ケイト・ブランシェットとルーニー・マーラが共演の2月度注目度ナンバー1といわれている映画「キャロル」を観賞。
本年度アカデミー賞の女優賞が有力視されている本作、ケイト・ブランシェットとルーニー・マーラの二人の女優を中心に展開される映画は、まさに二人のためにあるように思えるほど魅惑的です。
物語は1950年代のニューヨーク。高級デパートのアルバイトをしていたルーニー演じるテレーズが娘のクリスマスプレゼントを買いに訪れたケイト演じるエレガントな婦人キャロルとの禁断の恋の出会いと別れ、再会を描いています。
現代とは異なる緩やかな時間が流れる1050年代のニューヨークを再現し、同性愛をテーマにしながら決して重苦しさを感じず、自然な愛のかたちを表現していてその時間に女性ならずとも、うっとりしてしまいます。
ファッション、街並み、車、音楽とすべてがアート的で、ケイト・ブランシェットの身のこなしとしぐさと対照的にルーニー・マーラのキュートな雰囲気にタイムスリップしてしまうほど。この映画は、彼女たちにとって、代表作の上位に数えられることは間違いないと思います。
原作者は、パトリシア・ハイスミス。見知らぬ乗客や太陽がいっぱいなどの原作者で、今回の作品は、同性愛について偏見が強かった時代に100万部のベストセラーとなっている事実を知ると、スクリーンに流れる優美な世界の奥に静かな力強さを感ぜざるえません。トッド・ヘインズ監督の手腕にも拍手をおくりたいと思います。