衆議院選挙投票日当日、名古屋市美術館と豊田市美術館、二つの美術館で開催の「青木野枝・ふりそそぐものたち」を観賞に出かけました。
どちらの美術館も現代アートを中心にコレクションする美術館として東海地区を代表する美術館です。
今、現代アートは、20代から30代の人々に人気を集め、観賞する方も増えてきました。美術に携わる仕事をする僕にとって、現代アートは、他の芸術とは違い視覚的な対象ではなく、感覚的な対象であり、ある意味好みが分かれる対象で、難解な部分も多いと思います。
そうした現代アートが身近なアートになるためには、主催者側と観賞者との距離を縮めていく必要があると思います。
今回の展覧会も含め、美術館の姿勢には少々不満があります。名古屋市美術館は、職員の応対が以前よりもかなりやわらかくなり、鑑賞者との距離感も近づいたように感じました。職員も鑑賞者の質問にやさしく答えていましたし、申し込めば、学芸員によるガイドも可能です。しかし、一部に前日の疲れか睡魔に襲われ、居眠りをして座っている職員もいました。
豊田市美術館は、さらに受付での対応は良くても、各部屋に常駐する職員の鑑賞者が作品に触れるのを危惧するかのように強い視線を感じ、リラックスして観賞できる環境には程遠く、ボランティアガイドの方が孤軍奮闘する姿だけが痛ましく感じます。
鑑賞者を笑顔で迎え、不測の事態が起こる可能性がある場合は、やさしく注意をするゆとりが必要だと思います。
また、作品によっては、触れることでアートを体感できる作品もあるはずです。すべての鑑賞者でなくても、子ども達の情操教育のためにも許可することも必要であると思います。