弁当日記

ADACHIの行動記録です。 
青年海外協力隊で2006年4月からバングラデシュに2年間住んでました。

バングラデシュのニュース(2023/1/15)その2

2023年01月15日 | バングラデシュのニュース

■見出し(2023年1月15日) No2023-01
〇バングラデシュのIT技術者を日本に呼び込め!地方と世界をつなぐ新たな国際協力
〇プロジェクト・ヒストリー「漫画版」
 「バングラデシュIT人材がもたらす日本の地方創生-
 協力隊から産官学連携へとつながった新しい国際協力の形」
〇新型コロナ感染拡大収束後初の第2回ハッカソンイベント、初回の2倍規模で開催
〇ICT省、日本企業向けのオンラインマッチングサイトを開設(バングラデシュ) 
〇日本バングラデシュIT協会が日系企業向け合同採用説明会を開催(バングラデシュ) 
〇日本・バングラデシュ国交樹立50周年記念レセプション開催、420人超が参加(バングラデ
シュ、日本) 
〇バングラデシュ経済特区が開業、ハシナ首相も外国投資に期待(バングラデシュ、日本) 
〇PM2.5が高レベル、深刻なダッカの大気汚染(バングラデシュ)
〇政府がホテル・レストラン産業調査を発表(バングラデシュ) 
〇IMF、バングラデシュへの総額45億ドルの融資を事務レベルで合意(バングラデシュ) 
〇ミャンマー政変後の生産移管、より長期的な視点で(バングラデシュ) 
〇世界2位の衣料品輸出国を維持、今後は高付加価値製品の輸出拡大へ(バングラデシュ) 
〇ヘルスケアに関する海外の現地情報を探す ‐ 経済産業省
〇バングラデシュにおける育児用ミルクの販売開始に関するお知らせ 
〇バングラデシュの政治経済情勢:2024年初頭の総選挙に向けて 
〇バングラデシュ ダッカ都市鉄道(MRT)6号線 開業
〇バングラデシュに新会社を設立
〇バングラデシュ経済~総じて堅調な成長が見込まれるも、産業多角化が課題~(福地 亜希)
〇数万人が抗議デモ、首相の退陣求める バングラデシュ
〇会田、円谷両氏がバングラデシュでストリートチルドレンらとふれ合い

■バングラデシュにおける育児用ミルクの販売開始に関するお知らせ 
  https://www.morinagamilk.co.jp/release/newsentry-4051.html
 (森永乳業株式会社 2022年12月08日)

 森永乳業は、2022年12月よりバングラデシュにおいて、育児用ミルクの販売を開始いたし
ますので、お知らせいたします。

1.背景と目的
 当社は、森永乳業グループ10年ビジョンとして、世界で独自の存在感を発揮できるグロー
バル企業を目指すとともに、2029年3月期までに「海外売上高比率15%以上」を目標に掲げ
ています。また、海外事業方針の一つとして、育児用ミルクの輸出拡大や事業基盤の強化に
より、アジアを中心に栄養インフラの構築に貢献することを掲げています。
 アジアの中でもバングラデシュは、2021年には人口が約1億6500万人※1に達するなど、大
きな育児用ミルク市場のポテンシャルを持ち、さらに実質GDP成長率は年平均6%台※2と大き
く経済成長している国の一つです。
 当社は、「赤ちゃんにとって最良の栄養は母乳」との考えに基づき、100年以上にわたり、
母乳組成や赤ちゃんが必要とする栄養成分の研究、製造技術の開発と安全・安心の追求を続
けています。これまで培ってきた開発力・技術力を活かして、今後の成長が見込めるバング
ラデシュ市場において事業の強化を図り、当国における乳幼児の健やかな成長に貢献するこ
とを目指します。

2.事業概要
バングラデシュ国内での育児用ミルクの販売
(1) 対象国      バングラデシュ
(2) 販売エリア    ダッカ・チッタゴンを中心に販売を開始し、順次全土へ展開予定
(3) 対象商品     育児用ミルク
(4) 販売開始時期   2022年12月

