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読書の森

アガサクリスティ『終わりなき夜に生まれつく』

お久しぶりです。お休みしてる間に季節が変わったようであります(又逆戻りになるかも?)
秋の夜長、憂世を離れパソコンを離れて、本好きな方は読書に耽るのも良いかも知れません。

ミステリーファンにはお馴染みの作家、アガサクリスティには自選のベストテン作品があります。

『そして誰もいなくなった』
『アクロイド殺し』
『オリエン急行の殺人』
『予告殺人』
『火曜クラブ』
『ゼロ時間へ』
『ねじれた家』
『無実はさいなむ』
『動く指』

そして本日紹介する
『終わりなき夜に生まれつく』
です。

この順位はつけられてません。著者にとって愛着の深い作品ばかりなのだと思います。執筆活動の非常に長い作者ですので、内容が多種多様で興味深いものがあります。

『終わりなき夜に生まれつく』は今現在ハヤカワ文庫では在庫切れとなってます。
人気があるから、というより、その反対ではないでしょうかね?

圧倒的なファンのいる『そして誰もいなくなった』『アクロイド殺し』に比して、ミステリー的要素に欠けてますし、登場人物が限られています。

ただし、この作品はアガサクリスティの最後の恋愛小説とも言って良い、ロマンチックサスペンスです。

それも、かなりシビアな人間の心理を突きつける作品です。

以前読んだこの作品、著者が執筆した当時(驚くべき事ですが!)の年代に読んで初めて気づくものがあります。

主人公は野心と才気に満ちた美青年。
ただし、悪い男です。世の中の悪事を人に気づかれなければ犯して良心に恥じない。
美女とお金を楽してとりたい男です。


人っこ1人いない木立を抜けると、海に浮かぶ船が見える、不思議な魅力に満ちたジプシーが丘。
この地に移り住む人は必ず呪われた最期を遂げるという。

この青年、マイクはこの地を一目見て強く惹かれていく。
そして辺りを彷徨ううちに天使のように純で可憐な娘、エリーに出会うのだった。
二人は恋に落ちるが、二人共人に言えない秘密があった。
それは、、、。

エリーの秘密を打ち明けると、実の両親なき後彼女に遺された遺産は莫大なものだったという事である。
それはなまじっかな額ではなかったのだった。

ここからが興味しんしんのところですが、後は読んでのお楽しみでございます。

追記:
ここまで読まれて、「何でこんなありきたりのミステリーを作者が選んだの?」と思われる方が多いと思われます。
実は最後のどんでん返しの後、さらにまさかの結末が待ってます。まさにクリスティ70代の年の功ですよ^_^

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