピチュ・インカトレール、エベレスト カラパタール登頂、キリマンジャロ登頂、パキスタン K2バルトロ氷河、ドロミティ ブレンタ、スイス オートルート、スペイン ピレネーBrecha de Roland・3000m峰3座登頂、オーストリア アルプス、スウェーデン 王様の散歩道、ノルウェー ヨートンハイメン国立公園、カナディアンロッキー、アメリカ シェラネバダ国立自然保護区、ニュージーランド ミルフォードトラック・グランドトラバース、オーストラリア タスマニア、ブラジル パンタナール、チリ トーレデパイネ
と随分と歩いてきました。 その全てが良い思い出です。 今後は年相応のトレッキングを続け死ぬまで現役でいたいと念じています。 尚、高山植物は別途、アップします。



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