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アイヌ語の方言編 初の辞典編さん【白老】 (苫小牧民報)

2010-04-03 14:45:00 | アイヌ民族関連
アイヌ語の方言編 初の辞典編さん【白老】

苫小牧民報 - 2010/04/03 14:45



アイヌ語の白老方言をまとめた初の辞典が完成

 胆振管内白老町民グループ「楽しく・やさしいアイヌ語教室」が、初の辞典「アイヌ語 白老方言の研究」を作った。3人の古老が残した書物から、代表的な言葉を拾った。代表の大須賀るえ子さん(69)は「先祖が残した大切な言葉を守る一助になれば」と話している。

 一つの言葉を、ローマ字表記と、日本語訳、例文付きで五十音順にまとめた。他の地方と共通する方言が多いが、「イトゥパモシリ」(あの世)など他地域の方言辞典には無い言葉も収録している。

 アイヌ三大歌人の一人、森竹竹市氏(1902~76年)の遺稿や、長年、白老でアイヌ語教室の講師を務めた松永たけ氏(1912~96年)の口述を掲載した資料などを参考にした。製作は200冊。アイヌ文化振興・研究推進機構の助成を受けた。

 白老方言はこれまで、学者たちの間でほとんど注目されなかったという。大須賀さんはその理由を、「白老は早くから和人との混住が進み、アイヌの人々が和人の文化に慣れようとした影響が大きい」と話す。このため、アイヌ語に本来無い濁音を含む言葉が目立ち、アイヌ語を話せる人や口承文芸「ユーカラ」の数も少なかった。

 大須賀さんは「言葉は時代とともに変容する。このままでは白老方言が消えてしまう」と、危機感を抱いていたという。まとめてみると、日高の沙流方言と共通する言葉が多かった。「昔の人の流れを読み取ることもできた」とも。

 139ページ。収録方言は約2000語。それでもほんの一部といい、今後は加筆した第2版の製作も考えている。来年には、日本語の逆引き版も製作する予定だ。辞典は、町立図書館で貸し出し・閲覧できる。





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