弁当日記

ADACHIの行動記録です。 
青年海外協力隊で2006年4月からバングラデシュに2年間住んでました。

「ガイアの夜明け」感想と補足

2009年12月23日 | バングラデシュのニュース
12月22日

22時からテレビ東京系列で日経スペシャル「ガイアの夜明け」が放映された。
昨年12月30日のスペシャルでも日本ポリグルが取り上げられていた。
そのときのブログ記事に小田会長にコメントを付けていただいた。

今年は日本ポリグルのバングラデシュで展開する浄水事業にも
いろいろ動きがあって、経済産業省の支援事業に選ばれている。

□経済産業省委託事業に関わるF/S調査 採択候補プロジェクトのテーマ
 http://www.nri.co.jp/opinion/r_report/meti/090911_kekka.pdf


さて番組で放送された日本ポリグルの話の補足。

バングラデシュ・チッタゴンの病院の話が出てきた。
病院で使用する水が濁っており、体に良くないという話だ。

チッタゴンは先日12月1日に放映された鉄のリサイクルビジネスで廃船場のあった街。
チッタゴンからはYKKのファスナー工場や、輸出加工区で生産された衣料品、
自動販売機のLEDといったものが日本に来ています。


チッタゴンの水道普及率は48%と紹介されていて、これはチッタゴン市街地の数値。
道路整備や都市設計がうまく出来ていないので、スラム街とか住宅密集地では
共同水道を使っています。
僕の住んでいたラブレーンというチッタゴン駅から歩いて15分位の所では、
結構まともな水がきていました。
チッタゴン市街地 地図 ※サイズが大きいので注意)
チッタゴン市の浄水設備には日本のODAが入っていて、浄水を作る設備はしっかり
したものが入っています。
けれども、市内の地下を走る水道管や建物に水をためるタンクに問題があり安全な水を
供給できないことが多いです。

僕自身水道を使用していましたが、住んでいたアパートで上流側に新しいアパートが
出来たために水の供給がなくなるまでは、大きなトラブルはありませんでした。
簡易フィルターにかけてから沸かして飲食にも使用していましたが、テレビで放映され
たほど汚れてはいませんでした。


チッタゴンの上水設備について、
資料1 バングラデシュ人民共和国向け円借款契約の調印について
資料2 日本の存在感が光るチッタゴンの上水道整備支援


チッタゴン マー オシシュー病院はベンガル語でチッタゴン母子病院という意味です。
(マー=母、オ=と、シシュー=子供、赤ん坊)
僕自身は行ったことがないために、チッタゴン市内のどこにあるかは知りません。

バングラデシュの衣料事情については社団法人日本キリスト教海外医療協力会(JOCS)
という団体が、バングラデシュに医療関係者を派遣しており詳しい情報を持っています。
社団法人日本キリスト教海外医療協力会
「バングラデシュを知るための60章 第二版」に派遣中の宮川先生が記事を書いています。

バングラデシュでは法律で定められていないのかもしれませんが、建物の水道設備の
点検や掃除は必須では行いません。大家さんの一存です。なので、屋上のタンクのふた
が無くて、雨水や昆虫そのほかイキモノが入るケースも多いです。
上水道についても基幹部分はメンテナンスしているそうですが、分岐から先は最初に
その分岐を引いた人の責任らしく、ビルのオーナーが直さなければ、壊れたままとい
うこともあります。
過去に大幅な投資があったときに敷設した水道設備で、老朽化しておりメンテナンスの
しようがないのかもしれません。

ダッカもチッタゴンも上水の水には砒素は含まれないため、砒素を含むことのある地域の
井戸水を飲むよりも安全性は高いです。

ある程度の収入がある人で電気が使える、ガスや火を使うことが出来れば、湯冷ましを
用意できますが、村落部だと24時間電気が来ているわけでは無いので、電気ケトルの
利用も簡単ではないし、ガスが無ければ薪を燃やす必要があり、薪代も掛かるので、
安全な湯冷ましを用意したくてもなんらかなのお金が掛かってしまうという問題はあり
ます。

火を使わないと雑菌は多いので問題が無くなるわけではありませんが、
不純物をなくすことが出来るだけで、無用な病気のリスクを減らせるなら、減らしたいです。


ファティマという女の子の住むボリシャル管区の村で、池の水を炊事や掃除に使っているといっていた。
ちょうど今の時期3月くらいまではバングラデシュは乾季で、雨ほぼ降りません。
毎日霧が出るので湿度の高い時間帯がありますが。
そうすると、村の池の水は新しくたまるわけではなく、汚れが堆積したものを4月ごろ
まで毎日使うことになります。
汚れが水に浮いているものを、炊事に使えば、それが毎日濃縮されてゆけば、大変なことになります。

大規模な上水設備のいらない浄水を作る製品があるだけで、多くの命が救えるのかもしれません。




僕の関わっているチッタゴンのマハムニ母子寮にも井戸があり、綺麗な水が出るわけで
はない。(沸かせば飲めるというレベル。僕はろ過だけで何度か飲んだ記憶がある。)
そういうところでも、体調が悪いとかお腹の調子が悪いというときに、安全な水を与え
られたら、ずいぶん違うのかな。

バングラデシュでも手に入ることになったし、用意しよう。

写真は今年購入した日本ポリグルの粉。


■日本ポリグルの紹介
日本ポリグル
SugawaraOnline.com 中小企業によるBOPビジネスの星:日本ポリグル株式会社



日付変わって今日は23日天皇誕生日。
親日国のバングラデシュの新聞には、日本の天皇誕生日を紹介する記事が載ります。


CHT 署名キャンペーン映画『アリ地獄のような街』アクセス解析

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
番組観ました (YASUO)
2009-12-23 12:20:50
YASUOです。
自分も番組を観ましたが、浄化槽が設置してから僅か2ケ月で盗まれたとかで。
自分も5年前にウガンダへ行った時に訪問先の村の井戸の維持管理に際しても、必ず信頼出来る者を管理者にしないと不正使用されたりする恐れがあります、と言っていました。

途上国共通の悩みなんでしょうね!?

それにしてもバングラデシュの井戸水のヒ素の問題、原因が未だに不明らしいです...
返信する
ガイアの夜明け、見損なったー (かとうえつこ)
2009-12-23 21:13:55
ジュニアさん。お久しぶりぶり。ルワンダOGカトウエツコです。愛知OBからもらってた22日のガイアの夜明けの案内を、23日になってから見て、悔し涙です。
今私も、ビジネスと社会貢献(NGO)と、自分の立ち位置に悩んでいるのでぜひ見たかった…。
今日、鹿児島柳谷の過疎集落再生の特集を見て、自発性を引き出す、人と人とのつながりの再発見ということに改めて心を打たれたところ。

どんな番組でした?あー再放送せんかな。
返信する

コメントを投稿