Siamo tutti un po' pazzi.

~我々は皆少しおかしい(イタリアの慣用句)~

普段色々考えていることの日記です。

『どくそせん』 イカロス出版

2008年04月04日 | 漫画
「どくそせん」 イカロス出版

 独ソ戦って日本になじみがないせいか、いまいち流れとか背景とかが分からなくて、映画見ていても「え~と、このシーンっていつの話?」になっちゃいます。

ぶっちゃけノルマンディー上陸作戦って何?
砂漠のロンメルって何したん?
え? どっちも独ソ戦と関係ないの?

 て、感じでしょうか。

 というわけで、分かりやすい独ソ戦入門編を探していたのです。
 細かい戦術論はおいておいて、大まかな戦略の流れを簡単に概略してくれて、んでもって地図がたっぷりついていて、戦車や戦闘機、銃や軍装は絵付き解説で、できればカラー。各国の軍事情勢や当時の社会情勢なんかも解説してくれれば……
 というわがままな本があろうはずが無く!
 結局たどり着いたのがこの本でした。
 これ以上に分かりやすい入門本、あったら教えて下さい。

 さて、この本。
 表紙はぶっちゃけあれですが、中身はきっちり独ソ戦のことを解説してくれます。
 軍事用語集や年表までついていますし、戦車と戦闘機もいちいち絵付きで解説してくれるので、私みたいな軍事オンチには嬉しい限りです。(「ふ~、やっとT-34とティーガーの違いが分かったよ」←T-34とはタイガー34だと思っていた奴)
 あと独ソ戦に関係する将校の人物列伝もイラスト付きであり、ふむふむロコソフスキーとソコロフスキーは別人だったんだ。あれ? ヒットラーとヒムラーも別人だったの!? とどうでもいいことを覚えたり。
 まぁ、難点を言えば東部戦線を見渡せる地図をもう少し載せて欲しかったことです。
 あと、記述がドイツに傾きすぎているなぁという不満はあります。
 ソ連軍がドイツ軍捕虜や占領地民に対してしたことは決して褒められないけど、同じことをドイツが先にしているわけで、そのことをあまり触れずにソ連軍の方ばかり書き立てるのは、ちょっと卑怯じゃないでしょうか。
 そして、「今度はイタリア抜きでやろうぜ」という言葉はさすがにちょっと不謹慎だと思います。戦争はゲームじゃないのですから。

 ところで、この本の筆者もそうですが、独ソ戦も太平洋戦争と同じように「たら・れば」を語る人が多いですね。
 ドイツ軍が、
 キエフを落とすより先にモスクワを攻めていれば
 スターリングラード戦で引いていたら
などなどです。マンシュタインはその辺の不満たらたらに手記に書いていますが、
 そもそもソ連を攻めていなかったら
滅ぼされずにすんだんじゃないでしょうか?

 結局、「No パールハーバー,No 広島・長崎」(パールハーバー(への攻撃)が無ければ、広島・長崎(への原爆)もない)です。

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