この、おかしな国、日本!どうやって生きていくのが楽しいか?

あ~あ~こんな国に生まれちゃったよ・・・・

株価も他の金融市場は年明けの2019年1月から崩れるだろう・・・

2018-10-28 02:44:51 | 日記

嵐の前の静けさである。

 本は、その最初に一番重要なことを書かなければいけない。それは結論でもある。アメリカの大学の論文の書き方指導(ライテイング)では、「一番大事なことを頭(あたま)に書きなさい」と教える。だから私も、この本の初めを大事なことから書いて読者に伝える。

 年内は、株価も他の金融市場も大きくは崩れない。年明けの2019年1月から崩れるだろう。それでもまだ大した株の崩れ、大暴落ではない。その次の年の2020年が米大統領選挙の年である。その翌年、2021年が危ない。

そして、その先、今から6年後の2024年に、株価が大暴落を起こして、世界は大恐慌に突入するだろう。その年に、日本でも預金封鎖(よきんふうさ)が断行される。

 

なぜ私が2024年を大恐慌突入の年とする、と決めたか。

それはアメリカのドナルド・トランプ大統領が、この年に任期を終えるからだ。2024年は、トランプの2期目4年の最後の年である。このときトランプは、もうすべての方策が尽きて、どうしようもなくなる。このころからヨーロッパ諸国を初めとして、世界中で金融危機が起こる。先進国の諸国の財政が破綻(はたん)し、崩壊してゆく。当然、日本もこれに含まれる。

トランプは1期目4年の終わりの年である、今から2年後の2020年11月の大統領選挙に勝つだろう。そして次の4年(2期目)を務(つと)める。そのときには、トランプは「もう俺は好きなようにやる」と居直る。それでも次から次へと起こる難事、難題を処理することだけで手一杯となる。攻めの政治(それまでに蓄[たくわ]えた政治資源に頼る)が、もうできなくなって、守りの政治になる。トランプはボロボロになって、2024年になると「俺はもう知らん。どうにでもなれ」と責任を回避する。その次の大統領が誰になるか、まだ分からない。だが誰が次の大統領になっても、アメリカの国力の大きな低下と衰退は止められない。

〝リーマン・ショック〟から10年である。

あのときは深く仕組まれていたとおり、ジョージ・ブッシュ(アホ息子のほう)大統領の最後の年であり、黒人のバラク・オバマが大統領として現われた。それが〝9・15リーマン・ショック〟の始まりであり、大統領選挙はその2カ月後の11月3日であった。

これらの動きは大きく仕組まれているのだ。知っている人は、みんな知っている。

まさにあのときと同じように、次の時代の大きな図式がつくられてゆく。その年が2024年である。

トランプは2期8年で、それ以上はもう出られない(任期は2025年1月まで)。「あとは野となれ山となれ」”Après(アプレ) moi(モワ), le(ル) deluge(デリユージユ)” である。

トランプなりには、あれこれ努力して頑張った、となる。

それでもアメリカ帝国は、もうどうにもならない状況に落ち込んでゆく。

「だけど俺は、大(だい)戦争(ラージ・ウォー)だけはしなかったからな」というのが、最大の言い訳となるだろう。トランプは根(ね)っからの商売人であるから、なんとかかんとか諸外国を虐(いじ)めまくって、世界中から資金を奪い取り、自国民(アメリカ国民)の利益になるように、最大限の人気取りの政治をやり続ける。これが「アメリカ・ファースト!」 America First! 自国民優先主義である(× アメリカ第一主義は誤訳。意味不明)。

「(諸)外国のことなんか知ったことか。俺はアメリカだけの大統領だ」

それでも。

アメリカ政府(アメリカ財務省とF(エフ)R(アール)B(ビー))が秘密で抱え込んでいる、裏(うら)帳簿(オフ・ブック off book )の財政赤字が、どうしようもないくらいに巨額(60兆ドル 6600兆円)になっている。連邦(れんぽう)政府(Federal[フエデラル] Government[ガヴアメント] ワシントンの中央政府)の分だけで、これだけある。他に50州と40の大都市の分が隠れている。それと、健康保険と年金だ。これらの真実が外側に露出し露見して、巨大な危機が起きるだろう。同じ先進国であるヨーロッパ(EU[イーユー])のほうがもっとヒドい。

