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素晴らしき茜空の会

主に特撮番組の感想文。ブログタイトルは仮面ライダーキバに登場する「素晴らしき青空の会」より。

ウルトラマンジード 第11話「 ジードアイデンティティー」

2017-09-16 17:00:00 | ウルトラマンジード
AIBの決死の作戦が成功し、伏井出ケイと、その背後にいる黒幕とのコンタクトが明らかになる。自分への包囲網を感じたケイは、全ての事態を収拾し決着をつけるために、遂にリクとの直接対決を選ぶ。 ライハたちの動きを封じ、問答無用でリクとの対話を始めるケイ。その中で、リクは自分の出生の真実、そして父・ベリアルの恐るべき悪魔の計画を知らされる・・・。


ウルトラマン好きな長男が「ダメだ!もう負ける!ジード死ぬ!死ぬ!」と大騒ぎし、
「うるさい!ダメダメ言うならもう消すぞ!」ってぶちきれた回です。
あらためて落ち着いてじっくり見た。すごい回だぞ。

まず。伏井出ケイ。ストルム星人。
ベリアルに心酔する彼は、自分こそベリアルの側近にして
かけがえのない右腕だと自負している。
それこそが、彼の余裕ある言動に表れていたわけですが。

だがしかし。ウルトラカプセルを着実に集めているのはケイの功績であるはずが、
ベリアルは「息子はよくやっているようだな」と評し、
ケイは光を失ったような目で「・・・えぇ、とても」と答える。

そもそもが、ベリアルにしたら他愛もないレベルなんでしょうけれど。
ストルム星人もリクも、単なる道具のひとつとしか思っていない、
単純に、いま、ここにあるもの、それだけの存在にすぎない。別の何かで代替できる存在にすぎない。

ケイにはそれがわからない。
あるいは、わかっていても認めたくないのか、
認めたうえでなお、自分だけは違うとかたく信じているのか。

ともあれ、同じ道具として認識されることを良しとしなかった彼は
リクとの序列をはっきりとさせるためにリクの目の前に現れ、
すべてを明らかにします。それもことさらに、リクを卑下する表現でもって。

しかしなぁ。リクがベリアルの遺伝子から作り出されたモノだったとは。
思えば、リクに対するレムの表現は常に「遺伝子を受け継いだ」だった。
いや、でも、普通そういわれたら子孫だって思うよね?

「お前は自分が救世主か何かだと思っていたな。それは違うぞ。
 お前が存在しなければ、街も破壊されなかった」
「怪獣が出たのは、僕のせいだっていうのか!?
「そうだ、自分の存在と決意が、いかに大勢を不幸にするかを自覚するといい!」


すっげぇ皮肉な話ですが、そういうとこあると思うんですよね。
良くも悪くも、ウルトラマンは「力で解決する」物語だから。

うちの長男も、ウルトラマン大好きなんですが
「東京におうちがなくて良かった、だって怪獣来るから」と言ってるように、
ウルトラマン在るところには怪獣が在って、
そこには強大なエネルギーや破壊がつきまとうんですよ。ウルトラマンは悪ではないけれど。

かつて癒しの力で世界を平和にしようとしたコスモスや、
地上のダメージをできる限り回避しようとしたメビウスのような存在もありましたが、
現在、メインのスーツアクターをつとめている岩田栄慶さんも
敵との関係性を、結局は暴力で解決するしかない、絶命に追いやるしかなかったと
その属性を「闇」であるとおっしゃってましたし。

参考:4K:スーツアクター 岩田 栄慶 "Clad in Respect"

まぁ確かにウルトラマンがいなかったら、地球なんてとっくに怪獣に征服されてるし、
続々現れる宇宙人たちの争いに巻き込まれて焦土と化してるだろうし、
平和ボケしたこと言ってられるのも、ウルトラマンのおかげなんですが、
うーん・・・、このあたりは悩んでも簡単に答えが出ないので棚上げ。

とりあえずジードに関しては、ウルトラマンが戦うために怪獣が呼ばれているわけで、
ある意味、ケイの言うことが正解ではあるんですが、
でも、リクは悪くなんてない。それはもう、声を大にして言いたい。

