岡崎市美術博物館で開催中の「村山槐多の全貌」展を観賞しました。
村山槐多は、あの高村光太郎に「火だるま槐多」と言わしめた天才詩人であり画家です。
22歳の短い生涯を太く熱く生きた詩人画家は、幼少の頃から画才がり、13歳で森鴎外や夏目漱石を読破し、ランボーやボードレールの影響を受け、詩作に励んでいます。
槐多の名づけ親は、森鴎外で、その詩を芥川龍之介も高く評価しています。また、18歳で日本美術院賞を受賞。横山大観自ら作品を買い上げ、江戸川乱歩や有島武郎も、絵画作品を所蔵しています。
そんな、槐多の生涯の作品が、今回本籍地である岡崎の地で並びました。
繊細な線描の初期作品から、謎の大作「日曜の遊び」を境にして変貌をとげていく、その作風は、アニマリズムと呼ばれ、本能的な欲望を表現しています。代表作の尿する裸僧は、真っ赤な光を放ち裸で合掌し、放尿する僧の姿を描き衝撃的でした。
また、大作「日曜の遊び」にまつわる謎も、彼と従兄弟の関係にあった、創作版画の先駆者の山本鼎深い絆とともに新たに解き明かされます。
1月29日まで開催されています。美術ファンのみならず、文学ファンも必見の展覧会です。ぜひご観覧ください。