勝ってくるぞと勇ましく その1
スマホが再開出来た。 早速、購入した雑誌の話から始めたいと思った。 ところが、雑誌に載...
勝ってくるぞと勇ましく その2
父は南支に出征した。 軟弱な父にとって過酷過ぎる兵役だったらしい。 直ぐに肺浸潤に罹り...
勝ってくるぞと勇ましく 最終章
自分と仲の良かった幼馴染が兵隊にとられ、母は生まれて初めて喪失の哀しみを知ったと思う...
嵐の晩 その1
その日、台風が洋上を通り過ぎるという予報があった。 昭和60年10月の事である。 K海岸沿い...
嵐の晩 その2
女はガタガタと震えながら片隅の席に座った。 「椅子濡れるけどすいません」 「後で拭きゃ...
嵐の晩 その3
20年前のあの夜も風雨が強かった。 21歳の晴子はフラフラと波の荒い海岸を彷徨っていた。 ...
嵐の晩 その4
兵藤舞は夜半に東京のアパートに帰宅した。 田神晴子の推察通り、彼女も自殺を考えてあの海...
嵐の晩 その5
晴子と舞は、あの嵐の晩から30年過ぎた秋に再び出会った。 K岬の突端で二人は眼下の逆巻く...
嵐の晩 その6
田神晴子は先ほど会った女性を何処かで見た気がした。 かっての常連客の顏も名前もそらで覚...
嵐の晩 最終章
殺した相手の名は保本維澄、大学講師である。「お別れだ、もうこれっきり会わない。ただ最後...