同時に。すべてをお膳立てしておいて、リクの命すら自分が作ったと宣言し貶めておきながら
なお「お前の存在が」「大勢を不幸にしている」と、リクの存在意義を否定する、
つまり、「ベリアルが認めたリクの存在意義」を、あらゆる手段でもってひたすらに否定し続けるケイが、
本当にもうお前ってやつは健気だな!と愛さざるを得ない。

そもそも、ベリアルがケイの働きを正当に評価していれば、
ケイもこんなひねくれた行動をとったりせず、効率よく働いたと思うわけで、
結果としてゼロカプセルを入手し損ねたのは、ベリアルの部下管理に問題があったと思うんだが。

しかし考えてみるに、ベリアルはケイの働きを労わず、失態に対して冷たく失望するだけで、
他人からつくされることを当然のように受け入れ、失敗を許さない
孤高の「王」なんだなぁと思った。
ベリアルの闇は深すぎて、ケイのような存在をひきつけてやまないわけですが、
夏の虫のように、ベリアルに近づきすぎて燃え尽きるだけなんだなと。

というわけでケイも今回の失態を取り戻すために、
すべてのウルトラカプセルを体内に取り込めと命ぜられます。
体内に位相反転機能があるからOK☆とかいう問題じゃねーぞ、
属性じゃないよ出力の問題だよ、それこそ燃え尽きて消し炭すら残らないぞ。
もうホントに、ベリアルの存在が大きすぎて素敵。

あんど。設定に関するケイ先生のお言葉。

「まず、ある男が、ある国からカプセルを奪うのです。強大な力を秘めたカプセル。
 カプセルを起動するには特別なエネルギーが必要だった。
 宇宙に拡散し、惑星や生命を循環する特別なエネルギーが。
 男はそれを集めるため、とある物質を作ります。
 男は『カレラン分子』と名づけました。
 しかしカレラン分子は生命体の中でしか安定して存在できなかった」

「男はカレラン分子を散布し、生命体の体内で高密度エネルギーの養殖を行うことにした。
 人々や惑星を循環するエネルギーは幼年期放射と呼ばれ・・・」


「幼年期放射」という単語は、4話でトリィも口にしてましたね。

「リトルスターとはなんだ」
「研究所仲間の噂では、幼年期放射の結晶で、発生条件は不明。
 最近なぜか、同時多発的に発生している」

 
つまり、「幼年期放射」と呼ばれるエネルギーが、カレラン分子と反応して
生命体の体内で養殖され結晶化する、それが「リトルスター」。
このリトルスターが、ウルトラカプセルの起動スイッチになるんですね。

なるほど。いままでリトルスター=ウルトラカプセルだと思ってた。
じゃあウルトラカプセル自体はどこにあるんだ。
すべてリクの手元で起動してるから、ジードライザーの中にあったのか。
それとも別次元のなんちゃらに存在していて、起動された瞬間に三次元化したのかな。

しかしカプセルを奪った「ある男」とはベリアルのことなんでしょうが、
ベリアル様は物質作ったりとかできるのかよ、万能。

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ウルトラマンジード 第10話「ココロヨメマス」

2017-09-09 20:55:00 | ウルトラマンジード
突如地球に怪獣ザンドリアスが飛来。その目的を探るため、AIBは相手の心を読む能力を持つゾベタイ星人のサトコを招く。しかし、サトコは地球人の彼氏探しに夢中で、お目付役のモアもタジタジ…。地球人たちの発言が本心と異なることを知り、「地球人はウソつきだらけ!」と憤慨するサトコに対し、モアは相手への思いやりから必要となるウソもあるのだと説明するが・・・。


「だだっ子怪獣サンドリアス」なんて二つ名をつけられるとか、
地球にたまたま飛来した個体の性格が、種族の二つ名にされてしまうとか
なかなかにひどい。

なーんて思いながら軽い気持ちでググッたら
ファンにとってはすごい存在だったんですねサンドリアス。(参考:ピクシブ百科事典
この登場は、とある筋の方々にとっては、まさに「待望の復活」だった模様。
調べてみないとわからんものである。

ゾベタイ星人サトコ。
SPECの「さとり~、ます☆」を思い出すなど。

「最近地球人とつきあうの流行ってるんだ、知らない?」

「私も見つけるんだぁ、地球人の、彼ぴ♪」


などと浮かれながらも、いざ地球人と触れ合うと

「地球人てなんで嘘つくの?」

「こどもにまで嘘つくなんて、地球人マジ幻滅ぅ」


と、呆れるサトコ。どうやら地球人とつきあうブームが来てるのは違う種族の人なんですね。
つか、「てかこの子、すごい食いしん坊で、ご飯なんて10杯食べるんですよ」
ガチエピソードなのか。そっちに驚くわ。

