アイヌ民族関連報道クリップ

アイヌ民族・先住民族関連の報道クリップです。各記事の版権は発信元にあります。

ロシアに初のアイヌ民族団体 カムチャツカの12人(北海道新聞)

2008-04-02 08:26:00 | アイヌ民族関連
ロシアに初のアイヌ民族団体 カムチャツカの12人(04/02 08:26)
 【ユジノサハリンスク1日津野慶】ロシア・カムチャツカ地方でアイヌ民族を名乗る住民十二人が民間団体「アイヌ」を設立、ロシア政府に先住民族としての認定を求める文書を一日までに、同地方議会を通じて提出した。十二人は旧ソ連時代、サハリンなどからカムチャツカへ強制移住させられたと主張。道内のアイヌ民族関係者との交流も望んでいる。

 アイヌ民族の団体設立はロシア初とみられる。代表はペトロパブロフスクカムチャツキー市の建設会社社長アレクセイ・ナカムラさん(42)。これまで迫害を恐れてアイヌ民族を名乗ることはなかったが、伝統の消滅を恐れ、同じ境遇の仲間と団体を設立したという。

 戦前、サハリンなどに居住していたアイヌ民族は終戦当時、旧ソ連によって「日本人」として扱われ、大半が北海道などに渡ったとされる。このため旧ソ連、ロシア政府はこれまで、先住少数民族としてのアイヌ民族の存在を、公式には認めていなかった。

 ナカムラ代表は日本名オシロー、父の名はケイゾウ。終戦まで日本領だったサハリン南部の泊居(トマリ)や大泊(コルサコフ)に住んでいたが一九六八年、カムチャツカ地方北部の集落に強制的に移された。「日本の姓を名乗り続けたのが原因ではないか」という。

 会員には、千島列島出身で、戦争中に旧ソ連軍の捕虜になりカムチャツカに送られた「スズキ」姓の人もいる。

 両親の出生証明書などの文書がなく、認定の手続きは難航している。活動を支援するカムチャツカ地方議会のタチヤーナ・ロマーノワ先住少数民族担当委員長は「サハリン州議会にも協力を求めた」と話す。ナカムラ代表は、漁労を中心としたアイヌ民族の居住地「コタン」の再生を目指し「北海道のアイヌ文化にも学びたい」と話す。

 札幌大文化学部の川上淳准教授(北方・千島史)は「アイヌ民族がカムチャツカに強制移住させられたという話は初めて聞いた。旧ソ連時代の情報は少なく証明は難しいが、日本名を名乗っている点など信頼性はあると思う」と話している。


なかのひと



最新の画像もっと見る

コメントを投稿