夜の海
角川隆は緊張感から出る汗を拭って、南夫妻の新居を訪ねた。 新居といっても、南の実家の広...
夜の海 その2
浅倉沙織は、郷土史同好会の夏季合宿中に亡くなった。 合宿で、寂れた漁村に残る史実を探ろ...
夜の海 その3
「冗談じゃない。何を根拠に殺したと言うんだ」 省吾の声は怒気を含んでいた。 麻世も打っ...
夜の海 最終章
南夫妻とは気まずい別れになった。 それに謎は全く解明していない。 隆は物思いに耽って、...
空の色が変わった
昭和20年8月6日早朝、広島の空は美しく澄み渡っていた。 夏とはいえ、カラッとした気候が心...
空の色が変わった その2
橋という橋は殆ど焼け落ち、夥しい死体が転がっていた。 清子は、水を求め手を差し伸べる、...
空の色が変わった 最終章
翌日から、清子は煙の燻る市内の救護施設を訪ね回ったが、家族の様子は全く掴めなかった。 ...
危険が一杯
「だからね、お嬢ちゃん」 大介が言った途端メグミはふくれっ面をした。 「私お嬢ちゃんじゃ...
危険が一杯 その2
「先輩、実はFBを止したのは先輩が注意したからだけと違うの」 急に、メグミは潤んだ...
危険が一杯 最終章
メグミはイタズラっぽい表情になった。 今のは作り話である。 大介の心の中はとっくの昔に...