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DVD 焼肉ドラゴン

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映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。数々の演劇賞を受賞した舞台作品の映画化作品「焼肉ドラゴン」です。

今回の映画は映画の脚本を数多く手掛ける劇作家の鄭義信の映画初監督作品です。鄭義信と言えば、在日コリアンの境遇を基に描かれる人情劇に定評がありますが、今回の作品は、初監督作品にふさわしい脚本と多彩な日韓の俳優陣によるホームドラマです。

物語は、関西のある一角の町の焼肉屋が舞台。日本兵として戦い片腕を失い一人娘を持つ父親と夫を亡くし、故郷の韓国を離れ二人の娘を連れて日本に来た妻、そして再婚同士の間に生まれた息子の6人家族、戦後の混乱期に土地を買い住む家族に、立ち退きの命令が来ますが、家族や町の人々は拒み続けます。家族の織りなす様々な人間模様が濃密に描かれ、家族の歴史と共に、高度成長期の日本で、追いやられた市井の人々の思いが綴られます。

父親役には、キム・サンホ、母親役には、イ・ジョンウンの韓国の名バイプレイヤーが、娘には、真木よう子、井上真央、桜庭ななみが、家族と密接な関係にある役を大泉洋や大谷亮平が演じています。

鄭義信は、今回の作品を三丁目の夕日のアンチテーゼとして描いたようで、確かにこの時代の日本人の陽の部分を片隅に追いやられ時代に取り残された在日家族と対比する陰の部分として描いているように感じました。ただ、僕には、今回の作品の方が、慈愛と生きるエネルギーが感じられ、決して悲劇のドラマには思えませんでした。

日韓関係が、両国にとって最悪な状況にある今、日本、韓国、そして在日コリアンのトライアングルの関係が今回の作品で改めて認識でき、この作品に鍵があるのではと思います。

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