一人シニアの漫遊記

国内外のトレッキング紀行と家庭菜園、ダンス等徒然なるままに

山紀行(北欧、スペイン その2-1(スウェーデン The Kings Trail及びKebnekaise登頂 1/2 2014.7.27~7.30)

2014-08-24 16:53:18 | 山紀行(海外:ヨーロッパ)

スウェーデン語でKungsleden(The Kings Trail:王様の散歩道)は北極圏の北緯66度にあるAbiskoからNikkalouktaへ出る全長440kmに及ぶコースで、今回は9日間で82kmの歩きに加えてスウェーデン最高峰Kebnekaise(2117m)への登頂(約10時間)を含んだ面白いコースです。
只、日本のツアーは大概、Kebnekaise(2117m)への登頂が含まれておらず、これがないと単なる“散歩”となりつまらないコースとなります。 景色についても、アラスカに似たところがありますが、アラスカの規模やツンドラの大自然に比べようもありません。 そんな訳で、現地ツアーを色々、探しましたが結果的にはイギリスのトレッキングツアーに参加することとしました。 このツアー会社については、結果的にはスウェーデンのローカルスタッフへの丸投げで余りお薦めできないので、ここでは割愛します。

(このThe Gings Trailでの注意事項)
・何故か今回のスウェーデンとノルウェーでは、毎日のトレッキングスタート時刻が
   朝9時となっており、これまでのトレッキングの常識では考えられないほど遅い
   スタートです。 これでは、その日の歩行時間が10時間を越すような場合には
   目的地到着が19時になり、途中でのアクシデント等があればその日のうちに行き
   着けない事態となってしまいます。 また、夏場は北欧でも暑く朝の涼しいうちに
   歩くのがトレッキングの鉄則ではないでしょうか。 そんな、常識破りの海外
   トレッキングも、“郷に入れば郷に従え”ではないですが、そこでの習慣を学ぶ良い
   機会ととらえましたが、どう考えても理解不能な北欧トレッキングでした。
・山小屋には管理人がいるだけです(一部には売店はありました)。 そんな訳で、
   全行程での食糧をグループで分担して運び(各自約1kg)、山小屋での調理、皿洗
   い、水汲み、清掃は全てグループで分担します(オーストラリアやニュージー
   ランドのようにガイドが作ることはありません)。
・飲料水:ガイドブックや案内ではトレールのどこの川でも飲めるとあります。 
   しかし、山小屋では雑水を川へ流していたり、鹿や野生動物も多数おりし尿が流れ
   込んでいると推測されます。 メンバの中には、太い本流の水を平気で飲んでいま
   したが、いかがかなと思います。 日本の山と同様に上部に小屋が無い場所や本流
   ではない沢を見つけて飲むようにするのが肝心ではないでしょうか。 尚、ツアー
    会社では2リットルのボトルを用意と書いてありますが、全く必要ありません。
  私は500mlのペットボトルにもう1本予備を持ちました。

・The Kings Trailは起伏の少なく淡々と歩くコースでやや物足りないかと思います。
 このコースを行かれるトレッカーは是非、スウェーデン最高峰Kebnekaise登頂を
   お薦めします。 氷河歩きあり、フェラータでの岩場登りあり、クランポンでの
   雪渓登攀あり、はたまた雪渓でのお尻ボブスレーありで変化に富んだコースです。
 ガイドもKebnekaiseを熟知した山小屋の専用ガイドが2名付き、安全面での問題
   も少ないと思います。
・食あたりには要注意:最終日の山小屋で食あたりしました。 海外生活が長い娘に
   よると、パンはその場で作らず大概は運んでくるので、人が触ったり、場合に
   よっては地面に置いたりでばい菌が付きやすい。 また、ペーストは熱を加えて
   いないので、要注意とのこと。 スウェーデンのような先進国でもあるんですね。 

 
尚、このエリアから南部についてはよりワイルドな自然が残っているとKebnekaise登頂時のガイドが教えてくれました。 より、ダイナミックなトレッキングをお望みの方は、南部でのトレッキングを探されるのが良いかと。 下の地図の左は今回のThe Kings Trailエリアで右が南部です。
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1. スケジュール
・7月26日:成田⇒フランクフルト⇒ストックホルム(ストックホルム泊)
・7月27日(Day 1):ストックホルム(17:05)⇒Kiruna(18:35 空港で参加メンバー及びガイドの
                               待ち合わせ)
                  Kiruna空港⇒Abisko Mountain Station(バス)
・7月28日(Day 2):Abiskojaure Lake小屋へ(5時間 15km)
・7月29日(Day 3):Alesjaureボート乗り場へ(6時間 20km)
                                Alesjaure小屋へ(30分 
6km)
・7月30日(Day 4):Tjaktja小屋へ(5時間 13km)
・7月31日(Day 5):王様の散歩道の最高所Tjaktja峠(1150m)を越えてU字谷を望む
Salka小屋へ
                             (6時間 12km)
・8月01日(Day 6):Kebnekaise MountainStationへ(8時間 23km)
・8月02日(Day 7):Kebnekaise登頂(12時間:
通常は10時間以内で充分に可能です。
・8月03日(Day 8):Nikkalouktaへ(2時間 9km)