日本だって同じだ。日本政府も同じく、アメリカへの巨額な貢(みつ)ぎ金(上納金[じょうのうきん]。すでに1400兆円)を含めた隠れ財政赤字が原因で、大きな経済変動が発生する。それはもはや従来のような金融危機ではなく、財政危機(ファイナンシャル・クライシス financial crisis )である。

もしかしたら、それは財政崩壊(ほうかい)(ファイナンシャル・カタストロフィ financial catastrophe )にまで至る。これは、アメリカの巨額の隠れ財政赤字を元凶とする、世界的な大恐慌突入と軌(き)を一(いつ)にしたものとなるだろう。それまで、あと6年である。

 


本格的な世界規模の大恐慌は2024年に起こる・・・

2018-10-28 02:15:21 | 日記

2018年10月12日に日米の株式市場が大幅な下落を起こしました。それ以降も下落が続いています。以下のグラフにある通りです。


日経平均株価の動き(2018年5月から10月まで)
https://www.macrotrends.net/2593/nikkei-225-index-historical-chart-dataから)


アメリカ株価の動き(2018年5月から10月まで)
https://finance.yahoo.com/chart/%5EGSPCから)

一方、市場の「不安感」を示す恐怖指数(Volatility Index)は上昇しています。


恐怖指数の動き(2018年8月から10月まで)
https://finance.yahoo.com/quote/%5EVIX?p=^VIX&.tsrc=fin-srchから)

 

 ずばり、「本格的な世界規模の大恐慌は2024年に起こる」と予言しています。2024年というのは、現在のトランプ大統領が2期目も当選しての最終年となります。ここまでに、アメリカ、ヨーロッパ、日本で万策尽き、どうしようもなくなり、最後は「あとは野となれ山となれ」となり、株式の大暴落が起き、世界規模の大恐慌となる。そこまでは、暴落と回復が続くと見ています。



直近のことで言えば、2018年10月中旬から株価の下落が続いています。これは、日米の長期金利(国債利回り)が跳ね上がったことが原因です。以下のグラフにある通りです。国債の金利が上がるということは、それだけ高い金利をつけないと国債を買ってくれる人や団体がないということです。国債の人気がなくなる(不安が大きくなる)ということは、その国の財政に対しての不安感が高まるということです。ここ



 なぜアメリカと日本で国債利回りが上昇しているのか、それは、日米、そしてEU(ヨーロッパ中央銀行)がどれほどの国債を発行しているか分からない、隠された政府債務の財政赤字がどんどん膨らんでいる、ということが少しずつ市場にばれつつあるからだ。アメリカ国債の金利がこのまま上昇していくと、米ドルの信用力が落ち、これが世界的な信用不安につながり、世界規模での株価の下落につながります。

 トランプ大統領は何とかアメリカ経済を持たせて、自分を大統領に当選させた、ラストベルトの白人労働者たちのための政策を行おうとしています。今回の株価の下落は、国債の利回りの上昇が引き起こしたものですが、それを何とか抑えて、今年11月6日の中間選挙での勝利を目指しています。そして、2020年の大統領選挙で当選し、二期目を迎え(アメリカ大統領は二期以上はできない)、やがて万策尽きてしまう、その後は恐慌が起きる

 一言で言えば、トランプ大統領はアメリカの白人労働者のために、中国製品の競争力を削ぎ、政府には関税収入をもたらす(年間18兆円の増収)ために、高関税政策を採用することになったということです。

 中国ももちろん負けてはいません。保有するアメリカ国債を売るという最終手段こそ取りませんが、他に対抗手段を講じようとしています。報復関税も対抗手段ですが、それ以外にもっと意外な方法を取っているようです。

 今年7月11日、中国の王岐山国家副主席(習近平国家主席の親友にして側近)がラーム・エマニュエル・シカゴ市長(バラク・オバマ大統領の大統領首席補佐官を務めた)が会見し、翌12日、王岐山は、アメリカのテスラ・モータースの創業者であるイーロン・マスクと会見を持ちました。



 中国は、アメリカ国内でいじめられているイーロン・マスクに救いの手を差し伸べ、かつ、次の2020年のアメリカ大統領選挙で、民主党の有力候補になり得るラーム・エマニュエル(バックにはミッシェル・オバマ前大統領夫人[ファースト・レディー])を取り込んで、バランスを取ろうとしています。このような中国の動きは、アメリカ国内の動きをよく観察し、分析しているものだと感心させられるものです。

