強敵・サンダーキラーに苦戦し、ウルトラマンゼロに窮地を救われるジード。最後まで自分だけで戦えたのに、と意地を張るリクは、戦う決意をみせるレイトに対し、「お気楽なサラリーマンにウルトラマンは無理」と言い放ってしまう。その言葉に憤慨したレイトとリクは言い争いに発展。「それなら、二人とも入れ替わって生活してみれば?」 ライハの言葉をきっかけに、2人は奇妙な入れ替わり生活を送ることとなるが・・・。
すごく良い回でした。
と言いながら、まずは気になった点から。
「やっぱ見た目大事でしょ?」
「ジードってぇのは、面構えが気に入らねぇ。あいつはベリアルにそっくり」
前回から気になっていたんですけど、
「ジードは世間一般にどう思われているか」を、個人レベルで描いてくれないんですよね。
いやまぁ確かに、オーブでもそんな描写はほとんどなかったどさ。
ジード以外のウルトラマンは、人々の声援と感謝を受けるべき存在であったし。
地球防衛軍みたいな組織とも連携とったりとか、当然のように信頼されていたんですが。
でもジードはそれがない。人々に「信頼されていない」地点からスタートしてるわけで。
だから、ジードに守られている人々が彼をどう解釈しているのか、すごく興味があるんですけど、
今のところそこにはまったく触れない。明かされるのは「好感度」という数字と
無責任な一般人の、無責任な感想のみ。
これはもう、逆にそういう路線を狙ってるのかな。
イマドキの、SNSに流れる情報みたいな。顔も見えない人々の(私たちの?)無責任な発言を表現してるのかも?
なので、そんな無責任な意見に一喜一憂しているリクに若干不安に感じたりしたわけで。
しかし今回のエピソードでリクは、何のために戦うのか、
はっきりとした目標を見つけましたね。
「僕が僕であること」、すごい、すごい深い言葉ですね。いいなぁ。
ところで。現場に降り立っただけのゼロの方が好評価を受けているのは、
視聴者から見ると本当にお笑い種でしかないんですけども。
考えてみると彼らに石を投げて良いのは、人を見た目で判断して
あーだこーだと好き放題言って話のタネにしたことのない人だけである。
しかし、社会的動物である人類は古来より他者を見た目で判断する性質を持ち続けてきたわけで。
そう考えてみると、「外見で判断する」という手法は、それなりに有効なんじゃねーの?
という、身もふたもない結論にたどりついてしまった。救いがないぞ。
さて本編。タイトルバックはサンダーキラー(何回見ても名前を覚えられない)
「ライハにはわかんないよ、ウルトラマンの大変さは。
・・・だいたい、バイトのシフトも入れないし」
「リクくんにできるなら、僕にもできます。『僕は』頑張ります」
「はぁ?サラリーマンに、ウルトラマンの何がわかるわけ!?」
「きみに、サラリーマンの何がわかるわけ?」
「少なくとも給料はもらえるでしょ? ウルトラマンは、無給だ!」
「お金の問題じゃ、なーいー」
ここで突然、「ウルトラマン+フリーター」vs「サラリーマン」の
異種格闘技戦が始まります。素晴らしいですね異種格闘技戦!
「これ、ウルトラマンジードが使えば、違う姿に見せることもできるのかな?
ベリアルに似てない姿に」
この発言はちょっと意外だった。
リクは本当に楽天的で、だからこそバランスを取るために
相棒のペガがネガティブな性格に設定された、っていうくらい呑気な性格をしていて、
自身がベリアルの息子であることもすんなり受け入れていたんですけど。
でも。そりゃあやっぱり気になるよね。外見だけであれこれ判断されてたら。
「結局、この日は食事も摂れなかった。
『でも、充実してて楽しい!』・・・わけもなく、
僕はただ、目の前のことをこなすのに必死だった。
仕事は終わるまで続く。体力の限界が来ても、カラータイマーは、鳴らない」
このあたりはもう、時間給で働くフリーターと、月給で働く社員の違いですよね。リアル。
そう言われると、なんやかや言ってもウルトラマンはカラータイマーに守られてるのでは?