 

■バングラデシュの政治経済情勢:2024年初頭の総選挙に向けて 
 https://www.scgr.co.jp/report/survey/2022112857354/
 (住友商事グローバルリサーチ(SCGR) 2022年11月28日)

概要

バングラデシュでは次期総選挙が2023年12月または2024年初頭に行われる予定である。選挙
体制については、有力野党のBNPが選挙に参加しない可能性を含め不透明な点はあるが、現
時点では、与党アワミ連盟が勝利し、2009年から続くハシナ政権が続投する可能性が高いと
いう見方が有力である。一方、足元ではインフレが国民生活に打撃を与え、長期支配への反
発もあり、ハシナ政権も以前ほど盤石とはいえないとの指摘もある。反対派の抗議活動など
今後の選挙をめぐる動きに注視が必要である。
バングラデシュの政治は、2009年までは二大政党の対立が激しく、ときとして暴力的な衝突
に及び、安定した長期政権が実現しないため政策の一貫性も欠ける面があったが、同年以降
は、ハシナ政権が強力な権力基盤を背景に、安定した統治を続け、インフラ強化、産業多様
化、投資促進を推進するなど、一貫した成長戦略を推進するようになった。新型コロナウイ
ルスの感染拡大前の実質GDP成長率は2010年度(2010年7月~2011年6月)から+6~7%の水
準を維持し、2020年度時点で名目GDPは4,163億ドル、1人当たりGDPは2,498ドルに達した。
2026年に後発開発途上国(LDC)を卒業する見込みである。
2020年度の実質GDP成長率は+5.4%、2021年度は+7.3%(暫定値)とコロナ前の水準に回
復した。今後、インフレの高進と外需の減退が懸念されるが、2022年度も+6%台と安定的
な成長が見込まれる。2022年第2四半期から外貨準備が減少し、11月9日にIMFから45億ドル
の支援を得る暫定合意に至ったが、外貨準備高と対外債務残高は懸念される水準にはなく、
IMFの支援は、マクロ経済の安定と気候変動対策を目的とした予防的・計画的措置と位置付
けられるものである。
今後の課題は産業の高度化と多角化だが、その実現のためには、インフラの整備をはじめ投
資環境の改善と外資導入の促進が求められる。この点で、2022年12月に操業を開始する初の
日系工業団地である「バングラデシュ経済特区(BSEZ)」が重要な役割を果たすことが期待
される。バングラデシュはインドと東南アジアの結節点にあり、近年、日米のインド太平洋
戦略や中国の一帯一路構想もあり、地政学的にも注目度が高まっている。こうした国際環境
も生かしつつ、2024年初頭の総選挙後も一貫した成長戦略が続けられれば、世界で最も有望
な新興国の一つと評価される可能性は十分にある。
 
1. 政治
 バングラデシュでは2008年、2014年、2018年の総選挙でアワミ連盟が圧勝し、シェイク・
ハシナ総裁が2009年から3期連続で首相を務めている。次期総選挙は2023年12月または2024
年初頭に予定されている。有力野党のバングラデシュ民族主義党(BNP)は選挙管理内閣下
での総選挙の実施などをハシナ政権に要求しているが、ハシナ政権との間で合意が実現する
見込みは定かではなく、2014年の総選挙のようにBNPがボイコットする可能性も十分にある
。【*1】その場合、アワミ連盟が再び圧勝し、ハシナ政権は4期目に入ると予想される。【
*2】

 仮にBNPが総選挙に参加しても、アワミ連盟が優勢という見方が有力である。なぜなら、ハ
シナ政権は3期にわたる統治において、高い経済成長と治安の改善を実現し、国民からおお
むね高い評価を得ている。一方、BNPは、長年にわたり政権を担えておらず、カレダ・ジア
総裁(元首相)は、2018年2月に汚職の罪で実刑判決を受け収監された。2020年3月、健康上
の理由により刑の執行が一時的に停止され、海外渡航の禁止を条件に釈放されたが、ジア総
裁は体調の悪化が懸念され、他の党幹部も拘束されている。こうした状況のため、BNPの党
勢回復は難しいとみられている。

