素敵なエッセイでした。
ピアニスト・西村由紀江さんのエッセイ。
少女時代から今に至るまでの自分や自分の置かれた状況と
まっすぐ向かい合ってきたその歩みを、綴られています。
なんて誠実な方なのだろうと思いながら、読みました。
「ふんわり・・・」
「心が満ちる時」
この2章では、特に深い感動に包まれます
それでは、今回は2箇所ほど、紹介させていただきます。
いろいろあって、西村さんが20年いた会社を離れたときのこと。
「急な環境が変わるときには、起こっていること一つひとつに
腹を立てたりしがちだが、
人生の中の大きな流れとして客観的に見てみると、
必要があっての変化なんだと納得できる。
(中略)長く慣れ親しんだ場所という意識があったので、
内部からいろいろ言われたときは多少混乱はしたが、
私は巣立っていく流れを無意識に作っていたのかもしれない。
所属していた間に少しずつ蓄えたエネルギーは、
けっして無駄にはならなかった。(中略)
蓄積は財産。それがあればこそ、リスクを冒してでも
『きっといいことがある』と、新たな世界に飛びこめた。
だから焦ることはない。亀の歩みでかまわないのだ。
一生懸命歩いていれば、ある日突然脱兎の如く、
流れはやってくる。」
「水泳もそう。たいがいの人は、『週何回行ってますか?』と聞き、
『月に2回くらいです』と答えると、『それじゃ意味ないですね』と
返してくる。でも、私にとっては大いに意味があるのだ。
たとえ月に2回でも、15年間続けている。
『頑張って週何度も行ってたけど、大変だからやめちゃった』
というより、ずっといいんじゃないかなと思う。
すぐに結果に結びつかなくても、
いい距離感でずっとやり続けることの意味は、必ずあるはずだ。
人との間でも、この距離感は大切。たとえば、いつも会うことが、
仲のいい友だちの証拠ではない。
年に1、2回会うだけでも、昨日会ったかのように打ち解けられる人の方が、
気づけば何十年というつき合いになっていたりする。(中略)
ヤマアラシは身を寄せすぎると、互いの針で痛い。
だから、夫婦であっても適当な距離を保って暮らしているのだそうだ。」
クスリッと思わず笑ってしまうところもあって、
肩の力を抜き、素直な気持ちで読める一冊でした。
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私は、西村由紀江さんのお陰で「スローライフ」を目指そうと、思いました。
ま、うつ病になったお陰でもあるんですけど。
西村由紀江さんに、サイン&握手してもらったことは、私にとって最高の思い出です☆
コメントありがとうございます。
西村さんの本は初めて読んだのですが、
穏やかな気分になりますね。
握手されたことがあるのですか!
それは羨ましいです!