ようやく順番が回ってきてね。
高田郁著『駅の名は夜明け 軌道春秋Ⅱ』
一気に読了しました。
九つの短編集ですが一番響いたのは夜明駅が鍵になった2作品。
「駅の名は夜明け」
介護保険がスタートした頃の、今で言う老老介護の夫婦の話。
今はまだ好きに暮しているけど、
先行きは分からんオカンたちの事として読みました。
「夜明けの鐘」
住まいは遠く離れても交流が続く親友二人の話。
一人は独身のまま両親の介護に明け暮れて、最近二人とも見送ったばかり。
一人は離婚話を切り出された妻。
彼女の話を聞いていた親友の言葉が沁みる。
「お互いの好みが一致して楽しいのは最初のうちだけ
嫌なものが一致しない方が悲劇だと思う」
オカン夫婦が未だに続いているのは、この一点が要だなと深く頷いたです。
それで思い出したのは
「一緒にいて楽しい人ではなく、居ないと寂しいと感じる人と夫婦になりたいと思った」という言葉。
随分前に馴れ初めを聞く番組で語られたの。
夫婦ってそれぞれにポイントが違うから一括りには出来ないだよ、
と説教好きな脳裏の兄に語りかけたです。
この二作品中に出てくる歌「星影の小径」は小畑実のヒット曲。
歌詞を読んですぐにメロディが浮かんだ昭和のオカン。
それをちあきなおみがリバイバルヒットさせたんかな?
オカン的にはちあきなおみの歌唱が好きです。