2. Day 1(7月27日):Abisko Mountain Stationへ
集合場所のKiruna空港での集合時刻が18:35であることから、当日午前はストックホルム市内観光をしました。 王宮です。 時差ボケもあり早朝に見学したので、未だ人影はほとんどなく静かな街を散策しました。
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Abisko空港でアメリカから2名、イギリスから2名と私達2名の6名のメンバとガイド1名の7名が集合しバスでAbisko Mountain Stationに向いました(通常のトレッキングではガイドが2名ですが、今回は1名。 大丈夫かなと不安がよぎりました)。 管理棟で食堂等があります。 宿泊施設は二人部屋が2室あります。 この他に、売店もあり虫除スプレーやトレッキング用品の調達ができます。 特に、このコースは渓谷沿いにあることからブヨ等の虫がいるので、虫除けは必須品です(日本からスプレー缶を持っていこうと準備したのですが、爆発等の危険がありそうなので現地調達にしました)。
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天気は曇天で遠くの山も煙っています。 早速、渓流にかかる吊り橋を渡ります。 それにしても、アメリカから参加の男性はガイドを置き去りにして先に歩くやら、ガイドはグループのペースを確かめないで早足で一人先を行くやらでペースはあったものでなく、心理的に疲れるトレッキングでした。
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なだらかなトレールをゆっくり歩き、15:00にAbskojaure Lake小屋へ到着。 小屋は4人での相部屋です。 また、この小屋とは別にサウナ小屋があります。 16:00~17:00が男子、17:00~18:00が女子、18:00から20:00がミックス(混浴)のように時間帯で分けています。 このサウナが曲者。 サウナで汗を流すのですが。、トレッキングで汗を散々、流した上になんでまた汗を流すのか、 そのうえ、体を洗う場所が脱衣所とサウナの間の共用スペースにありますが、桶にサウナの熱湯を三分の一、水を三分の二で作り、体を洗う訳でじゃぶじゃぶ洗えず日本人にはなんとも不満が残るサウナです。 近くの川に飛び込んで汗を流す方もいましたが、日本人は心臓麻痺を起してしまいます。 ノルウェーでも、勿論サウナが常設されていましたが、シャワーもあり、外国のトレッカーは誰もサウナを利用していませんでした(私達もサウナがあるのを忘れていました)。
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4. Day 3(7月29日):Alesjaureボート乗り場を経てAlesjaure小屋へ(6時間 20km)
9時に小屋を出発。 白夜で深夜でも明るくやや寝不足気味ですが、起伏がほとんどないたおやかな草原を淡々と歩き15:00にボート乗り場に到着。 到着時刻が予定より遅かったのか、先に着いたトレッカを乗せてでてしまい、このボート乗り場で1時間程、待機。 夕方で温度が下がるなか16:00にボートに乗ったのは良いのですが、ウィンドウブレーカーを着ていても風を受けて超寒い! その中で、イギリスからのトレッカーは半袖シャツ1枚で平然と乗っていました。  
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ボートを降りて30分程でAlesjaure小屋へ17:00に到着。 この日は、到着が遅く、サウナに入ったのはミックスの時間帯。 老若男女が思い思いにサウナを楽しんでいました。 女性は水着を着用していましたが、中にはスッポンポンの若い女性もおられ、私は一寸、緊張気味で楽しめませんでした。
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5. Day 4(7月30日):Tjaktja小屋へ(5時間 13km)
Alesjaure小屋からの見事な山容を眺め渓谷の降りてから広大な北極圏を思わせる大地を淡々と歩きました。
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Tjaktja小屋を目前にして雨が強くなり、大急ぎで山小屋へ入りました。 右は、まき割りの様子です。 小屋周辺には樹木は無いので、麓から運んでいるのでしょう。 小屋周辺に太い薪が積まれており、これを鋸で切断した後、こんな錘のついた道具で薪を割ります。
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