 他方、足元ではインフレが高進しており、国民の生活に深刻な影響が及べば、国民の不満
が高まり、ハシナ政権への支持が低下する可能性がある。事実上の一党支配の下、反対派を
強権的に抑えつけるハシナ政権の統治手法に対しては、国内外で批判する声もある。今後、
ハシナ政権が選挙の公正にも配慮しつつ、BNPとの交渉を経て、どのような選挙体制を整備
するかが注目される。両者の駆け引きの中で、BNP支持者が抗議デモを行うことも予想され
るが、こうした活動が過激化し、暴力的な事態に発展する可能性がある点にも注視が必要で
ある。

 2016年7月、ダッカで武装グループが日本人7人を含む民間人20人を殺害した。「イスラム
国」の影響を受けたイスラム過激派組織による犯行とみられている。ハシナ首相は過激派の
摘発に全力で取り組み、テロ関連死者数は2016年以降減少、民間人の死者数は2020年にゼロ
になった。2019年10月、日本の外務省はダッカ管区とチョットグラム丘陵地帯を除く全土の
危険情報をレベル1(十分注意して下さい)に引き下げた。2021年11月、ダッカ管区もレベ
ル1に引き下げた。

2. 外交
(1)インド
 インドとバングラデシュは歴史的に関係が深く、政治経済両面で多くの懸案事項が存在す
るが、伝統的に親インド路線を採るアワミ連盟の政権下で協力的な関係が進展している。
2015年6月、インドのモディ首相の訪問時に、独立以来の課題であった飛び地の交換につい
て合意が実現した(同年8月に実施)。2021年3月、モディ首相が独立50周年記念式典に出席
するためにバングラデシュを訪問し、ハシナ首相と会談、両首脳は緊密な関係をアピールし
た。一方、訪問中にヒンドゥー教徒との衝突事件が起こり、国民の複雑な感情が露呈された

(2)中国
 中国はバングラデシュにとって最大の輸入相手国。中国は、一帯一路の6大経済回廊の一つ
として「バングラデシュ・中国・インド・ミャンマー(BCIM)経済回廊」を掲げている。ア
ジアインフラ投資銀行(AIIB)創設後の第1号案件はバングラデシュの送電線敷設事業への
融資だった。2016年10月、習近平国家主席が初めてバングラデシュを公式訪問し、ハシナ首
相と会談、中バ関係を「戦略的協力パートナーシップ」に格上げし、200億ドルの投融資を
約束した。2019年7月、ハシナ首相が中国を公式訪問し、習主席と会談してプロジェクト実
施の迅速化を要請した。中国の海外直接投資残高は電力分野への投資により近年急増してい
る(2022年1月末時点で3位)。新型コロナウイルスの感染拡大後、中国はワクチン外交を熱
心に展開し、2021年8月、中国のシノファーム社とバングラデシュ政府が国内でのワクチン
生産で合意した。

(3)欧米
 欧米諸国にとってバングラデシュは衣料品製造の主要なアウトソーシング先である。しか
し衣料品工場における劣悪な労働環境が問題視され、米国は2013年に一般特恵関税制度(
GSP)の適用を一時停止した。EUも2017年にGSP(EBA協定)の優遇対象から外す可能性を示
唆し、2018年の報告書でも労働者の権利保護が不十分であると警告した。これに対し、バン
グラデシュ政府は、労働環境の改善を目指す国家行動計画(NAP)を策定し、実行に移して
いる。一方、2021年12月に米国が主催した「民主主義サミット」にバングラデシュは招待さ
れなかった(南アジアでは、インド、パキスタン、ネパールが招待された)。