 ロシアは保有しているアメリカ国債を売却し、金(ゴールド)を購入し保有しているようです。『「トランプ暴落」前夜』には、ロシアのアメリカ国債保有量についての情報が以下のように掲載されています。ロシアはアメリカ国債を保有することで、いざという時に、アメリカにアメリカ国債を抑えられてしまうことを懸念して、金を保有するようにしているということです。これはリスクヘッジとして当然の動きです。日本はずっとアメリカ国債を保有し続けねばなりません。



 このようなロシアの当然の動きに対して、アメリカは報復的に金の値段を下げさせているということです。以下にグラフを掲載します。このようなけたぐり合いをすることが国際関係ということになります。



 米中露に関しては、「新ヤルタ体制」「ヤルタ2.0」で世界を動かしていくことになります。アメリカのトランプ大統領が「アメリカ・ファースト」「アイソレーショニズム」=国内問題優先主義で、アメリカ国民のために動くことに対して、中露はリスクヘッジするような動きを見せています。これは、アメリカ、ヨーロッパ、日本の信用不安(国債に対する信頼の低下)から起きるであろう世界恐慌に向けた準備の動きのようにも見えます。


年内は、株高状況は維持されるだろう・・・

2018-10-23 08:20:12 | 日記

この10月10日から、日米で株価が続落した。だが年内は、株高状況は維持されるだろう。アメリカのトランプ大統領は中間選挙(11/6)と年末のクリスマス商戦を乗り切らなければならない。
次の暴落は2019年1月だ。そして2021年に巨大な金融危機が起き、2024年には先進国が財政崩壊に襲われる――この恐るべき〝シナリオ〟は、着々と現実化してゆく。


NY発の株式暴落が始まった・・・

2018-10-12 09:13:26 | 日記



NY発の、株式の暴落で、私は、気が抜けた。 それで、この2日間、金融市場の動きを、追いかけていたのだが、何か書こうとしても、急いで、書く気が無かった。

 
私は、自分が金融・経済の予言者(プレディクター)であることを、こうして、また、予測を当てたことで、誇らしく思う。

今の暴落が、必然であることを、細かく予見して、書いている。

 今朝、12日の日本時間の午前4時に、私は分かったが、NY株式の暴落が、11日のNY市場( 一昨日は、831ドル下落 )も続いて45ドル安だ。 値下がりの最大時には、730ドルの値下がり有った。以下の新聞記事のとおり、2日連続で、合計1377ドル下げた。 

 このあと土日の2日間があるので、おそらく来週初めには、半分ぐらいは、値戻しするだろう。 そのあと、また暴落が来る・・・・。 
 私は、この朝、即座に、次のように反応している。

(転載貼り付け始め)



 今朝、日本時間で午前4時20分に NYの株式相場が終わって、83Ⅰドル の値下がりだ。暴落だ。ついに暴落トレンドが始まりました。私の予測が当たった。 **君、急いで、私たちが苦労して作った 「「トランプ暴落」 前夜」の表紙を、私のメ・アに送って下さい。

 明日、金曜日(日本時間 13日、土曜日の朝4時に終わる)NY株も、暴落が続くだろう。そして、週明けの22日、23日で、すこし持ち直すだろう。 



 今朝、5時過ぎに、弟子の金融の専門家の**君から電話があって、このNYの暴落を知った。私は、そのとき、朝のBBCを見ていた。 昨日の朝の、始め値から、落ち始めていたようだ。

 今、集めた、下↓に並べて示す、日経の関連記事の見出しを見るだけで、分かる。前場で400ドルの下げ。後場に、700ドル下げになった。VIX(ヴィ・アイ・エックス)恐怖指数 が、20ポイントを、急に越した。

 株価の終値が、831ドル下げています。最大下落時には、848ドルの下落があったようだ。 9月26日の PFB、FOMCでのパウエル議長の、政策金利上げ2.25%へ、が、やはり効いた。 それと、東京市場で起きた、HFTの超高速のロボット・取引の、誤作動、暴走が、原因のようだ。

 私は、10月に入って、急激に、財政崩壊(政府債務 崩れからの金融危機)の論調になったのをうけて、本の論調を、ガンガン、「 政府債務の裏(うら)積み上げを元凶とする、財政崩壊へ」 「トリガー(引き金)は、どこかの市場の金融危機、おそらくイタリアとかスペインだろう、が引く」 が、当たった。一昨日のイタリア市場が危なかったようだ。