そうなると、ゾベタイ星の人はどういう社会を作ってるのか、気になりますね。
みんなが思考を読めるから、誰も嘘をつかず、正直に生きてるわけですよ。
そしたら逆に、「思考を読む能力」なんて必要なくない?っていう。

ところで「うそを判断する宇宙人」ってこどで、
レベルEのツインテールマーメイドを思い出しました。
弱い種族である彼女らは、うそを見分けることで保身とするんですよね。

ゾベタイの人も、そういう感じなのかな。
地球人と違って他の種族とも交流しているようだし、
他人をだます生き物に対抗するために、その能力を発達させたっていう。

でも、そういう能力をもつ生き物がいたら、逆に「怖いから滅ぼそう」とか思わない?
・・・って考えて、自分の性格の悪さにドン引きしたりしてる。
まぁ実際は、貴重&有益な能力だし、こうしてAIBみたいな機関に保護されるんでしょうね。
いやそれならもっと大事な局面で使おうぜ?とか思ったりするわけですが。

今回の見せ場は、ジードの正体バレ(&モアの正体バレ)
ウルトラマンの正体バレとしては案外早い展開かな?って気もします。

「だって・・・りっくんはりっくんだもん!」


モアの反応を恐れるように、伏せ目がちで、でも素直に気持ちを語るリクに対し
モアは、おそらくリクが一番望んでいた言葉を返す。

「大切な人が僕をわかってくれた。今は、それだけで十分だ」

リクの心の根っこの部分を支えてくれる存在を得つつ、
次回、「ジードアイデンティティー」に続きます。

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ウルトラマンジード 第9話「誓いの剣」

2017-09-02 20:30:00 | ウルトラマンジード
レイトの娘、マユがリトルスターを発症する。リクたちはマユを守るため星雲荘に保護するが、その矢先、怪獣タイラントが出現。さらにスカルゴモラが光瀬山麓に現れたという知らせが入る。その言葉を聞き、迷わず光瀬山麓へと向かうライハにはある確信があった。過去の因縁の相手が必ず姿を現すはずだと。果たしてライハの過去の因縁とは!? そして、怒りに燃えて戦いを挑む彼女の運命は!?


ライハ、鳥羽來葉の過去にまつわるエピソードです。

第7話「あなたが怪獣を操っているの? あの怪獣に変身した人間は誰!?」という
ライハのセリフがあったんですが、
それは6年前の、ライハが遭遇した事件からの言葉だった。
まぁ、「あの人間」こそ伏井出ケイだったし、そもそも人間ですらなかったんですけども。

ゼロいわく、ストルム星人とのことです。
ググッたけどジード以前の作品に記録はない模様。
今回の、ゼロの追跡をはばむシールド、余裕の笑みを浮かべながらの消失、
宇宙空間にいるべリアルと通信できることなどから、
空間制御に長けた種族って雰囲気がありますね。

さて、ライハは「赤い角の怪獣」ことスカルゴモラと因縁があったようで、
じゃあ1話の登場でどういうリアクションしてたんだろ?と思ったら
ライハの登場は2話だったんですね。
どこかでスカルゴモラを目にしていたライハのことを考えると、胸が詰まるな。

「ねぇライハ、あのときどうして、ケイにとどめをささなかったの?」

めちゃくちゃデリケートな部分にまっすぐ切り込んでくリク。
デリカシー!デリカシー!
だが、視聴者もすっごく聞きたい部分だったので、デリカシーないけどナイスだリク!

「・・・ごめん、余計なことを聞いちゃって」
「声が、聞こえた。『やめなさい、きみがするべきことじゃない』」
「でも、それって・・・」
「わかってる! でもその声が聞こえたとき、剣をおろさずにはいられなかった」


キングの声かな?と思います。この宇宙に溶け込んでいるから。

でもなぁ。それは「ライハがするべきこと」じゃないのか?

