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インド:開発に抗して立ち上がる民衆(IPSJapan)

2008-01-24 00:00:00 | 先住民族関連
インド:開発に抗して立ち上がる民衆 2008/02/01

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【ニューデリーIPS=サトヤ・シヴァラマン、1月24日】

 2年前、ダボスで開かれた世界経済フォーラムにインドのマンモハン・シン首相が出席したとき、世界の投資家たちはインドを賞賛の目で見ていた。

 しかし、インドで自由主義経済が進行するにつれ、その利益を享受できない農民や都市の貧困層、女性、先住民族などからの激しい反発を招くようになってきている。

 自由主義経済が採用されて以降の20年で、インドの農民15万人が借金苦のために自殺している。経済学者のアミット・バドゥリ氏は「インドは先進国による経済的帝国主義にではなくインド自身のエリートによる国内の植民地化に苦しめられているのだ」と話す。

 1月26日、インド各地の社会運動が、[今年は世界で分散開催される]世界社会フォーラム(WSF)の呼びかけによる「グローバル行動デー」に参加する。

 観光業のために海岸を利用しようとするインド政府に対抗して立ち上がるのだ、と語るのは「ケララ州漁民連合」のペテル代表である。

 現在、インドで強い民衆的抵抗を呼び起こしているもののひとつは、インド政府がこの数年間推進している「特別経済区域」(SEZ)である。工業投資を誘致するために必要だとされているが、その実態はたんなる農民追い出しであったりする。

 西ベンガル州ナンディグラムでは、民衆の抵抗によってSEZ計画が中止に追い込まれているし、その他いくつかの場所でも計画が先送りされている。

 抵抗運動が十分な力を持ちえていない理由のひとつは、それらがお互いにつながっていないことにあるだろう。「運動における批判的行動センター」(CACIM)のジャイ・セン氏は、「政党と連携していた労組などの団体は、初期においては世界社会フォーラムの一部分であったが、最近では『旧来の』運動と『新しい』運動の間の交流がなくなってしまった」と話す。

 また別の活動家らは、世界社会フォーラムは全国的・国際的規模の大きなイベントだとみなされて草の根の活動の参加がなかったと指摘する。

 映画監督のK.P.サシもこう話す。「ケララの漁民連合はかつて世界社会フォーラムには参加していなかったが、今年のグローバル行動デーの呼びかけに応えることを決めた。問題は、長らく世界社会フォーラムに関与してきた多くの団体がまだ十分活動できていないことだと思う」。

 開発に抵抗して立ち上がるインドの民衆と「世界社会フォーラム」の問題について報告する。(原文へ)
http://ipsnews.net/news.asp?idnews=40900

翻訳/サマリー=山口響/IPS Japan浅霧勝浩