これで、金融市場の基調、地合いは、世界的に変わるだろう。トランプ が、大統領に当選して、この2年間。 無理矢理、NYの株価を、人為的に、つり上げて続けたのが、いけなかった。無理矢理、アメリカの景気回復を捏造(ねつぞう)して、選挙で勝とうとする、やり方の失敗だ。

 じわじわと、金融市場変わってくれるのが、いちばんいい。 株式よりも、債券市場(ボンドマーケット、国債の市場、長期金利)が、問題なのだと、満天下に、バレるのが

(転載貼り付け終わり)



 以上の通り、昨日の朝、私は書いた。今日の東京市場(=日経平均株価)も下げるだろう。 急いで、ひとりひとり、自分なりに 対策を立ててください。

以下に載せるのは、あとあとの為の資料としての新聞記事たち だ。

(転載貼り付け始め)

〇「 米国株、ダウ続落で831ドル安 2月上旬以来の下げ幅 」

2018/10/11  日経新聞 ニューヨーク=戸部実華

 10日の米株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に続落し、前日比831ドル83セント(3.1%)安の2万5598ドル74セントで終えた。下落幅は2月8日以来の大きさだった。米長期金利の上昇を受けてハイテク株を中心に株式の割高感につながった。米中貿易摩擦の長期化懸念から投資家がリスク回避姿勢を強めたのも相場の重荷だった。

ダウ平均は朝方から大幅安で推移し、午後3時以降に売りに拍車がかかった。前日比の下げ幅は、取引終了までの1時間に400ドル台から800ドル台に拡大した。

 ダウ平均とS&P500種株価指数が、下値支持線とされる50日移動平均を下回った段階で「テクニカル分析に基づく売りを誘った」(スレートストーン・ウェルスのロバート・パブリック氏)との指摘があった。「アルゴニズム(自動計算)に従った機械的な売りも出ていた」(ミラー・タバックのマシュー・マリー氏)という。

 株売りのきっかけとなったのは長期金利の上昇だ。米10年物国債利回りは一時3.24%と前日比0.04%上昇した。金利が上昇するとPERが高いハイテクなど「モメンタム株」の割高感が意識されやすい。モメンタム株とは成長期待が高く、値動きに勢いがある銘柄を指す。ネットフリックスは8%安、アマゾン・ドット・コムは6%安、マイクロソフトとアルファベットは5%安となった。

 米中摩擦への警戒感の高まりも売りを誘った。10日朝、ムニューシン米財務長官は中国が為替操作をしないよう徹底的に求める方針を示したと報じられた。米国が中国への強硬姿勢を強めるとの見方が広がった。

 中国の景気減速も重荷となり、中国事業の比率が高い銘柄が売られた。航空機のボーイングや工業製品・事務用品のスリーエム(3M)、スポーツ用品のナイキ、建機のキャタピラーなどが急落した。

 米国株の予想変動率を示す変動性指数(VIX)が前日から約4割上昇の22.5を付ける場面があった。同指数は投資家心理を測る指標となる。20を超えると不安心理が高まった状態とされ、VIXの上昇もリスク回避姿勢を強めた。

 ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は大幅に反落し、前日比315.966ポイント(4.1%)安の7422.050と5月下旬以来の安値で終えた。下落率は2016年6月下旬以来ほぼ2年4カ月ぶりの大きさとなった。

・ 米国株、ダウ続落で831ドル安 2月上旬以来の下げ幅(5:50)
• 米国株、ダウ大幅続落、米長期金利の上昇や米中摩擦懸念 ナスダックは大  幅反落(5:16)
• 米ダウ平均、一時700ドル超下落 金利上昇と貿易摩擦懸念 VIX指数半年  ぶり高さ(4:43)
• 米ダウ平均、一時400ドル超下落 米中摩擦懸念と長期金利の上昇を嫌気   (0:52)
• 米国株、続落で始まる ダウ82ドル安 金利上昇と米中摩擦を警戒(10   日 22:55)


〇 ロンドン株、大幅続落 6カ月半ぶり安値

2018/10/12 1:04  日経新聞  ロンドン

 11日のロンドン株式市場で、FTSE100種総合株価指数は大幅に続落した。前日10日の終値に比べ138.81ポイント(1.94%)安の7006.93と、終値ベースで3月下旬以来、6カ月半ぶりの安値で引けた。構成銘柄の約8割が下落した。