という気もしてくる。メカラウロコの発想だな。ホワイト企業。
「どうしてそんなに頑張れるんですか?」
「それは・・・守りたい大切なものがあるから、だね」
「・・・僕にはそれがない」
「僕だってなかったよ。でもね、ひとつ大切なものが見つかると、
他にも大切なものがどんどん増えていくんだ。
ルミナさんと出会ったから、マユが生まれた。
マユが生まれてからこの街や地球を、前よりいとおしく思うようになったんだ。
僕がいなくなったあとも、マユが生きていく世界だからね。
ま、僕ができるのは、せいぜいこのくらいだけど」
「リクくんだってきっと大切なものに会える。君が君でさえあれば」
誰と話してた?と訊かれ「あ・・・うん、迷子だって」というレイトさんの返しもおしゃれである。
まずは、自分が他の誰でもない自分であると、受け入れること。自己を肯定すること。
そして「僕にできるのはせいぜいこのくらい」とゴミを拾うレイトさんですが、
前々回もバナナの皮を拾ったりとか、日常的にやってるんだろうな。
例え「このくらい」であっても、その行為は必ず街を、世界を守ることにつながってるんだと思う。
一人ひとりがそういう気持ちをもつことが、すごく大事なんだよなって思いました。
ウルトラマンじゃなくたって、平和な世界を守ることはできる。
むしろ、ウルトラマンじゃない私たちだからこそ、
自分たちのやり方で世界を守っていかねばならないんじゃないか?
「とにかく僕は・・・そんなに急に完璧にはできないってことを言いたいだけで」
リクは本当に、もうガチで「最近まで光の国の血をひくなんて思ってもいなかった」超絶のビギナーであって、
完璧にできるなんてまだまだ先の話だろうし、とりあえず勝利できてるだけでもすごいよね。
以前に光の国とかをググったとき読んだんですが、光の国の住人も元来は人間に近い姿をしていて、
プラズマスパークの力で巨大化してるらしいですね。
リクは、ウルトラマンの血をひいてると言っても(おそらく)半分だけだし、
プラズマスパークの光に触れることなくここまで成長してきたわけで。
だから、巨大な力を持つウルトラカプセルを使うことでようやくジードに変身できてるわけで
他のウルトラマン達に比べると、本当に危うい、ギリギリの存在なんだよな、と。
さて今まではリトルスターを狙って現れていた怪獣たちが、
今度はジード(リク)を狙ってやってくる。
「強くなるって、そういうことよ」「だから私は、あなたに変身しろとは言えない」
と、珍しく言葉を濁すライハ。
ところで意外と本格的にリクのトレーナーをやってたようで、ビックリしました。
毎日あんなハードなトレーニングしてるの?
なんかすっかりライハさんの存在に馴染んでいたけど、
考えてみたら彼女の素性も不明なんですよね。
あと。全く関係ありませんが、レイトさんの仕事って何なんだろう。
スペイン語のメールが来るとか。何気にレイトさん、すごい人なのでは。
株式会社谷丸商事。掲示されてるポスターを見た感じ、海外化粧品の輸入販売みたいな?
意外と美容系なのか。
伏井出ケイ
「そろそろ邪魔者には退場していただきましょうか」
ジードのことかな?と思わせておいて、
実はゼロのことじゃないかな?と思います。だってベリアルにとっては目の上のたんこぶだから。
さて次回は「あの」ギャラクトロンの登場です。効果音が大好きです。
ですが、前シリーズからがっつり見てる息子たちは「ぎゃー!」「これはやばい、絶対やばい」と
今から戦々恐々としています。いいですね、シリーズを重ねてきた醍醐味ですね!