2018年に入ってから北朝鮮問題をめぐる情勢は大きく動いています。平昌オリンピック・パラリンピック閉会後、動きが加速しています
まず20183月5日に韓国の鄭義溶(チョンウイヨン)安全保障室長が北朝鮮の平壌を訪問し、金正恩(キムジョンウン)と妹の金与正(キムヨジョン)と会談を持ちました。この場で朝鮮畔半島の非核化の推進と南北首脳会談実現が合意されました。
握手をする金正恩(左)と鄭義溶
3月8日、鄭義溶安全保障室長はアメリカを訪問し、ホワイトハウスでドナルド・トランプ大統領、マイク・ペンス副大統領、ハーバート・R・マクマスター国家安全保障問題担当大統領補佐官に平壌での会談内容を報告しました。この時、金正恩からの米朝首脳会談の提案が伝えられ、トランプ大統領がこの提案を受け入れ、5月いっぱいまでに会談を行っても良いと述べたことが世界に衝撃を与えました。
鄭義溶の報告を受けるトランプ、ペンス、マクマスター
これで楽観ムード、和平ムードが広がりましたが、トランプ大統領はすぐにそうした動きを鎮静化させる動きに出ます。3月13日に、レックス・ティラーソン国務長官を更迭し、後任にマイク・ポンぺオCIA長官を横滑りで就任させるとツイッターで発表しました。ティラーソンは更迭について事前に聞いておらず、ツイッターで知ることになり、アフリカ訪問中でしたが、すぐにアメリカに戻りました。
マイク・ポンぺオ
そして、トランプ大統領は、3月23日にはハーバート・R・マクマスター国家安全保障問題担当大統領補佐官を解任し、ジョン・ボルトン元米国国連大使を起用すると発表しました。
ジョン・ボルトン
ポンぺオとボルトンの起用は、平和ムードを一変させるものとなりました。2人ともネオコンに分類され、北朝鮮に関しては先制攻撃、金正恩体制の転覆を強硬に主張してきました。そうした2人を外交と安全保障政策のトップに据えるということで、「トランプ大統領はやる気だ」と平和ムードは吹っ飛んでしまいました。
今度は3月25日から28日にかけて、金正恩が中国の北京を電撃訪問し、複数回にわたり習近平中国国家主席と会談を持ちました。金正恩にとっては指導者になってから初めての外国訪問となりました。
金正恩(左)と習近平
このように3月に入ってから、国際情勢、北朝鮮をめぐる情勢は目まぐるしい動きを見せています。しかし、トランプ大統領だけはどっしりと構えて北朝鮮や韓国、中国が動いているのをじっと見ていてやるという姿勢を保っています。トランプ大統領は重要な問題についての主導権と最終判断を決して他人に任せる、委ねる人ではありません。中国と韓国に主導権を握らせることはないでしょう。北朝鮮問題がアメリカの国家安全保障の問題にまで深刻化している以上、トランプ大統領が主導権を持って北朝鮮問題を解決するでしょう。
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