 10日の米国株の急落から始まった世界同時株安に連動した。この日の米国株の下げが広がるとともに、英国株も下げ幅が大きくなった。石油株と金融株の値下がりが株価指数の下落に大きく影響した。

 石油のBPとロイヤル・ダッチ・シェルがともに大幅安。金融株も下がり、保険のプルーデンシャルの下げが目立った。金融サービスのハーグリーブス・ランズダウンは5%下がった。

 第1四半期の資金流入が3%増加したものの、緩やかな伸びにとどまったと判断されたほか、世界的な株安も響いた。鉱業関連株は、午後に銅価格が上昇に転じたことから下げ幅が縮まった。

 配当権利落ちでそれぞれ住宅建設のバラット・ディベロップメンツは9%超、ガス供給・販売のセントリカは3%超、銀行のHSBCホールディングスも3%超下落した。

 半面、金価格の上げ幅が広がるとともに、関連のフレスニージョとランドゴールド・リソーシズも上げが大きくなり、ともに8%超上昇した。ネット専業スーパーのオカド・グループの値上がりも目立った。


〇 東証、障害招いた「想定外」 高速取引業者が引き金

2018/10/11  日経新聞

 日本株の売買インフラを担う東京証券取引所で9日に起きたシステム障害の原因が徐々に分かってきた。東証によると原因は「ある証券会社からの通常の1000倍を超える電文送信」。背景を探ると海外の超高速取引業者(HFT)の存在と、彼らが日本株売買で存在感を高める中、脆弱な体制も問題として浮かび上がる。

「まさかサイバーテロか」。9日午前7時半すぎ。東証のシステム部は最初の異常を感知した。証券会社の発注システムと東証の取引サーバーをつなぐ回線に大量の「電文」が流れ込んだのだ。
電文とは、ログインや取引をする時にシステム間で発生するデータのやり取りを指す。顧客と証券会社間、証券会社と東証間で取引開始時に毎朝発生する。それ自体は通常だ。問題はなぜ1000倍もの頻度で東証のシステムに流れ込んだのかということだ。

 東証が名を伏せた「ある証券会社」はメリルリンチ日本証券。「ノーコメント」とするが、関係者の話からは顧客の海外HFTが浮かび上がる。

 HFTはコンピューターを駆使し過去の値動きを統計的に分析、1秒に数百万回の高頻度売買を行う。その業者がログインしようとしたところ、何らかのプログラムミスか、システムに入れなかったことでログイン動作が繰り返されたようだ。

 HFTとメリル間のやり取りがそのまま東証のシステムに入った理由はこの業者の「DMA」という取引形態にある。「ダイレクト・マーケット・アクセス」の略で証券会社に売買を委託せず、直接東証に注文が入る。

 東証にとって「落とし穴」だったのは、それが売買注文でなくログインという業務データだったことだ。過去の誤発注やシステム障害などを経て、注文データに関しては証券会社側も東証側もシステムを守るプログラムは強固になっている。だが今回のような注文に関係ないデータの大量送信は想定外だった。

 これが引き金となり東証と証券会社をつなぐ4つの回線の1つで障害が発生。「まだ3回線ある」。そんな東証の楽観を覆したのが、証券会社側で頻発した「切り替え不能」の事態だった。

 万一のバックアップのため、東証は証券会社に対し4回線中最低2回線との接続を義務付けている。午前8時前から東証は証券会社に回線の切り替えを要請し始めた。「マニュアルに基づき淡々と切り替えた」という証券会社もある。だが、取引が始まった午前9時すぎ。ネット上で個人投資家の苦情が広がった。「ログインできない」「注文を出せない」――。

投資家にとっては、使っている証券会社が切り替えできたか否かで明暗が分かれた。切り替えられたのはネット証券や外資系証券。障害が起きたのは野村、SMBC日興、みずほ、三菱UFJモルガン・スタンレーなどの大手証券だ。

 両者の違いの一つは規模。野村など大手は店舗経由の取引とネット取引の両方を抱え、投資家別や手法別に回線が複雑だ。東証の切り替え要請が出た午前8時前後は既に顧客注文が入り始めており「この時点で注文が流れる回線の切り替えは不可能」(大手証券のシステム担当者)だった。
一方、システムそのものでなく運用ミスとの指摘もある。あるネット証券の社長は「大手はシステムベンダーに設計を丸投げしており、切り替え時の設定変更や人員対応を普段からしていなかったのだろう」と話す。