「覚悟が違うのよ、自分のせいで大切な人が奪われて、守れなくて。
 私がこの6年、どれだけ苦しかったか。悔しかったか。その気持ちがわかる?」
「くだらない」
「でしょうね、でもその『くだらないもの』が、あんたと私の差よ!」


自分の両親を殺され、その相手に復讐するためにこの6年間をささげてきたというのに、
いざ「そのとき」が来たっていうのに、蚊帳の外に締め出すっていうのは、なぁ。
それを決める権限がお前にあるのか?と言いたくなる。お前って誰かわかんないけど。

どうなんだろうなぁ。ライハにこの先、この選択は正しかったと思う日が来るんだろうか。
「自分で殺さなくて良かった」と、思えるんだろうか。
思えない気がするんだよな。死で死を贖うような復讐は何も生み出さないと言われるけれど、
結局誰かがケイを倒すんだろ? 「倒す」と言うと聞こえは良いけど、「殺す」んだろ?
だったら、だったらライハがケイを手にかけることを「すべきでない」なんて、言えないと思うんだ。

まぁ難しいところですよね、子供向け番組だから。
でも、ウルトラマンという人智を超えた存在に、人が依存しすぎてはいけないと言うのと同じように、
復讐の手段をウルトラマンにゆだねるのも、やっぱり良くないと思うんだ。うーん。

さて。リトルスター、ウルトラカプセルはやはり、簡単に悪の手には渡らないようになっていて、
無理やり取り出されたライハのリトルスターは砕け散ってしまって。
だからこそ、伏井出ケイはジードを誘導して、ウルトラカプセルを具現化させてるんだなと。

リク。小さい子供の相手はあんまりしたことないのかなぁって感じで、
幼児の相手をするような対応をしてご機嫌を損ねてしまうのが、リアルですね。

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ウルトラマンジード 第8話「運命を越えて行け」

2017-08-28 22:30:00 | ウルトラマンジード
人質を、そしてレイトを救うため、ギャラクトロンを前にして、ウルトラマンゼロは力尽きて消える。まんまと伏井出ケイの謀略にはまり、敗退を喫したことに悔しがるリク。レイトは“本物の”戦いに恐怖を覚え、リクたちに背を向けて出ていく。レイトの心情を察したリクは、再び活動し始めたギャラクトロンに対し、たとえ独りでも戦い抜くと誓ってフュージョンライズ。果たしてレイトはどんな決断を下すのか!?


ゼロさん、力をお借りし過ぎである。

あのベリアルをして「宇宙最強の肉体を持つ存在」と言わしめてウルトラマンゼロに
さらにニュージェネレーション4体重ねがけとか、もはや最終回レベルなんですが。
まぁ、宇宙最強の肉体だからこそ、このエネルギーてんこもり状態を制御できるっつーことかなと。

「若い・・・若いですよウルトラマンジード」

と言われるリク。殴ってもダメージのない相手に対して
ひたすら殴りつけるという、見るからに無駄な攻撃を続けます。
「必ず倒す」という強い気持ちはとても大事だけど、
気持ちだけじゃどうにもならないことだってあるんだよ・・・。

さて。ウルトラマン初心者ながらも
なんとか今まで戦い、勝利をおさめてきたリクですが。

「言ったでしょ、ヒーローには強い悪役が必要なんです」

「あのとき君は負けていた。なんでかよくわからないけど
 あの怪獣に・・・伏井出ケイに見逃してもらった」

「そろそろだ。ウルトラマンジード。
 逆転の舞いを踊る時間だ」


どうやら、これまでの活躍はすべてケイの演出によるものだった雰囲気。
「逆転の舞いを」とのことで、ジード一人でも勝てるシナリオだったのかもしれない。
でもなぁ。なんかものすごく居心地の悪い感じになってますね。
ケイは、そしてベリアルは、いったいなにを企んでいるんだろう。

ともあれ。そんなケイにとって計算外であるゼロの存在に救いを求めたい。
これが描かれたシナリオだなんて、リク達には気づきようもないから。

レイト。

「僕には家族がいるんだ。君たちみたいに無責任に命を賭けることなんてできない。
 無駄死になんてしたくないんだ!」


「無駄死に」はさすがに言い過ぎだと思うんですが、
しかし、リクのやり方は「無責任に命を賭ける」そのものであって、
それにつきあいきれないレイトの気持ちは、よくわかるっていうか、むしろ共感したり。