(4)ロシア
 バングラデシュはロシアとの間で、ソ連時代から良好な関係を築いているが、近年、特に
原子力発電所建設で協力が進んでいる。2015年12月にバングラデシュ初となるルプール原子
力発電所の建設に関する契約を調印した(1号機は2023年までに、2号機は2024年に完成予定
だったが、進捗が遅れている)。2022年2月のロシアのウクライナ侵攻に対してはロシアを
非難することなく、中立的な立場をとっている(ロシアを非難する4つの国連総会決議(
ES-11/1、2、3、4)については、ES-11/2(ウクライナの人道状況の改善)とES-11/4(ロシ
アによるウクライナ4州の併合の無効)に賛成したが、それ以外は棄権した)。

(5)ミャンマー
 2016年10月に行われたミャンマー国軍によるラカイン州でのイスラム過激派掃討作戦以後
、「ロヒンギャ」難民がバングラデシュに流入した。バングラデシュ政府はミャンマー政府
に対し難民の引き取りを要請し、2018年1月、両政府は2年以内に帰還完了を目指すことで合
意した。しかし帰還の実施は、難民側の拒否もあり、今なお実現していない。2021年2月、
ミャンマーでクーデターが発生すると、バングラデシュ政府は新たな難民の流入を防ぐため
に国境警備を強化する一方、クーデターには内政問題として干渉しない立場をとった。

(6)日本
 日本はバングラデシュにとって最大のODA供与国であり(2014年にマタバリ石炭火力発電事
業について調印)、日本にとってバングラデシュは2020年度の最大のODA供与先である。
2019年5月、ハシナ首相が訪日し、日・バ首脳は包括的なパートナーシップに関する文書を
発出した。2022年4月、モメン外相が訪日して林外相と会談した。両国は「ベンガル湾産業
成長地帯(BIG-B)」構想の下での各種インフラプロジェクトを含め、引き続き協力を進め
ていくことを確認した。


3. 経済
(1)足元の状況
ハシナ政権は2021年(独立50周年)までの中所得国入りを目指す政策「ビジョン2021」を掲
げ、インフラ強化、産業多様化、投資促進、ガバナンス強化、貧困撲滅、保健・教育、防災
などの課題に取り組んでいる。2021年2月に後発開発途上国(LDC)リストからの「卒業」の
基準を満たし、11月の国連総会で正式に卒業が承認された。今後、移行期間を経て2026年11
月にLDCを卒業する予定である。

 実質GDP成長率は2010年度(2010年7月~2011年6月)から+6~7%台の成長を続け、2018
年度の実質GDP成長率は前年度比+7.9%に上った。2019年度は新型コロナウイルスの感染拡
大の影響で+3.5%に鈍化したが、他の多くの国々がマイナス成長に陥る中、プラス成長を
維持した。縫製品輸出の復調により、2020年度は+5.4%に回復し、2021年度は+7.3%(暫
定値)とコロナ前の水準に達した。2022年1月からオミクロン株の感染が拡大したが、2月下
旬から感染状況は改善し、経済活動の再開は継続した(11月時点で1日あたり新規感染者数
は100人程度で推移)。成長を妨げる要因になるのはインフレの高進と外需の減退である。
CPI上昇率は新型コロナの影響によるサプライチェーンの混乱から上昇し、2021年10月から
中銀のインフレ目標値(+5.6%)を上回って推移しており、2022年2月のロシアのウクライ
ナ侵攻後は、さらなる資源と食料品価格の上昇、通貨タカ安の進行を受けてさらに高進、8
月からは9%台に達している。中銀は2022年4月、5月、7月に政策金利(レポレート)を合計
0.75%引き下げ5.5%とした。こうした中で、IMFは2022年度の実質GDP成長率の見通しを+
6.0%として、成長の鈍化を予想している。とはいえ多くの新興国の成長の減速と比べれば
なお高い水準を維持しており、長期的にも+6%台の安定的な発展が見込まれている。

 2020年3月以降、政府は新型コロナの感染拡大を受けて合計1.2兆タカ(GDP比4.3%)規模
の経済対策を発表し、2021年には低所得者層向けの現金給付を実施した。このため財政赤字
は拡大し、2022年度予算案の財政赤字(GDP比)は5.5%に達した。対外債務残高も近年急増
しており、2022年7月末時点で959億ドルに達した。とはいえGDP比は23%程度となお比較的
低水準であり、国際機関からの借入が6割を占め(二国間では日本が最大)、主にインフラ
開発のための融資が拡大した結果とみられる。

