アイヌ民族関連報道クリップ

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欧州にアイヌ文化紹介 「小シーボルト」よみがえる 14日から東京で資料展(北海道新聞)

2008-01-05 08:40:00 | アイヌ民族関連
欧州にアイヌ文化紹介 「小シーボルト」よみがえる 14日から東京で資料展(01/05 08:40)

ハインリッヒ・シーボルトのアイヌ研究の図版(左)と、岡村吉右衛門の型染め版画

 十九世紀後半、アイヌ民族文化を欧州に紹介したハインリッヒ・シーボルトの没後百年を記念して、シーボルトが集めた資料の展示会が十四日から東京で開かれる。アイヌ民族の衣装をまとった人々の姿や、舟や刀などの生活用品の図版を、LED(発光ダイオード)を使ったパネルにして鮮やかによみがえらせる。

 ハインリッヒ・シーボルトは鎖国時代の日本に西洋医学を伝え、日本を探査して帰国時にシーボルト事件を起こしたフィリップ・シーボルトの二男。専門家の間では「小シーボルト」とも呼ばれる。ドイツに生まれ、オーストリア・ハンガリー帝国の通訳として日本に勤務した。

 北海道を訪れたのは一八七八年(明治十一年)。アイヌ民族の家に約一週間寝泊まりし、生活ぶりや文化を調査、三年後、ベルリンの民族学会に「蝦夷島のアイヌ族に関する民俗学的研究」を発表した。欧州にアイヌ民族を初めて体系的に紹介した研究として高く評価されたという。

 展示会ではこの研究発表に掲載したアイヌ民族の衣装、装飾品、刀などの武器、木製の舟などの図版八枚を展示する。縦一・八メートル、横一・二メートルに拡大し、LEDパネルで明るく見やすい展示にする。同様に一九五○年代からアイヌ民族文化を調査した民芸造形作家、岡村吉右衛門の型染め版画も展示する。

 展示会は、ドイツ東洋文化研究協会(OAG)の主催。二十一日までドイツ文化会館(東京都港区赤坂七-五-五六)で開かれる。入場無料。問い合わせはOAGのマイケ・ロエダさんへ電子メール(roeder@oag.jp)で 。