というか、むしろ「守るべき存在」を見つけられないまま
他人に理解されることなく、何の報酬も受け取ることなく
ただひたすらまっすぐに戦い続けるリクの気持ちが、わからずにいる私です。

ウルトラマンってそういうものなのかな。基本的に仮面ライダー畑の人間なので、
「戦いたくない、怖い」とグジグジ悩んでもいいんだぜ?とか思ったりする。
そう考えると、ウルトラマンはそもそも人外なんだなぁと、あらためて思ったり。

「あなたは、ウルトラマンの力で何がしたいの?」
「守りたい。僕には二万年早すぎますか?
 それでもやってみたいんです。『みんなを守る』ってことを」


しかし。勝てる見込みがない戦いでも、あとがなければほかに選択肢はなく、
遅まきながら、戦うことを選択するレイト。それに応えるゼロ。
いや、生きてたのかよゼロっつー話ですが。

うーむ。なんだろうな。これでいいのか?
全部ウルトラマン任せでいいのか?
勝てる見込みがなくても、何の策もなくても、
「ジーっとしててもドーにもならない」で体当たりするしかないのか?
いや「ジーっとしててもドーにもならない」だからこそ、
考えるより先に飛び込む戦法でいくの? ジードそれでいいの?

今回はヒカリさんが来てくれたから助かったけども。
っていうか、ヒカリ、どうやって来たの?
この地球に来るのって、かなり大変じゃないの? ゼロとか瀕死でたどりついたんですけども?

・・・と。なんかちょっと迷子になってる感じです。
このあとどうなるのかなぁ。

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ウルトラマンジード 第7話「サクリファイス」

2017-08-19 22:00:00 | ウルトラマンジード
“大いなる計画”の障害となるウルトラマンゼロを抹殺すべく、ついに伏井出ケイが動き出す。自らの講演会を利用して、集まった大勢のファンを人質に取ると、講演会に招いていたレイト=ゼロの前にギャラクトロンを召喚し、ある条件を突きつける! 危機的状況を打破しようと戦いに臨んだウルトラマンジードもギャラクトロンを相手に大苦戦。卑劣なケイの策略に、ゼロは真っ向から立向う!


不穏すぎるサブタイトル「サクリファイス」
「目だけ切り抜かれた影絵」を
子供たちが「怖い」とたいへん怖がっていました。なんか怖いよね。

「駒の配置は整いました。が、予想外の一手が道をふさいでしまった。
 ゲームにバグはつきもの、早くとりのぞけば済む話です。
『すべてを無に帰す虚空の数、ゼロ』 面白くなってきましたね」


6話「そろそろ邪魔者には退場していただきましょうか」は、やっぱりゼロさんのことでしたよ。
というわけでケイ先生。人気シリーズの元ネタは、まさかの実体験だったというオチ。

「正義の名の下に輝きの騎士団をあやつり、宇宙のすべてを支配したヴァルグ王に
 勇者アガムは戦いを挑みます。しかし返り討ちにあい、反逆者として追放される」

「初期三部作の中で、人気の高いキャラと言えば誰でしょう?」
「輝きの騎士、ゾーラ!」
「そうです。悪役にも関わらずゾーラの人気はとても高い。
 勇者アガムと幾度も激しい戦いを繰り広げます」


「大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE」を下敷きにしてるんだから
そりゃ人気小説になるわけですよね!って思いましたが、
面白い事象があったとしても、それを文章化して面白く仕上げるにはそれなりの才能が必要なわけで
(普段から駄文を書いてると、その辺を痛感するんだぜ)
やっぱケイ先生はすごいよな!

っていうか、ケイはベリアルとは別の存在なんですよね。
でも、ゼロいわく「この本も内容も、あの戦いを見たとしか思えない」ということで、
じゃあ執筆したのはベリアルの戦いすべてに参加している腹心の部下? ・・・そんな人いたっけ?
ベリアルが懇切丁寧に過去の経験を語ってくれたんだろうか。意外と自慢好き?
もしくは、宇宙に浮いてるだけで暇してる陛下が、自ら筆をとって書き上げたのかもしれん。陛下にこんな文才が!