 経常収支は、貿易収支、サービス収支などの赤字を第二次所得収支の黒字(主に海外労働
者送金)が補う構図にある。新型コロナの影響で輸出と海外労働者送金が減少したが、その
後回復し、2020年度の経常赤字はGDP比1.1%に縮小した。しかし、2021年から資源価格が高
騰し、貿易赤字が悪化したことで、経常赤字は再び拡大し、GDP比4.1%に上った。さらに、
通貨タカ安が進行し、為替介入もあって、外貨準備の減少が続いた。特に2022年に入ってか
らは、先進国の利上げによるタカ安の進行、ロシアのウクライナ侵攻を受けての資源価格の
高騰などから減少が加速した。2021年8月時点には446億ドルあった外貨準備高は2022年9月
時点で365億ドル(輸入の約5か月分)まで減少した。

 外貨準備の減少を受け、政府は輸入抑制策をとるとともに、IMFに支援を要請した。ダッカ
での協議を経て、バングラデシュ政府とIMFは、11月9日、45億ドルの金融支援(拡大クレジ
ットファシリティ(ECF)と拡大信用供与(EFF)の32億ドルとレジリエンス・サステナビリ
ティ・ファシリティ(RSF)の13億ドルの42か月間のアレンジメント)で実務者レベルの暫
定合意に達した。もっとも、外貨準備高は減少しているとはいえ、危機的な水準からは遠く
、前述のとおり対外債務残高も低い水準にある。IMFは、新型コロナの感染拡大からの経済
回復がロシアのウクライナ戦争によって妨げられ、経常赤字の拡大、外貨準備の減少、イン
フレの高進、成長の鈍化に至ったと指摘し、マクロ経済の安定と気候変動対策のために支援
を行うと発表している。つまりIMFの支援は、財政危機への対応ではなく、予防的・計画的
措置と位置付けられるものである。同じ南アジアということで、外貨不足と財政難に陥り、
同様の枠組みのIMF支援を受けているスリランカやパキスタンとともに取り上げる報道もあ
るが、これらの国々とは同列に論じえないだろう。

(2)今後の展望
 バングラデシュは1億6,657万人を擁する世界8位の人口大国であり(2020年度)、平均年齢
は27.6歳と若年層が多く、人口ボーナス期は2055年まで続く見込みである。人件費はアジア
新興国の中でも最も低い水準にあり、製造拠点としての潜在的競争力は高い。2009年までは
二大政党の対立が激しく、ときとして暴力的な衝突に及び、安定した長期政権が実現しない
ため政策の一貫性も欠ける面があったが、同年以降は、ハシナ政権が強力な権力基盤を背景
に、安定した統治を続け、インフラ強化、産業多様化、投資促進を推進するなど、一貫した
成長戦略を推進するようになった。2010年度から2018年度までの実質GDP成長率は+6~7%
の水準を維持し、2020年度時点で名目GDPは4,163億ドル、1人当たりGDPは2,498ドルに達し
た(IMF)。海外直接投資も拡大を続けており、2021年12月末時点の直接投資残高は216億ド
ルに達した(前年比+11%)。今後も、主要な成長のドライバーである縫製品輸出と海外労
働者送金に支えられ、堅調な成長を続けることが見込まれる。

