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『三幕殺人事件』アガサ・クリスティ

2009年06月21日 | 推理小説
三幕の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
アガサ クリスティー
早川書房

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『三幕殺人事件』 アガサ・クリスティ (新潮文庫)

 1ページ目からネタバレしないで下さい!

 母のコレクションにエラリー・クイーンの作品があるからか、私はどうしてもアガサとエラリーを比べてしまいます。
 ということでこの作品にも、元俳優の素人探偵が登場します。
 が、エラリーと言うよりバーナビー・ロスが生み出したドルリー・レーンの怪しげな素人探偵ぶりよりもこっちの方が俳優っぽいです。
 ドルリー・レーンの「元名俳優でござい」といういかにもな言動はなんか苦手なんですよね。
 私はエラリー・クイーンは好きですが、ドルリー・レーンは嫌いなんですよ。
 彼が元シェイクスピア俳優だったという設定もあまり生かされている気がしませんしね。
 というよりも何よりも

 この人は本当に元俳優なのか!?

 と疑惑の目でず~と見つめていました。
 なんかね、どうも違和感が・・・・・・

 で、その違和感ってどこから来るんだろうと首を傾げていて、この話を読んでやっと理解しました。
 本物の俳優にお目にかかったことはないですが、俳優の話を聞いていると役になりきるとき自分の過去の経験を生かしてなりきるらしいです。
 あるいは脚本に表れていない役の人生を想像したり。
 そういうメソッドがレーンには全く見受けられないのである。
 逆にこの『三幕殺人事件』ではずいしょに見受けられる。
 そこが違うんだ、と。
 まぁ、レーンの場合はわざとかもしれませんが。

 閑話休題
 この作品、おそらく慧眼な読者なら一発で犯人を当てられるでしょう。
 犯行の方法についても、なれた読者ならおおむね考えつきます。
 ただ、問題は動機。
 動機だけが最後まで分かりませんでした。


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