家族熱
1978年7月7日、向田邦子原作テレビドラマ『家族熱』が始まった。 夜の10時からのエンター...
平和の国へようこそ!その3
当時日本は60年安保に揺れていた。 安保反対のデモが連日続く。 今「歴史は繰り返す」を実...
橋の向こうに その1
光る空の下、おみつは竿一杯に洗濯物を干した。 パンパンとしわを伸ばすとすっきりと心も晴...
橋の向こうに その2
弟の泰助が患ってからおみつは、人の世の哀しみを知った。 横丁を歩くと「気違いの姉が通る...
橋の向こうに その3
18年に及ぶ看病の日々が終わった。 歳月の流れがおみつの身体に澱のような疲れを溜めた。 ...
橋の向こうに その4
質素な仏壇に手を合わせた後、荘吉はホッと顔を綻ばせた。 「今日は、縁談をおみつちゃんに...
橋の向こうに その5
どういう経緯か話してくれるものと思っていた荘吉は、それ以上離縁した話に触れない。 おみ...
橋の向こうに その6
八重の露骨な問いかけはおみつの男関係にまで及んだ。 「何もない。ある筈ない」というのは...
橋の向こうに その7
幻でなく、生身の辰治が疲れた顔をして立っていた。 「おふくろ、後悔してるよ。よくいい聞...
橋の向こうに その8
「綺麗な指だ」 と与兵衛はおみつの手を弄ぶ。 それはおみつの身体を弄ぶような感じだった...