 今後の主な課題は、縫製品の欧米市場への輸出への過度な依存である。その最大の強みで
ある豊富な労働力を生かすべく、工業製品の製造業のように、大きな雇用を生み出し、高い
付加価値を提供する産業を育成すること(産業の多角化と高度化)が求められる。そのため
には、インフラ整備をはじめ投資環境を改善し、外資の導入を促進することが必要になる。
バングラデシュのインフラは高度な製造業を支えるにはまだ十分ではなく、海外直接投資は
前述のとおり拡大を続けているとはいえ、2021年12月末時点でGDP比5%程度にとどまる。こ
の点で、2022年12月に操業を開始する初の日系工業団地である「バングラデシュ経済特区(
BSEZ)」が重要な役割を果たすことが期待される。JETROによれば、2022年9月時点で日系企
業は繊維業、軽工業を中心に338社進出しているが、筆者の現地日系企業へのインタビュー
によれば、製造工程をもつ企業は60社に上る(2018年にホンダが二輪車の生産を開始した)
。今後、重工業や建設業などの分野での進出が期待される。2026年にLDCを卒業することで
欧米のGSPの対象外になることもあり、自由貿易協定(FTA)などによる経済連携の強化も課
題となる。

 バングラデシュはインドと東南アジアの結節点という要衝にあり、近年、日米のインド太
平洋戦略や中国の一帯一路構想もあり、地政学的にも注目度が高まっている。特に近年、中
国は経済分野を中心に積極的に協力強化を図り、日本政府もODAを通じた支援を強化してい
る。こうした国際環境も生かしつつ、2023年12月ないし2024年初頭の総選挙後も一貫した成
長戦略が続けられれば、世界で最も有望な新興国の一つと評価される可能性は十分にある。


以上


[*1] 選挙管理内閣は、選挙の公正を保証するために1996年の憲法改正で導入されたバング
ラ独自の制度で、ハシナ政権の主導により、2011年に憲法改正が行われたことで廃止された
。BNPは選挙管理内閣下での総選挙の実施をハシナ政権に要求したが、両者は合意に至らず
、BNPは2013年の総選挙をボイコットした。2018年の総選挙には野党連合として参加したが
、わずか7議席しか獲得できなかった。

[*2] ハシナ首相は75歳と高齢であり、もし政権が4期目に入れば、後継者問題が顕在化する
ことになる。アワミ連盟とBNPはいずれも創立者一族が総裁を務めてきたが、現時点で双方
とも後継者は明らかにされていない。

 

■バングラデシュ ダッカ都市鉄道(MRT)6号線 開業
 https://www.signal.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/2023/01/%E3%83%90%E3%83%B3%
E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%87%E3%82%B7%E3%83%A5-%E3%83%80%E3%83%83%E3%82%AB%E9%83%BD%
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5%8F%B7%E7%B7%9A-%E9%96%8B%E6%A5%AD-1.pdf
 (日本信号株式会社 2023年1月4日)


バングラデシュ ダッカ都市鉄道(MRT)6号線 開業
日本信号株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:塚本英彦)は、2018年よ
りバングラデシュの首都ダッカ市で同国初のメトロとなるダッカMRT(Mass Rapid 
Transit)6号線事業に参画しておりますが、2022年12月28日、全20kmのうち
、Uttara North 駅からAgargaon 駅の9駅を結ぶ11.7kmの区間が開業しました。
本件では3システム(信号・AFC※1・PSD※2)を納入しました。信号システムは、
無線通信で列車を制御および防護するSPARCS(当社製CBTC)が採用されており、
ATO運転※3を実現しています。SPARCSは、本件で6例目の運用実績になります。
AFCシステムには日本で広く普及している非接触 IC カードの通信規格である”NFC※
4”が採用されています。PSDシ
ステムは高さ1,300mm・開口幅2,100mmの腰高式が採用され、強みとする信号シ
ステムに加えて、ダッカ市民が安全に鉄道を利用できる環境を幅広く提供しています。
ダッカは人口2,000万人を有するアジアのメガシティの 1 つですが、急激な経済成長
にインフラ整備が追いついておらず、慢性的な交通渋滞・大気汚染が社会課題となっており
ます。
当社が90年の歴史の中で築いてきた「安全と信頼」の技術を導入することで、バングラデ
シュの社会課題解決に貢献してまいります。


 ※1 AFC(Automatic Fare Collection) …自動料金収受システム、 ※2 PSD(
Platform Screen Door) …ホームドア
 ※3 ATO(Automatic Train Operation)… 運転士が出発を指示するだけで車両の加速
・減速・停止を自動で行うシステム。
 ※4 NFC(Near Field Communication)… 非接触 IC カードの通信および機器間相互
通信を行うための近距離無線通信技術

