アイヌ民族関連報道クリップ

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◆アラスカと北海道の架け橋に 米研究者、アイヌ民族から聞き取り調査

2007-07-06 14:18:00 | アイヌ民族関連
北海道新聞(07/06 14:18)

阿寒湖温泉のアイヌ文化の伝承者から聞き取りを行うゲーマンさん

 【阿寒湖温泉】九州大大学院生の米国人ジェフ・ゲーマンさん(39)が四月から一年間の予定で、釧路市阿寒湖温泉など道内各地でアイヌ民族の聞き取り調査を続けている。ゲーマンさんはイヌイットなど多くの先住民族が住むアラスカ州出身。四年前からアイヌ民族の研究に取り組み、道内を度々訪れている。「先住権を求めるアイヌ民族を支援する形で研究を進めたい」と話しており、アイヌ民族からも今後の活躍に期待が高まっている。

 ゲーマンさんは大学時代に日本に留学し、英会話教師を経て三十歳で大阪教育大に入学。アイヌ民族の青年が学校で受けた差別体験を聞いたことをきっかけに、アイヌ民族の研究を始めた。

 その後、先住民族の研究で知られる米アラスカ大の修士課程に進学。二○○四年には日高管内平取町二風谷に四カ月間住み込み、アイヌ語教室などに参加した。この体験を基に書いた修士論文では、アラスカで先住民族の知恵や自然観を学校教材に積極的に取り入れ、民族の自信などにつながった例と比較し、日本でもアイヌ文化を教育現場に取り入れる重要性を説いた。

 昨年四月には九州大大学院の博士課程に進み、研究を続けている。四月からは道内に滞在し、二風谷を拠点に帯広や旭川などを訪問。阿寒では古老やアイヌ文化の伝承者から聞き取りを行う一方、民芸品店を歩き回ったり、山菜採りに参加したりして地域住民との関係を築いている。「アイヌ民族の地域間の文化の違いなど文化伝承のあり方を体系化し、アラスカの少数民族とも比較して修士論文の結論をさらに肉付けするのが今の最大の課題」という。

 ゲーマンさんは「道もアラスカ州のように先住民族の手で教育に関する指針を作成し、文化の独自性をもっと強調すべきだ」と話す。博士号を取得後は道内の大学での勤務を希望しており、「アラスカと北海道の懸け橋になりたい」と夢を語る。

 外国人のアイヌ民族研究者でこれだけ長期にわたって実地調査を行うケースは珍しく、阿寒アイヌ工芸協同組合の秋辺日出男専務理事は「彼の研究は、私たちに多くのヒントを与えてくれる。今後、アイヌを先住民族として政府に認めさせる力になってくれるだろう」と話している。

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/culture/36446.php


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