一人シニアの漫遊記

国内外のトレッキング紀行と家庭菜園、ダンス等徒然なるままに

山紀行(エベレスト・カラパタール登頂 2008.4)

2012-04-10 15:44:30 | 山紀行(海外:ヒマラヤ)

2008年4月18日から20日間、エベレスト街道を経てエベレスト(ネパール語でサガルマータ)を至近で眺められる標高5545メートルのカラパタール登頂を果たしました。 今回は経験豊富なアルパインツアーに参加しました。 また、荷物を運んだり食事の準備をしていただいたシェルパのリーダ(サーダ)には田部井順子さんのエベレスト登頂をサポートされたアンツェリン氏で本当に心強い思いがしました。 先ずは、成田からタイのバンコク経由でネパールのカトマンズに入り、そこから軽飛行機で基地となるルクラ(標高2800m)へ入りました。 20日にルクラから、いよいよ60kmのエベレスト街道です。 このエベレスト街道はチベットとインドの交易ルートで、今でも物流ルートで利用されており、ゾッキョ(牛)やヤクが大きな荷物を運んでいます。

21日には標高3440mのナムチェに入りました。 ここは、エベレスト街道最大の街で市場(バザール)で有名です。 ここで1日、高度順応のため滞在し、初めてエベレストの雄姿を遠く眺めることができました。

23日にはエベレストビューで有名なエベレストホテルを経由し、標高3600mのキャンズマにテント泊(ここからは全てテント泊となります)。 24日にタンボチェ(標高3870m)に到着。 ここには大きな寺院があり有名な僧侶もあおられるとか。 犬が夜通し、泣き続け全員、寝不足になりました。 犬を大事にしているとか。 また、土ホコリがひどく、帰路は故植村直己氏がエベレスト遠征前年の1年間、高度順応で過ごしたバンボチェに泊ました。 宿には、植村氏が使用した碁盤があり、また、冬季登攀を果たした故加藤保男氏が使用した防寒手袋も保管されていました。

25日には標高4343mのディンボチェに到着。 ここがエベレスト街道最後の人が住んでいる街です。 ここで26日に5000m近くに登り高度順応しました。 この高度順応中にマカルー(8463m)が望めました。 いよいよ、ここらあたりから本番近しの緊張感を感じました。 ここから眺める山々のヒマラヤひだの素晴らしさは圧巻でした。 この辺りから、夜にテント内で干していたものが朝には凍り付く位に寒くなってきました。 その代り、空気が澄みコバルトブルーの空と氷雪のエベレスト山群のコントラストの素晴らしさは絶景でした。

27日はクンブ氷河のエンドモレーンを登り標高4930mのロブチェに入ります。 この辺りで遠くにチョオユー(8261m)が見えました。 いよいよ、明日早朝はカラパタール登頂です。 

28日、夜からの雪模様。 6時起床で暖かいティーを飲み寝袋をたたみ荷造りをして、まだ暗い中を雪を踏みしめて出発。 寒い! 手が途端に凍え、凍傷になるのではと本当に心配になりました。 ようやく、エベレストのノースコル辺りから朝日が顔をだした途端に温度が急上昇。 ホットし周りを見ると、上部から走り降りてくる人にびっくり。 ここで、耐久レースがあるとか、それに備えてトレーニングなのでしょうか。 プモリ(標高7165m)の優しそうな山容を楽しみながらカラパタールの基地であるゴラクシェプ(5100m)に到着。 ここで、遅い朝食をとり小休憩後、いよいよカラパタール登頂に向け出発。 最初はグループ全員で“ヒマラヤ歩き(一歩一歩、牛歩のごとくゆっくり)”で登り、中腹辺りでガイドの島方氏が自由登攀にゴーが出ました。 家内と北海道から参加された臼倉さん、静岡からの脇田さん、大阪からの今井さん等と一緒しましたが、途中で家内、臼倉さんの3人となり順調に登頂しました。 勿論、上記の方々を含めて多くの方がマイペースで登頂されました。

山頂から見るエベレストのベースキャンプ、アイスフォール、サウスコルを足場に厳然と聳えるエベレスト(8848m)、はるか下には長大なクンブ氷河からアマダブラム等のエベレスト山群。 言葉に表せないものでした。
P1010167
ルクラ空港に到着(空港は断崖の上部にあり、離陸時は断崖に飛び込むように離陸します。 一寸したスリル!)
P1010204ナムチェに続くヒラリー橋(ヒラリーがエベレスト初登頂を感謝に橋をかけたそうです)
P1010212早朝のナムチェからコンデリ(標高6100m)
延々と続くエベレスト街道
P1010330ディンボチェ(4343m)で高度順応のため5000m付近まで登る(ヒマラヤひだが素晴らしい)
P1010370クンブ氷河のエンドモレーン途中でのプモリ(7165m)。 エベレスト街道で最も好きな風景でした。
P1010380カラパタールに向かう早朝、寒さに手が凍傷に!と思う間に朝日が。 助かった!
P1010385ゴラクシェプから茶色のカラパタールとプモリ
P1010395やったー! カラパタール登頂(5545m)。 家内と北海道から参加の臼倉さん。 後ろはプモリ
Dsc_0323カラパタールからエベレスト(中央)、ヌプツエ(右側:7879m)、アイスフォール
P1010415カラパタール頂上からアマダブラム(6812m)のエベレスト山群、クンブ氷河です。
P1010413今一度、エベレストの威容。 海底から隆起したことを示すイエローバンドが頂上下にくっきり見えています。 

P1010433下山時、クンブ氷河のエンドモレーン途中でこれまでのエベレスト登頂の事故で亡くなったシェルパのモニュメント群を背景にエベレスト山群。 静寂な死の世界を思わせる風景で、裏舞台を黙々と支えきたシェルパの方々の汗と涙が忍ばれました。
帰路、この辺りでたまたま最後尾となった私と家内を先導してくれたサーダのアンツェリン氏がものすごい勢いで歩き始め、やっとの思いでついていきましたが、家内が悲鳴を上げてアンツェリン氏の歩くテンポを緩めてくれました。 いまだに、何故こんなに早いテンポで歩かれたのか分かりませんが、年は取ったとはいえエベレスト登頂経験者の体力の凄さに驚かされました。
P1010483夕日に映えるエベレスト、ローツエ(8501m)、アマダブラム(エベレスト街道でこのアマダブラムと下のタムセルクが何時も容を変えて楽しませてくれました)
P1010474夕日に映えるタムセルク(6608m)

 

 



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