 

■バングラデシュに新会社を設立
 https://www.signal.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/2022/12/%E3%83%90%E3%83%B3%
E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%87%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%81%AB%E6%96%B0%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E
3%82%92%E8%A8%AD%E7%AB%8B.pdf
 (日本信号株式会社 2022年12月1日)

日本信号株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:塚本英彦)は、2018年よ

バングラデシュの鉄道システムの近代化を目的に事業展開をしておりますが、更なる事業拡
大を
目指し、下記のとおりバングラデシュに新会社を設立いたしました。

1.設立目的
当社は、2018年に受注したダッカMRT6号線の信号・AFC・PSD案件を履行中で
ある。本契約に含まれる保守サポート業務に加えて、今後も旺盛なインフラ投資が見込まれ

同国でのビジネス展開を長期的に行い、さらなる事業拡大を図るためバングラデシュに拠点

設立する。

2.概要
項 目 内 容
商 号 英文:Nippon Signal Bangladesh Private Limited
所在地 LEADS Tower (Level 9), M-20, Main road 1,Mirpur 14,Dhaka1206, Bangladesh
資本金 3.3億バングラデシュタカ
事業内容 ・当社製品の据付工事、保守・点検・修理、アフターサービス
・設備の改良及び新規鉄道案件への提案活動、設計業務
・交通インフラ全般に関わるソリューションビジネス展開
出資比率 当社70%、日信電子サービス株式会社30%
設立日 2022年11月9日

 

■バングラデシュ経済~総じて堅調な成長が見込まれるも、産業多角化が課題~(福地 亜希)
 https://www.iima.or.jp/docs/newsletter/2022/nl2022.29.pdf
 (公益財団法人国際通貨研究所 2022年11月10日)

バングラデシュ経済は、近年、実質 GDP 成長率が前年比平均+6%強と堅調な成長を続けて
おり、2021 年には国連が後発開発途上国(LDC)リストからの「卒業」を決定した。総じて
安定した政治情勢に加えて、豊富で安価な労働力や国内市場の成長性への期待などからサプ
ライチェーン多元化の候補先の一つとしても関心が高まりつつある。
本稿では、同国における足元の経済概況や投資動向などを概観したうえで、LDC 卒業後の持
続的成長に向けた課題について整理したい。

1. 経済概況
(1)成長率
バングラデシュは、人口約 1 億 6,630 万人(2021 年時点)と、アジアでは中国、インド
、インドネシアに次ぐ第 4 位、世界全体では第 8 位の人口大国である(第 1 表)。2009
年に発足したハシナ首相率いるアワミ連盟政権1は、高い支持率を支えに総じて安定した政
策運営を行っている。独立後 50 年に当たる 2021 年までの中所得国入りを目指す包括的政
策「Vision 2021」を掲げ、インフラ強化、産業多角化、投資促進といった諸政策を推進し
てきた。2018 年には国連の後発開発途上国(LDC)リストからの「卒業」に必要な 1 人当
たり GNI など 3 つの基準2を全て満たし、2021 年 11 月の国連総会で LDC 卒業の決議案
が採択された3。今後、所定のプロセスを経て 2026 年 11 月に LDC を卒業する予定となっ
ている。
バングラデシュ経済は、コロナ禍前 10 年間の実質 GDP 成長率が前年比平均+6.6%と堅調
な成長を続け、2019 年度(2019 年 7 月~2020 年 6 月)についてはコロナ禍の影響で同
+3.5%と 1991 年以来の低い水準へ鈍化したものの、アジアの中では中国、ベトナムを上
回るプラスの伸びとなった(第 1 表、第 1 図)。目先、資源高や主要輸出先国・地域の景
気減速に伴う下振れリスクには留意する必要があるものの、長い目でみれば同平均+6%強
の成長が見込まれている。


 ※詳細はリンク先をご確認ください。

 

