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普段色々考えていることの日記です。

『牧師館殺人事件』アガサ クリスティー

2009年07月20日 | 推理小説
牧師館の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
アガサ クリスティー
早川書房

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『牧師館殺人事件』 アガサ クリスティー (新潮文庫)

 びっくりした。

 ポワロが主人公の作品をあらかた読んだので、マープルに挑戦しようと考えたのですが、久しぶりにアガサの初期の作品を読んだので、まったく推理できませんでした。
 いや、しかし、この作品はかなり見事です。
 思わず、もう一度読み直してしまいました。
 何が見事かと言うと、トリックではなくミスリードの見事さです。
 ちょっと、久しぶりにアガサにやられました。

 マープルはポワロと双璧をなすアガサの探偵ですが、性格が全く正反対です。
 ポワロが出てくる作品では、ポワロはあくまでよそ者。
 推理も、間違っている皆の認識を直すというものです。
 でもマープルはその事件が起こったコミュニティの内部の人間。
 だから、その推理はどこか、暴いてはいけないものを暴いてしまった感が残ります。
 このセント・メアリー・ミード村の人たちはマープルの推理の見事さに感心するより恐怖を覚えたのではないでしょうか?
 私の住む村もこのセント・メアリー・ミード村のようなところですので、マープルのような人がいたら本気でイヤだなと思います。

 いや、知らないだけで、実はいるのかも……


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