ケイに求められ、握手に応じるゼロ。
この場合は応じざるを得ないだろ、という気はしますが、
それにしても、握手したよ、しちゃったよ!感がすごい。絵面がすごいぞ。

そして、続くシーンがめちゃくちゃ面白かったですね。

「では新しい登場人物は普通のお父さんにしましょう。
 彼は何がきっかけで輝きの騎士になるのか。なにか、アイデアはありませんか?
 ・・・いきなり聞かれても困りますよね? ではこうしましょう。
 私は、あなたの敵役です。そしてあなたをこう脅す。
 『動くな、動けばこの建物ごと集まった人間を吹き飛ばす。
  おまえの妻と、子供も一緒だ。跡形もなく焼き尽くす』」
「お前はどうなる?」
「迫真の演技、いいですねぇ。もちろん、私は無事です」
「目的はなんだ!」
「目的は・・・お前だ。
 お前の中にはゾーラの魂が宿っている。その魂を、肉体ごと滅ぼしてやる」


大衆の目の前で地球の運命を左右する真剣勝負が行われているというのに
気づくことなく、エンターテイメントだなと楽しく見ている、その温度差が、いいよな。

さて頼れる兄貴なゼロさん、何があっても死なないだろうとタカをくくっていたんですが、
現状では、レイトが死んだら道連れなんですね。倒すなら!いまが超絶!チャンスじゃないですか!

というわけで。

「誰もがウルトラマンジードの戦いを見ています。あなたの死を見届ける者はいない。
 一人さびしく、逝きなさい」


という残酷なケイの言葉を背に、リクやレイト、そして彼の愛する者たちを守るために走りだすゼロ。
サブタイが怖いよ。犠牲とかやめようぜ。誰か一人を犠牲にした未来なんていらないよ!

その他あれこれ。

・特別講演会の抽選会に外れて荒れる店長が、もう他人事とは思えない

・伏井出ケイにあったレイト(ゼロ)が何か反応見せるかと思ったけど
 意外とその辺は嗅覚働かないんですね。

「ペガも小説書けたらなぁ・・・造花より儲かるのに」
 判断基準そこかい!っていうね。ネットビジネスでも始めてみてはどうか。アフィリエイトとか。

・ケイの小説を読まなくちゃいけないゼロと、別段読む気もないレイトとの激しい攻防が
 すごい演技ですよね。電王の、名高い一人芝居を思い出させるなぁ。あっちは四人分ですが。

・店長の正装や丁寧言葉がとにかくひどい(苦笑)

・ケイににらまれて退散するペガの、くるくるボッシュートが超絶可愛い。

・講演会会場に貼られたポスター「好評発売中 時空破壊」
 これもう完全にリアルタイムで進行中なやつじゃん!
 ほかにも「暗黒遺伝子」っていうポスターもあって、
 伏井出先生の本はアマゾンでも買えますか? 取り寄せしたいんですけど!

・ライハ
 ライハは最初からケイに疑惑の目を向けていたし、
 なんか知ってる雰囲気がすごいんですよね。
 あげくにこのセリフ。

「あなたが怪獣を操っているの? あの怪獣に変身した人間は誰!?」
「人間が怪獣に?面白いアイデアですね」


 どういうことなんだ。怪獣とは、人間が変身したものなのか?
 ここのセリフがめちゃくちゃ怖いです。いずれ回収されると思いますが。

・ギャラクトロン。
 お久しぶり。ハワイ以来。
 アクションに伴う魔法陣テイストな効果が、やっぱりめちゃくちゃ格好良い。
 本名が「シビルジャッジメンター ギャラクトロン」だとは知りませんでした。二つ名的な?
 解説によると「争いをなくすために、文明を破壊しようとするロボットです」とのこと。

 外見や音声、特殊効果とか大好きな怪獣である一方、
 「ここの惑星、争いばっかしてるから全部リセットするね!」っていう、迷惑このうえないおせっかい体質で
 見知らぬ他人がずかずかと茶の間に上り込んできて、
 頼みもしないのに勝手に断罪してくるっつー印象があります。あれな、暴走する正義。

 つまり「お前の言いたいことはよーくわかったから、帰って自分ちでやれ」っていう。
 もーう、よりにもよってこんな面倒なヤツ呼んでくるなよな!

・ケイ先生。ジャグラー枠を埋めるには先人が偉大すぎるよね?と思ってましたが、
 だんだん、こう、ねばっこいイヤラシイ感じをむんむんと漂わせてきたので
 「いいぞ!もっとやれ!」的に応援しております。
 頑張れケイ先生! ちなみに作家先生スタイルの方が好みです。

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