■数万人が抗議デモ、首相の退陣求める バングラデシュ
 https://www.cnn.co.jp/world/35197262.html
 (CNN 2022年12月12日)
 
ニューデリー(CNN) バングラデシュの首都ダッカで10日、数万人が抗議デモを行い
、選挙のための議会解散とハシナ首相の退陣を求めた。

大規模な抗議デモは最大野党のバングラデシュ民族主義党(BNP)が組織。燃料価格や生
活費の上昇への対応に失敗しているとしてハシナ氏を批判している。

ハシナ氏は野党指導者を「放火のテロリスト」と呼び、BNPを権力の座に復帰させないよ
う人々に警告した。

今回の抗議デモまでに複数の逮捕者が出ている。


バングラデシュの選挙管理委員会は、2023年末までに実施が予定される次期総選挙につ
いて日程を発表していない。

バングラデシュでは与党アワミ連盟が09年から権力の座にある。ハシナ氏は18年に3期
目となる首相職に就任していたが、同年の選挙では死者が出たほか、不正投票が行われたと
の申し立ても出ていた。

 


■会田、円谷両氏がバングラデシュでストリートチルドレンらとふれ合い
 https://www.giants.jp/G/gnews/news_3917500.html
 (読売巨人軍公式サイト 2022年12月16日)
 
 日本とバングラデシュの国交樹立50周年イベントの一環で同国を訪問している読売巨人軍
の会田有志ファームディレクター、円谷英俊スカウトらは、15日は終日バングラデシュの子
どもたちとのふれ合いの日となりました。

 ハイライトは会田、円谷の両氏が「人生でも一番衝撃を受けた一日」と話したストリート
チルドレンとのふれ合い。バングラデシュ野球代表チームの監督を務める渡辺大樹さんは、
現地で18年にわたりストリートチルドレンの就学・就労支援や啓発活動を行うNGOエクマッ
トラの共同代表も務めており、今回は路上生活児への教育機会を提供するプログラムの「青
空教室」に招かれ参加しました。

 両親がいない子ども、両親がいても薬物中毒で育児を放棄されてしまった子ども、空腹を
満たすためにシンナーを吸ってしまう子ども。日本では触れることのない現実と、その中で
もたくましく生きようとする子どもたちを前に2人も最初は言葉を失っていました。それで
も子どもたちが「遊ぼうよ」と両氏を取り囲むと、自然と広場には笑い声が飛び交い笑顔が
あふれるふれ合いの時間となるのでした。

 中でも円谷氏が感心したのは、初めて持ったバットでボールを上手にコンタクトする子ど
もたちの姿でした。渡辺氏はこの点について「毎日生きるか死ぬかの生活をしているので、
生き抜く力が皆強く、自然と動物的なきゅう覚や勘も磨かれているように感じる」と特長を
教えてくれました。

 また現場のサポートには、路上生活児からエクマットラの施設で就学し大学を卒業したOB
も参加。同組織が掲げる理念の「活動を通じて子どもたちが成長し、彼らが得た機会を次の
世代に還元し好循環をつくる」を目の当たりにした会田氏は「あきらめずに取り組み続ける
ことの大事さを子どもたちに伝えたが、私自身がそれを一番に学んだ」と感想を口にし、最
後は子どもたちと「アミパルボ!(「私は出来る」のベンガル語)」と元気な掛け声をあげ
て写真を撮りました。


 午前中にはダッカ日本人学校・幼稚園も訪問。この学校には駐留日本人の子どもで、学年
は幼児から中学生までの約50人が通っており、幼児クラス、小学校低学年、小学校高学年か
ら中学生の3クラスごとに交流し、野球の楽しさを余すことなく伝えました。野球は知って
いても実際にプレーするのは初めてという子どもたちが大半でしたが、中には校舎の屋上ま
で打球を運ぶ子もいて周りを驚かせていました。猪原眞治校長は「子どもたちには夢のよう
な時間でした。2人のコーチは『継続する事の大事さ』を伝えてくれた。子どもたちの持つ
様々な夢の実現にもつながると思う」と感想を口にしました。

 

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