 人工知能(AI)やアルゴリズムが進化する時代に、東証が想定しない投資家の行動が増える可能性は高い。資本主義を支える市場インフラの運営者として東証は新たな課題を突き付けられた。

■損失負担巡り係争の可能性
 東証の障害は10日は復旧し、売買は通常通りできるようになった。だが、前日に投資家が本来意図した取引ができず損失を被った可能性は残る。証券会社は自社のミスと認める場合、「過誤訂正」の手続きをとり顧客に補償する必要がある。

 いち早く被害把握を終えたSMBC日興証券の場合、今回の障害での処理訂正件数は2万5000件に上るという。ただ、証券会社側には今回は「非はない」(大手幹部)との意見が多い。負担を被る証券会社の対応次第では、東証と要因をつくったメリルリンチ日本証券などとの間で係争に発展する可能性もある。

 9日は前の日の中国株安を受け、売り注文が膨らみ日経平均株価は314円下落した。東証株価指数(TOPIX)先物の売り注文上位にメリルリンチ日本証券の名もある。4681枚を売り越し、夜間取引なども含めれば1000億円超だ。

 一方、金融庁が東証に対し金融商品取引法に基づく報告徴求命令を出していたことが10日、わかった。障害が起きた根本的な原因の分析や、バックアップのためのシステムへの切り替えがうまく進まなかった詳しい理由の報告を求める。


〇「 東証システム障害、メリルリンチの大量電文が原因 」

2018/10/9  日経新聞

 東京証券取引所で9日発生した株式売買のシステム障害で、不具合の原因となった大量の電文をメリルリンチ日本証券が送信していたことが関係者への取材で分かった。東証では毎朝、自社の取引サーバーと証券会社の発注システムがうまく接続できるよう電文のテスト送信を実施するが、通常の1000倍以上の電文が集中したため、通信障害が起きたとみられる。

 システム障害を巡って日本取引所グループ(JPX)は9日の記者会見で「ある証券会社からの大量の不正電文が原因」と述べるにとどめていた。野村証券など大手証券会社で売買が遅延したり、一部の注文ができなくなったりする影響が出たものの、10日には障害が復旧する見通しだ。



〇 「 米国株、ダウ続落し545ドル安 値動き荒く、リスク回避姿勢強まる」

2018/10/12 5:47  日経新聞 ニューヨーク=古江敦子

 11日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比545ドル91セント安の2万5052ドル83セントと7月23日以来ほぼ2カ月半ぶりの安値で終えた。前日に800ドル超下落し、11日も不安定な値動きが続いた。貿易摩擦による米企業業績への悪影響も意識され、ダウ平均の構成銘柄すべてが下げた。

 米株の予想変動率を示す変動性指数(VIX)は前日比8.8%上昇し24.98で終えた。2月中旬以来の高さ。20を上回ると市場の不安心理が高まった状態とされる。相場の値動きが荒くなり、投資家のリスク回避姿勢が強まっている。

 トランプ米政権が、大統領と中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席が11月末に会談する方向で検討中だと報じられた。米中摩擦が和らぐとの期待から、建機のキャタピラーや航空機のボーイングなど「中国関連」とされる銘柄が買われる場面があった。だが、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長が「(実現の)確証はない」と述べると中国関連銘柄も下げに転じた。

 12日から米主要企業の2018年7~9月期決算の発表が本格化する。「貿易摩擦が業績見通しにどんな影響があるのか見極めたい」との声が多く、買い見送りにつながっている。

 原油先物相場の下落を受け、シェブロンやエクソンモービルなど石油株が大幅に下げたのも相場の重荷だった。午後にダウ平均は長期の基調を示す200日移動平均を下回った。一段の下げを見込む売りが出て、一時は698ドル安の2万4899ドルと3カ月ぶりの安値まで下げた。

 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続落し、92.989ポイント安の7329.061と5月8日以来ほぼ5カ月ぶりの安値で終えた。アマゾン・ドット・コムや動画配信のネットフリックス、半導体のエヌビディアなど今年の上昇率が大きかった銘柄の下げが目立った。

(転載貼り付け終わり)