ポアロのクリスマス (クリスティー文庫)アガサ・クリスティー早川書房このアイテムの詳細を見る |
『ポアロのクリスマス』 アガサ・クリスティー (早川ミステリー文庫)
クリスマスになんちゅうもんを書くんや!
クリスマスの大邸宅。
お互い仲の悪い家族が集まり、
さらには年老いた大富豪の遺産問題が持ち上がり、
そして密室での惨殺事件。
ミステリーファンなら来た来た来たと舌なめずりしたくなるようなシチュエーションです。
私も、密室は苦手だったのですが、これはかなり簡単に解けました。
密室トリックで言うと、初級編ということでしょうか。
いや~しかし、クリスマスだというのに冒頭部はかなり暗いです。
いや、冒頭部だけでなくこの作品全体にぶ厚く重い灰色の雪雲がのしかかっている気がします。
なんでこんなに暗いんだろうと調べてみたら、ちょうど作品発表年の9月にドイツがポーランドに侵攻していました。
いわゆる「第二次世界大戦勃発」です。
ドイツのポーランド侵攻をアガサがどこまで作品にとりこめたかは謎ですが(当時はこれが第二次世界大戦の始まりだなどと考えていなかったでしょうし)、登場人物にも風景にも重くのしかかっている暗い雰囲気は、近づく戦争の気配を何となく感じたからだったのですね。
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